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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  侠客列伝 《ネタバレ》 マキノ雅弘監督による高倉健主演の任侠映画。夏に何本か見た石井輝男監督の「網走番外地」シリーズと比べるとやはりマキノ監督の演出はオーソドックスで手堅く、見ていて安心感があるし、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子といったオールスターが出演しているのだが、それぞれの見せ場の描き方もうまい。とくにかつて恋仲であった鶴田浩二と藤純子の再会エピソードでは藤純子の鶴田浩二に対する思いがよくこちらに伝わってきて印象に残る。その鶴田浩二や、組を破門されて姿をくらましていた若山富三郎のドラマもよく出来ていて面白かった。それに藤純子に惚れている長門裕之の描き方もマキノ監督らしい。東映の任侠映画をここ数年見てきてそろそろ飽きが来たかと思ったりもするのだが、やはりクライマックスの殴り込みシーンでは盛り上がってしまうし、それがマキノ監督ならばなおさらのこと。この映画でも殴り込みのシーンは大盛り上がりで見ることができた。高倉健と鶴田浩二の共演シーンは多くはないが、この二人の斬り合うシーンもとても熱くて見ごたえがあり、同時にマキノ監督らしい義理人情を思わせる。しかし、その最中に鶴田浩二が発砲されて死ぬのはちょっとと思う。ほかにも少し不満はあるし、シリーズものでないにも関わらずややマンネリ感もあるが、それでも全体としてはいかにもマキノ監督らしい作風の映画で、最後まで楽しめる映画だった。[DVD(邦画)] 7点(2013-10-30 17:33:51)

42.  喜劇 一発勝負 《ネタバレ》 親と大喧嘩をして家を飛び出した男が久しぶりに帰ってきて騒動を巻き起こすというストーリーは「男はつらいよ」の一作目を彷彿としていて、主人公の妹を演じているのが倍賞千恵子であるという共通点もあり、「男はつらいよ」の原型のようなものが感じられる。しかし、演じるハナ肇と渥美清のキャラクターの違いか、そう思って見ているとなんか違うと感じてしまうし、主人公の下の妹が実は主人公の娘であるという設定も少し重く感じる。出来もこれまで見た山田洋次監督とハナ肇のコンビ作の中ではやや落ちる方だと思うものの、それでも、主人公が自分の葬儀の最中に棺から出てくるギャグ(本当にどうなってるんだろう。)や、毒のあるラストなどはやはり後年の山田監督の映画では考えられないものであるが、こういう初期の頃の作風もけっこう好き。いちばん最後の主人公の父親(加東大介)の不気味な笑い(それこそ後年の山田監督の映画では絶対見られない。)がものすごく印象的だ。本当は6点というところの映画なのだが、このシーンに一点プラス。もうひとつ、この時期の山田監督の映画では登場人物の誰かがナレーションをしているパターンが多い(「たそがれ清兵衛」や「母べえ」など最近の作品でもそう。)のだが、今回は珍しく一切画面に登場しない専属のナレーターを三島雅夫が担当していて、映画を見ている者に話しかけるようなその柔らかな口調が印象に残る。 ただ、やはりこの映画の主人公はあまり好きにはなれず、同じようなストーリーなら寅さんのほうが魅力を感じられる。[DVD(邦画)] 7点(2013-07-11 17:19:03)

43.  喜劇 男は愛嬌 森崎東監督の第3作。主演は渥美清でストーリー自体も長い間旅に出ていた主人公が久しぶりに実家に帰ってきて騒動を起こすという完全に「男はつらいよ」シリーズのパターンと似通っており、脇の出演者も「男はつらいよ」シリーズの面々が何人か出ている(太宰久雄、佐藤蛾次郎)が、森崎監督らしいパワフルな(「破壊的な」と言う方が正しいかも。)演出やバイタリティーあふれる癖のある登場人物たちのおかげで「男はつらいよ」シリーズの一作のようでありながらそれとは一味違う映画になっている。森崎監督がこのひとつ前に手がけた「男はつらいよ フーテンの寅」も従来のシリーズとは一味違う映画であったが、ダンプが家に突っ込むシーンの過激さや、独特の下品さなど、本作はより森崎監督らしさが出ていて「フーテンの寅」よりも面白かったし、森崎監督のこういう作風はけっこう好きだったりする。出演者の中ではなんといっても主演の渥美清がすごくイキイキとしているのが嬉しい。やはりこの渥美清という俳優は「ああ声なき友」のようなシリアスすぎる役柄よりもこういう威勢のいい元気な役のほうが似合っているし、こういった喜劇でこそ本来の魅力を最大限に発揮できる俳優なのだと思う。そんな喜劇を演じる渥美清が好きだし、さっき書いたようにこの映画は「男はつらいよ」シリーズとは一味違うのだけれど、それでも渥美清が好きなら、寅さんが好きなら一度は見ておいて損はない映画だと言っておきたい。それにしてもこんなにイキイキとした渥美清を見るのは本当に久しぶりな気がする。渥美清というのは本当に魅力的な喜劇俳優だと改めて思った。[DVD(邦画)] 8点(2013-07-05 17:54:47)(良:1票)

44.  君が若者なら 《ネタバレ》 集団就職で上京してきた5人の若者を描いた青春映画。「若者たち」と出演者が似通っていて、つくりとしても「若者たち」の路線を目指しているようだ。だから深作欣二監督にはちょっと不釣り合いの題材かもと思っていたが、集団就職で田舎から都会に出てきた若者たちのその後の人生の厳しさがよく描けた佳作となっていて、なかなかいい映画だった。集団就職で入社した工場が倒産するという話は当時でも普通にあったことだろうと思えるし、同じ夢に向かっていた5人の運命がバラバラになってしまうのもリアリティーが感じられる。とくに最後まで一緒にがんばっていた石立鉄男と前田吟の考えが少しずつずれていき、刑務所を脱獄した仲間(河原崎長一郎)をめぐる二人の対立で考えのズレがはっきりと出るのだが、この展開も青春映画として非常に見ごたえがあり、「若者たち」でもそうだったが、この当時の若者の熱さが感じられる。ラストで爆発炎上し、灰となってしまった5人の夢であったトラックを見ながら石立鉄男が言う「トラックが焼けてよかった。」というセリフは「また一からがんばればいい。」という若者らしさが感じられていい。若いうちは何度でもやり直しが利くのだ。若いうちは。どうしてもアクション映画の印象が強く、後年の文芸作品でも激しい演出の多い深作監督だが、この映画ではそういう演出は控え目(深作監督らしさは回想シーンでのストップモーションとラストのトラックの爆発炎上シーン、室田日出男のチョイ役での登場など探せばあるのだが。)で、こういう映画もやれるのかと深作監督の作風の幅の広さもあらためて感じることができる映画となっている。[DVD(邦画)] 7点(2013-03-09 15:43:16)

45.  喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 《ネタバレ》 渡辺宙明の軽快なテーマ曲にのってミヤコ蝶々と北林谷栄が街を歩く。この二人の老け役女優が良く、ほかにも最年長の東山千栄子をはじめとする老人役のほか、日本を代表するような名優たちが出演していて、それだけでも見る価値のある映画なのだが、内容は「喜劇」というには重い老人問題を扱っていてあまり笑えない社会派映画となっている。今でこそ少子高齢化社会であるが、この映画の製作当時はまだそんなことは言われていなかっただろう時代にこのテーマの映画というのは社会派・今井正監督の先見の明を感じずにはいられないし、ラスト近く、帰宅したミヤコ蝶々に対する家族の冷たい態度は現代から見ればものすごくリアルに感じられる。ただ、ラストはミヤコ蝶々演じる主人公が北林谷栄のいる老人ホームに行くところで終わったほうが少しは希望があったのでは。あのまま主人公が息子夫婦と暮らしていくよりはいいと思うのだ。とはいえ、北林谷栄はある疑いをかけられ、その老人ホームを抜け出したことからも考えられるが、老人ホームが本当に老人にとって安住の地なのかと言われれば微妙なところで、結局どちらがいいとも言えないのが実情だろう。この問題は今現代においても全く変わっておらず、むしろ今のほうが深刻になっているのだ。非常に考えさせられるいい映画だったと思う。老人ホームの職員役で小沢昭一が出ている。去年暮れに亡くなってしまったのは本当に残念だった。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-13 16:51:19)

46.  北の国から 2002遺言 前編・後編<TVM> 《ネタバレ》 「北の国から」の長い歴史を締めくくる完結編。放送当時見逃していて10年経った今頃になってようやく鑑賞。最後ということを意識してか、涼子先生(原田美枝子)の久々の再登場などどこか同窓会的雰囲気も漂わせる作品になっていて懐かしい気持ちにさせられるが、ドラマは結(内田有紀)の義父を演じる唐十郎がほとんど持って行ってしまった感じで、悪くはないが、あまり完結編という感じのしないものになってしまった印象。前半の雪子(竹下景子)の息子の携帯メールのエピソードはいらなかった気がするし、脚本がどこか散漫に感じる。そんな中、やはり、奥さんのガンのことを中畑(地井武男)が五郎(田中邦衛)に話すシーン、撮影当時本当に奥さんをガンで亡くしたばかりだったという地井武男の演技はリアルすぎて見ていてつらく、演技ではないことは想像に難くないし、思わず心中を察する。本放送前は五郎が死ぬのではと思わせるような宣伝だったように記憶しているが、そうはならなかったのが救いで、中畑の奥さん死んでて、同じ話で五郎まで死んだのでは作品が陰湿すぎるものになってしまうため、これで良かったと思う。これでこのシリーズはすべて見終わったことになるが、だからこそエンドロールで今までかかわったキャストやスタッフの名前がどっと出てくるのは感慨深いものがある。最後にこのシリーズを脇で支え、今年亡くなった地井武男と大滝秀治のご冥福を祈りながら、このレビューをしめたいと思う。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-16 19:16:15)

47.  吸血髑髏船 「吸血鬼ゴケミドロ」に続く松竹の特撮ホラー映画。この作品はSF路線には行かずにオカルトチックなB級ホラーというつくりになっているが、どうも白黒のせいか「昆虫大戦争」や「吸血鬼ゴケミドロ」よりもB級っぽく見え、話も支離滅裂な感じであまり面白くはないし。ただ、B級ながらも白黒のおかげかホラー映画という雰囲気はよく出ていたと思う。(骸骨とかコウモリとか明らかにちゃちいのだが。)この前年に「007は二度死ぬ」にノンクレジットのチョイ役で出演した松岡きっこが主演で、けっこう美人なんだなとか、その恋人役は去年自らが侵されたガンとの向き合い方で注目されていた入川保則だとかそんなことを考えながら見ていた。これで同時代に作られた松竹の特撮映画は一通り見たことになるのかな。いずれもがんばってはいたのだが、やはり松竹に特撮映画というのはどう考えても畑違いのように感じる。[DVD(邦画)] 5点(2012-05-30 01:44:55)

48.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 松竹の特撮ホラー映画。「昆虫大戦争」と同じ年の作品で、本作もかなり退屈な代物なのではと思っていたが、墜落したわりに飛行機の乗客生き残り多すぎでみんなピンピンしていたり、「昆虫大戦争」では吹き替え(納谷悟朗)だった外国人キャストのセリフが英語のままだったりする(しかも通じてなかった政治家が最後のほうになるといきなりバッチリ通じていたり・・・)など突っ込みどころ満載の展開ながらも思ったよりははるかに楽しめた。極限状態に置かれた人間模様を描いた前半は「マタンゴ」を思い起こさせるが、この部分は密室劇として普通に面白いし、ホラー要素なくてもこれだけで見ごたえのある映画にはなっていると思う。金子信雄の役柄が実にこの人らしい。宇宙からの侵略者が人間同士の争いに目をつけて攻めてくるのは当時の社会情勢に対する批判がこめられていることは明らかで、ラストが「昆虫大戦争」と同じような感じなのも合わせて考えるとやっぱり当時の時代性が感じられる。ところで、本来は子供向けに作られた映画らしいが、ドロドロの宇宙生物が割れた額から出入りするのは小学生くらいの頃に見てたら絶対にトラウマになりそう。[DVD(邦画)] 6点(2012-05-24 11:00:28)

49.  喜劇 駅前開運 社長シリーズと並ぶ森繁久弥主演の喜劇映画シリーズである駅前シリーズのひとつ。第1作「駅前旅館」の豊田四郎監督が再登板している。このシリーズを見るのはその「駅前旅館」以来2本目であったが、シリーズの開始10年という年に作られた本作はやはりシリーズ末期の作品で、あまり面白みを感じられない。(「駅前旅館」もそんなに面白くはなかったけど。)このシリーズは地方ロケが多いらしく、今回の舞台は赤羽。「宝くじ踏切」と呼ばれる開かずの踏切が開くのを待っている人々の光景はいかにも昭和という感じだし、ゴミ焼却炉の煙の問題を背景として出してくるところに当時の世相がうかがえ、その辺りは興味深いが、主演の三人のやりとりをはじめ、笑いの部分になるとなんかイマイチなのが残念で、ぜんぜん楽しめないことはないのだが、せっかく森繁、伴淳、フランキーという喜劇俳優たちを用意しているのになんかもったいない気さえしてしまうし、(その分、脇で出ているナベプロ時代の藤田まことなどが頑張ってるような印象はある。)豊田監督の演出にもやや精彩がない感じ。女優として芝居をしている黒柳徹子を初めて見たけど、やっぱり若いなあ。でもしゃべり方とかは今とあんまり変わっていないような気がする。[DVD(邦画)] 5点(2011-08-25 15:20:13)

50.  きな子~見習い警察犬の物語~ 《ネタバレ》 香川県に実在する見習い警察犬きな子(2011年1月 警察犬デビュー)を題材にした動物映画。一応、実話の映画化ということになるんだろうけど、ストーリー自体は見習い警察犬訓練士の成長物語となっており、きな子をネタに一本映画を作ってみたという感じ。訓練所の所長(寺脇康文)の家族はそれぞれいい味を出していて、この一家の配役はみんな適役。ドラマとしては独立寸前までいきながら家庭の事情で諦めざるを得なかった田代(山本裕典)の葛藤や、杏子(夏帆)ときな子の絆などもう少し掘り下げてもよかったのではと思う部分もあるが、ファミリー映画でもあるので限界があるのかもしれない。(それでも杏子ときな子の絆にはもう少し踏み込んだドラマがあってもよかったのではないかと思う。)クライマックスで所長一家の長女(大野百花)が危機に陥ってそれを杏子ときな子が助けるという展開はかなり予想通りでありがちではあるが、やはりちょっとほろっとさせられる。全体としては別にこの映画で実在の犬を題材にしなくてもという気持ちもないではないが、ファミリー映画としてはそこそこ楽しめたといったところか。[DVD(邦画)] 5点(2011-03-12 13:49:18)

51.  君よ憤怒の河を渉れ 《ネタバレ》 「単騎、千里を走る。」で健さんを主役に起用したチャン・イーモウ監督が健さんのファンとなったきっかけになった作品として挙げている映画。「逃亡者」を思わせるストーリーでそこそこ面白かったが、緊迫してるシーンのハズなのに妙に音楽が明るいのはかなりのミスマッチを感じるし、着ぐるみまる出しの熊はまだしも、新宿を疾走する馬はいくらなんでもやり過ぎに思う。(一瞬「トゥルーライズ」を思い出してしまった。)健さんは無実の罪を着せられた主人公をシリアスに演じているのだが、後半、薬を飲まされ、それをトイレに吐くシーンはどう見てもギャグにしか思えず、のどかで明るいBGMとも相まってつい脱力して大笑いしてしまった。それでも健さんと原田芳雄のツーショットはカッコよかったし、なんだかんだ言って突っ込み所の多いバカっぽい映画ではあるが、娯楽映画としてはそれなりに見ごたえのある映画にはなっていると思う。[DVD(邦画)] 5点(2011-01-06 14:36:48)

52.  キサラギ まあ想像していたよりは面白かったし、ところどころに笑える箇所とかもあって楽しく見たんだが、正直そこまで絶賛されるほどの映画だとは思えなかった。あと、ちょっと騒ぎすぎで役者の芝居に落ちつきがないように感じられるのも個人的にはちょっとね。ユースケ・サンタマリアを俳優として「踊る大捜査線」関連以外ではじめて見た気がするが、オダ・ユージという役名で「踊る大捜査線」に出てきたようなセリフを言っているのが笑えた。でも、演技は真下をやっている時とそう変わらないなあ。[地上波(邦画)] 6点(2010-09-14 21:39:57)

53.  銀河鉄道999 テレビシリーズは小学生の頃に再放送をなんとなく見てた程度(たぶんその後にある特撮ヒーロー番組の再放送が目当てでそのついでにときどき見てたんだと思う。)で、作品自体にそれほど思い入れがあるわけでないのだが、とりあえずBSでやっていた本作を見た。うーん、全体的なストーリーをよく知らないので、だいたいこんな話だというのは分かったが、話が駆け足気味に進むので、ドラマとして深みを感じられず、詰め込みすぎという印象。それに鉄郎ってテレビシリーズでは10歳くらいの子供だったのに年齢を少し引き上げているのは多分青春映画という線で本作を仕上げたかったんじゃないかな。さっき書いたようにテレビシリーズに思い入れはないのだが、はっきり言ってテレビシリーズと同じのほうが良かったような気がする。キャプテンハーロックなどの登場はファン向けのサービスかも知れないが、松本零士作品にそれほどなじみもないのでなんの感慨もない。ラストは感動的だけど、やっぱりテレビシリーズを毎回見た上で最終回のラストシーンを見たほうが感動できるだろう。そんなにつまらない映画でもなかったが、やはりテレビシリーズの方がもっと内容が濃いのだろうなあと思う。余談だが、メーテルを演じる池田昌子に加えてナレーションが城達也なので、見終わってなんだか「ローマの休日」の日本語吹き替え版が見たくなってしまった。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-08-14 13:29:10)(良:2票)

54.  喜劇 ソレが男の生きる道 戦時中に同じ部隊にいた二人の男の戦後の姿を描いた喜劇。主演は藤田まことと藤岡琢也。藤田まことの喜劇映画での主演作は初めて見たが、後年の渋い演技派のイメージとは違う軽い雰囲気でコミカルに演じている。今までクレージーキャッツの映画など何本かの喜劇映画で見かけているが、喜劇出身の俳優と言われてもピンと来なかった部分が多かった。しかし、いざこうやって喜劇に主演しているのを見るとシリアスな役柄よりもイキイキと演じているように見え、やっぱり喜劇出身なんだなあと感じた。怪しげな研究をしている藤岡琢也にどことなく川島雄三監督の映画にこんなキャラクター出ていそうな雰囲気を感じるが、原作と脚本が川島監督と親交のあった藤本義一というので納得。藤田まことが思いを寄せる女性を演じる小林千登勢は晩年しか知らなかったので、その美しさにビックリした。彼女の息子(頭師孝雄)が学生運動家という設定なのだけど、学生運動といえば60年代前半のイメージが強いのだが、まだこの頃もこういうのあったんだなあ。映画としてはそこそこよく出来たB級映画という感じで、全体的に可もなく不可もなく普通に楽しめるといった印象。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-04-04 15:39:20)

55.  金田一耕助の冒険 《ネタバレ》 大林宣彦監督が初めて手がけた角川映画で、当時空前のブームを巻き起こしていた金田一耕助シリーズをはじめ、公開当時の時事ネタをこれでもかと言わんばかりに盛り込んだパロディー映画。当時をリアルタイムで知らなきゃつらい映画かと思ったが、ついていけない部分は確かにあるものの、古谷一行演じる金田一と田中邦衛演じる等々力警部のコミカルなやりとりや大林監督らしい遊び心あふれる映像は見ていて楽しいし、絶対見ていて呆れるだろうと思っていたパロディー部分も石膏の首を持った東千代之介が「柳生一族の陰謀」の錦之介のマネをしていたり、(やや芝居が真面目すぎる気もするが、同じ東映のスター俳優であった東千代之介がやっているというところが妙に笑える。)紙吹雪が舞う中で行われる「八甲田山」のしょーもないパロディー(元ネタと同じ木村大作が本作も撮影してる。)、麦藁帽子が飛んでいくシーンでかかる「人間の証明」の主題歌など自分がこの当時の映画をけっこう見てるからか面白く見ることが出来た。出演者もかなり豪華で、劇中劇のサイレント映画で金田一を演じる三船や、同じ劇中劇で等々力警部を演じる三橋達也(市川崑監督の金田一もので加藤武が演じる警部の真似をする姿が笑える。)、それに岡田茉莉子などよくこんな映画に出たなと思うような名優から、原作者である横溝正史やほかの作家、大林監督自ら演じる老人ホームの入所者や角川春樹はもちろんのこと、普段はスタッフとして映画に携わっている人まで出ているのはすごい。どう収集をつけるのかと思っていたらラストはちゃんと余韻を残す終わり方だったのは良かった。脚本を斎藤耕一監督が書いているのにはビックリするし、僕自身が古谷一行の金田一を見たのが本作が初めてなのもいいのかなと思ってしまうのだが、こういう映画は嫌いではない。[DVD(邦画)] 7点(2010-03-09 18:09:51)(良:1票)

56.  菊五郎の鏡獅子 かなり久しぶりに見た小津安二郎監督の映画だったのだが、これは劇映画ではなく、歌舞伎「鏡獅子」を舞う尾上菊五郎(六代目)を丹念に撮った記録映画で、冒頭部分に歌舞伎の解説ナレーションまで入ってどうやら海外に日本の伝統芸能を紹介する目的で作られた映画のよう。75年ほど前の映像なので今見るとかなり貴重な映像だが、正直、歌舞伎にほとんど興味がないのでちょっと退屈に感じられた。[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-02-27 02:00:46)

57.  恐喝こそわが人生 《ネタバレ》 深作欣二監督によるバイオレンスアクション映画。スタイリッシュな演出や、音楽のテンポなど時代を先取りしたかのような印象で、あまり古さを感じさせていない深作監督の手腕は見事だと思う。松竹映画といえばホームドラマや人情喜劇といった映画がウリなんだけど、ストップモーションが多用されていたり、派手な爆発・炎上シーンがあったりと本当にこれは松竹映画なのかと思うほど松竹のカラーとかけ離れすぎていて異色な感じで、松竹映画という気がほとんどしないのもすごいが、深作監督らしいパワフルでエネルギッシュな映画でなかなか面白かった。主演の松方弘樹は若くてまだ貫禄不足という気がしないでもないが、それでもなかなかいい演技をしているし、あまり出演作を見たことがないのだが、ヒロイン お時を演じる佐藤友美も素敵だった。80年代まで深作作品の常連となる室田日出男が無名の頃から主役メンバーの一人として出演しているのはやっぱり深作監督の人脈なのかな。丹波哲郎は短い出番ながらもさすがに存在感がある。(主役メンバーの一人として配役する構想もあったとか。)ラスト、主人公を殺す暗殺者役を川津祐介が演じているが、このラストシーンはほとんどゲリラ撮影だったらしく、その効果もあってか、この映画の中でいちばん印象的だった。[DVD(邦画)] 7点(2010-02-09 13:24:40)

58.  銀嶺の果て 黒澤明監督や本多猪四郎監督とともに山本嘉次郎監督の助監督をやっていた谷口千吉監督のデビュー作となる山岳サスペンスアクションで、主役の強盗犯の一人を演じる三船敏郎もこれがデビュー作。戦後2年しか経っていない時代の作品なので娯楽アクションとしては面白いのかどうか不安な面もあったけど、脚本を書いているのが黒澤監督だからか、娯楽性はもちろんだが、人間ドラマとしても見ごたえのある骨太な作品に仕上がっていてなかなか面白かった。三船はこの頃からギラギラした演技で横暴な強盗犯を演じていて、もう既に後のキャラクターが出来つつあるのには驚くし、本作の脚本がのちに黄金コンビとして数々の名作を世に放つ黒澤監督というのも興味深いものがある。志村喬が共演してるので途中から何だか黒澤映画を見てる気分になった。ラストの志村喬と若山セツ子のやりとりと「オールド・ケンタッキー・ホーム」が泣ける。それから音楽といえば忘れてはいけない、伊福部昭にとっても映画音楽デビュー作であるのだが、谷口監督と揉めたというスキーのシーンの音楽をはじめ叙情的な音楽がどれも画面と調和していて素晴らしい。三船もそうだが、伊福部昭もこの後、日本映画の歴史に名を刻んでいくことになるんだなあ。[DVD(邦画)] 7点(2009-02-19 11:57:04)(良:1票)

59.  巨人と玩具 この異様なテンションの高さは何なんだろう。とにかく巻頭の強烈な歌詞の歌からしてもうテンションが高く、映画が始まっても冒頭の山茶花究のまくし立てるような台詞回しに始まり、出てくる俳優たちがやたらとテンションが高い演技をしていて圧倒されっぱなし。そのまま最後までいってしまうのだからちょっとすごい。とくに高松英郎のテンションの高さは凄まじく、後半になって過労で吐血しているにもかかわらず、それでもテンションの高さを保っているのがすごすぎ。増村保造監督の初期50年代の作品はこれまでデビュー作の「くちづけ」と若尾文子との初コンビ作となった「青空娘」を見ていて2本ともハイテンポな展開だったけど、ここまでのテンションの高さはなかった。そんなテンションの高さを維持しつつ、現代でもじゅうぶん通用するような社会風刺劇としての面白さがあり、増村監督のパワーを感じさせる作品になっている。普通の女の子から大スターになるヒロインを演じる野添ひとみも明るい元気娘という前半の感じから、後半のワールドキャラメルを離れた後の少しタカピーな感じまでうまく出していて素晴らしい。彼女がステージで歌い踊っているシーンがやや悪趣味なのが増村監督らしい。先週見た「妻は告白する」のような深みはない作品だが、これもなかなかの傑作だと思った。[DVD(邦画)] 8点(2008-07-24 17:28:08)

60.  銀座の若大将 シリーズとしてはまだ2作目なんだが、既に数作このシリーズ見てるせいか次はこうくるだろうなあというお約束が既に分かっているのでなんだか安心して楽しめる。社長(上原謙)と久太郎(有島一郎)が雄一(加山雄三)についてほめあうシーンや雄一の「椿三十郎」という自己紹介などの楽屋ネタ(昔からあるんだなあ。こういうの。)、それに1作目と同じようなギャグである残飯鍋のシーンが笑える。それにしても澄ちゃん(星由里子)にいいように使われる石山(田中邦衛)はちょっと気の毒。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-06 13:22:19)

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