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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  北の国から '84夏<TVM> 「北の国から」スペシャル版で一番好きな作品。ビデオも再放送で録画したものを持っている。そんなに何回も見るわけではないのだが、純と正吉の友情に感動したし、ラーメン屋での五郎と純の親子の会話も良かった。閉店時間だからとラーメンを下げようとする女店員(伊佐山ひろ子)に対して五郎が怒鳴るシーンに親の愛情を感じた。シリーズでも名作中の名作だろう。[ビデオ(邦画)] 10点(2005-03-25 10:31:16)(良:2票)

2.  北の国から '87初恋<TVM> 《ネタバレ》 好きなシーンはいっぱいあるが、ラストの古尾谷雅人演じるトラックの運ちゃんと純のやりとりが感動的だった。その後のシリーズも見ているが、僕にとっての「北の国から」シリーズはこれで完結したと思っている。[ビデオ(邦画)] 10点(2005-03-07 18:50:15)(良:2票)

3.  キングコング対ゴジラ 1作目をぬきにしてこの評価。前半は高島忠夫&藤木悠の珍道中が見所で後半は日米2大怪獣の世紀の対決が見所。しかし、有島一郎の存在も見所と言っていい。彼がいなければこの映画の「喜劇」としての魅力は半減しただろう。タコ部長は最高の傑作キャラだ。[ビデオ(邦画)] 10点(2005-03-03 12:53:39)(良:2票)

4.  飢餓海峡 《ネタバレ》 内田吐夢監督の晩年の代表作となるサスペンス映画。昔から見たいと思っていた映画だったがやっと見ることができた。三時間長という大作ではあるが、内田監督らしい重厚な演出も相まって、その長さを感じることなく、すぐに引き込まれたし、見終わった後には映画二本分を一気に見たような満足感となんとも言えない余韻が残る見ごたえのある映画だった。台風の中で起こった強盗放火殺人事件の犯人の一人であった男・犬飼多吉(三國連太郎)と娼婦である杉戸八重(左幸子)が出会うところからドラマが始まっているが、この二人が最初に出会うシーンでのおにぎりを食べている八重を見つめる多吉の表情、そしてその八重から手渡されたおにぎりをむさぼるように食べる多吉の姿が本当にリアルで、これだけで人間の本能というものを感じることができるし、これだけで終戦間もない頃という描かれている時代性も見て取れる。そんな多吉が八重と一夜を共にし、強盗で得た大金の一部を苦しい生活を送っているという八重に渡して去るが、これがのちのち本作のテーマである人間の善意とはなにかということにつながっていく構成がうまい。ここから先は八重の人生を追うというのが見ていて意外に感じたのは事実だが、多吉にいつか再会してお礼が言いたいという思いを抱えて生きていく八重の強さや、彼女の多吉への思いがじゅうぶんに伝わってきて、この部分も見ごたえがあった。そしてそんな思いを10年間抱き続けて生きてきた八重の運命はあまりにも悲しい。そして、そんな八重を演じる左幸子の演技のすごさ。とくに、多吉の爪を体にあてているシーンなどは、本当に気持ちが入っているのが見ていて分かるほどで、役を演じるとはどういうことなのかを考えさせられるし、八重が成功した多吉(樽見京一郎)と再会するシーンの緊迫感は内田監督の演出もそうだが、やはり演じる三國連太郎と左幸子の演技力あってのものだと思うし、なかでもこのシーンでは「やっぱり、犬飼さんだ!」と叫ぶ八重が忘れられない。そしてもう一人、本作でシリアスな役柄に初めて挑んだという強盗放火殺人事件を追う刑事を演じた伴淳は撮影中内田監督からいろいろ厳しく言われたようなのだが、見事にそれに応えて枯れた演技を見せていてこちらも素晴らしかった。八重が殺されて以降も面白く、とくに高倉健演じる刑事に樽見が取り調べを受けるシーンは演じる同じ二人が対決する役柄で共演していた同じ内田監督の「森と湖のまつり」を2か月ほど前に見ていたこともあって、なかなか興味深かった。そして、多吉が船の上から身を投げるラストの衝撃・・・。多吉は何を思いながら海に飛び込んだのかと考えると非常に切なく、そこにかかる冨田勲の独特な音楽が最初に書いたようになんとも言えない余韻を残す。まさに傑作・名作とはこういう映画を言うのだと思う。最後にもう一度、本作の杉戸八重を演じる左幸子は本当に素晴らしかった。本作はやっぱり左幸子の映画でもある。[DVD(邦画)] 9点(2019-08-18 17:53:42)(良:2票)

5.  疑惑(1982) 《ネタバレ》 高校の頃にテレビで見て以来、また見たいと思っていた映画だったのだが、今回ようやく念願叶って再見することができた。ストーリー自体はよくある法廷ものであるが、とにかく被告・球磨子がすごくいやな女に描かれていて、またそれを演じる桃井かおりもこの役を演じるために女優になったのではと思うほどのハマリ様で、見る者の被告に対する感情移入を許さない描き方が完璧だし、そんな彼女の弁護を引き受けたもう一人の女・佐原律子を演じる岩下志麻も一癖ある弁護士を熱演していて、ほぼ全編に渡ってこの二人の「悪女」の対決が見ごたえじゅうぶん、迫力じゅうぶんに描かれていて、以前にも見ていて裁判の結末を覚えているにもかかわらず、以前見た時よりも面白かった。とくに桃井かおり、個人的には苦手な女優で、好感も持ったことがないのだが、さっき球磨子を演じるために女優になったのかと書いたように彼女独特のキャラクターが球磨子という女にバッチリ合っていて、まさにこの球磨子はそんな桃井かおりが演じるからこそその悪女ぶりが際立っていて、本当に憎たらしく、演技もそうだが、この配役も素晴らしいとしか言いようがない。こんな誰もが有罪になることを望むような女が最後に無罪になってしまう結末なのだが、ここで終わっていたら後味が悪かったところをそうはせず、ラストで球磨子にもきちんと制裁を加えて終わっているのが良い。このラストの二人がワインをぶっかけ合うシーンは昔見た時よりも強烈で、インパクトが強く、このシーンが本作をより象徴的なものにしている。この時期の野村芳太郎監督の映画にはイマイチなものが多いが、本作は紛れもない日本映画史上に残る傑作だと思う。それは原作者の松本清張自身が脚色に参加した脚本の質の高さもそうだが、やはり主演の二人、桃井かおりと岩下志麻の起用の成功が大きかったのだろう。(2013年12月25日更新)[DVD(邦画)] 9点(2006-01-20 01:24:48)(良:1票)

6.  侠骨一代 《ネタバレ》 久しぶりに見た高倉健の任侠映画で、マキノ雅弘監督の映画を見たのも久しぶりだったのだが、いつもの東映任侠映画とは少し毛色が違う感じがして、まず高倉健演じる主人公がいかにもな任侠映画の主人公といったふうではなくて、軍隊にいる時(この冒頭部分で本作は「兵隊やくざ」的な話なのかと思ってしまった。)に母の死を知らされ泣いてしまったりするなど人間味が強調されて描かれているのが新鮮で、このおかげか主人公にすっと感情移入することができた。主人公がやっかいになる組の親分(志村喬)が敵対している組の刺客に狙撃されても致命傷に至らず死なないといった見ている側の予想を裏切る展開もなかなか良かった。それに本作は任侠映画でありつつもメロドラマとしてよく出来ていて、これが本作により深みを与えていて、マキノ監督のうまさを改めて感じた。主人公の母親を演じているのが藤純子で、回想シーンしか出てこず早々に死んでしまうのはおかしいなと思っていると後になって母親そっくりのヒロイン役として二役で登場するという仕掛けもうまく、これも主人公のドラマを際立たせるのに効果をあげている。その藤純子演じるヒロインがビン牛乳を飲むシーンが何度か出てくるのだが、その飲みっぷりがまた良く、印象的だった。高倉健の任侠映画といえば「昭和残侠伝」と「日本侠客伝」の二大シリーズのイメージがどうしてもあるが、本作はそれらとはまた違う作風のイメージで見れたことが良かったし、それでいてマキノ監督の安定感もしっかり出ていて、じゅうぶんに面白かった。[DVD(邦画)] 8点(2022-04-24 23:46:59)

7.  喜劇 男は愛嬌 森崎東監督の第3作。主演は渥美清でストーリー自体も長い間旅に出ていた主人公が久しぶりに実家に帰ってきて騒動を起こすという完全に「男はつらいよ」シリーズのパターンと似通っており、脇の出演者も「男はつらいよ」シリーズの面々が何人か出ている(太宰久雄、佐藤蛾次郎)が、森崎監督らしいパワフルな(「破壊的な」と言う方が正しいかも。)演出やバイタリティーあふれる癖のある登場人物たちのおかげで「男はつらいよ」シリーズの一作のようでありながらそれとは一味違う映画になっている。森崎監督がこのひとつ前に手がけた「男はつらいよ フーテンの寅」も従来のシリーズとは一味違う映画であったが、ダンプが家に突っ込むシーンの過激さや、独特の下品さなど、本作はより森崎監督らしさが出ていて「フーテンの寅」よりも面白かったし、森崎監督のこういう作風はけっこう好きだったりする。出演者の中ではなんといっても主演の渥美清がすごくイキイキとしているのが嬉しい。やはりこの渥美清という俳優は「ああ声なき友」のようなシリアスすぎる役柄よりもこういう威勢のいい元気な役のほうが似合っているし、こういった喜劇でこそ本来の魅力を最大限に発揮できる俳優なのだと思う。そんな喜劇を演じる渥美清が好きだし、さっき書いたようにこの映画は「男はつらいよ」シリーズとは一味違うのだけれど、それでも渥美清が好きなら、寅さんが好きなら一度は見ておいて損はない映画だと言っておきたい。それにしてもこんなにイキイキとした渥美清を見るのは本当に久しぶりな気がする。渥美清というのは本当に魅力的な喜劇俳優だと改めて思った。[DVD(邦画)] 8点(2013-07-03 21:02:44)(良:1票)

8.  魚影の群れ 《ネタバレ》 相米慎二監督といえば「セーラー服と機関銃」のようなアイドル映画や「お引越し」のような子供の成長を描いた映画の印象が強いけれどもこれはもう完全に大人の映画で、緒形拳演じる主人公の漁師としての生き様とそんな彼に漁師の弟子入りを志願する佐藤浩市扮する青年とのドラマが非常に見ごたえがあり、二人がマグロ釣りに出かけて行き、誤って釣り糸が佐藤浩市の顔に巻きつくシーンの壮絶さ。それでいながらマグロを諦めようとしない緒形拳の執念も物凄い。昔「私の青空」という田畑智子(「お引越し」のレンコ)主演のNHK朝のドラマでも取り上げられていたが、ここまで壮絶なものとは。それが相米監督お得意の長まわしによってこれでもかこれでもかとリアルに描かれていて漁師という仕事の壮絶さを思い知らされたような気がする。そんな緒形拳を「人間よりもマグロの方が大事なのか。」と責める夏目雅子扮する娘。この映画は緒形拳と佐藤浩市の男と男のドラマでありながら、この夏目雅子の存在も大きく、海に出て行った緒形拳や佐藤浩市の帰りを待ち続ける姿や、さきほど書いた佐藤浩市が死に掛けてるのにほっといてマグロを釣っていた緒形拳に対して非難を浴びせかけるシーンなどこのトキ子という女性の内面的な部分もよく描かれており、この部分のドラマも非常に見ごたえがあるものになっている。もちろん演じる夏目雅子も見事で、既に青観さんが書かれているようにこの女優でなければ出せない味というのか、そういうものがあるからこそ、ドラマに深みが加わっているのだと思う。ラストの彼女の海に向かってのやり場のない絶叫は思わず見ているこちらも悲しくなってしまった。そして、改めて、夏目雅子という名女優の若すぎる死を惜しく思うし、生きていたら今頃どんな女優になっていただろうと思う。27年間の生涯、そしてわずか10年間にも満たない女優人生。その中でもこの映画は「時代屋の女房」と並んで彼女の映画での代表作と言えるのではないかと思う。坂道を自転車に乗って明るく颯爽と走っている姿も印象的だった。そして緒形拳や相米監督にとっても間違いなく代表作の一つだと思うし、相米監督も53歳という若すぎる死が惜しまれる。それに緒形拳だってもう亡くなってしまっているのは非常に残念。この三人にはもっと長く生きていてもらいたかった。[DVD(邦画)] 8点(2010-10-13 01:45:34)(良:1票)

9.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 「下妻物語」があまりにも予想外に面白い映画だっただけにどうかなあとあまり期待を持たずに見た。運命に翻弄される女性の波乱に満ちた53年間の生涯を描いた作品で「下妻物語」のようなバカバカしさや軽さといったものは若干抑えられてる感じがするものの、不幸のどん底にたたき込まれた主人公 川尻松子(中谷美紀)の物語をことさらに悲劇性を強調するでなく、逆に明るいエンタテイメントとして描ききるというのが斬新。普通に考えれば失敗してもおかしくないのだが、この映画はそれでいて一代記ものドラマとしての見ごたえもじゅうぶんあるという只者ではない映画になっていて、まだ見るのは2本目ながら中島哲也監督のうまさを改めて感じられる。ストーリーのほうはもう松子が父親(柄本明)から愛されたい一心で変な顔をするという序盤からもう切なくなり、松子にこの時点でかなり感情移入してしまった。その後もとにかく必死で愛を求める松子の姿が切なくてたまらないのだ。そんな彼女の最期はとてもあっけないものだった(でも、元教師らしい最期だ。)が、ラストの階段を昇り切った彼女が、出迎えた妹(市川実日子)の「おかえり」という言葉に対して「ただいま」と返す。この瞬間、不覚にも泣いてしまった。下の方も書かれているが、これが松子にとって本当の幸福を手に入れた瞬間だろう。これをハッピーエンドというのかは人によると思うが、個人的にはハッピーエンドだと思いたい。ミュージカルのようにたくさんの楽曲が使われているが、中でも「まげてのばして」が冒頭から効果的に使われており、特に印象的。このラストシーンで松子がこの歌を歌いながら階段を昇っていくシーンも泣けて仕方がなかった。松子を演じる中谷美紀も素晴らしく、撮影中は中島監督との対立が激しかったようだが、その要求によく応えて名演技をしていて、まさにこの女優だからこそこの松子といういかにも不幸で魅力にもちょっと乏しいようなキャラクターをここまで魅力的に表現できるのではないかと思う。本当に見てよかったと思える映画だった。本作は人によっては好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、邦画新時代の新しい女性映画の傑作として高く評価したい映画である。[DVD(邦画)] 8点(2010-08-17 15:58:52)(良:3票)

10.  巨人と玩具 この異様なテンションの高さは何なんだろう。とにかく巻頭の強烈な歌詞の歌からしてもうテンションが高く、映画が始まっても冒頭の山茶花究のまくし立てるような台詞回しに始まり、出てくる俳優たちがやたらとテンションが高い演技をしていて圧倒されっぱなし。そのまま最後までいってしまうのだからちょっとすごい。とくに高松英郎のテンションの高さは凄まじく、後半になって過労で吐血しているにもかかわらず、それでもテンションの高さを保っているのがすごすぎ。増村保造監督の初期50年代の作品はこれまでデビュー作の「くちづけ」と若尾文子との初コンビ作となった「青空娘」を見ていて2本ともハイテンポな展開だったけど、ここまでのテンションの高さはなかった。そんなテンションの高さを維持しつつ、現代でもじゅうぶん通用するような社会風刺劇としての面白さがあり、増村監督のパワーを感じさせる作品になっている。普通の女の子から大スターになるヒロインを演じる野添ひとみも明るい元気娘という前半の感じから、後半のワールドキャラメルを離れた後の少しタカピーな感じまでうまく出していて素晴らしい。彼女がステージで歌い踊っているシーンがやや悪趣味なのが増村監督らしい。先週見た「妻は告白する」のような深みはない作品だが、これもなかなかの傑作だと思った。[DVD(邦画)] 8点(2008-07-24 15:19:03)

11.  喜劇 女は度胸 《ネタバレ》 なかなかパワフルな喜劇映画でかなり面白かった。劇中何度かある渥美清と花沢徳衛の喧嘩シーンは初期の「男はつらいよ」での寅さんと森川信演じるおいちゃんとのやりとりを見てるみたいな感じ(途中から花沢徳衛が森川信に見えてきたし。)だったりラスト近くの渥美清のせりふがまんま寅さんが言っているかのように聞こえるとかどこかこの年始まったばかりの「男はつらいよ」シリーズのセルフパロディーのようで楽しい。母親を演じる清川虹子がすごく良い演技を見せていてとても印象に残る。内容的にはいつもの松竹らしい映画だと思うけど、挿入歌(「くそくらえ節」)の歌詞などけっこう過激な部分も多かったのがいつもの松竹映画とはちょっと違っているなという感じを受けた。森崎東監督の映画なかなか機会に恵まれず今まであまり見たことはない(これが4本目。)けれど、ほかのももっと見てみたいなあ。[DVD(邦画)] 8点(2007-06-28 13:49:41)

12.  鬼畜 なんといっても子供を虐待する岩下志麻が演技とは思えぬほどに狂気に満ちていて恐ろしい。「愛を乞うひと」の原田美枝子もすごかったが、ここまでではなかったと思う。緒形拳はそんな岩下志麻の尻に敷かれたダメ亭主という感じなのだが、東京タワーで娘に「自分の名前言えるか。」とか質問する姿に気持ちがすごく伝わってきてやりきれない気分になった。ラストシーンの解釈はいろいろあるみたいだが、どっちにしても悲しすぎるラストシーンだ。見終わってこんな凹んだ映画も久しぶりだが、映画製作当時よりも児童虐待が社会問題化している現代においてもう一度、再評価されるべき映画だと思う。[DVD(邦画)] 8点(2007-04-26 15:36:30)

13.  祇園の姉妹(1936) 溝口健二監督の映画は三本目。前に見たのが「雨月物語」と「近松物語」という日本が世界に誇る名作二本で実際にとても素晴らしい作品だったのでこの作品には少々不安もあった。確かに「雨月」や「近松」には及ばないと思うところもあるもののこれもやっぱり名作だと思う。宮川一夫が撮影担当でない作品は初めてだったのだが、やっぱり撮影監督が違ってもこの監督の作り出す映像はとても美しく、つい見入ってしまった。主演の山田五十鈴が当時19歳と若く、後年の黒澤作品などで見せる凄みのある演技とはまた違った初々しい演技を見せているのがとても印象的だった。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-01 00:08:25)

14.  霧の旗(1965) 山田洋次監督には珍しい松本清張原作によるサスペンス映画。果たしてどんな作品なのだろうと興味深々で見たのだが、見ごたえ充分な仕上がりでとても面白かった。山田監督がてがけた作品とは思えないほどにタッチがクールで乾いていてこれまで見てきた「男はつらいよ」以前の山田作品の中ではいちばん新鮮に感じた。また主演の倍賞千恵子といえばなんといってもさくらのイメージが強く、復讐に燃える悪女役というのは見ていて違和感があるのではと思っていたが、実に見事に演じきっていて素晴らしかった。それから全体的に暗くシリアスな物語の中にあって三崎千恵子が登場するシーンは「男はつらいよ」シリーズを先に見ているとつい微笑ましくなってしまう。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-25 15:45:41)

15.  彼奴(きゃつ)を逃すな 鈴木英夫監督の映画を初めて見たのだけど、殺人事件の犯人を目撃したことにより、捜査に協力を求める警察と、いつ自分を殺しにくるかもしれない犯人の両方に追い詰められた主人公の心理がとてもよく描かれていたサスペンス映画の隠れた傑作だと思う。クライマックスである犯人とのやりとりも緊迫感が非常に見ごたえがあり、とても面白かった。ところで主要な俳優陣を見ると「七人の侍」に出演していた人が多く出ているのに気づく。主役の七人の侍のメンバーだった志村喬、宮口精二、木村功の三人が刑事、犯人、目撃者という立場で共演しているのが面白い。木村功の奥さん役が津島恵子というのも「七人の侍」での勝四郎と志乃を思い出して思わずニヤリとくるうれしいキャスティングだ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-02-01 03:35:58)(良:1票)

16.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 見る前は正直もっと退屈するかもと思っていたが、意外に最初からすんなりと入ることができ、最後まで退屈することなく見ることができた。学校を舞台にした生徒たちの群像劇ということもあってか、見ていて「櫻の園」(1990年)を思い出したが、本作で描かれる高校生の日常はよりリアルで切実に感じる部分がありながらも、一方でどこかまったりとした青春映画という感じがあり、そのバランスも良い。このタイトルだとバレー部を辞める桐島を中心に話が進むのが普通だと思うのだが、当の桐島が一度も登場せず、退部の理由も結局明らかにされないまま終わるのはかなり斬新なプロットで、もうこれだけで本作は後世に残りそうな感じがする映画になっていると思う。もちろんそれだけではなく、登場する生徒たちが本当にどこにでもいそうな感じがするので、生徒たちそれぞれにさっきも書いたようにリアルさや切実さが感じられるのが本作の魅力になっているのではないだろうか。(生徒たちのなにかダラダラした感じも逆にリアリティを感じさせる。)同じ出来事を視点を変えて何度も描くという手法も映画ではよくある手法だが、やはり効果的に使われているし、やはりこういうのを映画というのだとあらためて思う。クライマックス、屋上でゾンビ映画の撮影をしている映画部の前に桐島を探しにきたバレー部が現れ、ひと悶着起こるところでバックに吹奏楽部が演奏するワーグナー「ローエングリン」が被さるのがとても印象的で、その後のラスト近くの菊池(東出昌大)と前田(神木隆之介)のやりとりがすごく良く、思わず、自分がこのくらいの年齢の頃は前田のような現実を見た考え方はできてなかったよなと妙に懐かしくなってウルっときてしまった。確かに見る人を選ぶ万人受けは難しい評価も分かれる映画だと思うが、見る前の不安が嘘のように面白かったし、見てよかったと思える映画だった。それに見終わって「鉄男」やロメロの「ゾンビ」に少し興味がわいた。[DVD(邦画)] 7点(2021-01-25 00:21:52)

17.  木更津キャッツアイ ワールドシリーズ 《ネタバレ》 劇場版第2作にして完結編となる本作。前作「日本シリーズ」が、テレビドラマの劇場版にありがちなお祭り的な内容だったのに対して、今回はそういった部分はあまりなく、ストーリー的にはこのころの邦画でよく作られていた「黄泉がえり」系で、ついに死んでしまったぶっさん(岡田准一)が現世に帰ってきて、という筋立てだが、やはりぶっさんがただ死んで物語が完結するよりはこういうほうがこのシリーズらしいし、バンビ(櫻井翔)がぶっさんの「それを作れば彼が来る」という声を聞いたところから始まる「フィールド・オブ・ドリームス」そのまんまのような展開もこのシリーズらしく、(元ネタもちゃんと明かしている。)見ていて思わず笑ってしまう。本作は連ドラシリーズや「日本シリーズ」に比べればゆっくりとした普通のペースで進行し、むしろぶっさんが本格的に登場するまでが長いとさえ感じるのだが、見終わって考えてみれば、クライマックスのキャッツとぶっさんの別れをより印象的に見せるためだったのかもと思えてくる。回想で描かれるいまわの際のぶっさんと周囲の人々の中でただ一人彼を看取った父親(小日向文世)のやりとり、連ドラシリーズからずっとこの二人の微妙な関係を見てきたからこそここのシーンは来るものがあり、感動的だ。そしてそれはよみがえったぶっさんが父親にだけ見えない理由にもなっているというのが切ない。ぶっさん死んで三年がたち、バンビらほかのキャッツのメンバーも少し大人になっている。でも、死んでしまったぶっさんはあの時の仲間とワイワイやっていたころのままというズレが結果的に別れにつながるというのがリアルで、大切な人が死んでしまっても生きてる者はそれを乗り越えて今を一生懸命に生きなければならない、前に進んでいかなければならない、若い頃の仲間とのどんな楽しい日々でもいつかは必ず終わるという、ありきたりだが重要で道徳的なメッセージが心に残る。そして、これこそがクドカンがシリーズの最後に言いたかったことではないだろうかと感じるし、これを以って本当に「木更津キャッツアイ」の物語はキレイに完結したと思う。最初に連ドラ第1話を見た時にはとっつきにくい印象が強かったのだが、最後まで見て本当に良い作品に出会えたと思えたことが素直に嬉しい。それともう一つ、今まではメインの登場人物たちが草野球チームに所属している設定ながら、野球自体にはそれほどスポットが当たってなかった気がするのだが、本作では野球にもしっかりスポットがあてられていて、そのあたりにも最後であることを感じさせている。[DVD(邦画)] 7点(2019-03-02 18:33:14)

18.  喜劇 団体列車 列車シリーズ第2作。前半に列車内の人々の人間模様やドタバタを中心に描いていた前作に対して、今回は渥美清演じる主人公と佐久間良子演じるヒロインの関係に最初からスポットがあたっている。前作に比べると列車内の描写は少なく、そこに物足りなさはあるものの、前作の車掌役から一転して助役試験を控えた独身の国鉄職員を演じる渥美清は前作よりも本作のほうがイキイキとしてるように見えるし、前作にもあった夢のシーンや、主人公の母親役がミヤコ蝶々だったり、主人公の見合い相手の父親役が笠智衆であるなど前作以上に(この2年後に始まる)「男はつらいよ」シリーズを思わずにはいられないような映画になっていて、東映映画なのにまるで寅さんの番外編のような雰囲気で楽しい。(前作もそうだったが、今回も途中から東映映画であることをすっかり忘れて見ていた。)前作ではヒロイン役の佐久間良子の出番は思ったほど多くはなかったが、今回は前作よりもヒロインという位置づけの役割も大きくなっていて、見ながら彼女がマドンナの「男はつらいよ」が見たかったとつい思ってしまった。さすがに列車映画としては前作のほうに軍配が上がるのだが、しかし、寅さんほどの勢いはないものの、主演の渥美清の魅力は今回のほうが出ていて好きかもしれない。[DVD(邦画)] 7点(2014-12-09 17:33:12)

19.  喜劇 急行列車 《ネタバレ》 渥美清が「男はつらいよ」シリーズ開始以前に東映で主演していた列車シリーズの第一作。東映の本格的な喜劇映画ってはじめて見た気がするけど、渥美清が主演だからか、はたまた監督がのちに松竹で喜劇映画を手がける瀬川昌治監督だからか、東映臭さはほとんどなく松竹的な人情喜劇になっていて楽しめた。渥美清は特急列車の専務車掌を演じているが、この車掌の人情味あふれるキャラクターが渥美清によく似合っているし、寅さんのイメージが強いからか妻子持ちの役柄というのも珍しく新鮮に思える。この車掌ががかつての憧れの存在である佐久間良子演じる毬子と列車の中で偶然再会し、という序盤は「男はつらいよ」シリーズでの寅さんとマドンナの出会いを彷彿とさせるものがあるし、車掌室で車内放送のマイクのスイッチが入っているのを気づかずに毬子への思いを独白してしまうのも寅さんにありそうなギャグで微笑ましく、楽しい。乗客たちの人間模様やドタバタも描かれ、なによりちゃんと鉄道映画としての面白さがあるのも良かった。大原麗子や小沢昭一など、のちに「男はつらいよ」シリーズにゲストなどで出演することになる役者が何人か出演してるのも見ていて安心感がある。でも、気になるというほどではないのだが、確かに「男はつらいよ」シリーズと比べてしまうと主人公のキャラや、毬子との絡みに若干の物足りなさがあるのも事実で、そこが残念と言えば残念。とはいえ、作品としてはじゅうぶんに面白かったのでシリーズ残る2本も見てみよう。[DVD(邦画)] 7点(2014-12-04 15:34:14)

20.  侠客列伝 《ネタバレ》 マキノ雅弘監督による高倉健主演の任侠映画。夏に何本か見た石井輝男監督の「網走番外地」シリーズと比べるとやはりマキノ監督の演出はオーソドックスで手堅く、見ていて安心感があるし、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子といったオールスターが出演しているのだが、それぞれの見せ場の描き方もうまい。とくにかつて恋仲であった鶴田浩二と藤純子の再会エピソードでは藤純子の鶴田浩二に対する思いがよくこちらに伝わってきて印象に残る。その鶴田浩二や、組を破門されて姿をくらましていた若山富三郎のドラマもよく出来ていて面白かった。それに藤純子に惚れている長門裕之の描き方もマキノ監督らしい。東映の任侠映画をここ数年見てきてそろそろ飽きが来たかと思ったりもするのだが、やはりクライマックスの殴り込みシーンでは盛り上がってしまうし、それがマキノ監督ならばなおさらのこと。この映画でも殴り込みのシーンは大盛り上がりで見ることができた。高倉健と鶴田浩二の共演シーンは多くはないが、この二人の斬り合うシーンもとても熱くて見ごたえがあり、同時にマキノ監督らしい義理人情を思わせる。しかし、その最中に鶴田浩二が発砲されて死ぬのはちょっとと思う。ほかにも少し不満はあるし、シリーズものでないにも関わらずややマンネリ感もあるが、それでも全体としてはいかにもマキノ監督らしい作風の映画で、最後まで楽しめる映画だった。[DVD(邦画)] 7点(2013-10-29 14:18:25)

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