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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
61. 愛を乞うひと あそこまで母親から散々なDVを受けて、それでも母親が好きだという原田美枝子に感情移入するのが難しかった。 耐え難いトラウマとして、必死に忘れようとするのが普通ではないか? 少なくとも私ならそうする。 まして、母親なんかに会いたいとすら思わないだろう。 原田美枝子にどこまで感情移入できるかが、評価の分かれ目になる作品だと思う。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-28 01:01:20)《改行有》 62. 秋立ちぬ 子供たちが主役を演じており、そういった意味では小津安二郎の初期作品群を想起させる。 中盤は、子供二人の会話が延々と続くが、これははっきり言って面白くはない。 子供たちを扱わせたら、やはり小津の方が数段上である。 成瀬巳喜男監督は、大人の男女の愛憎劇や、腐れ縁などを演出させるとピカイチだが、本作のような子供をメインに据えた作品には不向きの様に思う。 ただ、子供二人の不幸の背後には、大人たちの勝手な色恋沙汰が見え隠れしている。 そういった部分を見れば、確かに成瀬作品であることが分かる。 背景描写や音楽の使い方などは、まさに成瀬作品らしい内容となっており、成瀬ファンにとっては、「愛すべき小品」となるに違いない。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-03 23:32:00)《改行有》 63. 愛人 誰が誰を好きだの、誰が誰と結婚したいだのと、何人もの男女の中で巻き起こる喜劇的内容は、なかなか良くできている。 特に、三國連太郎が愛を打ち明けるシーンは、緊張感がみなぎり、傑出したシーンとなっている。 だが、しかし、交錯する愛のお話っていうだけで、それ以上がない。 喜劇としても中途半端だし、愛憎劇とは言えないし、かといって家族愛を描いた感動作でもない。 脚本的にはとても良くできているし、複雑な話をよくまとめた感はあるが、いかんせん全ての要素が中途半端になってしまっているのがイタイ。[映画館(邦画)] 6点(2008-07-18 00:27:44)《改行有》 64. 赤ひげ 香川京子のトークショーが目当てで、思いもがけず観た作品。 長さが気になる冗長さ。 話は悪くないが、優等生すぎるきらいがあった。[映画館(邦画)] 6点(2007-10-15 12:31:55)《改行有》 65. 網走番外地 望郷篇 前作とは違った趣で、単なる任侠映画と化してしまったのが残念。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-15 11:59:58) 66. 青い山脈(1949) 原節子が劇中においてはヒロインを演じている。 しかし私は木暮実千代が大好きである。 そういったことから、「私なら色っぽい芸者に扮する木暮実千代の方を選ぶけどな~」みたいな感じでみてしまい、主人公の男性に共感できなかった。 全編に渡りとても爽やかな風が吹いており、戦後から数年経ったその当時の開放感が画面いっぱいに現れていて素晴らしかった。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-16 23:05:17)《改行有》 67. あの夏、いちばん静かな海。 とても切なく、心に沁み入る映画。[地上波(邦画)] 6点(2007-09-09 00:46:44) 68. 赤い殺意(1964) 主演は春川ますみ。 かなりのグラマラスなボディ、というかやや肥満気味。 劇中でも、「おまえ程太った奴はそうはいないだろ」みたいな形で、公然とデブ呼ばわりされている。 裸のシーンが何度も出てくるが、まったく興奮せず。 だけどそれがかえって良いのだ。 春川ますみ演じる主人公の女性は、“たくましき女性”もしくは“母性の象徴”として描かれている。 そういった意味では適役といえよう。 150分という長い尺ながら、それ程の長さを感じさせないところは、さすがキネ旬日本映画部門の7位といったところ。 しかし、最初から最後まで重苦しいモノクロ画像。 シャープなモノクロ画像とは対極に位置する重苦しい感じのモノクロ画像なのだ。 これはこれで本作の独特の世界観をうまく創り出しているといえなくもないのだが、さすがに陰鬱な気分になってくる。 しかも激中、何度となく“方言混じりのおばあちゃんのささやき声”が流れ、これがまた不気味。 というか、耳障り。 そして濡れ場シーンの多さもかえってマイナス。 全然色気を感じない、見ていてもさして興奮しない濡れ場シーンの連続に飽食気味になってしまった。 この辺りが、今村昌平を好きになりきれない理由の一つだ。 最後はうまくまとめてくれるので、鑑賞後はそれなりの満足感を得られるが、不快感も多少残るので、いま一歩といったところ。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-02 11:41:08)《改行有》 69. あん 《ネタバレ》 永瀬正敏が樹木希林から、あんの作り方を教えてもらい、そのおかげでお店が繁盛する話かと思いきや、後半は全く関係のない話へ。 新井薬師前駅の桜並木とか東村山市青葉町の全生園とか、馴染みのある場所が出てきたのは楽しかったけど、ハンセン病がらみの話は今更感が強く、しかも真面目すぎるし、樹木希林は死んでお涙頂戴だしで、退屈してしまった。[インターネット(邦画)] 5点(2021-08-01 17:53:20)《改行有》 70. 赤ちょうちん 《ネタバレ》 途中まではそこそこ面白いんだけど、最後なんで気がふれたのかが腑に落ちない(夫がダメ男だからか?)。 70年代のテイストは嫌いではないが。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-26 23:00:32)《改行有》 71. 阿弥陀堂だより 《ネタバレ》 北林谷栄を使い過ぎだろ! この年齢で、ここまで出演シーンが多かったら、さぞかし疲れたでしょう。 にしても流石!凄い!年季が違う! この映画は、人それぞれの生きてきた歴史を感じさせる。 まさにそれを体現してみせたのが他でもない北林谷栄であった。 田村高廣が演じた爺さんは威張り過ぎだな。 これもまた、この人の人生の歴史を物語っているのだろう。 さぞかし偉そうに生きてきたに違いない。 香川京子の使い方がもったいない。 もっと香川京子を見たかった。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-09-13 01:46:43)《改行有》 72. 穴(1957) 《ネタバレ》 船越英二は息子よりかっこよかった。 現代劇の京マチ子は、時代劇の京マチ子より、意外と魅力を発揮していた。 この話、クライムサスペンスというより、ミステリー色が強い。 謎解きモノが好きな方には、必ずやお気に入りの一本になるはず。 京マチ子が痴漢に乱暴されるシーンは必見。 船越英二の、飄々としたダンディズムも良い。 ところで、ラストの船越英二のアッと言わせるダイビングは、かの飢餓海峡が影響を受けたのでは?と思わせるほどのデジャヴ。[ビデオ(邦画)] 5点(2012-09-06 17:12:35)《改行有》 73. 赤い文化住宅の初子 真面目な話。 真面目な映画は嫌いではないが、これは何だか不満。 なぜだろうと考えたが、はっきりした答えが自分の中で出てこない。 タナダユキという監督との相性だと言ってしまうのは、早合点かもしれないが、女性の視点で描かれたという部分において、男の私としては、何とも言えない違和感をおぼえた。 話は過不足なく、不幸な境遇に育った女のコの数年間を描いている。 問題はないと思うが、やはりエロい部分がぼかされている、もしくはエロい部分が男性目線からは少しズレた女性目線で描かれいる。 しかし、もちろん、この映画の題材からして、エロさを求めるのは見当違いだということも分かってはいる。 だが、お金もなく身寄りもない女子中高生なら、必ずや、いやらしいオッサンの陰があってもよさそうだ。 そしてそれが、もっと大人的ないやらしさで描かれてこそ、映画そのもののリアリティが増してくるんじゃないかと思う。 そこが結局、普通に楽しめたものの、何か違和感というか不足感を感じた要因なんだろうと思う。 この監督はおそらく、本当に厳しくて、汚らしい大人がとりまく未成年の世界というものを、知らないんじゃないだろうか。[DVD(邦画)] 5点(2012-03-15 01:21:04)《改行有》 74. あゝ野麦峠 《ネタバレ》 川崎市民ミュージアムにて鑑賞。 この作品も念願叶っての鑑賞だった。 原作者の娘さんとお孫さんが、私の実家の隣りにお住まいだった時期があって、どうにかこの作品を観てみたかった。 有名な作品なので、無難な出来具合だが、いかんともしがたい真面目さがあった。 ここまで生真面目な内容だと、逆に泣けないひねくれた自分がいる。 明治の時代、女性は手先が器用でないと、人生まで左右されるというのが、実に怖い話。 蚕の糸を朝から晩までたぐる。 想像を絶する辛い作業だろう。 そして、それを搾取する資本家たち。 お金のためなら、情け容赦なく労働者をこき使う。 それは現代でも変わらない気がする。 お金というものは、人間の温かみさえもそぎ取ってしまう。 経営者たちは、お金に振り回され続けた揚句に、「仕事だから」とうそぶき、労働者たちを搾取する。 私はお金のために、人間味を失いたくはないと、強く思った。[映画館(邦画)] 5点(2012-01-09 22:38:32)(良:1票) 《改行有》 75. 赤い天使 《ネタバレ》 川津祐介が演じた男は、とっても卑劣だ。 別にスケベなのはいいのだが、気弱な口調で従軍看護婦に手淫を願い出て、股にまで足を挟む。 普通の男なら、あんなことは看護婦に頼めないはず。 もし現実にあんな男がいたとしたら、とんでもなく陰湿でスケベな男なはずだ。 でも最期は飛び降り自殺をしたから、まあ許されるか・・・ 当時観れば、スケベでセンセーショナルな題材たっぷりな内容なのかもしれないが、現代から観ると大したことはない。 そして小話が何個もつながって全体を構成したつくりになっているので、重厚感がない。 まるでオムニバス映画を、軽い気持ちで観ている気分になってしまう。 軍医と従軍看護婦とのロマンスが主な柱だとは思うが、それも後半に集中して描かれるのみである。 結局、従軍看護婦の、性的な部分を含めての、過酷な戦場を見せたかったのだろうが、散漫な印象はぬぐえない。 そして、いたずらをされる従軍看護婦役として、若尾文子が適していたかどうかが一番の疑問である。 若尾文子は十分に魅力的であったが、いたずらを受ける“天使”としてのキャラに無理がある気がする。 もう少し素朴な印象を持つ女優さんを、この役に抜擢した方が、より興奮度が高かったに違いない。 つまらないわけではないが、題材が先走りし、作品全体の完成度と重厚感は、他の増村保造作品に一歩劣る気がした。[ビデオ(邦画)] 5点(2011-12-23 11:49:39)《改行有》 76. 愛と希望の街(1959) とても大島渚監督の作品とは思えない作風で、ストレートなテーマの訴えかけに驚きながら鑑賞した。 タイトルの『愛と希望の街』とは、およそかけ離れた内容。 貧富の格差が生み出す、社会の不条理を、とても分かりやすく描いており、すんなりとは観られる。 ただ、安易なキャラクター設定の出演陣に魅力を見出せず、又、暗いというより、ただ単に血の通っていない冷たい内容に、感情移入することができなかった。 しかしながら、感情移入ができないというより、むしろ感情移入させることを敢えて拒んでいるかの様な硬質な作りに、早くも大島渚監督の反骨的な精神を垣間見た気もした。[DVD(邦画)] 5点(2010-01-29 00:45:30)《改行有》 77. 愛染かつら 総集編 《ネタバレ》 日本映画史における名作を遂に鑑賞。 愛染かつらの木になぞって送られる物語は、“愛の物語”の王道をひたすら突っ走る内容。 さっきまで悪口言っていた人が、突然良い人になったり、最後は強引にくっついたりと、とにかく強引さが目立つストーリーは、現代から観ると苦笑させられるが、その反面、予定調和がそのまま達成されるので、観ていて安心感がある。[ビデオ(邦画)] 5点(2009-10-18 21:34:59)《改行有》 78. 愛のコリーダ 《ネタバレ》 女の名が「阿部定」と分かった時点で、既に結末は分かってしまう。 しかも、内容はひたすら性交渉のみ。 大島渚監督の果敢なチャレンジ精神と、藤竜也の一世一代の熱演は評価に値するが、映画として良かったかというとそうでもない。 ただし、婆さんとの絡みはインパクトが物凄く、類い稀なる作品であることは実感できた。 殿山泰司の、あっちがダメな乞食もついでにインパクトあり。 それにしても、子供のアレをつまむシーンって、かなり問題があるんじゃなかろうか・・・[ビデオ(邦画)] 5点(2009-09-21 05:01:20)《改行有》 79. あした来る人 川島作品にしてはどうもイマイチだった。 三橋達也がどうにも煮え切らない役でイライラしたし。 山村聡は、演技はうまいかもしれないが、これまたどうも好感が持てない。 出演陣の中で唯一良かったのが三國連太郎。 まさに役になりきっている。 ほんと凄い。[映画館(邦画)] 5点(2009-08-08 23:24:04)《改行有》 80. 青の稲妻 製作国は中国・日本・韓国・フランスとあるが、極めて台湾映画的な雰囲気を感じた。 台湾映画の“自然な語り口”としての良い所と、台湾映画独特の“退屈さ”、その両方を感じたのだ。 ホウ・シャオシェンの作品にも似た作品だったが、ホウ・シャオシェンの作品はもっと直接的な暴力描写やイベントが発生するのに対し、本作はそれが見られない。 それと、ホウ・シャオシェンの作品は、日常を映し出したにすぎない映像の中から、映画としての作為的な部分が自然と感じられるのに対し、本作は映画的な作為性が前面に押し出されているという点において、その趣きを異にしている。 そういった厳密な部分で言えば、ホウ・シャオシェンの作品とは異なるし、台湾映画的とは言えないのかもしれないが、日常的な雰囲気を纏ったその作風は、存分に台湾映画の匂いを感じるのである。 北野武がプッシュしていることからも分かるように、芸術映画としての魅力も感じることができる作品だ。 ただし、北野作品ほど面白くもないし、衝撃的でもないし、心が温まるわけでもないし、音楽が素敵でもない。 そういう点において、北野作品には遠く及ばないのではないだろうか。 しかしそれにしても、邦題が悪い。 青の稲妻?! 観終えた後でも全くピンとこない邦題だ。 英題は“Unknown Pleasures”。 これは実に的を射ている。 言われてみれば、本作は全編に渡って、主人公の少年二人を中心に退屈さと絶望が渦巻き、女性との関わりでさえ楽しさは微塵も感じられない。 それは地道に努力して生きていくことを断念させ、銀行強盗や宝クジの様な一攫千金への即席的な興味に少年達を走らせる。 アジアの倦怠というか、何というか、どうにもならない鬱積した空気が本作には漂っているのだ。 題名一つでここまで理解の深さが変わってくることを考えると、この『青の稲妻』という邦題のダメさ加減が非常に気になってくるのであった・・・[ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-21 16:09:04)《改行有》
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