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プロフィール
コメント数 3276
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 41
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 22
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 36
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123456
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41.  赤い文化住宅の初子 真面目な話。 真面目な映画は嫌いではないが、これは何だか不満。 なぜだろうと考えたが、はっきりした答えが自分の中で出てこない。 タナダユキという監督との相性だと言ってしまうのは、早合点かもしれないが、女性の視点で描かれたという部分において、男の私としては、何とも言えない違和感をおぼえた。 話は過不足なく、不幸な境遇に育った女のコの数年間を描いている。 問題はないと思うが、やはりエロい部分がぼかされている、もしくはエロい部分が男性目線からは少しズレた女性目線で描かれいる。 しかし、もちろん、この映画の題材からして、エロさを求めるのは見当違いだということも分かってはいる。 だが、お金もなく身寄りもない女子中高生なら、必ずや、いやらしいオッサンの陰があってもよさそうだ。 そしてそれが、もっと大人的ないやらしさで描かれてこそ、映画そのもののリアリティが増してくるんじゃないかと思う。 そこが結局、普通に楽しめたものの、何か違和感というか不足感を感じた要因なんだろうと思う。 この監督はおそらく、本当に厳しくて、汚らしい大人がとりまく未成年の世界というものを、知らないんじゃないだろうか。[DVD(邦画)] 5点(2012-03-15 01:21:04)《改行有》

42.  あゝ野麦峠 《ネタバレ》 川崎市民ミュージアムにて鑑賞。 この作品も念願叶っての鑑賞だった。 原作者の娘さんとお孫さんが、私の実家の隣りにお住まいだった時期があって、どうにかこの作品を観てみたかった。 有名な作品なので、無難な出来具合だが、いかんともしがたい真面目さがあった。 ここまで生真面目な内容だと、逆に泣けないひねくれた自分がいる。 明治の時代、女性は手先が器用でないと、人生まで左右されるというのが、実に怖い話。 蚕の糸を朝から晩までたぐる。 想像を絶する辛い作業だろう。 そして、それを搾取する資本家たち。 お金のためなら、情け容赦なく労働者をこき使う。 それは現代でも変わらない気がする。 お金というものは、人間の温かみさえもそぎ取ってしまう。 経営者たちは、お金に振り回され続けた揚句に、「仕事だから」とうそぶき、労働者たちを搾取する。 私はお金のために、人間味を失いたくはないと、強く思った。[映画館(邦画)] 5点(2012-01-09 22:38:32)(良:1票) 《改行有》

43.  赤い天使 《ネタバレ》 川津祐介が演じた男は、とっても卑劣だ。 別にスケベなのはいいのだが、気弱な口調で従軍看護婦に手淫を願い出て、股にまで足を挟む。 普通の男なら、あんなことは看護婦に頼めないはず。 もし現実にあんな男がいたとしたら、とんでもなく陰湿でスケベな男なはずだ。 でも最期は飛び降り自殺をしたから、まあ許されるか・・・ 当時観れば、スケベでセンセーショナルな題材たっぷりな内容なのかもしれないが、現代から観ると大したことはない。 そして小話が何個もつながって全体を構成したつくりになっているので、重厚感がない。 まるでオムニバス映画を、軽い気持ちで観ている気分になってしまう。 軍医と従軍看護婦とのロマンスが主な柱だとは思うが、それも後半に集中して描かれるのみである。 結局、従軍看護婦の、性的な部分を含めての、過酷な戦場を見せたかったのだろうが、散漫な印象はぬぐえない。 そして、いたずらをされる従軍看護婦役として、若尾文子が適していたかどうかが一番の疑問である。 若尾文子は十分に魅力的であったが、いたずらを受ける“天使”としてのキャラに無理がある気がする。 もう少し素朴な印象を持つ女優さんを、この役に抜擢した方が、より興奮度が高かったに違いない。 つまらないわけではないが、題材が先走りし、作品全体の完成度と重厚感は、他の増村保造作品に一歩劣る気がした。[ビデオ(邦画)] 5点(2011-12-23 11:49:39)《改行有》

44.  悪人 《ネタバレ》 ストーリーで見せるというより、随所に込められたメッセージ性が強く感じられる作品。 人間は大切な人がいる場合、その人のことを妄信的に愛する。 相手が世間的にみて悪人であったとしても、愛する人にとっては関係ない。 親子間でも言えることで、娘を愛する父親にとっては、娘がどんなアバズレだとしても、可愛くて仕方ないし、大事で仕方ない。 誰が良い人で、誰が悪人か。 それを繰り返し根気強く、この映画は観る者にメッセージとして問いかけてくる。 悪人であるか否かの基準として、社会的規範に反する、例えば本作の様な殺人を犯した人間が悪人だとする見方がある。 その一方で、その社会的に悪人と見做された人間には、その家族がいて、その人間を愛する人がいる。 社会的に悪人であったとしても、その人たちにとっては大切な人であり、ただの弱い一人の人間である。 こうした社会性と個々人との相反する感じ方の相違について、実に考えさせられる映画であって、それぞれの人物に共感でき、つまり誰が正しいのか分からない混沌とした気持ちにさせられる。 もし自分の愛娘を殺されたりもしたら、その娘がたとえどんな人格だとしても、私は殺した人間を絶対許さないし、場合によっては犯人を捜し出し、殺してしまうかもしれない。 もしそうやって犯人を殺してしまったら、私も犯人同様に悪人と見做される。 だけど、本当に悪人なのだろうか? 社会的な規律を維持する上で、殺人を犯したら悪人とされるのであって、深い人間関係や感情の問題を考慮した時、誰が悪人で誰が普通の人なのか、その基準は極めて曖昧だ。 簡単なハッピーエンドにはせず、バッドテイストな形で終わらせたからには、一部の人には共感を得られないかもしれないが、私にとっては大いに気持ちを揺さぶられ、メッセージ性の極めて強い秀逸な映画であった。[DVD(邦画)] 7点(2011-09-03 13:26:35)(良:1票) 《改行有》

45.  愛のむきだし 《ネタバレ》 あらゆるエログロ要素が詰め込まれた、エログロ百科事典の様な作品。 言わば、エログロ世界の宝石箱。 200分を超える長編だが、その分見応えも十分。 長くは感じたが、話が進むほどに、少しずつ登場人物たちに感情移入していく感覚をおぼえた。 この感覚が案外、新鮮。 この点において、200分を超える長尺も意味があると感じられた。 映像はシャープかつ綺麗。 展開も奇抜で、園子温監督の特性がよく出ている。 『奇妙なサーカス』や『紀子の食卓』などの、この監督の他の作品と同じ色合いを感じた。 個人的には、女装した男に惚れるという、少しメルヘンな内容が好きになれなかった。 突飛な女子高生のアクションシーンもどこか浮いた印象はぬぐえない。 しかーし、やっぱりこの監督は、無意味なエロスが最大の魅力。 「エロければそれで良い」 そう割り切って観れば楽しめるだろう。 幼少期に、父親に性的虐待を受けた女のコ。 それがトラウマとなって、男嫌いになる。 園子温監督は、こういう設定がたまらなく好きらしい。 まさに監督そのものが変態だ。 変態監督だからこそ描くことのできる、めくるめく変態ワールド。 変質に偏執した世界観。 そして、この性的虐待を行う父親役を演じた板尾創路が見事にハマり役。 女子高生となった娘に乗っかる、暴力をふるう・・・極楽の山本でも良かったかもしれないが。 終盤にかけてのたたみかけは気合い十分。 キチガイになってしまった主人公の青年。 その青年を呼び覚まそうと涙する女子高生。 光り輝く素晴らしい最終章だった。[DVD(邦画)] 6点(2011-07-18 22:42:17)《改行有》

46.  アウトレイジ(2010) 北野武監督作品の中では、『座頭市』と並ぶ完成度の高い娯楽作品。 現在の日本人監督の中で、単純に楽しめる作品を撮らせたら、最近の北野武監督に勝る者はいないのではないか、というくらい良くできている。 ストーリーの顛末よし、音楽よし、映像よし。 特に、ヤクザものを撮らせたら、間違いなく現在においてはナンバー1の監督だろう。 北野武が、ただ撮りたいものを撮っていた初期の頃と比べて、“職人監督”と呼ぶべきに相応しい、監督しての巧さを感じさせる。 ただし、それが良いか悪いか。 個人的には、少し残念だと感ずる。 初期の頃に感じた、心に深く突き刺さるものが感じられない。 何か、角がとれて丸くなった印象。 監督としての総合的技量は、年数を経るにつれ、格段にアップしていると感じるが、逆に初期作品の頃に感じられた、鋭利なナイフのような切れ味がなくなっている気がする。 だが、それは北野武の計算なのかもしれない。 何故なら、比較的最近でも、『TAKESHIS’』の様な、自分の撮りたいものを好き勝手に撮っただけの作品も、撮ってはいるから。 商業的な作品と、自分の取りたい好き勝手作品とを、器用に撮り分ける北野武。 それはそれで凄い。 でもできれば、娯楽性が低く世間一般の評判は低くとも、初期の頃の様な作品や、最近で言えば『TAKESHIS’』の様な自分勝手な作品を、もっと撮って欲しい。[DVD(邦画)] 7点(2011-01-26 01:00:36)(良:2票) 《改行有》

47.  明日ある限り 豊田四郎監督、香川京子主演の組み合わせ。 これが理由で本作を鑑賞した。 豊田四郎監督作品として観ても、それほど突出した作品ではないし、香川京子の魅力が出ているかといえば、そうでもない。 ただ、手堅い演出とストーリーで、それなりに満足できるレベルではある。 真面目すぎるストーリーと、香川京子がやたらに感情的になってばかりいる部分が難点で、決して楽しい気分になれる作品ではない。 しかし、家族としての絆がいかに大切であるかを感じることができるという点において、どこか小津安二郎作品に通ずるものも感じた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-17 01:38:55)《改行有》

48.  青空のゆくえ 最近の日本映画には珍しい、真っ直ぐでピュアな青春ラブストーリー。 黒川芽以も可愛かったけど、やっぱり素朴な魅力爆発の多部未華子でしょう。 とにかく何てことのないスタイルと顔立ちなんだけど、何故だか魅力を強く感じる女優さん。 有名になる前から何度も彼女を起用し続けた、監督の長澤雅彦は偉い! ストーリーとしては、中学のバスケ部をめぐる群像劇的なもので、色んな話がてんこ盛り。 その是非はともかく、最初から最後まで奇抜な演出を使うことなく、ピュアな青春ラブストーリーで押し通した内容は、清涼感たっぷりで、時折り挿入される青空の映像と相まって、見終えた後はとても気持ちがすっきりした。 中学生という、多感で異性に興味を持ち始める頃特有の、あのドキドキ感とワクワク感。 それが随所に散りばめられていて、自分も体験したあの頃の甘酸っぱい想い出を、追体験できるのが嬉しい。 流行りの青春映画にありがちな、派手すぎる演出もなく、安心して気持ちよく観られる作品で、地味ながら抜群の清涼感を持つ、隠れた青春映画の秀作。[DVD(邦画)] 7点(2010-10-31 22:02:08)(良:1票) 《改行有》

49.  秋日和 小津安二郎の中期から晩期にかけてのワンパターン化したストーリー展開は正直飽きがくるものの、小津ならではの様式美と色使い、そしてシーンとシーンの合間に挿入される音楽は、軽妙でいて完成度が高い。 小津が長い間かけて自らの様式美を完成させ、それはあまりの完成度の高さに見惚れるほどだが、むしろストーリーにかけてはワンパターンという欠点が同時に存在する。 小津が好きな人なら、小津様式美としてどんどん進化して深くなっていく後年の作品群にのめりこむことだろうが、親子の離別を主軸に描いた後期小津の作品群は、私のような者には、少々飽きがきてしまうのだ。 原節子は限界。 もはや美しくはない。 いや正確に言うと、小津作品の原節子には、かなり前の頃から、その作り笑いに私は違和感を感じていた。 小津の原節子に対するラブコールとは裏腹に、小津と原節子との相性はそんなに良くはない気がする。 この頃の司葉子は、まさに美しさという点において絶頂期である。 若さと大人の気品を兼ね備え、この作品に花を添えている。 オヤジ三人衆の洒脱さは、本作でも健在。 オヤジたちのやり取りの面白さ、背景にあるオヤジたちの豊富な人生経験を垣間見れる深さなんかは、さすが小津である。 このようなオヤジ達の面白いやりとりを撮らせたら、小津安二郎は間違いなく最強である。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-01 02:12:46)《改行有》

50.  アキレスと亀 《ネタバレ》 後半の、はちゃめちゃ芸術人生は、コメディ色が強くなり、それほど感じ入るものはなかったが、前半から中盤にかけての芸術への傾倒の過程をブラックユーモアたっぷりに描いた部分は、ほんと面白かった。 直接的なギャグではなくて、武や武映画を好きな人なら微妙に分かるという、微妙な感じのギャグが満載。 とにかく人が次々に簡単に死んでいくところなんかは、いつもの武映画。 寺島進のヤクザ役カメオ出演も印象大。 豪華な役者陣を贅沢に少しだけ出演させて、流れるようにストーリーが進んでいくのも小気味いい。 でも一番印象に残っているのは、汚い工場で事務員として地味に働く麻生久美子。 こんな仕事場で腐り気味に働いている状況で、地味に美しいこんな女性がいたら、まさしくイチコロだろう。 しかも相手からアプローチ。 これは一種の夢物語だ。[DVD(邦画)] 7点(2010-06-27 00:07:00)(良:1票) 《改行有》

51.  あしたの私のつくり方 成海璃子の入浴シーンと制服姿が拝めるものの、内容としては子供向けで、健全なるドラマといった趣き。 画面をニ分割にしたり、携帯電話の画面を使って台詞を表現したりと、工夫が感じられるが、むしろそんな工夫よりもドラマそのものに厚みを持たせてほしかった。 品行方正過ぎる内容が市川準監督らしさといえばらしさだが、それがまた、私が市川準監督を苦手としている所以にもなっている。[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-06-02 23:33:26)《改行有》

52.  UNloved WOWOWの名物企画、「J・MOVIE・WARS」からのし上がった、筋金入りのラブストーリーの傑作。 森口瑤子、仲村トオル、松岡俊介の3人を主軸に取り交わされるセリフの応酬は、他に類をみない一種のスリルを感じた。 同じく「J・MOVIE・WARS」から生まれ出た傑作『月はどっちに出ている』に次ぐ傑出した日本映画と言えるだろう。 男女の価値観の相違による意思疎通の不可能性を表現しているという点については、かのミケランジェロ・アントニオーニの『太陽はひとりぼっち』に類似するテーマを扱っている。 しかし、『太陽はひとりぼっち』が、会話や行動のすれ違いといった「静寂」さでもって男女の意思疎通の不可能性を表現してみせたのに対して、本作は、ひたすら繰り広げられる「動的」な口論から男女の意思疎通の不可能性を表現したというところに違いがあり、本作はそういった点においても、オリジナリティを発揮している。 映像面においても、実に映画的な侘しさに満ちた暗いトーンの映像で全編を覆い尽くしており、森口瑤子の住むボロアパートの質素な佇まいを、味わい深く映像化することに成功している。 森口瑤子が演じた女性は、完全なる保守的思考の持ち主で、仕事においても恋愛においても、他人の言動に全く動じない。 自分というものをしっかり持った女性として捉えることもできるが、一方で、他人の意見を受け入れず、恋愛において一人相撲的な状態に陥り、相手の男が孤立感を感じてしまうという点において、実に気難しい女性とも言えるだろう。 ラストのまとめ方については、気分良く観終えることはできたが、果たしてあれで良かったんだろうか、と感じてしまった。 自分をしっかりと持った自立した女性が、恋愛についてどう向き合っていけば良いのか、それが結局分からずじまいだった感は否めない。[ビデオ(邦画)] 8点(2010-05-09 22:33:03)《改行有》

53.  赤線玉の井 ぬけられます 赤線「玉の井」が舞台なのだが、「玉の井」ならではの雰囲気をもっと出してほしかった。 だけど、舞台もセットだし、予算もおそらく多くはないだろうし、あれが限度なのは仕方なしか。 しかし、玉の井の赤線街を流れる用水路はとても印象的で、実にいい情緒を生み出している。 まるで京都で見た用水路の裏バージョンという感じ。 当時自分がもし生きていたら、絶対に行って実地検分(?)してみたい赤線だ(これは「洲崎パラダイス」も同じだが)。 内容は、現在も語り継がれる名だたる日活ロマンポルノの名作たちと比べてしまうと、見劣りがする。 舞台が1つのセットしか存在しないから、屋外シーンを多く撮れないのは仕方ないかもしれないが、せっかく「玉の井」という題名を冠しているのだから、当然、屋外の風情ある描写を期待してしまうが、ほとんどは室内の濡れ場が中心で、「玉の井」を舞台にしている意味がほとんど無いのが残念である。[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-05-07 21:57:59)《改行有》

54.  非・バランス 《ネタバレ》 主人公の少女を演じた派谷恵美がかわいい! 声はとってもキュートで、細い体がこれまた素晴らしい! 彼女を鑑賞するだけでも楽しめてしまう美しく繊細な邦画だ。 小学校時代のいじめが原因で心を閉ざした少女と、借金まみれのオカマが織り成す人情ドラマ。 この二人の奇妙な友情は、とっても透明感があった。 性という障壁がない分、年齢も関係なく、実に純粋な友情の形が描かれていたように思う。 決して派手な魅力はないが、観る者の心を洗うような清らかな佳作である。[ビデオ(邦画)] 7点(2010-04-26 00:59:21)《改行有》

55.  朝の並木路 貴重極まりない1930年代の成瀬巳喜男作品群の一つ。 小粒な作品ながら、さすが成瀬と言える味わいを持つ内容で、音楽もまた軽快で、観ていて楽しい気分になれる。 しかし、このような軽妙な作品を撮りながら、後年は抜き差しならない男女の愛憎劇を描いた重い作品を撮ろうとは、恐るべし成瀬巳喜男だ。 成瀬巳喜男の進化の過程を知る上でも、観ておくべき作品であろう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-02-13 00:23:40)《改行有》

56.  浅草の灯(1937) 1930年代当時の浅草の景観が何度となく出てきて興味深い。 しかし、それにしても、皆さん若い!若い! 上原謙も杉村春子も高峰美枝子も、とにかく若い! 特に高峰美枝子の純朴さ加減が一番のインパクト。 後年に、『犬神家の一族』で見せたあの気味の悪いオバサン役が目に焼きついているだけに・・・[ビデオ(邦画)] 6点(2010-02-08 19:45:46)《改行有》

57.  愛と希望の街(1959) とても大島渚監督の作品とは思えない作風で、ストレートなテーマの訴えかけに驚きながら鑑賞した。 タイトルの『愛と希望の街』とは、およそかけ離れた内容。 貧富の格差が生み出す、社会の不条理を、とても分かりやすく描いており、すんなりとは観られる。 ただ、安易なキャラクター設定の出演陣に魅力を見出せず、又、暗いというより、ただ単に血の通っていない冷たい内容に、感情移入することができなかった。 しかしながら、感情移入ができないというより、むしろ感情移入させることを敢えて拒んでいるかの様な硬質な作りに、早くも大島渚監督の反骨的な精神を垣間見た気もした。[DVD(邦画)] 5点(2010-01-29 00:45:30)《改行有》

58.  蟻の兵隊 主演の奥村氏が、病床の97歳の先輩を訪れるシーンが最も印象に残った。 「私の力不足です、申し訳ありません」と謝罪し、植物人間に近い状態の先輩は、何度となく奇跡のように反応をみせる。 国に捨てられた悔しさはどれほど凄まじいものなのかを垣間見た気がした。 高齢になった今でも、その悔しさを少しでも晴らす為に、老体にムチ打って行動に出る。 そのエネルギーはまさに負のエネルギーとも言えるもので、戦争というものが残した傷跡の深さを痛いほどに体感できた。 侵略され惨殺された中国人はもちろん被害者だが、こうした傷跡が老年になってもいっこうに癒えない元日本兵も、紛れもない戦争被害者であるのだ。 戦争はあらゆる方面で人々に深い傷跡を残した。 どんな世の中になろうとも、戦争だけは起こしてはならない。 平和ボケした現代において、その平和の有り難味を感じることのできる貴重なドキュメンタリーである。 こんな作品を観てしまうと、不景気だのなんだのと、自分の身を憂うことが恥ずかしく思えてくる。 そして、日頃のストレスなんて、ほんの些細なことだと思えてくるのだ。[DVD(邦画)] 7点(2009-12-29 01:45:56)《改行有》

59.  阿部一族(1938) セリフの半分は判然としない。 特有の言葉のせいもあるが、とにかく音声が割れている。 聴きづらくて仕方なかった。 お馴染みの河原崎長十郎と中村翫右衛門コンビは、本作では不発。 山中貞雄作品のような存在感は感じられなかった。[ビデオ(邦画)] 2点(2009-12-18 23:42:36)《改行有》

60.  アジアの逆襲 まるでデヴィッド・リンチの『イレイザーヘッド』を観たかのような気分。 いや、あれほど気色悪くはないが、どこか似た世界観だった。 石井聰亙監督のパンクなエネルギーが炸裂していて、石井聰亙初期作品と同じノリを感じた。[DVD(邦画)] 4点(2009-12-14 01:25:53)《改行有》

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