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1. 別離(2011)
《ネタバレ》 決してどこかに「悪」がいるわけではない。一人一人のちょっとした巡り合わせや仕方がなさそうなことの積み重ねで事態が悪い方向へ向かう。このことは冒頭の離婚の話から暗示されていて、最後までずっとそれで進む。
■一人一人それぞれ筋は相応に通っている。でもそれを全体として組み合わせようとするとうまくかみ合わない。そして、そういう翻弄の中で最も口実にされあおりを受けるのが子供や老人といった立場のものである。両親は「娘が・・・」と口々に言うが、本当のところは娘を口実に自分の思いを(悪意はないにせよ)すり合わせているところが多そうに思った。
■ラスト。ずっと出てこないままエンドロールとなったが、そこで暗示されていることは、娘は「どちらにもついていかずに、自分は一人で生きる」ということなのではなかろうか。振り回されるのはもう嫌だ、自分で生きていけるだけの力はある、少なくとも映画ではそれだけの力があるように描かれていたが。[映画館(字幕)] 9点(2012-05-24 22:09:49)《改行有》
2. カンダハール
《ネタバレ》 ■印象的なのは皆さんも書かれているように義足パラシュートのシーン。しかしあれは虚構なんですね・・・
■義足をせびろうとする男性や、ひたすらにたかる子どもなど、言い方は悪いがロクな人間が出てこない。しかしそうした男性も例えば腕がなかったりと、一方的には責めれないところが難しい。いや順序が逆なのかな。
■で、最後どうなったの!?描かないというのは、この流れだと監督が「逃げた」ように思える。[DVD(字幕)] 4点(2010-02-10 00:14:07)《改行有》
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