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【製作国 : イラン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 風が吹くまま 《ネタバレ》 白い壁の村、山なのか道なのか、屋根なのか道なのか、地形を利用した集落は自然との共存の象徴のような気がする。そこへ訪れる文明人。自動車はオーバーヒート。携帯電話は繋がらない。訪れた理由は風変わりな伝統を持つという葬式の撮影。しかし死ぬはずのおばあさんがいつまで待っても死なない。そもそも「死ぬはず」と考えること自体が摂理に反する。「死」はいつ来るというものではなく、いつのまにかやってくるもの。「生」もまたいつのまにかやってくる。隣家の奥さんがいつのまにやら赤ちゃんを産んで次の日から働いている。「生」も「死」も風の吹くまま訪れる。撮影打ち切りの報を聞き、拘束から開放された主人公がようやく「生」を愛しみ「死」を慈しむ。その穏やかな感情こそが風の吹くままに訪れる「生」と「死」を受け入れるということ。医者のバイクに乗せてもらい美しい地球を疾走する姿、このシーンに生きる喜びが凝縮されている。[ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-01 16:33:08) 2. 桜桃の味 たしかに眠気を誘うほどに静かで淡々とした映画ですが、私は眠たくならなかった。それどころか最初からずっとドキドキしっぱなし。この男、いったい何考えてんだろう?怒りだすんじゃないだろうか、今度は何言い出すんだ?って感じで。けして内面を見せようとしない展開で見る者を釘付けにする演出が絶妙。主人公は自殺をしようとしている。しかしその理由は語られない。語る必要もない。自殺の理由はいくらでも作り出せます。誰もが持っています。だからこの映画は、自殺を思いとどませるのに自殺の理由=原因を解決するのではなく、生きる理由を模索する。美しい空、冷たい水、おいしい桜桃、そして人との関わり、そのひとつひとつが十分、生を見出す理由になる。ラストはびっくりしました。映画はもう終わりましたと我々に言っている。主人公がはたして生を見出したのかどうかは見せずに。主人公は生を見出し、朝を迎えてほしいと観客に思わせたところで、もうこの作品は全てを伝えた、、、そういう意味かもしれない。7点(2004-12-21 12:58:14)(良:3票) 3. 一票のラブレター イランのある島の夜が明けてから陽が沈もうとするまでをたかだか2時間足らずに収めているのに時間の流れがゆっくりに感じる。静かな情景と何も起こらないストーリーゆえにそう感じるのでしょう。島民の生活は誰にも頼らずに独自の風習のもと成され、また自らの生活で手いっぱい。民主主義だの選挙だのということにピンとこないのも仕方ない。でも少しだけ何かが変わっていってるんです。選挙管理人の女性のひたむきさに惹かれる兵士の最期の行動、そして女性もまたいつのまにか後部座席から兵士の隣に座っている。時間をかけてお互いを知ることでちょっとだけ心に変化を見せる二人。言いかえれば(国を動かすことに繋がる)民の心を動かすには時間と根気が必要ということ。焦りは禁物。ソコに銃はいらないのです。先進国のリズムを持ち込んじゃいけない。”ゆっくり根気良く”、我々も立ち返らねば。6点(2004-11-08 13:02:42) 4. 運動靴と赤い金魚 かわいい子供が主役ということだけで、ほのぼのしちゃうんですけど、けしてその部分だけに甘えてはいない。お兄ちゃんの運動靴を仕方なしに学校へ履いていく妹。まわりの子供達がどんな靴を履いているのか気になってしょうがない。で、ぶかぶかで汚くてかわいくない運動靴が恥ずかしくて誰も見てないのに隠す。隠れてないんだけど、少しでも目にとまらないようにがんばってる。でも先生の「ちゃんと運動靴を履くように。履いている人もいるようですね。」の一言にニッコリ。そうそう、子供の時ってちょっとしたことを凄く気にしたり些細なことで嬉しくなったりしたような。大人の監督がよくここまで子供の視点で描けたなあと感心します。裕福な町並みやマラソン大会での他の子供達の描写を通してイランの貧富の差の激しい現状を映す。あまり必要なシーンとは思わないししつこさを感じるが、世界にイランの現状を知ってもらうという意図があったのかもしれない。ストーリー自体はシンプルでわかりやすい。主役の兄妹とお父さんの自然な演技も好感が持てました。6点(2004-05-11 11:25:57)
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