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プロフィール |
コメント数 |
354 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
「昔は良かった」という懐古主義ではなく 「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、 昔の映画を中心にレビューを書いてます。
サブスクが苦手。 |
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1. 雌牛
《ネタバレ》 先日ご逝去された高畑勲監督の功績として、数多くの作品を生み出した事もさることながらスタジオジブリの責任者として世界の優れたアートアニメーション作家の紹介と配給に努められた点も忘れてはならない。ガラスペインティングを使用したロシアの作家アレクサンドル・ペトロフも最新作「春のめざめ」がジブリで提供され上映されているが、第一作となるこの作品はドフトエフスキーの短編を大学の卒業制作として制作したもの。にもかかわらずアカデミー賞にノミネートされ、広島国際アニメーションフェスでグランプリを取った事実から、発表当時相当のインパクトを観客に与えたことだろう。作品は農家一家にいる少年と雌牛の物語。雌牛が子牛を生むが、両親はお金に換える為直ぐに子牛を引き離し売りとばしてしまう。雌牛はめっきり元気を失くし心配する少年。それからしばらくして... たぶんこの作品が伝えたかったのは少年の目を通じて見た、「初めて感じた様々な愛のかたち+その豊穣感」にあるのだと思う。この作品と「おかしな男の夢」「マーメイド」が入っているペトロフ監督の作品集DVDは手に入りづらくなったが「春のめざめ」「老人と海」が好きならこの作品集、持ってて損はありませんぜ。機会が有ればぜひ。[DVD(字幕)] 7点(2018-04-20 11:15:06)
2. チェブラーシカ(1969)
《ネタバレ》 私も暗くて色あせた色彩が印象的な本家カチャーノフ版(あわせて初回上映時のDVDの方→ジブリが提供している現行版ではない)を取る。キャラクターの可愛さが先に目につくが、大人になればなるほど寂しげな音楽・各キャラクターの哀愁感溢れる姿態(=特に第一話におけるチェブラーシカ、電話ボックス内の仮住まい。)にやられっぱなし。日本人スタッフ中心に作成された最近のリメイクもその点理解し、頑張っているが「寂しさ」は感じられても「哀愁」の域まで届いてないような気がするのはロシアの風土・文化との相違によるものか。そんな中で文化的なずれを物ともせず、チェブラーシカを完璧に演じきった大谷”ピカチュウ/チョッパー”育江さんの神がかり的、と形容しても良い吹き替えは絶品。日本の声優の技量はホント凄いや。[DVD(吹替)] 8点(2013-09-09 00:29:47)
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