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プロフィール |
コメント数 |
1274 |
性別 |
男性 |
年齢 |
43歳 |
自己紹介 |
嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。 ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。 程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。 |
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21. 墨攻
《ネタバレ》 原作未読の私にも、要約に苦労したことがよくわかる出来となっています。敵意むき出しだった王子が革離に傾注したり、革離暗殺を命じられた農民たちが革離に信頼を寄せるまでの過程がスッポリと抜けていたりと、唐突な展開が多々見られます。一方で荒っぽい要約が吉と出ている部分もあって、前半、革離が次々と知略を披露して敵を撃退する様は、矢継ぎ早な展開のおかげで彼が戦略家として際立った人物であることを強く印象付けます。アンディ・ラウは革離役に抜群にハマっており、ただ理屈を述べるだけではなく、人々を引きつけるカリスマ性も兼ね備えた人物にきちんと見えます。対するアン・ソンギもアンディ・ラウにまったく見劣りしない悪役となっています。弱小の梁国相手に負けを重ねるという下手すれば無能に見えかねない役柄であったにも関わらず、知性と人間性を併せ持った名将に見えるのですから、この役柄を脚本以上の人物にしてみせたと評価できます。後半は革離の影響力を恐れた梁王一派が粛清をはじめるという興味深い展開を迎えるものの、ここで映画はいったん失速します。基本的に本作はアンディ・ラウとアン・ソンギが引っ張っているため、ふたりが不在となるこの部分が致命的につまらないのです。脚本レベルでは人間の普遍的な残虐性や愚かさを提示しようとしたと思われるこのパートも、良い役者が不在であったり展開に深みがないため、梁王をはじめとした本作固有の登場人物がただ暴走しただけにしか見えません。王子を失った梁王の悲しみや怒り、また革離を排除せよとの命令にいったんは反対するものの、梁王への忠義からその先頭に立つこととなる将軍の葛藤など描くべきものは多くあったにも関わらず、お手軽なドラマ作りのために残虐な処刑等で不快な気持ちにさせられるのみです。しかし、アンディ・ラウとアン・ソンギが戻ってくると映画は再び息を吹き返します。どんな戦闘シーンよりも彼らのやりとりは見ごたえがありました。また、梁王によって反乱軍と見なされ、いったんは国を離れた部隊が趙軍を撃退するのですが、解放された民衆は過ちを犯した梁王を再び担いでしまうという皮肉な展開をとってみせたことには驚かされました。逸越をニアミスで殺してみせたり、民衆の愚かさにさすがに愛想尽かし孤児を連れて梁を後にする革離等、見る側に考えさせるバッドエンドは満点の締めだったと思います。[DVD(吹替)] 7点(2009-06-16 22:39:11)(良:1票)
22. ゴジラ FINAL WARS
こりゃヒデェ映画ですね。「じゃあ、ゴジラシリーズで他に面白いのがいくつある?」と聞かれれば、「そう言われれば、映画として本当によかったのは第1作とビオランテぐらいかもなぁ」なんて答えてしまいそうですが、この映画はそんな程度の問題ではありません。怪獣映画に対するリスペクトがまったくないんですから。ゴジラシリーズの最大の魅力といえば、無邪気な破壊衝動を満たしてくれることにあります。人間って生き物は、ものが破壊される映像を見るのが大好きなんですね。そしてゴジラの前では、観客は素直にその破壊を楽しむことができるんです。実はこれってすごいことですよ。ハリウッドのディザスター映画だろうがガメラだろうが、映画における大量破壊にはそれなりの理由や辻褄合わせが必要となりますが、ゴジラに関してはそれを必要としないんですから。これこそ、ゴジラが半世紀も愛され続けた最大の理由だと思います。そこにきて「ファイナル・ウォーズ」ですが、そのことがまったくわかっていません。観客はひたすら怪獣のバトルを見たいのに、ここでは人間同士のどうでもいいアクションが主体となってるわけですよ。「ファイナル・ウォーズ」とはゴジラにとっての最終戦争ではなく、人間にとっての最終戦争のことだったようです。しかもそのアクションの出来がいいのかと言えば、日曜の朝にやってる特撮ヒーローとさほど違ったレベルではないし。そこまで等身大アクションにこだわるなら、ミュータント=仮面ライダー、X星人=バルタン星人とでもして、とんでもないやけくそバトルにでもすればよかったんですよ。そして、この映画が旧作へのリスペクトを完全に欠いていることがわかるのが、幼星ゴラスから現れるのがシーボーズ似のモンスターXであることです。火の玉から現れる宇宙怪獣、さらにゴジラをも圧倒する最強怪獣といえば、もちろんそこではキングギドラを登場させるべきでしょ。ここでゴジラとキングギドラによる因縁の最終決戦がはじまれば、「これぞファイナルウォーズじゃん」と少しは納得できたかもしれません。とりあえず登場したカイザーギドラなんてダサダサだったし、キングギドラのような美しさがないので全然ダメです。まぁこの映画の唯一の価値といえば、長年顧みられることのなかったガイガンを復権させてくれたことにあります。とりあえず、ガイガンはカッコよかったです。3点はガイガンに捧げます。3点(2004-12-28 16:29:08)
23. MUSA-武士-
韓国映画のたぎるような熱いドラマは、時代劇でこそ真価を発揮するようです。とにかく燃えさせられましたとも。男達がやたらカッコよすぎです。槍の猛者ヨソルのクールさはアラゴルン、隊正チン・リプの老練なシブさはガンダルフ、そしてチェ・ジョン将軍はボロミアとして見ました。ボロミアに弱い私は、やっぱりチェ・ジョン将軍にもやられてしまったのです。家柄のおかげでえらいさんなだけの彼、最初はプライドばかりのイヤミなやつで、空回りばかりしている彼ですが、追いつめられてはじめて自分の無力さや愚かさと向かい合うわけです。そしてそこから一転、彼は仲間と力を合わせ、己が憧れていた真の武士として復活するのです。これぞ男のドラマではないですか!クライマックス、獅子奮迅の活躍を見せる彼にメインテーマが被さるシーンでは、もう立ち上がりそうなくらいに興奮しましたとも。「チェ・ジョン、あんたは本物の男だ。この男の復活記念日には、とにかく斬って斬って斬りまくれ!」ってなもんですよ。しかも、演じるチュ・ジンモが木村拓哉似の男前なのです。これまたやられましたね。その他、ホビットに相当する農民キャラたちにもちゃんと個性や見せ場が与えられてるのが立派です。しかも登場人物の個性というのが、旅の過程とともに明らかになっていくんです。やっぱりこれはキャラ造詣の巧みさだと思います。典型的なハリウッド映画のように「こいつはこんなやつ、あいつはあんなやつ」と最初に個性を明かし、その上でコマのようにキャラクターを配置する方法とは根本的に違うのです。おかげで、とくにヒネリのない、先が簡単に予測できてしまうストーリーラインの弱さも全然気になりません。しかし韓国の役者は、みんないい顔してますね。目とか表情にすごく力があって、本当に男前な人達なんです。日本の役者には見られないスゴ味があるのがうらやましい限りです。そんでまた悔しいのは、韓国にはこの「MUSA」、中国には「HERO」があるのに、一方日本はハリウッドに作ってもらった「ラスト・サムライ」ですからね。日本映画界はもうちょっとシャキっとしてくれないもんでしょうか。そういえば音楽の評判がよくないようですけど、私はあの独特な響きがすごくいいと思いますよ。って思ってると、音楽を担当したのはエヴァンゲリオンの人だったんですね。どうりであんな感じだったわけです。9点(2004-11-21 23:54:46)(良:1票)
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