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プロフィール |
コメント数 |
1274 |
性別 |
男性 |
年齢 |
43歳 |
自己紹介 |
嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。 ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。 程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。 |
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1. グレートウォール(2016)
IMAX 3Dにて鑑賞。
アメリカではトンデモ映画扱いされている本作ですが、確かにこれはかなりの珍品でした。北京オリンピックの芸術監督を務めたチャン・イーモウ監督作品なのに中身は大怪獣映画だし、一応は中国の時代劇なのに主演はマット・デイモンだし、1億ドルバジェットの大作とは思えないほどの闇鍋感が漂っているのです。これまでもレジェンダリーフィルムズはチャイルディッシュな感覚溢れる大作を量産してきましたが、企画のバカバカしさを自覚して作られていた従来作品とは明らかに異なる質感が本作にはあり、基本的に物凄くおかしな話なのに監督も出演者も大真面目にやっちゃってる辺りがトホホ感を高めています。
とはいえ、さすがはレジェンダリーだけあって本編開始後まもなく繰り広げられる第一回会戦の出来は素晴らしい完成度でした。機能により色分けされた禁軍が見事な統制を見せる演出はチャン・イーモウの得意分野だけあって安定の仕上がりだし、対する怪獣軍団の手強さも見事に表現されています。敵味方双方の実力がきちんと描写されたアクションは見ていて本当に気持ちがいいものだし、米中合作らしい異常なボリューム感もあって、とにかく盛り上がるのです。これを見るだけでも入場料の元は十分にとれます。
ただし、序盤のこの戦闘こそが作品中最大の見せ場であり、その後はこれを縮小した見せ場が繰り広げられるのみという構成の歪さ、また、何か感動的なことを伝えようとしているのにすべて上滑りしている脚本のマズさなど、映画としての欠陥が至る所に見えてしまっている点は大きなマイナスでした。その他、主人公の成長物語や立場が違う者同士のロマンス、東西の文化比較などいろいろやろうとはしているものの、すべて中途半端に終わっていることも作品の印象を悪くしています。エドワード・ズウィックやトニー・ギルロイといった一流脚本家が雇われたのに、なぜこれほど脚本の出来が悪いのだろうかと首を傾げてしまったほどです。
また、クィーンさえ倒せば何百万の怪獣軍団を一気に潰せるというハリウッドでよくある攻略法もトホホ感を高めています。高度な知能を持ち通信機能までを有しているんだからクィーンは前線に出ていかず、どっか安全な場所で指示を出していろよと思ってしまいました。[3D(字幕)] 6点(2017-04-16 03:08:58)《改行有》
2. グリーン・デスティニー
登場人物や舞台設定の紹介が一通り終わると、「待ってました!」とばかりに登場するワイヤーアクション。前年に公開された「マトリックス」などは比較にもならない程の本家の素晴らしい技には度肝を抜かれます。演じる俳優及びスタントマンの身体能力の高さ、ワイヤーを扱うスタッフの熟練ぶり、カメラワークの的確さ、どれをとっても超一流です。アン・リー監督のフィルモグラフィーを振り返ると、英国貴族の恋愛物語に、郊外の家庭が崩壊するドラマに、南北戦争ものに、アメコミに、エロティックサスペンスにと、東洋のキューブリックと言えるほど幅広いものです。この恐るべき守備範囲の広さは、未知の題材を徹底的に研究して自分のものとする監督の勤勉さ、主題を丁寧に扱う生真面目さがあってこそのものだと思うのですが、本作についてもその資質は大きく貢献しています。監督にとってカンフーを扱うのは初めての経験でありながら、本作の最初の格闘シーンは香港映画が積み上げてきた実績が見事に吐き出された名場面となっているのです。公開当時本作は極めて高く評価されましたが、最初の格闘シーンを見れば、この映画には何か賞をやらねばと思わされてしまいます。それほどの名場面なのです。一方でこの監督は娯楽には不向きな傾向があり、残念ながら本作も娯楽アクションとしてもう一歩踏み込み切れていない部分があります。クレジット上はチョウ・ユンファがトップではあるものの、本作はチャン・ツィイー演じるイェンの成長物語であることは間違いありません。だとすると主人公イェンの心情を観客は理解する必要があるのですが、彼女が現状から逃げ出したいと思う物語の発端部分が描かれていないため、わがままなお嬢様が好き放題暴れているだけにしか見えません(幸い、チャン・ツィイーの魅力によってイェンは救われましたが)。このため、観客は感情的な部分で物語とシンクロすることができなくなっています。またカンフー映画のラスボスは強敵であるべきなのですが、本作の敵はリー・ムーバイどころかイェンにすら実力で負けてしまっているという設定。残念ながら、これでは盛り上がりません。本作の悪役はチョウ・ユンファ、ミシェル・ヨーというカリスマ俳優を二人も相手にせねばならないのですから、相応の設定を練り上げるべきでした。[DVD(吹替)] 6点(2010-08-21 00:22:27)(良:3票)
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