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【製作国 : 中国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 活きる 《ネタバレ》 ◆不幸、不幸の連続で、途中何度か休憩を入れました。この重い話を二時間ぶっ続けで見るのはなかなか難しいです。◆ただ、丁寧に撮られていることは良く分かりました。主人公夫婦の老いの過程もちゃんと描いていたし、娘には三人もキャストを用意していて、家族の人生をちゃんと描きたいんだなとわかりました。◆それにしても不幸続きでまいります。でも、唯一笑ったのが先生が饅頭をのどに詰まらせたことについて回想しているシーンです。「マントウはお湯につけると7倍に膨れ上がる、先生は7個のマントウを食べたから、49個のマントウをお腹に入れたことになる。」との主人公の台詞に、僕は爆笑しました。◆このことは結構大事で、この作品に一貫して言えたことは、「起こった不幸について主人公達が嘆き苦しむ姿というのはあまり映さず、すべて不幸が起こった数年後に『過去の出来事』として、その不幸を顧みている」という点だと思います。これはおそらく、「どんなに不幸な出来事で傷ついたとしても、時がたてばだんだんと癒えるんだよ」という監督のメッセージで、だからこそ「活きる」価値があるんだと教えられたような気がしました。おそらく、「マントウ~」の台詞が悲劇直後に使われていたら、爆笑はしなかったでしょう。数年後に、顧みるかたちでこの台詞が語られるからこそ、悲劇を笑い飛ばすことができる。そしてそれは、活きているからこそ味わえる、そう思えた作品でした。◆チャン・イーモウは時間の使い方や登場人物の生かし方が抜群にうまい監督であることがわかり、ファンになってしまったので8点を献上させていただきたい。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-05 00:39:06) 2. あの子を探して 《ネタバレ》 ◆僕はチャン・イーモウが好きになってしまいました。◆話としてはシンプルだが、若干ダラダラしている。先生の性格もあまり共感できるものではなく、なんのために生徒を探しに行ったのかよくわからない。◆しかし、それらを差し引いても、この作品は良かった。中国の貧富の格差、教育状況、さらには教育の本質といったテーマを中心として、子供達の可愛らしさや、街の人々のまだ残っている良心を暖かい視点から描いている。◆特に良かったのは、街に行った少年を迎えに行くために、バス代を子供達みんなで計算するシーン。ただ教科書の内容を写すのではなく、実体験に基づく問題をいかに解決するかを考えることこそが本質的なのだ、という監督の教育観が伝わってくる。また、ラストシーンで一人ひとりが色とりどりのチョークを使って一文字漢字を書くシーン。けっして感動を誘うような演出はしていないのだが、子供達の文字を書くときの筆圧や、笑顔、漢字の意味、読み上げる声などが絶妙に折り合わさって、見ているものの涙腺を緩める。◆チャン・イーモウの教育観、人柄、それから中国に残っている温かさ、子供達の可愛らしさ、それらが融合して一つの素晴らしい作品ができあがっている。8点を献上させていただきたい。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-18 15:50:57) 3. カンフーハッスル ◆観て一日経ったが、何か凄いものを見たなぁ~という気分は残っている。『ファインディング・ニモ』を見た後にも同じような感覚を抱いたけれど、CGを駆使して剛速球を投げられると、何かすごい夢を見ていた気分になるのである。◆ストーリーはほぼすっ飛んで、後味だけが残る。まるで炭酸飲料のよう。・・・粋じゃないですか。6点を献上させていただきたい。[DVD(字幕)] 6点(2006-02-09 23:27:48) 4. 初恋のきた道 《ネタバレ》 ◆愛する二人の「距離」を巧く描いた作品だと思います。中国の大地と自然、それから親切な人は、愛する二人にとって障害以外の何物でもなく、物理的にも、なかなか二人の「距離」が縮まっていかない。恋人の朗読する声、恋人を運んでいく馬車の音、聞こえるのに届かない(途中では転んでしまったりして)、そんなじれったい思いが見ているほうにも伝わってきます。◆しかし、最大の山場である二人の恋が実る場面は、回想に任せてしまっています。あれだけ盛り上げといて行間を読ませるとはどういうことだ!と思ってしまいがちですが、やはりそれは白黒で表された「現在」のシーンから読み取っていくのが、観客としての義務なんでしょう。◆あの歩き方は素晴らしい、それから、学校の破れた障子を治すシーン。あれ、ほんとに彼女がやったんじゃないですかね。なんかそんな気がしてならない。父の教育云々は後付けな印象を受けました。◆二人の「距離」、それから言葉にできないじれったい思いを見事に表現した今作に8点を献上させていただきたい。(米題の『THE ROAD HOME』はちょっといただけないですね。邦題のほうがいいと思います。)[DVD(字幕)] 8点(2006-02-07 13:15:17)
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