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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順123
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1.  風立ちぬ(2013) ユーミンの歌とリンクする感動的な予告編から勝手に想像したものとは違い勝手に戸惑ってしまったのだが、戸惑いの原因はわかっている。「死」が描かれないからだ。盛り上がるべきシーンとしてこの物語に必ずあるはずの「死」が。その昔、宮崎駿は安易に感動を得るためだけに登場人物を死なせる手塚治虫を批判したことがあるが、その自らの発言を全うしたということか。頑固だなあ。その手塚氏と同調している「近代化が破壊を生む」というモダニズムの矛盾というテーマもここにきてもぶれない。頑固です。そして何よりもアニメーションの原点ともいえる画の動きに対する拘りがぶれない。昨今のアニメはディテールに拘りすぎて動きを蔑ろにする傾向にある。息子の吾郎にしたってたとえば背景でしかない草花を丁寧に描くことに拘っている。駿は草は意外と緑をべたーっと塗っている。そこに草があることがわかればいいのだ。その緑に光の白と影の黒の線をさーっと動かせば風が描かれる。動いてこそのアニメーション。汽車がダイナミックに走る。人が滑稽に転がる。紙飛行機が颯爽と飛ぶ。地震の波動が不気味に迫る。アニメーション、かくあるべし!!だと思う。 ディテールや物語に逃げるな!と駿は言っている。ような気がする。[映画館(邦画)] 7点(2013-09-05 11:57:29)(良:1票)

2.  カンゾー先生 麻生久美子のお尻しか印象に残ってない。というかお尻が眩しすぎて他が消えちゃったのか。全編に漂う喜劇調はいかにも今村監督らしい。けして軽やかではなく、むしろ苦いドラマを内包するのもまた今村調といえるのだろう。この作品においては喜劇調がすこぶる快調で苦いドラマがしつこいと感じた。長いとも感じた。実際長い。エピソードが豊富に過ぎる。[DVD(字幕)] 5点(2011-12-02 13:30:37)

3.  岳-ガク- 絶景ですな。その絶景をバックに闊歩する小栗旬。山のことなら任しとけ!な頼れる男っぷりをこの絶景が後押しする。実際絶景をいかに収めるかという部分ではそうとうに熟考されてると思う。クライミングシーンの迫力もカメラの位置取りに負うところが大きい。ドラマ自体の安っぽさもカバーしている。しかし三歩、もとい一歩山から下りるとその安っぽさが顔を出す。下界は説明じみたセリフと感動を煽るセリフで満たされている。最たるは佐々木蔵之介。この人、表情の演技もかなりくどい。[映画館(邦画)] 5点(2011-11-14 14:19:33)

4.  噛む女(1988) 恋焦がれたはずの女なのに妻にした途端に男にとって女ではなくなる。なんとなくわかるような気もするのだが、この映画の主人公はかなり露骨。いい女とそれなりの地位と金を手に入れて、もうそこで安泰、あとは惰性の人生を送るだけ、そんな生きる屍のような男を永島敏行が好演。この男の全てをさらけ出させる「心の声」という神代演出との相性もバッチリ。妻役桃井かおりもいい。噛む女は余貴美子。噛むたびに場内爆笑。お話は正体不明の余の存在によってホラーの様相を帯びるはずなんだけど、この噛む行為によってそれを回避する。一端ホラーへと流れたほうが結末に意外性があるだろうし一般受けするはずなのに神代はストーリーとか観客を騙すとかにはあまり興味がないらしく、ひたすら古臭いストーリーをなぞってゆく演者たちの動きを捉えてゆく。ちなみに主人公が学生時代に撮ったとされる自主映画はゴダール『気狂いピエロ』のパクリだ。主人公曰く好きな映画の寄せ集めなのだそう。映画が大好きな頃があって、女を綺麗に撮っていた頃があって、そして今は大好きだったはずの映画を金にする制作会社の経営者という主人公の生い立ちをさらっと見せているのもうまい。[映画館(邦画)] 7点(2011-02-18 15:01:08)

5.  かぶりつき人生 神代辰巳監督作品には同じく名前に「神」を冠するゴダール(「God」ard)作品の影響を隠さないものが多々あるのだが、この神代監督デビュー作にもその刻印が見てとれる。とくに主人公が名声を得て洗練されてから以降の街中での描写に強く感じる。やたら印象的なテーマソングの「♪男は男~、女は女~、みんなはみんな~~」なんて歌詞なんかはもろにゴダールの影響下にあることを宣言している。とはいっても冒頭の母親のキャラの濃さとその痛快な面白さはいかにも邦画独特のもの。この母が中盤以降、ほとんど顔を出さず、しかもラストには全くからみもしないというのがいいキャラだっただけに残念。母子の話を引っぱって人情ものにしなかったのは良かったが、それにしてはたまに出てくると意味ありげに出てくるもんだから。あと、エピソードが豊富すぎる感が。[映画館(邦画)] 6点(2011-02-14 13:37:27)

6.  乾いた花 どこかフランスの犯罪映画を彷彿させるモノクロ画面がシブイ。しっかりとした黒を背景に賭場の灯りに映し出される顔にも陰影を残す。寡黙な主人公というのもフィルムノワールっぽい。これで音楽がジャズだったら。でも武満徹の音楽もかなりインパクトがあって良くも悪くも作風に大きく影響を及ぼしている。池部良の小林旭みたいな目張りが気になってしょうがなくて、刑務所から出てきたばかりでその眉毛はないぞと。モダンな作風ともミスマッチでかなり残念。加賀まりこはかわいかった。[映画館(邦画)] 5点(2010-11-25 14:48:43)

7.  亀は意外と速く泳ぐ 三木作品の面白さっていったいなんなんだろう。意表をつくセリフだったりセリフの間のとりかただったりキャラクターだったりするんだろうけど、おそらく同じ脚本で他の誰かが監督したら全く面白くないものになっちゃうのだろう。そういう意味では唯一無二で、そこは評価したいんだけど、はたしてこれは映画なのか。実際、画面で笑わせているところは無い。映画じゃなくたっていいじゃないか、これは映像エンターテイメントなのだ。と言われればどうしようもないのだが。たしかに冒頭のくだらないギャグの応酬は映像ならではのスピーディさで一気に見せて、まさに映像エンターテイメントである。この部分の進化系が『インスタント沼』の主人公紹介映像なのだろう。いや、でもなあ。嫌いじゃないけど映画として面白くない。とくに本作に強くそう思った。三木ワールドを作り上げるのに俳優の持つキャラってけっこう重要な位置を占めてるように思うんだけど、キャスティングはうまいと思う。[DVD(邦画)] 2点(2010-10-05 17:07:50)

8.  カムイ外伝 松ケンカムイはそうとう走ってます。砂の上だしけっこうきつそう。でもCGとワイヤーでとんでもない動きを見せてくれるので、せっかく一生懸命に走ってもそこを活かせない。あの体力の限界に挑んだような走りこそに超人的身体能力を見なければいけないのに、他で目にも留まらぬ速さで木から木へ飛び移ったり突如走りながらあり得ない動きで手裏剣を除けたりしてるので、かえって本物の走りそのものが遅く感じるのだ。サイテーではないか。なんのために原作のイメージからかけ離れた南国ビーチを舞台にしているのだ。アクションをしっかりと撮るためじゃなかったのか(他になんか理由あるの?)。本来なら集落から放たれるだろう陰湿な何かや色っぽい何やらこそが描かれてしかるべきところをカラッと明るい漁村にする理由が他に何があるというのだ。だいたいあそこまでバレバレのCGを大量投入するならいっそのこと走るシーンも、クライマックスの決闘も全部CGにしちゃえ。[DVD(邦画)] 2点(2010-04-06 17:42:31)(良:1票)

9.  崖の上のポニョ 真に子供向け。子供向けを謳いながら実は親が子供に見せたいと思わせるような道徳的なものだったり、たんに幼稚だったりというものでなく、真に子供向け。そこにウキウキがありドキドキがありワクワクがある。ただそれだけ。いちいちそのドキドキに意味を求めるなんてナンセンス。ドキドキはドキドキなのだ。トンネルは怖い。ただそれだけなのだ。インスタントラーメンってなぜか子供はみんな大好き。そこに意味なんて見つける意味はない。お父さんは仕事で昼間はいないので子供たちのドラマに登場しないもんだ。物語的には重要と思える母親同士の話だって子供には聞こえない。ストーリーが破綻?我が家の三歳児に物語を語らせたら最初に登場するお姫様は二度と登場しなかったりするという素晴らしい破綻ぶりを見せてくれるのだが、それに比べりゃ・・って比べるなってか。でも大人向けの映画にしたってそこで辻褄合わせやってちゃ面白くなくなっちゃう。この映画は子供向けにしたことで本来映画が持ち得る「自由」を得た。もし嘆くのであれば子供向けにしないと「自由」を得れない映画環境こそを嘆くべきだ。波の躍動感、その上を走るポニョの疾走感はアニメーションならではの醍醐味に満ちている。公開初日に映画館を地元の子ども会で貸しきって鑑賞したのだが、みんな楽しんでましたよ。一部高学年男子はガキっぽかったと言ってたけど(ガキのくせに)、まあ大人ぶりたいガキンチョどもには照れが邪魔してなかなか入ってゆけない世界ではあろう。[映画館(邦画)] 7点(2010-03-12 18:15:41)(良:2票)

10.  鴨川ホルモー 《ネタバレ》 原作の白眉は「吉田代替りの儀」、いわゆるレナウン娘のシーンである。京大とレナウンを結ぶもの、それはアメリカンフットボール。学生日本一を決める甲子園ボウルを勝ち上がった京大ギャングスターズがライスボウルにて社会人NO.1のレナウンローバーズと対決するという図を何度目にしたことか。そしてレナウンのチアガールたちはこのレナウン娘で踊っていたし当然テレビコマーシャルでもこれが流れた。この因縁めいた郷愁がこのシーンにはあるのだ。さらに原作の面白さともいえる「厳かさとアホ」が最も両極端に表出されるのもこのシーンなのだ。この場面を読んだとき、私の頭には『ウエスト・サイド物語』のようなソコで踊ることの違和感と一糸乱れぬダンスパフォーマンスと投げ捨てられる服が見事に映像化されており、ココだけでも早く見たいと思わせたのだったが、なんなんだ、一糸乱れぬどころか乱れまくりの統率感ゼロのあの踊りは。厳かさの欠片もないではないか。歌に合わせて脱がんかい。ダラダラとパンツ脱いでんじゃねえ。がっかりだ。がーっかりだ。17条ホルモーの件の改変もまた「厳かさ」を損なっている。厳かさとアホを見事に共存させているのは栗山千秋のゲロンチョリーだけではないか![DVD(邦画)] 3点(2009-11-26 16:55:02)(良:2票)

11.  ガチ☆ボーイ 前半、つまらんつまらんと思って見てたら中盤であることが明らかにされて一旦はドラマに吸い寄せられかけたのだが、この明らかにされたところの特殊な設定というのが、単にドラマを盛り上げるためだけに安易に用意されたものでしかないことに愕然とした。というか明らかにされて意向はこの設定自体が主役と化している。要するにプロレス同好会を通して青春を謳歌する若者の物語の中で主人公に課せられた過酷なハンデキャップが逆に青春を眩いものとする、というのではなく、過酷なハンデキャップを持つ若者の感動物語をプロレス同好会を舞台に繰り広げている作品なのだ。いっしょだろ!と思う人もいるだろうけど私の説明が下手なだけで全然違うんです。学生の集まり特有のアホらしい笑いがいい感じであっただけに、感動ありきのこの作りにがっかりでした。でもここのレビューの傾向を見ると高評価の中でも映画館で見た人の評価がさらに高いようなのでテレビ画面では伝わりにくい盛り上がりがスクリーンにはあったのかもしれません。[DVD(邦画)] 3点(2009-11-24 15:12:33)

12.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 この作品をいつ見たのかは覚えていないが、その頃も現在のここでの評価と変わらず高評を得ていて、それゆえの高い期待のせいもあると思うが拍子抜けをくらった作品である。田中麗奈の垢抜けないイナカッペぶりが良く、かといって昨今のそのイナカッペぶりを色物として装飾する手法をとっていないのがなお良い。イナカッペぶりが親近感とか共感とか純真、あるいは郷愁といったものを想起させ、何も起こらない物語に味わいをもたらしている。だが何も起こらない物語のようで実はいかにも大人の事情というドラマチックなエッセンスを持つ臨時コーチとか全くの素人が勝ち上がってゆくもろにドラマチックな展開とかあるにはあるのだ。あるのにないような描き方にちょっとイライラ。だいたい回想形式にしている意味がよくわからない。後々に回収されてゆくのだろうと思っているものがことごとく置いていかれているように感じたのはやはり期待が大きすぎたゆえか。[ビデオ(邦画)] 5点(2009-11-16 17:03:21)(良:1票)

13.  隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS あくまでオリジナルはベースであって全く別の作品なのだからどんな改変もありだと思う。面白ければ。でも面白いか?これ。現代風アレンジは否定しない。長澤まさみもかわいいしさ。でもやっぱり面白くない。映画というのは皆一様に面白いものを作ろうとしている。仮に芸術作品といわれる類のものであっても。で、この作品も面白くしようと頑張っているのはわかる。でも、何が面白いのかってのはそれぞれなんだけど、どうもこの監督が考える面白さってのは少なくとも作品の質を上げることには貢献していない。美男美女を出演させて、ちょっと恋愛感情なんか芽生えさせちゃったりして、ドラマに適度な抑揚を用意して、派手な爆発を入れといて、これだけしたらとりあえずは楽しめたでしょみたいな。たしかに映画を滅多に見ない多数派にはそれなりの満足を提供しているのかもしれない。よって商品としては価値向上に貢献しているのだろう。いや、商品志向だからダメってことじゃなく、うまく書けないんだけど、与えようとしている娯楽があまりに幼稚というか浅はかというかバカにしてるというか。[DVD(字幕)] 2点(2009-11-04 15:47:17)(良:1票)

14.  怪談(1964) 小泉八雲の怪談四篇。 ■「黒髪」内容もさることながら屋敷の風貌が溝口健二『雨月物語』を彷彿させるが、『雨月物語』と比べられちゃうとちときつい。しかしクライマックスのダイナミズムは迫力満点。後悔と謝意、そしてそれらを上回る恐怖が男を襲う。 ■「雪女」雪女メイクの岸恵子が怖い。空に浮かぶ目のような渦模様が幻想的。この一編に凝縮された世界観がとにかく素晴らしい。 ■「耳なし芳一」冒頭の源平合戦のくだりが長く感じたが、赤子を抱えて入水する悲劇の直接的描写が、その後に見せられる平家の霊の強さに結びつく。芳一を演じた中村賀津雄がいい。 ■「茶碗の中」怪談話とは言い難い一編。作風的にもこれだけが妙に軽い。 ■<総評>総じて話がきっちりとまとまっていて丁寧。丁寧に紡いでいるからこそ少々アバンギャルドなセットにしても古典的なるものが現れているのだろう。豪華な演者と型にはまらない演技も素晴らしく、なによりも短編それぞれを1本の映画のように妥協無く作っただろうことがひしひしと伝わってくるのがいい。[映画館(邦画)] 7点(2009-10-20 18:47:32)《改行有》

15.  怪談(2007) 《ネタバレ》 古典と現代のジャパニーズ・ホラーがどのような融合を見せてくれるのだろう。あるいは融合などせず、豪華な女優陣でもって純和風な愛憎劇でも見せてくれるのだろうか。などと想像を膨らませながらの鑑賞はDVD.映画館で見るべき映画だったのかもしれない。なぜなら美しいと評判の江戸の街のセットが全く美しいと思えなかったから。たしかにキレイではある。とくに室内シーンは言うこと無し。でも屋外シーンがどことなく薄っぺらい。雪もCGを使っているせいか季節感が全く無い。このあたりで既にうんざりぎみの鑑賞だったうえに腕がバーンと出る「融合」とは程遠いショックシーンに鑑賞姿勢が一気に崩れたのだが、その後、強烈なインパクトを持つ「とり殺す」という言葉のストレートさにひかれたり、井上真央と故郷へと進む小さな船の画が妙に美しかったりと、時々姿勢を正させる画が飛び込んでくる。怖くないこのお話の中で最も怖さが出ていたのが井上真央が雨の中「付いて来ている」とつぶやいたあたりで、その後、頭上の橋の隙間からはっきりと黒木瞳の瞳(シャレじゃなく)を見せてしまうのはどうかと思ったが、このシーンが後々の屋根裏から見下ろす幽霊目線を効果的にしているところなんかは巧い。でもこの怖さ自体がどうも軽い。少なくとも妖艶とか情念とかといったものが全然足りないように思う。思うのだが、そもそも妖艶とか情念とかといった純日本的なものの濃さを求めていた私と相性が合わなかったというだけのことなのだろう。[DVD(邦画)] 5点(2009-10-19 17:13:20)(良:1票)

16.  影武者 たまたまテレビをつけたら信玄の骸を入れた瓶を湖に捨てるシーンだったんだけど、ただ朝靄のかかった湖が映されているだけのその画を見てすぐ黒澤明の映画だなと思った。前に観てるからとかではなく、そのだだっ広い湖一面を覆い尽くす朝靄の人工的でありながら嘘っぽくない、美とリアルを同居させた画づらと、このなんでもないシーンをたっぷりじっくり堂々と映し続けるその迷いの無い画面の厳かさに黒澤明を感じたのだ。そうして見ると全てのシーンにものすごく時間とお金をかけていることが伺えてシーンごとにため息が出てしまう。撮影時を想像して感動するなんて映画の見方としては適当ではないだろうけど、間違いなく画の中にそれらは現れている。カラーになってからの黒澤時代劇は絵画的な芸術色を濃くしているように思うが、それらが顕著に表れる合戦シーンなんかはさすがに圧巻の画の連続。一方、その反動か、人が会話をするシーンがどうにも浮いて感じてしまう。外国人のためなのかもしれないけど 説明セリフも多い。[DVD(字幕)] 6点(2009-01-14 12:08:43)

17.  片腕マシンガール 映画が始まる前にパンツ1丁の監督によるこの作品の正しい鑑賞方法の説明が映されてそのおバカさに和む。映画冒頭いきなりのド派手なスプラッターアクションもこの和みとのギャップに大いに盛り上がり、和みのおかげで大袈裟な血しぶきもある意味ギャグと割り切れたような気がする。お話は単純で小気味良い。子供向けヒーローものにありがちな展開にギャグすれすれの残酷描写を入れただけで、その部分は全然面白くないのだが(天ぷらにされた腕には笑ったが)主演の八代みなせが見事に激写されていて実に興奮、いや感動した。髪の毛の乱れ具合とか顔の汚れ具合とか苦悶の表情のアップとか怒りの表情のかっこよく映る絶妙な角度とか実に監督のフェチ度が活写されている。体操着姿はアップではなく引いた画でとらえられるのはその場所が体育館であったり背景に校舎が映されていることが重要だから。コダワリに妥協が見えない。そして見えそうで見えないチラリズムの極意とちょっとだけ見せちゃうサービス精神がまた嬉しいではないか。何かを撮ることに長けた人ってのはその何かのオタクでなくちゃいけないのだろうと思った。[映画館(邦画)] 6点(2008-12-11 15:42:08)(良:2票)

18.  完全なる飼育 愛の40日 回想形式にしたのは事件を引きずり続ける被害者の何かを見せたかったからなのだろうが、何かが映されたようには見えず、ただ時間軸をずらしたかっただけのようにしかみえない。一作目のレビューでもちょっと触れたが、この二作目は女が犯人に好意を寄せてゆく過程が不自然。UFOだの宇宙人だのと空想めいたことを言う女は社会からの逃避願望やら現代人の抱える孤独感やらといった問題を根底に抱えていることを訴えていて、それが女の恋愛感情への伏線としてあるように描いているが、こういったわかりやすすぎなやり方でしか根底の諸問題を訴えられないのかと思うと情けなくなってくる。だいたいここで社会派チックなことをすること自体どうなのかと思うが、やるならやるで徹底的にしてほしい。主演の女の子の棒読みはかなりひいてしまったが、回想時の語りが棒読み具合がひどく、演技を伴ったときはまだマシだったので、おそらく催眠術にかかっている状態を彼女なりに演じてのことなのだろう。それでOKを出す監督も監督だと思うが。[DVD(邦画)] 3点(2008-06-16 12:48:59)

19.  完全なる飼育 原作がどうなのか知らないが少なくとも小島聖の心理描写はストックホルム症候群のソレとは大きく異なるように思う。原作のせいかシナリオのせいか。犯人のけして暴力を振るわない監禁はストックホルム症候群を起こしうる条件を満たしている(次の「愛の40日」はそういう意味ではお話が崩壊している)ので、小島聖の舞台劇のようなメリハリのあるセリフまわしのせいかもしれない。ところどころで喜劇調になるのだが、なりきれていないというか、、、とくにアパートの住民たちのユニークなキャラが活かしきれていなくて残念。だってこれ、コメディですよね。[ビデオ(邦画)] 5点(2008-06-10 15:17:12)

20.  完全なる飼育 赤い殺意 《ネタバレ》 シリーズ最高傑作!かどうかは全部見てないので断言できないけど、現時点で鑑賞済みの最初の二作品とは比べ物にならんくらいによくできてる。ストックホルム症候群の状態に陥ったのであろう元ネタの事件からも、シリーズものであるということからも完全に独立し、全く違う物語を展開する若松監督の「完全なる飼育」は暴力と脅しという恐怖の下に成される洗脳をもって描かれる。「洗脳」から想起されるのは某カルト教団か、↓の方もご指摘の某独裁国か。製作年からすればやっぱり後者でしょうか。物語の中にそのときの社会の抱える問題をズバッと入れてくるってのが若松監督らしくていい。第三者の救助ではなく、自ら洗脳の呪縛と戦い自由を取り戻すという結末には、同時期に撮っていたという『17歳の風景~少年は何を見たのか』同様に若い世代に何かを伝えたいという監督の想いのようなものを感じた。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-21 14:25:30)

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