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プロフィール |
コメント数 |
3277 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
監督別鑑賞作品数
成瀨巳喜男 69 溝口健二 34 川島雄三 41 小津安二郎 37 石井輝男 24 豊田四郎 19 石井岳龍 18 矢崎仁司 12 西川美和 8 山下敦弘 15 今泉力哉 22 フェデリコ・フェリーニ 24 ミケランジェロ・アントニオーニ 14 ピエル・パオロ・パゾリーニ 16 ルキノ・ヴィスコンティ 17 ジャン=リュック・ゴダール 36 フランソワ・トリュフォー 24 ルイ・マル 17 ジャン・ルノワール 15 ジャック・ベッケル 13 ジャン=ピエール・メルヴィル 11 ロベール・ブレッソン 12 イングマール・ベルイマン 27 アルフレッド・ヒッチコック 53 ジム・ジャームッシュ 15 ホウ・シャオシェン 19 ウォン・カーウァイ 14 ジャ・ジャンクー 9 |
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81. 風花(2000)
これは逆に、巷での評価があまり高くない作品だが、私は意外と好き。別にキョンキョンは好きではないが。浅野忠信の「独り言つぶやき系」の演技が好きな私にとっては、なかなか味があって良い作品だと感じた。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-04 09:22:39)
82. 家族ゲーム
《ネタバレ》 理屈抜きに面白いので、この時代の日本映画に対して、私の様な負のイメージを持っている人にも、是非観てもらいたい作品である。
気になったのがラストシーン。
本作の舞台は、高度成長期をイメージさせる団地の一室。
その団地の一室での、退屈極まりない昼下がりが本作のラストシーンなのだ。
本作の魅力の一つに“シュールさ”があると思うが、本作のラストシーンは、その“シュールさ”と不気味さ、そして不可解さ、そして疑問、奇抜なカメラワーク等、いろんな要素が複雑に組み合わさって、何とも言えない余韻を残す素晴らしいラストシーンとなっている。
昼下がり、不気味に静まりかえる団地の一室。
由紀さおり演じる母親は、子供たちを呼ぶ。
しかし返事がない。
部屋に子供たちの様子を見にいくと、そこで子供たちは死んだ様に深く眠っている。
いくら起こしても起きないので、仕方なく母親は台所のテーブルに戻る。
しかし、さっきからどうも外がうるさい。
どうやらヘリコプターが何機も団地の上空を飛んでいる模様。
これがとてつもなくうるさい。
不気味にうるさい。
静か過ぎる団地の一室と、その上空をけたたましい騒音をたてて飛ぶヘリコプター。
“喧騒と静けさ”
相反する二つのものが、複雑に絡み合わさり、不思議でいて、それとない不安を醸し出す。
憂鬱なくらいに静かで退屈な団地の昼下がりに、必要以上にうるさいヘリコプターの騒音。
これは一体、何を意味するのか?
結局、私にそれは分からなかったが、とにかくこの“喧騒と静けさ”は、観ている私を“何となく不安”にさせた。
言葉で説明すると何とも抽象的で分かりづらい表現となってしまったが、実際に本作を鑑賞された方の中で、私の言っていることを何となくでも理解してくれる方がいたなら、それで満足である。
ラストシーンの最後の最後、それまで平面的に空間を捉えていたカメラが、突如、上方に動き、団地の一室を上から三次元的に捉える。
そこでエンドロール。
何とも素晴らしい終り方ではないか。
素晴らしいんだけど、この終り方、どこかで観たことがあるような・・・
そうそう、溝口健二だ。
具体的には『残菊物語』のラストシーンであり、また、『雪夫人絵図』のラストシーンである。[ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-02 22:54:27)(良:1票) 《改行有》
83. 貸間あり
“初川島雄三”を「フィルムセンター」で体験してきました。
川島作品といえば、『幕末太陽傳』『洲崎パラダイス 赤信号』『しとやかな獣』辺りから入っていくのが無難なんでしょうが、貴重な本作がちょうどフィルムセンターで上映されるということで、行ってきました。
フランキー堺が主演の1950年代喜劇ということで、自分にとってはやや敷居が高かったですが、意外と楽しめました。
主演のフランキー堺、ジャズ・ドラマー出身ということですが、演技うまいですねー。
びっくりしました。
そして変に体格も良いです。
そして脇役で強い個性を発揮していた桂小金治。
こちらも落語家ですが、自然な演技で素晴らしいです。
若い頃も同じ様な顔してたんですね。
ヒロインの淡島千景ですが、個人的には好みに合わなかったです。
なので、男性出演陣に共感できず。
あのパーマは、現代的センスで見てしまうと、ひいてしまいます。
完全におばはんパーマです。
ところで本作、冒頭から凄いハイテンションです。
よほど集中していないと流れについていけないくらいのスピード感。
その後も、ドタバタ喜劇的な色合いのジョークが連打されていき、観ているこっちはノックアウト気味です。
これを「息もつかせぬ笑いの連続」と取るか、「テンション高すぎ、スピード早過ぎで疲れる」と取るかは、ほんと好み次第。
私は両方でした。
笑いのセンスとしては、正直合わない部分が多かったです。
しかし、登場人物が全てクセ者ぞろいで、各キャラクターが実によく作りこまれています。
その為、後半はいつの間にか“川島ワールド”に引き込まれたのも事実。
特にフランキー堺の演ずる主人公が、実に人間味があってよかったですね。
“サヨナラだけが人生だ”
何度となく本作で繰り返される“川島監督の座右の銘”といわれる名文句。
実に奥深い言葉でした。[映画館(邦画)] 7点(2007-08-24 07:11:26)《改行有》
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