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プロフィール |
コメント数 |
300 |
性別 |
女性 |
自己紹介 |
観た映画は皆レビューするのを目標にこつこつ投稿してます。レビューするほど覚えてないものも沢山あるけど。海外暮らしなので近年観てるものは字幕なし、又は英語+英語字幕が主な鑑賞環境です。ケーブルでまたWOWOW配信してくれないかなあ。 |
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1. あの子を探して
《ネタバレ》 英語映画と現地語映画以外の上映はめったにしない国に住んでますが、中国の中々面白い映画をやっていると聞き観に行きました(英語の字幕ついてました)。いや、良かったですね。まず13の少女に代替教員をやらせること自体驚きですが、それにしたって「写しなさい!(ぶすっ)」ですからね、お前は金さえもらいりゃいいのか、って。もうぶん殴ってやりたくなるような、無愛想で不熱心なヒロインのキャラに釘付になります(笑)。その上、彼女がホエクーを探しにいく動機が「1人も欠けないことを条件にもらえる報奨金」であり、そのために生徒を働かせて旅費を稼いだりと、「おいおいこりゃあなんだ?恵まれない山村でも、ティーンエイジャーは身勝手で生意気なんだぜって映画か?」などと思ってしまいます。でもそれだけにリアリティがあるんですよね。そしてその後、ヒロインの心境は子供らしい不安に転じていくのですが、これが全く無理がありません。子供の撮り方がすごく上手い。行き当たりばったりの行動力で都会に出たものの、ホエクーは見つからない。引き返すことも出来ない。どこにいるの。何でもいいから出てきてよ。そういう泣きそうな気持ちがすごく伝わってくるんです。見つかればいい。目的がホエクーを見つけることそのものになっている。だからTV放映(まあ、TV放映される経緯はいささかご都合主義ですが)での涙には説得力があります。そしてその放映を観たホエクーの表情がまたいい。小さな子が出稼ぎをするというのも深刻ですが、誰かが自分を気にかけてくれている、それを驚いているのがいじらしかったです。この子は愛嬌があって中々かわいいんですが、こういうヒロインと対照的なキャラの見せ方も上手いなあ、と思いました。そして色とりどりのチョークでヒロインの少女と子供たちが好きな字を黒板に書くラスト。少女が初めて見せる笑顔、“先生”らしい表情。あのぶん殴りたくなった少女は(最初の動機が何であれ)、ああやって生徒を探す旅に出て、こうして成長したんだな、と素直に感心できました。しかし急進の中国も田舎じゃまだこんなんなんだな~ってのは驚きでした。そういう事情を見せたことでも、いい映画だと思います。[映画館(字幕)] 7点(2009-04-23 13:07:57)(良:1票)
2. ラストエンペラー
よく、敦煌や蒼き狼で日本語喋ってて全然だめ!という意見があるが、中途半端なのがもっとダメ。映画もお芝居なんだから、この映画の世界では英語が中国語なの!って、舞台劇風の割り切りをするならするで徹底させないと。フィガロの結婚を英訳までしてオペラシーンを作ったアマデウスを見習いなさい。中国語で作れないのに、下手に中国語を混ぜてるからおかしくなる。それなら頑張って中国語で作れって。まあ、この点は-1。
さて、そこには目をつぶって作品を見る。これは歴史ものだが、どこまでが実話でどこからがフィクションなのか私には詳しくは判らない。満州生まれの母は大きな関心をもって観ていた。母は子供の頃、まわりの日本人とふぎ・ふけつだってぇ、きったねぇ名前ー、なんて言ってたとか。日本人にとって、子供も大人も自分たちが支配者であり「満人」は皇族でさえ蔑みの対象だった。そんな傀儡政権であることは百も承知で飛びついた溥儀。幼時に滅びた清朝最後の皇帝であった彼に、「皇位」はかくも魅力的だったのだが、それが解る観客に優しいストーリー運びになっている。詳しい事実が解らないので強くは言い切れないが、歴史上の人物の一代記としては要所要所を見せ、上手に刈り込んでるのではないか。皇后の末路は一番痛々しかった。二次大戦時の日本軍の描き方が類型的な気がするが、このあたりはヨーロッパ映画だから仕方ないのかな。歴史の荒波に晒され続けた溥儀が、庭師となる余生には心から安堵。ジョン・ローンの老け方が上手い。文革時代には軽くしか触れらておらず、もっと色々あったんちゃう?と思うものの、これ以上の描き方をするとテーマが散逸して中途半端になるので、映画としてはこれで正解だろう。今度観る時はウィキレベルの知識は叩き込んでおこうっと。にしても教授の音楽は流石だ~本当に素晴らしい。まあ甘粕大尉は俳優にやらせた方がよかったんじゃないかと思うが…[映画館(字幕)] 7点(2009-02-24 13:52:26)《改行有》
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