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プロフィール |
コメント数 |
405 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
https://camuson.exblog.jp/ |
自己紹介 |
自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。 もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。 |
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1. 父、帰る
《ネタバレ》 なんとも、とらえどころがない印象を受けました。父親は、旅を通して12年間のブランクを埋めるべく、子供に決して媚びることなく、威厳を持って大人の生き方を教えていこうとするものの、すでに、子供には、父性愛を感じ取る感受性がなくなっていた悲劇、とでも捉えればいいのでしょうか?ロシアの社会状況はわかりませんが、なぜ今(2003年当時)そのテーマなのかというのが、いまひとつピンとこないんですよね。旅に出てから以降は、父親と二人の息子以外に主要な人物は登場せず、父親の存在感は、なかなかいい雰囲気なのですが、子役が演じるところの弱虫な弟が、すねている姿を延々と見せ続けられるのは、かなりキツいなぁ、という感じです。アクションや笑いが皆無なのは、そういう作品だとしても、泣ける話でもなく、すれ違いはあれど、葛藤があるわけではなく、ときどき、青い空や、草いきれや、光る水面に、はっとさせられ、ノスタルジーをくすぐられるところはあるものの、どっぷりと浸かるところまではいかない。現実は映画のように面白くないのも事実ですが、この作品に現実味があるかというと、そうでもない。兄はともかく、弟の方は見た目や行動が、小3~小4程度で、彼が12歳以上だとしたら、あまり現実味を感じない。あえて12年ぶりという設定にしたことも、不可解に思われます。というように、何かすっきりとしない印象を持ちましたが、映像はよくまとまっていて、そこそこ、いい映画に仕上がっていると思います。[DVD(字幕)] 5点(2025-02-10 18:16:51)
2. 動くな、死ね、甦れ!
《ネタバレ》 前情報がない状態で見たのですが、白黒映画で、かつ、フィルムの痛みが激しいことから、1930~40 年代の作品と思いこんで見ていました。後で調べたところ、1989年と比較的新しい作品でした。作者(1935年生まれ)の幼少時の風景や空気を再現するために、その時代に入り込んで撮影したかのように仕立てる。トリッキーとも取れますが、それを凌駕する、映像の凄みを感じました。主人公の少年が住むのは、炭坑と収容所の村。地面はぬかるんで、泥の上に人が集まり暮らしていて、舗装された道はなく、自動車もなく、辛うじて他の町に通じる鉄道があるだけです。住人は、汚れた長屋に、寄り集まって暮らしており、人は多く、叫び声や喧噪はあれど、活気がまるでない。この「不毛」感は、凄いです。主人公も通っている学校は意外と立派でした。公権力の出先として力を入れた結果でしょうか。村の外れでは、抑留された日本兵が強制労働をさせられていて、よさこい節や、炭坑節が聞こえてきます。おそらく作者の望郷には欠かせないものなのでしょう。よどんだ世界の中で、どこか優雅で達観した響きを感じました。そんな中、主人公の少年は、鬱屈感からか、学校のトイレの汚物槽にイースト菌を入れて溢れさせたり、列車を脱線させたりの問題を起こします。その都度、一緒の長屋に住む少女に助けられます。この少女は、非常に賢く、したたかに生活に順応していて、なかなかの人物だなあと感心してしまいました。この作品の中では、唯一の光と言える存在です。時代の停滞した陰鬱な空気を再現して、フィルムに封じ込めたことは評価できるのですが、娯楽としてみると、正直、それほど面白くはないです。娯楽性の高いロシア映画も見てみたくなりました。[映画館(字幕)] 6点(2024-12-04 20:16:00)
3. コーカサスの虜
《ネタバレ》 トルストイの原作は未読です。コーカサス地方とは黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス山脈周辺をいい、南コーカサス(山脈以南)が、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジアなど、ロシアから独立した国家から成るのに対し、北コーカサス(山脈以北)は、チェチェン共和国を含むロシア連邦に属する7つの共和国がひしめく地域です。調べたところによると、本作は150年前に書かれたトルストイの原作を下敷きに、舞台を現代の(当時の)チェチェン紛争に置き換えたもののようです。息子を捕虜にとられたチェチェン人が、捕虜交換で息子を奪還するために、ロシア軍に奇襲をかけ、若いロシア兵(主人公)とベテランのロシア兵の2人を捕虜にするという話で、山岳地帯のチェチェンの一村における捕虜生活と、脱走劇を追った内容です。腕に自信のあるベテラン兵士は、ヒヨッコ主人公を尊大にあしらうのですが、(これはこれで、軍隊の形式張った感じは全くなく、いやみがなく、面白いのですが)捕虜としては何ら変わらぬ立場上、関係が次第に微妙に変化していくところや、捕虜と、監禁主の娘や、看守役の男とのやりとりが、それぞれの立場を踏まえた上で、ごく自然に微妙に変化していくところなどが、取り立てて大きな感動があるわけではないものの、嘘臭さがなく、どこか暖かみがあり、楽しめるのですよね。見始めてすぐにいい映画だと安心できました。でもやはり、戦争なので、背中の後ろはすぐ死がある状況で。。。意外とあっけなく死んでしまうのも、下手に感動を演出していないところもいいです。[DVD(字幕)] 8点(2023-06-27 20:49:02)
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