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1. 12人の怒れる男(2007)
《ネタバレ》 アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされており、評判もかなりいい映画のようなので、恐らく世間一般的には良い映画なのだろう。
しかし、個人的には恐ろしいほど相性が悪かった。見ていて「オマエラいい加減に話進めろよ!」と怒りが何度もこみ上げてくるほどの苛立ちを覚えた。
「12人の怒れる男」というよりも、「12人のイカれた男」ではないかというほど、クレイジーなやり取りが繰り広げられているとしか思えなかった。
タチが悪いことに、オリジナルのネタを下手になぞっているから、怒りがさらにこみ上げてくる。
オリジナルも日本版は好きなのに、ロシアのリメイク版には何一つ良さを見出すことができない。
事件の本題にはほとんど触れずに、勝手に自分の話をして、話が終わったとたん、いきなり「無罪」に変えるといわれても、「はぁ?」としか感じない自分の見方が悪いのか。
なぜ「無罪」に変えるのかがオリジナルに比べて、何一つ理解も共感もできなかった。
本作は陪審員制度を通して、陪審員のそれぞれの思想やバックボーンなどが自然と明らかになり、国が抱える問題点や闇が浮き彫りになるという仕組みではなくて、それぞれが自分のことを事件とは関係なく喋っているようにしか思えない。
訳の分からないロシアのおっさん達が自分の悩みをぶちまけて、演説を単に繰り返しているようにしか感じられない映画を自分は評価することはできない。
また、彼らは“議論”をしているというよりも、根拠も証拠もなく、ほとんど推論と思い込みだけで一方的に話をしているとしか感じられなかった。
とてもではないが、知的な会話や、高度のやり取りがあったとは思えない。
ロシアという国は陪審員制度とは相容れない国であるということを伝えようとしているのならば納得できるが、恐らくそういう趣旨の映画ではないだろう。
オリジナルとは異なるラストも結局何を伝えたかったのかが理解できない。
有罪を超越した「有罪」という概念は素晴らしいが、落とし方がすっきりしない。
結局、彼らは偽善者だったということか(ホームレスを世話しているのならば、面倒みられないのか)。
また、何度も繰り返し描かれる犬のシーンと、少年をイメージしているつもりの鳥のシーン、少年のダンスシーンもうざいとしか感じれらなかった。
恐らく見方を完全に誤っていると思うが、こういう見方をする人もいるということをあえて伝えたい。[映画館(字幕)] 2点(2008-09-27 00:53:21)(良:1票) 《改行有》
2. ナイト・ウォッチ(2004)
《ネタバレ》 悪くはないと思うが、やや物足りなさも感じる作品。
凝った映像は確かに凄いとは思うけど、ちょっと張り切りすぎた感もする。
また、意味不明な映像が流れて、「このシーンどういうことなの?」と思ったら、すぐにきちんと説明されてしまっているので、やや拍子抜けもする。分かりにくい映像なのだけれども、なんとか分かりやすく説明しようとしているので、中途半端に感じてしまう。才能はあると思うので、もっと観客を突き放してもよかったのかもしれない。本作は、「ついて来れる奴だけついて来い」というマニアックな映画ではなくて、凄い映画を作りたいけど全世界に向けた万人向けの映画にしなければならないという矛盾した方向性の基に作られていると思われる。
ストーリーは、バラバラになった複数の糸がラストでは一本に繋がるという展開を狙ったと思うが、セリフ(パラパラ漫画)や画像(ゲーム画面等)など方々で説明しすぎていて、単に緩んだ一本の糸の張りをラストで強くした感じしか受けなかった。
設定は、「X-MEN」そのままという感じがする。人間でありながら、特殊能力を備えた異種とは、まさにミュータントだと思う。光と闇の戦いは、X-MENとブラザーフッドの戦いに似たものだろう。闇のボスのサヴロンはマグニートー(雰囲気も似てるし、クルマをひっくり返すといったやることも似ている)で、光のボスのゲッサーはプロフェッサーX(どちらもハゲ)でしょう。どちらも二人の関係は親しいということも共通している。主人公はぱっとしないところがウルヴァリンに似ている。フクロウ女はジーン、デカイ男がサイクロップス(役に立たないところが似ている)で、金髪の女性はストームだろうか。それぞれの特殊能力もあまり活かされてなければ、使用する武器の貧弱さ、不幸な女のストーリーのあっけない幕切れ感などを踏まえると、原作・脚本がイマイチなのかもしれない。
本作は、ロシア映画ということもあり期待値も高く劇場で観ようと思っていたが、公開劇場の関係でDVDスルーしてしまった。次作が公開されればおそらく観るとは思うが、劇場で観るかどうかは微妙だな。[DVD(字幕)] 6点(2006-09-11 23:42:02)《改行有》
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