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プロフィール |
コメント数 |
3274 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
監督別鑑賞作品数
成瀨巳喜男 69 溝口健二 34 川島雄三 41 小津安二郎 37 石井輝男 24 豊田四郎 19 石井岳龍 18 矢崎仁司 12 西川美和 8 山下敦弘 15 今泉力哉 22 フェデリコ・フェリーニ 24 ミケランジェロ・アントニオーニ 14 ピエル・パオロ・パゾリーニ 16 ルキノ・ヴィスコンティ 17 ジャン=リュック・ゴダール 36 フランソワ・トリュフォー 24 ルイ・マル 17 ジャン・ルノワール 15 ジャック・ベッケル 13 ジャン=ピエール・メルヴィル 11 ロベール・ブレッソン 12 イングマール・ベルイマン 27 アルフレッド・ヒッチコック 53 ジム・ジャームッシュ 15 ホウ・シャオシェン 19 ウォン・カーウァイ 14 ジャ・ジャンクー 9 |
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61. 飢餓海峡
《ネタバレ》 日本映画史上のベストテンを選ぶ際、必ず食い込んでくる名作中の名作をやっと鑑賞することができた。
3時間を超える大作のため、なかなか観る機会を得なかったが、噂通り3時間という時間があっという間に過ぎてしまう力と流れのある名作であった。
監督は戦前からの巨匠内田吐夢。
この監督の作品を観るのは自身初。
音楽に富田勲。
本作のラストシーンは相当な余韻を残すものであったのだが、それはこの人の音楽によるところも大きいであろう。
そして主演に三國連太郎。
その名演技にはただ敬服するのみ。
『釣りバカ日誌』での三國連太郎しか知らないと、なかなかこの人の偉大さは分からないかも。
その他、左幸子、伴淳三郎等の脇役陣も一世一代の迫真の演技をみせている。
本作はミステリーとして観てしまうと、納得のいかない部分が多々ある。
そういう意味では完璧な作品とはいえない。
しかしながら、上記俳優陣の迫真の演技が、本作を“日本映画史上の名作中の名作”に押し上げている。
特に、中盤の左幸子が三國を久しぶりに訪問するシーン。
ここが最大の見所。
この一連のシーンはゾクゾクしたし、ワクワクしたし、感動したし、両者の演技に惚れ惚れもした。
しかし後半は、妙に強引な推理展開が目立ち、やや尻すぼみ。
小説は読んでいないが、文字で丁寧に書かれるはずであろう推理小説的な部分が、駆け足で進行されてしまうのだ。
しかししかし・・・
ラストシーンは圧巻だった。
これは凄い。
観ていて口がアングリしてしまい、開いた口がふさがらなかった。
これはこの3時間以上に及ぶ大作を最後まで観た人へのこれ以上ないご褒美だ。
ややや、まさに衝撃です。
本作は先にも述べたように、ミステリーや小説の映画化として観ると味気のないものになり、魅力は半減してしまいます。
俳優陣の熱演、効果的に挿入され衝撃度を劇的に高める音楽等に焦点を当てつつ、ストーリーの根底に流れる“人間の愚かさと哀しさ”に目を向けてみるといいように思います。
いずれにしても本作は紛れもない名作です。
そして“日本映画史上の名作中の名作”、これも決して大げさなふれこみではありません。
観るチャンスがあれば、絶対に観るべき作品ですね。[ビデオ(邦画)] 9点(2007-09-02 22:37:29)(良:1票) 《改行有》
62. 祇園囃子
「恵比寿ガーデンシネマ」の『溝口健二 没後五〇年特別企画』において鑑賞。
主演は木暮実千代。
木暮実千代の出演作品を観るのは初めてで、“初”木暮実千代であったのだが、そのお色気に見事打ちのめされてしまった。
若い若尾文子より大人の色気漂う木暮実千代が本作では気に入った。
自分も大人になったということかな?
本作は溝口健二作品の中で一番のお気に入り作品となった。
やはりその要因は京都・祇園の風景や文化を見事に描ききっていることに尽きる。
“うなぎの寝床”と呼ばれる京都独特の長屋が建ち並ぶ街風景には特に目を奪われた。
その他の街風景にもため息が出るばかり。
こういった風景を見られるだけでも十二分に価値のある作品であった。
他の溝口作品で私の好きな『残菊物語』や『山椒大夫』に比べるとライトな仕上がりで、上映時間も短い。
それが逆に私にとっては功を奏し、全体として締まりのある切れ味鋭い作品と感じることができた。
最後は溝口作品に特徴的な“怒涛な展開”。
本作では恥ずかしながら劇場で涙してしまった。
最後の主演二人のやり取りは、まさに圧巻。
涙無しには観られようはずもありゃしない。
他の溝口作品でもそうだったが、最後に急展開し、感動的なラストにもっていく運びは、観ていてゾクゾクする。
本作は特にそれが強かった。
今日は風邪気味で体調が悪かったが、本作を観てカタルシスを得ることにより、ストレスと疲れが吹っ飛び、風邪が治ってしまった程だ。
これでますます溝口健二にハマってしまった。
それと同時に、一人でも多くの日本人に、溝口健二作品を観てもらいたいという思いも強くなるばかりである。[映画館(邦画)] 9点(2007-09-02 11:13:19)(良:1票) 《改行有》
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