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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  あした やはりと言うか予想通り何かと酷評されてはいるけど、私はこの作品も大林宣彦監督らしい優しさが画面全体通して伝わってきて好きです。どんな人にも心の中に大切な存在である人が一人や二人はいる筈です。そんな大切な人がもう、今はいない。けど、そんな人ともしも、また再会出来るとしたら?そういう人としての思いが描かれています。そして、この映画のタイトルにもなっている「あした」正しくこの映画のテーマは「あした」。この映画が言いたいこと、大林宣彦監督が言いたいことはあしたがあるということのありがたさ、大林監督の映画の多くに見られる「死」についての描き方もけして、後ろ向きなだけの捉え方をしてない。あしたを生きろ!命の大切さ、これぞこの映画の中で一番、言いたかったことだと思います。[映画館(邦画)] 8点(2007-07-07 18:26:55)

22.  赤い殺意(1964) これこれ、これこそ今村昌平監督らしい演出の力強さ、後味こそあまり良くないが、何か観ていてゾクゾクとする。寒気のする演出によって生まれる恐ろしい映画になっている。主演の春川ますみの不気味な表情とトボケた表情がどことなく哀しい。哀れな人生をここまでやるか?ここまでじっくり描くか?今村昌平監督!尊敬する東北は青森県生まれの川島雄三監督に対する思いが東北弁の台詞により見てとれる。そして、この映画、撮り方も本当に恐い。電車に煽られる春川ますみが本当に恐い。「黒い雨」も含めてそれ以降の今村作品には不満の方が多いが、やはりこの頃の作品は凄い。まだ未見の今村昌平監督作品がかなりあるので、これがベスト作品かどうかは他のも観てから決めたいと思うが、晩年の今村作品にはないゾクゾクとする雰囲気がこの映画には十分ある。[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-16 17:58:51)

23.  あした晴れるか 《ネタバレ》 ここ最近、芦川いづみ目的に川島雄三監督作品以外での芦川いづみばかり観ている。勿論、そうなると自然に石原裕次郎を観る機会も増える。そんな二人の作品、最近見たこの二人の映画ではこれが面白さという意味では一番面白かった。新聞社で働く石原裕次郎演じる一人の青年とそんな石原裕次郎と共に行動する芦川いづみ、更にはバーで働く一人の女との駆け引き、男と女との壮絶な戦い、石原裕次郎が撮った写真をめぐり、やくざまで出てきて(巻き込んで)の何ともハチャメチャな展開と言葉の応酬が面白い。石原裕次郎と芦川いづみの喧嘩ばかりしてはいてもそんな喧嘩がどこか楽しくて良い。二人の上司が君はどんな子が好きなのか?常に眼鏡をかけていて、いつも不機嫌そうな芦川いづみとエリザベス・テイラーとを比較するという何とも比べにくいなあ!エリサベス・テイラーも良いけど、私は断然、芦川いづみです。そうだなあ?芦川いづみをハリウッド女優に例えるならどちらかというオードーリー・ヘプバーンかナタリー・ウッドだと私は勝手にそう思っている。とにかくこんな不機嫌そうな芦川いづみでもやはり可愛くてたまらん。[ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-04 11:04:51)(良:1票)

24.  青い山脈(1949) 《ネタバレ》 若く明るい歌声に♪で始まる日本を代表する有名な曲「青い山脈」の主題歌がタイトルにもなっているこの作品、初めて観ましたが予想通り、いやいや、予想していた以上に良かったです。この映画が作られた1949年って言うと、戦後まもない頃ですよね。敗戦によって失われつつある人々の明るさとでも言うのかなあ?何だか上手く言えないけど、この時代に作られたことが物凄く大きな意味を持っていると思いました。敗戦によって暗く沈んだ人々の心に爽やかな感動を与え、観る者に生きる喜び、勇気を与えたこと間違いないと私はこの映画を当時、リアルタイムで観た人の多くは思ったに違いないと思うわけでして、作品全体(役者からなにから全て)に漂う開放感、素朴さの中に一つの青春の明るさを観ることが出来た気がして、戦争経験のない私にもとても新鮮な気持ちで観ることが出来ました。この映画の中に登場する、原節子の気品溢れる教師ぶり、杉葉子と若山セツ子の初々しさ、特に大きくて丸い眼鏡をかけた若山セツ子のお蝶さん、いや、お蝶さんは「次郎長三国志シリーズ」だった。そやなくて、和子さんがこれまた物凄く初々しくて良い。「次郎長シリーズ」のお蝶さんとは良い意味で全く違う雰囲気の、いかにも昭和の時代の女学生って感じで良い味、出しています。他にも芸者に扮する木暮実千代の色っぽさ、会議のシーンでの木暮実千代が最高!「会議の時などにしかめ面している男ほど、女の人にぶたれるのが好きなんだよ」とか言ってるシーンなんて、可笑しくて、可笑しくて、女優陣に負けず、男優陣にしても全員が良い演技していると思います。とにかくこの映画、日本社会における封建制度に対する批判をしつつも、けして、単なる社会派のお堅い内容となることなく、それでいて嫌味な作品にもならず、一本の青春映画としてきちんと作られていて素晴らしい!間違いなく今井正監督の代表作として語り継がれる一本だと思います。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-14 21:38:39)(良:2票)

25.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 昨日の小津安二郎監督のフィルム映画に続いて、今度はもう一人、これまた日本映画を代表する名監督中の名監督の一人である溝口健二監督の記録映画もということで、小津監督を見たら溝口監督も見なくてはならないと思って、一緒に借りてきました。そして、これまた昨日、見た小津監督のフィルムに続いて、見応え十分!溝口健二監督と共に仕事をした素晴らしい俳優、素晴らしい脚本家、カメラマン、その他溝口健二監督作品に携わった多くの関係者のインタビューを聞いて、溝口健二監督も素晴らしい監督であったと共に一人の人間としても素晴らしい人物であったということが解る。日本人なら黒澤明監督は勿論、小津安二郎監督にそして、溝口健二監督も見るべきだ!それだけ溝口健二監督の映画には日本人的な美の世界が写し出されている。少なくとも現代の日本映画にはない何かがきっと見つかるはずです。この記録映画を見ると、私は勿論のこと、今まで知らなかった世界、溝口健二監督の素晴らしさ、溝口健二監督作品にもっと興味が沸くこと間違いないと思うし、少なくとも私は今まで以上に溝口健二監督の作品にも小津安二郎監督同様、興味が沸きました。とにかくまた一つ、素晴らしい記録映画を見た思いでいっぱいです。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-16 22:47:14)(良:2票)

26.  愛のお荷物 川島雄三監督、この監督、本当に頭の中、どうなってるのかと思いたくなります。この作品にしても何とも不思議な魅力いっぱいで、観ていて楽しい。よくこんな内容の作品を思いつくものだと感心させられます。まずは冒頭の証人喚問でのやりとりからして笑える。本当は赤ちゃんなど欲しくなかった筈なのに赤ちゃんが出来てしまった。そのことに対しての証人喚問とその時の周りの人間の見つめる視線、そして、代議士とその息子、更にはその嫁さんにその両親と、その他色んな人達を交えての人間模様、いやあ、何と言うのかこれもまた可笑しくて、どこか哀愁も漂う。個性派の俳優勢揃いで楽しい作品になってます。個人的には東野英治郎のじいちゃんが最高です。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-17 21:49:34)

27.  仇討(1964) 日本映画に名を残す名監督の一人と言われている今井正監督による本格派の時代劇で、主演が中村錦之助のこの作品、何年か前にビデオで観ましたが今の時代のただチョンマゲつけて侍のかっこしているだけのそこらの二流、三流の下手クソな俳優とは違って、中村錦之助の役者としての魅力いっぱいの時代劇です。私もこの作品の中で一番の見所は中村錦之助の眼の演技、これが役者というもの、時代劇俳優なんだということをこの映画を観て思いました。出来れば一度だけでなく、もう一度、観たいと思うそんな日本映画全盛期の良かった時代の本当の意味での時代劇映画です。[地上波(字幕)] 8点(2005-10-31 22:15:41)(良:1票)

28.  穴(1957) またしても面白い映画、見つけ!この映画、面白いです。タイトルは穴ですけど、穴てよりワナて感じの作品で、人が人を陥れる様子をテンポよく描いていて面白い![ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-08 22:52:38)

29.  あの夏、いちばん静かな海。 日本映画のベタベタした恋愛物は観る気がしないのと、どうしても好きになれない。けど、これは良い!この映画そこらの下手くそな恋愛ものとはわけが違う。物凄い静かでしかもほとんど台詞もない。だけどこの映画には主役の2人の切ないまでの恋の物語が映像と共に伝わってくる。久石醸の音楽も素晴らしいし、キッズ・リターンに次ぐたけし作品では二番目に好きな映画です。[DVD(字幕)] 8点(2005-06-02 22:23:51)

30.  赤毛のアン/グリーンゲーブルズへの道 高畑勲監督の作品、テレビアニメと映画全ての中で最高の作品はアルプスの少女ハイジか赤毛のアンのどちらか以外は考えられない。そこに母をたずねて三千里を入れた3本がベスト3で、じゃりン子チエも欠点を含めて同じぐらい好きだが、そんな高畑勲監督による児童アニメの名作赤毛のアンの第6話までの話を編集した今作、テレビアニメが作られてから20年も過ぎての公開に何故?と言いたい。アンの純粋さ、マシューの優しさ等見所満載ですがやはり物足りなく感じるのはテレビアニメを何度も見てるファンとしては今作だけで赤毛のアンの魅力、素晴らしさを一度も見た事がない人に全部伝わるか?一度も見た事がない人に対して、1話から最終話までの話をノーカットで全て見せたい。高畑勲監督の残した功績、赤毛のアンの素晴らしさを今作を見ることで全話見てみたいと思ってくれたらと思うし、天国の高畑勲監督もそう願っている筈です。[DVD(邦画)] 7点(2018-04-07 12:33:23)

31.  あいつばかりが何故もてる 渥美清の映画初の主演作品です。渥美清が後に国民的作品となる寅さんシリーズの原点の様な話だけど舞台は下町ではなく、都会の中の都会と言える様な銀座です。スリに扮する渥美清、そんな渥美清が恋する相手がなんとさくら、いやいやここでは写真家の倍賞千恵子、渥美清を追いかける刑事には森川信、寅さんファンとして、贅沢な組合せ、他にも個性的な俳優勢揃いです。作品としての完成度、面白さでは寅さんシリーズ程ではないし、渥美清本来の笑いながらも泣ける要素もない。物足りなさも感じる。それでも出てくる俳優の顔ぶれだけで嬉しく思えてしまいます。渥美清と森川信の共演なんて寅さんでしか殆ど味わえない中でのこの二人の共演は本当に嬉しい。この二人の寅さん以外で見る事の出来る貴重な作品でもある。寅さんファン以外にはさほど強く勧められない作品かもしれないけど、寅さんファン、そして渥美清ファンで森川信のおいちゃんが好きな人には見て損のない作品です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-01-27 21:30:14)

32.  あヽ同期の桜 《ネタバレ》 軍隊なんて如何に地獄であるかとでも言ってる様である。鶴田浩二が「便所の中が一番だ。何故なら一人になって色々考えられる」みたいな事を言うのだが、その理由が軍隊の厳しさを物語っている。至って真面目な軍隊映画であるから面白いという内容ではない。いずれ死に向かって生きる若者の精一杯の今を生きようという内容であって色々と考えさせられる映画になっていて、お涙頂戴みたいな昨今の安っぽい邦画にはないしっかりした映画になっています。そういう意味で見て損のない映画!鶴田浩二が仲間にお前には軍服は似合わないよと言われるのを聞いて確かにそう感じなくもない。軍服よりも浴衣姿のが似合うと思うのは任侠映画きり出てるからか? [DVD(邦画)] 7点(2014-04-27 18:52:56)《改行有》

33.  愛の讃歌 《ネタバレ》 寅さんより前にまるで寅さん見ているような感じにしか思えないようなこの映画を撮っていた山田洋次監督。伴淳三郎が放つ台詞がもう寅さんの原型です。ご苦労様!いやあ、渥美清の顔が自然に浮かんでくるし、タコ社長こと太宰久雄、ここではタコ社長ほど愛嬌はなく、どちらて言うと無愛想で愛嬌は感じられないが食堂に居る。何だかそれだけで寅さんみたいだ。更に親子喧嘩して出て行く息子を見送る賠償千恵子、これなんか晩年の作品で賠償千恵子(さくら)が博(前田吟)と喧嘩して出て行く吉岡秀隆(満男)を見送るみたいだし、色々な意味で二年後に始まる寅さんのパターンがここで完成されてる。渥美清不在が物足りなさを感じるし、山田洋次作品としてはけして上位に入る作品じゃない。それでも寅さんの原型を見る事ができる作品として、どこをどう見ても山田洋次作品だと思わずにはいられないという意味で山田洋次ファンは勿論、寅さんファンなら楽しめる作品になってる。脇役の中ではやっぱり小沢昭一が可笑しい。いるだけで楽しめる。最後に舞台が瀬戸内海、やっぱり山田洋次監督はダウンダウンヒーローズでも感じたように木下恵介作品が好きなはずです。[DVD(吹替)] 7点(2013-07-03 21:50:50)

34.  秋立ちぬ 成瀬巳喜男監督が子供映画をというのは珍しい。子供が出てくるというものは成瀬映画には他にも沢山、ある。しかし、子供の視線から大人を見つめて描くというものはあまりないように感じられる。そんな中でもどこか成瀬映画ならではの空気、張り詰めた中にも子供が健気にしている場面などを見ると、ドロドロしすぎてなくて、子供映画としての空気というものが見えて、そういう意味では安心して見ていられる。物凄いドラマが展開されるかというと、そういうものを期待してしまうと物足りないし、私もそういうものを求めてしまうのがこの監督の映画においての期待であったりもする。安心して見られる反面で他の成瀬映画の傑作の多くに比べてしまうと物足りない気もしなくもないが、子供を描かせても成瀬巳喜男監督は巧みに見せてしまう上手さというものを感じられるそんな映画になっている。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-11 12:00:14)

35.  安城家の舞踏会 《ネタバレ》 何だかヨーロッパ映画を見ているような錯覚を起こすのは、チェーホフの「櫻の園」をモチーフとしているせいか?日本映画を見ながらヨーロッパ的な香り、雰囲気が漂う。没落華族におけるその中で最もしっかりしている原節子と終始、マイペースでいる森雅之、この二人の存在なくしてこの映画は語れない。華族制度の崩壊によってそれまで築いて来たプライドを引き裂かれる家族達、自分達の弱みに付け込む新川一家の大黒柱である父とその娘、他にも様々に人間が入り乱れて凄まじいドロドロした雰囲気を醸し出している。人の弱みに付け込む者と付け込まれる者、人間ってやはりお金が無ければ生きて行くことは出来ないし、一人では生きていけない弱い生き物であるということがこの映画を観ると余計、思わずにはいらなくなる。それにしても原節子が父親が死のうとする所を止めに入る場面のあの凄まじいほどの体当たりを是非、今の日本のラクビー選手全員に見習って頂きたい。人の命がかかっていると人間は物凄い力を発揮すると原節子のあの体当たりを見て感じました。そうそう、それと、昨今の言葉の汚さ、何を言っているのか全く解らないような品の無い、落ち着きのない言葉を連発する若者、特に若い女にはこの映画を見て少しでも原節子の発する言葉の美しさを見習って欲しいと思う。もっともそんなこと書いたところで今の若い人達がこの映画を観るかどうか解らないし、まあ、見ないだろうなあ![ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-06 11:02:10)

36.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 高倉健さんの裸踊り、いやはや、こんなお茶目な健さん、なかなか見れません。自分、不器用ですからと言ってる健さんの姿からは想像出来ない姿が新鮮であり、微笑ましい。監督が石井輝男監督てことからなのかな?他の作品、特に私にとっての健さん、高倉健という俳優は任侠映画での口数の少なく物静かな健さんてイメージからしたらあの裸踊りはあれが本当に健さんなのか?と思ってしまいます。作品としての出来や素晴らしさ、高倉健という男が惚れる男の中の男ぷりなどではもっともっと素晴らしい作品があると思うが色んな意味でこれまた違った俳優高倉健という1人の男を見せて貰えたという意味では見て良かったそう思える作品です。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-08-02 22:46:27)《改行有》

37.  杏っ子 《ネタバレ》 これまた何ともドロドロした夫婦の関係だなあ!前半はかなりのほのぼのした空気に心地良さを感じるものの、香川京子が木村功演じる売れない小説家と結婚してからのあまりの冷えきった空気、ドロドロとした空気、香川京子が耐えに耐え、とこんと嫌なめにあう。何もここまで酷くしなくてもと思えてしまうぐらいのいたぶり方です。そんな中でも常に志しを高く持ち、けして、くじけることなく、それどころか前向きに生きようとする香川京子の娘を温かい眼差しで常に見守る山村聡、この父親と娘の関係は親子でありながらもどこか友達みたいな関係、それは山村聡の香川京子への言葉使いから何から感じ取れる。暴力的な言葉や自分の父の庭へ唾を吐いたり、銅像を壊したりと見ていて腹の立つ木村功に別れを告げる決心をやっとの思いで成し遂げた娘の香川京子に対して父親である山村聡の「喧嘩に勝ったのか?」の一言!それに対する香川京子の返事、雨の中、二人だけで傘を差しながらの会話、この映画は全編通して二人だけの会話のシーンが幾つも出てくる。父と娘の関係とは何か?て答えのようなものを成瀬巳喜男監督はこの作品を通して日本人全員に伝えようとしているのではないかと思いました。それにしても香川京子のあれだけ嫌なことされながらも耐える姿には女の強さ、やはり人間て男よりも女の方が強い生きものであるようにこれを見ると益々、感じてしまうと共に男のだらしなさ、それを徹底して容赦なしに見せつけるこの成瀬巳喜男という監督さんの演出の凄さ、改めて成瀬巳喜男監督は凄い監督だと思いました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-15 10:17:56)

38.  遊び 《ネタバレ》 えっ?たった一人しかコメントないの?増村映画って川島映画と並んでコメントが少ない。書かれている人の数の少なさといったらない。もっと評価されていいこの監督とこの監督の作品群の中にあって、これは増村保造監督の監督デビュー作品とのことで、後の増村映画に多く見られる危険な男達とそんな男に惹かれていく女の哀しさがここにも見られる。主演の二人、特にヒロインを演じている関根恵子の若さ、初々しさが輝る。話としては増村作品にしてはまだまだ若尾文子主演の幾つかの作品に見られるような力強さという意味では弱い気がするものの、男と女の二人の気持ち、不器用な男とそんな男を愛してしまった女の青春模様が描かれている。ラスト、お互いの愛を確かめあった二人がボートにしがみつくようにして去っていく終わりに二人の未来、幸せが待っているようなそんな余韻を残したまま終わるというこの映画、何だか川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。あちらに比べると作品全体、重苦しいし、出来としては劣る。それでもこの監督も余韻の残し方に関しては上手い。監督デビュー作から既にその後の増村映画の元になっているスタイルが感じられる作品にもなっている。それにしてもこの監督の女性像って何だろう?ていつもながら考えさせられる。[DVD(邦画)] 7点(2008-09-27 10:31:10)(良:1票)

39.  あゝ声なき友 寅さんこと渥美清の命日にあたる2012年8月4日の昨日改めて再見!以前観た時はあまり面白く感じられなかった。今回再び観てもそれほど面白いとは感じない。しかし、何だろう?俳優渥美清という人の演技を観るとこの人の演技は演技というよりもまるで渥美清そのものが映画の主人公のように思えてきてならないのである。要するに演技していても演技していないような錯覚を覚えずにはいられなくなる。この映画の渥美清演じる男には他の渥美清、寅さんで見られるような哀愁漂うものが感じられない。それだけに何か歯痒い。それは監督が山田洋次監督でないからかもしれないし、喜劇と悲劇は紙一重という言葉があるとすればこの映画には悲劇的要素はあっても喜劇的な要素なんて全くない。だって監督がシリアスな映画ばかりの今井正監督だからというのもあるであろう。「青い山脈」というユーモアの効いた青春映画も撮ってはいても今井正監督と言えばどうしてもシリアスな映画というイメージが離れない。イメージという意味では渥美清の持つイメージからは想像出来ない映画として印象に残る映画です。好きとか嫌いとか面白いとか泣けるとかいうような映画ではないけど、それでも一流の監督によって一流の俳優が一流の演技によって見応えある映画になっている。改めて渥美清がいない現在の日本映画における大きな損失を感じたまま観終わった。寅さんのようにまた見たい。何度も見ては笑い、泣き、共感出来る映画でないけど観るに値する映画としていつまでも心に残りそうなほどの映画です。もし、この脚本のまま山田洋次監督が撮っていたらどうなったかなあ?全く違う映画、良い意味での別の映画になっていたかもしれないし、いやいや、やっぱり今井正監督で良いのかもというような気持ちにもさせられる。 (2012年8月4日再見)[DVD(邦画)] 7点(2008-09-21 11:54:41)(良:1票)

40.  暗黒街の顔役(1959) 《ネタバレ》 岡本喜八監督と言うと喜劇のイメージが強いがこのようなアクションものでもなかなかやるなあ!と感じる仕上がりになっていて、鶴田浩一二がヤクザから足を洗いたいと願ってる弟を何とかしてやろうとする兄貴を演じている。脇を固める俳優陣が凄い顔ぶれです。あの三船敏郎が脇役としてなかなか公演!ヤクザ相手に一歩もひけを取らないのは流石だが、脇役に徹していながら主役の鶴田浩二を食ってしまうのはどうかとは思ったりもするのだが、いずれにせよ話のテンポが良くて楽しめるのでこんな岡本喜八作品も良いなあ!そう思った。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-19 23:09:27)

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