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1. 相棒 -劇場版Ⅲ- 巨大密室!特命係絶海の孤島へ 《ネタバレ》 青い海、青い空、緑の島に、迷彩服の男女たち・・・・・・このビジョンをずっと流されると飽きてしまった。そのうち、東京の街なかで、ふつうに殺人事件が起こり、ふつうにカジュアルな服を着た人たち、フェミニンな女性たちが登場してくれないかと望み薄ながら期待し始めた矢先、相棒チーム全員がヘリで送り返され驚いた。(本当に舞台を街なかに移してくれるのか!?)・・・・・・そんなはずはなかった。生物兵器の扱いは、薫ちゃん最後の事件、レベル4のイメージが強烈に残ってるし、映画といえどもあれを越える展開はありえないだろうとたかをくくっていたら本当にありえなかった。映画が終わる頃には、『レベル4』 または 「一粒の麦もし死なずば」 の 『顔のない男』 の2作品を猛烈に見返したくなった自分がいた。[地上波(邦画)] 3点(2015-04-20 00:53:44) 2. あなたへ 《ネタバレ》 主役級の実力俳優があちこちにいて、健さんとは直接関係のない人間模様がいろいろ展開されていたのは残念。主役が他の俳優だったら、あの流れでも構わないし、本の中で同じ展開になっても大いに感動を呼ぶだろう。しかし彼が主演であれば、複合的なエピソードで感動を膨らませる必要はない。たった1つの、夫婦だけのエピソードで充分だ。それほど彼の存在感が大きいからだ。あるいは、無名の俳優が脇を固めていた方がしっくりきたと思う。 また、2通目の「さようなら」は意味深だった。「しあわせでした」「ともにいます」「ありがとう」すべて平凡だ。「さようなら」の言葉の余韻は測り知れない哀愁とミステリーを含んでいる。原作の手紙から一気にこの一言に絞った脚本はすばらしい。ストーリーには少々不満だが、健さんの魅力を十二分に味わえて、大満足の鑑賞だった。[映画館(邦画)] 10点(2012-10-01 20:21:33)《改行有》 3. 悪人 《ネタバレ》 逃亡者の2人は浅はかすぎて、とても同情できない。ろくに知りもしない女の子を追い回したあげく、罵られて殺害、遺体を路上から投げ落としてるし、女性は出会い系サイトの男性と当日ホテル入り。すごい若者たちだ! どれほど寂しかったか知らないが、理性がなさすぎ。光代はストックホルム症候群に陥っていたのかもしれないが、本能のおもむくまま行動し、社会に多大な迷惑をかけたことを考ると、「(私たちって)悪人ですか?」 と問われれば 「甘ったれるな!」 と怒鳴りつけてやりたい。(悪人というか愚か者だよ) また、どうして灯台やら、朝日やら、ロマンティックな演出で彼らを美化しなければならないのか。いっそう彼らのひ弱さ、未成熟さが強調されてしまうのに。恋人を逃避行者にさせないため、警官たちが乱入するタイミングで祐一がわざと光代を襲ったのは上出来だけど、さっさと自首していれば、それこそ光代は無傷で済んだのだ。彼らの不器用さが感動を呼ぶのかもしれないけれど、「もうちょっとシャンとしろよ!」 といらいらしてしまうのは私だけ?[DVD(邦画)] 3点(2011-05-21 14:31:06)(良:1票) 4. 阿弥陀堂だより 《ネタバレ》 癌の痛みからどうしても伏していられず、それでも座して騒がず、妻に死期を悟った挨拶をする。幸田の潔い姿に、さすがに刀を所持していただけの侍魂を持っていると感動した。一瞬泣きくずれそうになった妻は、夫の死の覚悟を乱さぬよう必死で耐えて、やがて座りなおすのだが、その一過程がたとえようもなく美しい夫婦愛に見えて、侍とその妻の美学を感じた。外国人は刀やちゃんばらに熱くなるけれども、侍のスピリッツがあって初めて美学に通じるものだとは、なかなか分かってもらえないだろう。強ければいい、かっこよければ全てよしだから、例えば、淋しいけれどもモンゴルの人たちは朝青龍引退の件に対して反日感情を募らせるのだし、彼らがこのシーンを見ても、どうして妻が泣き崩れないのか理解できないだろうと思う。また、人の顔をアップにして必要以上に喜怒哀楽を強調せず、かなりカメラを引いて遠巻きから人々を映している。その姿勢には、監督の誠実さを感じずにはいられない。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-14 14:58:35)(良:1票) 5. 天城越え(1983) 《ネタバレ》 こんなに下ネタの多い映画だったとはびっくり。菓子屋の春画に始まって、腹を下していた通報者、良作たちの放尿を浴びたり、布団を汚す土工、腐乱死体、ハナの失禁と続く。それに加えて、建造の母と叔父、土工とハナの交わりは目を覆わんばかりの醜態で描かれる。ハナの妖艶美や菩薩のような優しさは、逆にこれら生の醜さが支えているといっていい。社会的な冷遇を受け続けてすれっからしになっていた彼女は、自分のために泣く少年を前にして素顔に戻るが、この瞬間、初めて少年の罪を悟ったのだと信じたい。奇妙に少年を見つめた後、微笑んで、当人にしか分からないよう小さくかぶりを振るからだ。性欲を抑えられない根っからの娼婦の性や凶暴性と、母性や寛容性など、相反する面をいくつも持っている彼女は、まるで子供をとって食べたという、荒々しくも深い愛情を持つ鬼子母神のよう。しかし、もし土工と出逢わず、無事2人が野宿したとしたらどういう結末が待っていただろう。想像がつくだけに、それはそれで困るのだが・・・・・・。[DVD(邦画)] 9点(2010-03-04 14:20:46) 6. アポロ13 この映画でトム・ハンクスの魅力に痺れ、一気にファンに。感想など一口に述べられない。とりわけあんな怖い状況は想像だに恐ろしい。暗い宇宙にたった三人だけが存在し、狭くて氷のような空間に閉じ込められて、酸素と水と二酸化炭素に苦しめられる・・・・・・人類の叡智を絞りつくして造られた宇宙船の中で、こんなシンプルな元素を相手に格闘しなきゃならなかったなんて皮肉としかいいようが・・・・・・。船の中では人間は生存するために、物理的に最低必要なものとは何かをつきつけられる。その厳しさに言葉もなかった。とにかく鑑賞中は閉所恐怖症になりそうだった。10点(2003-12-17 22:19:30)(良:1票)
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