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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  CUTIE HONEY TEARS キューティってイメージじゃない。笑顔が少ないからです。ハニーと云うよりビターって言葉が浮かびました。ルックスは申し分無いのですけどねぇ。ストーリーも典型的なお涙頂戴邦画でがっかりします。「キューティーハニー」としては落第点です。 こんなマガイモノを見ると、1970年代に健康的なお色気を全肯定し、それを味付けと云うよりテーマ的に扱った原作を描いた永井豪はやっぱり天才だったんだと改めて思いました。[CS・衛星(邦画)] 2点(2018-04-24 00:55:07)《改行有》

2.  虐殺器官 《ネタバレ》 伊藤計劃アニメ化3部作の中ではこれがいちばん良かった。分かりやすいです。他2作は難しい映画になっていました。 (子供も含めて)人殺しのシーンが多くて気分良くは観られません。でも、そのこと自体がテーマに直結しているので目を瞑る。そのうえで、しっかりサイエンスフィクションとして成立している映画だと思います。 以下はほとんど原作への感想です。国内で殺し合いをやっている国を報道で見ます。対して、現在の日本は世界で最も平和な国のひとつ。そのギャップはどこから来るのか? 伊藤氏のスタート地点はそこだったと思います。地政学や宗教、最近ではテロ絡みで説明されることが多いけど、彼はSF的な説明を試みて、彼が興味を持つ(と思われる)脳機能に関連付けて書かれたのが本作。それは勿論フィクションですが、平和な国で安穏としている私には直感的に腑に落ちると云うか、納得しやすい設定でした。優れた視点とスケールの大きさに感心しました。私も「メタルギア5」にはオマージュが入っていると思います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-02-27 02:21:52)(良:1票) 《改行有》

3.  寄生獣 完結編 《ネタバレ》 田宮(深津絵里)の台詞「私たちをいじめるな」は原作を読んだ時にも響きました。地球にはヒト以外に言葉を喋れる生物はいません。寄生生物の言葉は、ヒトの所業を客観視しながら、ヒトを除く地球の全生物の想いを代弁しているようにも聞こえました。主人公の味方であるミギーもヒトの特殊性に言及していましたが、それが伏線として生きるテーマ的な台詞だったと思います。原作には文明批評の風格がありました。 で、本作ですけど、その田宮の台詞が比較的あっさり流れて行った印象でちょいと残念でした。もうちょっとやり方なかったかなぁ。この監督さんの演出は、悪い意味での邦画的な湿気が時おり顔を覗かせます。それと最強パラサイト後藤の凄みが原作ほどには伝わってこなかったことも残念でしたね。指摘している方もいらっしゃいますが、後藤がなぜ暴れているのかもよく分からない。後藤を倒した放射性廃棄物は映画用のアレンジですが、時勢を見合わせても安直に感じました。 最後に、人口が減り始めた現在に映画化したのは、やはり機を逸したという意見です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-05-04 15:19:40)《改行有》

4.  寄生獣 著名漫画の映画化としては悪くないと思いました。よく知るタイトルですが、原作に対する誠意は感じました。私の言葉では「可もあるけど、不可もある」。映画の感想は以上です。 以下、余談になります。冒頭のナレーションに違和感を覚えたことが鑑賞後に最も残っていることです。地球人口が半分になっても地球環境的には現状とさして変わらないと思います。人口が1/100になったら垂れ流す毒はゼロになるような気がしますね。でも同時に、その人口では現在の産業文明を維持できないと思うので農耕社会へ逆戻りじゃないかな…。しかし、地球人口が1/100になるのは、温暖化の後に来る次の氷河期のタームでしょう。 悲しいかな、環境議論に対する世間の興味には流行り廃りがあって、本作の原作が書かれた当時は地球規模の環境保全意識が最も盛んだった時期でした。有名企業がこぞって「地球に優しい」を合言葉に企業CMを作っていました。そんな時勢なので、原作には頷く部分が多かった。でも、現在の環境に対する意識は当時ほどではありません。なので、今更の映画化に違和感を覚えたのでした。 現在、私の危機意識を刺激するのは、地球環境より少子高齢化だったりします。地球環境は改善しませんよ。自動車を全廃するとか、クーラーを無くして扇風機とうちわの時代に戻るとか、それくらいのことをやらない限り現状の気候変化には歯止めが利かないと思います。で、それは出来ないので環境は悪化し続けるでしょう。国際会議の温暖化対策目標なんて、気休めと云う意見です。 残された可能性は、環境を変えることが出来るくらいに科学技術が進むこと。地上のクルマが全て最新型のプリウスになれば希望はあります。少子高齢化はその可能性を損なう事態です。特定の野生動物の絶滅を危惧する前に、政府はニッポン人を絶滅危惧種に指定して政策を策定して欲しいと思うこの頃です。 すみません、映画レビューになっていませんけど、本作の冒頭ナレーションに覚えた違和感を書かせてもらいました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-01-30 02:02:48)《改行有》

5.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 鑑賞したのはひと月ほど前。平日の昼間にも拘わらず、けっこうな入場者数に驚きました。鑑賞後は今年を代表する邦画作品であることを納得しました。作品レベルと迎合性のバランスと云う意味です。 予備知識ナシで観に行きました。男女の中身入れ替わりはかなりやり尽くされている設定。なので、冒頭で期待感が萎んだのは確かです。でも、その後に?がたくさん浮かぶ展開となり、?を消化しながら最後はこの監督らしくまとめた。そんな感想です。 東京 ⇔ 飛騨、物語の現在 ⇔ 3年前 ⇔ 現代。若い男女の間に「時間」と「距離」を設定し、それでストーリーを作る。時間と距離は恋愛を彩る重要なファクターですが、新海監督はアニメでそのテーマに取り組み続けている稀有な方です。しつこいくらいw 本作の時空の隔たりはSFと云うよりミステリーとファンタジーの要素が強く、目的はやはり情の高揚にリンクさせること。突っ込みどころを抱きながらも、それなりに高揚させてもらいましたから及第です。それと、いつも通り空の描写が素晴らしかった。広さ、奥行き、色彩。惚れぼれするほど上手ですね。 ティーンのありふれた感情を描くために相当に極端なことをやっていて、それがこの監督の確固とした個性である、と以前「ほしのこえ」のレビューに書きました。本作でも「極端」は相変わらずで、SF設定としては甘々だと思います。中身が入れ替わってもカレンダーくらいは見るだろう。でも、災害回避の大義をストーリーの中核に据えたことで、個性を維持したままマスターベーション感が和らぎました。それが多くに受容された大きな理由だと思います。青春ラブストーリーSFアニメ。私がもう少し若かったらもっと感激していたでしょうが、そこそこ年配でも楽しませてもらいましたよ。[映画館(邦画)] 7点(2016-11-27 15:25:40)《改行有》

6.  凶悪 《ネタバレ》 悪い奴らはあんなものでしょう。凡人とは違う倫理観は見どころでした。でも本作のテーマは主人公の心情の推移だと思いました。 事件への食い付きから真相に対する探究心は真にジャーナリストらしい。でも、その熱意が中盤以降は危ういものに映ります。分かりやすく台詞になっていました。「このままでは、奴は無期懲役にしかならない」。つまり死刑を望んでいる訳です。ジャーナリストが「殺意」を持って報道に携わる。その是非を問う、すごく真面目な作品だったと思います。 プレーンな視点で事実を伝えるのが正しい報道の在り方なのでしょう。でも、そこに刺激が伴わなければ受容側の興味を惹けません。実際の報道にも何らかの方向性が付与されています。本作は極端な例ですが、偏った報道があって初めて生まれる反対意見もある訳で、そのせめぎ合いもジャーナリズムには必要だと思います。本作が見せた主人公の行き過ぎは、ジャーナリストの負の側面を見せたことに意義がありました。 ジャーナリズムの質を問う内容に家庭問題まで絡めたのは蛇足だったかも、ですね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-25 14:24:52)(良:1票) 《改行有》

7.  機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル 《ネタバレ》 「通常の3倍のスピード」で5隻の戦艦を単機で沈めるシャア。レビルを捕虜にする3連星。これまで描かれなかった逸話が見られて楽しかったです。本作の主人公はラルとハモンですね。特にハモンさん。ファーストでラルの戦死後、取り巻きがハモンと一緒に特攻を選択した理由が分かる人的魅力を感じさせて貰いました。とても久しぶりの安彦動画でしたが線が硬くなった印象でした。でも個性と云う意味ではやはり特筆されると思います。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-16 18:11:08)

8.  ギャラクシー街道 公開初日に劇場で観ました。ときどきクスっと笑う程度でした。散漫な映画です。帰宅したら地上波で「ステキな金縛り」をやっていて、そちらの方がよほど面白く感じました。同時に、本作がどうして面白くないかが良く分かりました。[映画館(邦画)] 3点(2015-11-09 01:13:41)

9.  きいろいゾウ 《ネタバレ》 彼女は幼い頃に「きいろいゾウ」に出会い、色々な声が聞こえるようになった。でも、中盤からはその声を失っていました。原因は瞭然で、単純な嫉妬心から心を閉ざしたからです。原作ではその辺りの心理がもう少し詳細に描かれているのかも知れませんが、本作では読み解けません。予兆もなくコロコロと気分が変わるヨメを持った男の苦労話にしか見えなかったです。映画としては可愛いから許されるという類いの見せ方ですが、冗談じゃ済まされないレベルの情緒不安定だと思いますよ。もしこの夫婦に子供がいたらどうなっていたでしょう。水道栓の上で潰されるのが彼の拳で良かったと思った次第です。[CS・衛星(邦画)] 2点(2014-03-11 01:13:03)

10.  キツツキと雨 《ネタバレ》 「南極」と「横道」を先に観ていたので期待感がありましたが、私にはイマイチでした。会話がもどかしかったのです。冒頭の「本番中なんで…」「はい?」を何度も繰り返したり、小栗クンが自分の立場をいつまでたっても説明しない辺りがそれです。常識的な手順から外れたやり取りだと思います。かなり無理矢理にコミュニケーションを停滞させて、ストーリーを作っている気がしました。 小栗クンが悩んでいる理由も良く分からなかった。低予算映画を押し付けられた代打のカントクなのかとも思ったけど、そうでも無いみたい。自信が無かっただけなんですかね? 自信が無いのは内面の問題だから仕方がないとしても、それが本作のように現場で態度に出たら大問題で、ありえないシチュエーションを設定していると思います。 地方の方が「物珍しさ」で映画に協力するのは分かります。時間に余裕があればみんな協力するでしょう。でも、それで成立する映画って云うのもどうかと思う。 気難しいこと言ってますが、気になるところがいくつかあって、この監督の持ち味が本作に関してはマイナスに映りました。[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-26 23:47:48)(良:1票) 《改行有》

11.  清須会議 《ネタバレ》 三谷的言葉遊びコメディは抑え目で、真っ当な歴史作品だったと思います。歴史には詳しくないけど、信長亡き後、柴田勝家と羽柴秀吉が対立したことくらいは知っています。その認識を肉付けしてもらった感じです。 秀吉の人物像は至るところで表現されているので特に新しい部分は無かったけど、秀吉と対照的に描かれる柴田勝家が面白かったです。歴史的には典型的な戦国武将で、戦場でこそ器量が生きる人。だから、本作のような会議工作は大の苦手。でも、周囲から「おやじ様」と慕われる人柄が表現されています。秀吉が主人公の物語では、織田家の古参として成り上がりの秀吉を目の仇にする設定が多いけど、嫌いになれない人物像が新鮮でした。池田恒興を新潟の米やカニで買収しようとする朴訥さに脚本的な創意が見られます。 その勝家をフォローする丹羽長秀も秀吉とは違うタイプの事務屋として描かれていて、ここでも勝家との対照が描かれます。生真面目な長秀と鷹揚な勝家の落差のある遣り取りがとても可笑しい。役所広司と小日向文世のキャストがピタッと嵌っていましたね。個人的には、秀吉や長秀との絡みを通して勝家を楽しむ作品でした。[映画館(邦画)] 6点(2013-11-11 21:10:34)(良:1票) 《改行有》

12.  今日、恋をはじめます 《ネタバレ》 別に悪い作品ではないんだけど、中年オヤジには観るべきところがほとんどありません。じゃあ、見るなよって話なんですけど。この監督の作品は酷いのが多いけど、本作は無難にまとめ過ぎていて、やはりかなりツマラナイです。じゃあ、見るなよって話なんですけど。私も子供の頃からの天文ファンですが、残念ながらナンパに使ったことはありませんです。[CS・衛星(邦画)] 3点(2013-11-11 00:45:23)

13.  銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー 《ネタバレ》 最近までこんな作品があったことを知りませんでした。鑑賞後に検索して知ったことですが、2本あった劇場版の続編ではなく、原作の後日談として連載されていたようです。永遠の命に関わるテーマとは違う命題を持たせたかったようです。本作を導入にして、次作で完結させる予定だったようです。 ここからは批判です。いい加減な映画を作って、興行収入が芳しくないから続編はナシ。それでは劇場へ足を運んだ人はどうなるのですか? CSで観た私が言うことでもないんですが…。 「続編」や「三部作」が幅を利かせているのが昨今の映画興行界。たとえ1作目が不評でも、2作目で挽回するくらいの責任感は持って欲しいものです。少なくとも、1作目だけである程度は納得出来るまとめ方をしておくべきです。 これを書いていて、誰に対して言っているのかよく分かっていません。たぶん、責任の所在が曖昧だから、こんなモノが出来たのでしょう。風呂敷を広げるだけ広げ、たたみ方を忘れた作品が多すぎる原作者にも責任の一端はあると思います。[CS・衛星(邦画)] 1点(2013-10-17 01:15:56)《改行有》

14.  キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK- 《ネタバレ》 CGの精度は良かったと思う。小栗旬の年齢不相応な渋い声に感心。 でも、それ以外は褒めるところが無い。種として弱体化した5000億人(だっけ?)の宇宙生活者が地球を取り合い戦争をやったらしい。ホームシックでの殺し合いに違和感を覚えつつ、ハーロックのバイタリティと対照させる為の設定だと思っていた。ところが、ハーロックが準備を進めていた計画は総人類の抹殺ですよ。自分の悲嘆に酔いしれた革命家みたいで、激しくガッカリしました。さらに、ダークマターなんて良く分からんモノを持ち出して、多くの場面で様々な機能を発揮させるものだから、何でもアリ感が蔓延して高揚が湧いて来ない。消滅したミーメが再生したり、死んだように見えた乗組員がゾンビのように蘇ったり。あれも、ダークマターのおかげなんだろうか? 最後まで設定、キャラ、ストーリーがシンクロしないチグハグ感を抱えながらの鑑賞だった。 先述の心神喪失気味なハーロックを除くと、物語を構成するモチーフが総じて古臭い。壮大なはずのお話に、既視感があるような兄弟の痴話喧嘩が同レベルで混ざる。保守的な元凶や地球を愛する敵指揮官は、考えてみれば懐かしのTVシリーズと同じ。踏襲したとは思わないが、それも全体を古く見せている気がした。 元々、ハーロックは松本センセの憧れの集大成みたいな人らしいけど、観念的な描写が多くて確固とした実体を伴わないキャラだった。それはそれで、個人的には嫌いじゃなかったのだけど、本作では旗印だった「自由」と「信念」に合致するような行動が見当たらない。寿命まで延びて、さらに不明のキャラになりました。[映画館(邦画)] 3点(2013-09-21 03:51:58)《改行有》

15.  逆転裁判 《ネタバレ》 「ジョシン裁判」って設定は面白いと思いましたよ。一度でも言い負けた瞬間に結審する。バラエティのクイズ番組みたい。ゲームの方は未経験ですが、まさにゲーム感覚の裁判です。でも、法廷ものということでは、あまり面白くも無かったです。事件を追いかけるのが大変でした。世代を跨いでいくつかの事件が共存し、検事と弁護士の役割がコロコロと入れ替るような内容ですから。変な名前や変なヘアスタイルはゲームに沿っているのでしょうが、ゲームを知らない者には違和感が先行します。最後まで慣れなかったです。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-08-06 03:33:12)

16.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 北野監督が初めて撮った青春映画らしいのですが、今更ながらに既視感の無い青春映画でした。極端な成功や失敗が描かれていません。達成感とか願いが叶うとか、あるいは絶望するとか、そういう映画的なストーリーから離れたところに本作の見応えを覚えました。 作品の中で、人が成長している印象がありません。シンジ君が良い例です。ボクシングは上手くなっても対人的にオドオドした態度は変わらず、他人の言葉に流されて生きている。曲折はあっても、生き方のベクトル自体は簡単には変えられないものです。 でも、作品を締める言葉は「まだ始まっちゃいない」です。流した汗や努力の量に必ずしも比例しないのが人生ならば、挫折を繰り返しても諦め切れないのが人生なのです。エンディングで高校時代と同様にチャリに跨る二人の、決して順調とは言えない現状と台詞のギャップこそが、人生そのものだと思いました。 それは別に「青春」だけの話では無く、すべての年代に普遍する真理だと思います。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 01:26:42)(良:1票) 《改行有》

17.  桐島、部活やめるってよ 《ネタバレ》 この夏の公開でしたが、やっと地元で観る機会を得ました。評判ほどでも無かったというのが個人的評価です。校内に漠然とした上下関係が存在するのは理解できても、特定の個人の動向に影響されることに実感が持てないからです。 時事ネタで形容すると「ノダ、シューインやめちゃったよ」って感じでしょうか。一部の腰巾着生徒が突然の解散の政治責任を追及するように桐島クンの退部を糾弾する姿勢ですが、政権にすがるような高校生って私の周囲(というか、時代?)にはいなかったタイプです。彼らの依存性に違和感を覚えました。特にバレー部のゴリラ系熱血部員や桐島クンの彼女がわからん。苛立つ前に心配するのが普通だろ、というのが私の感覚でした。 そこを除くと、生徒の個性が細やかに表現されていて、最後まで退屈はしませんでした。オタク映画部員と幽霊野球部員のラストの会話はもうひとつのテーマだと思います。限界を自覚しても執着を止めないオタクの強さと自分を比べて流れる涙。その感受性にこそ、意義のある高校時代がイメージされました。 桐島クンは物語を転がす動機的存在ですが、彼の退部理由は聞いてみたかったです。面も拝みたかった。中盤で「実は死んでました」ってオチを想像しておりました(笑)。[映画館(邦画)] 5点(2012-12-25 17:59:33)(良:1票) 《改行有》

18.  巨神兵東京に現わる 劇場版 《ネタバレ》 「Q」の上映前にいきなり始まった思わせぶりなモノローグと映像。最初は予告編かと思っていたけど、庵野氏が展示映像として「ミニチュアの特撮」に取り組んだという記事をどこかで読んだことを程なく思い出しました。巨神兵が実体化してからエンディングまでは、東宝特撮怪獣映画を軽く凌ぐ重量感と繊細さ。「ナウシカ」の中で王蟲を軽々と吹っ飛ばしたビームが街に向けて放たれたらどんなことが起こるのか。その描写には説得力がありました。また、鳥居越しに巨神兵を写すアングルなどは「地球最大の決戦」のキングギドラのオマージュで、古めの特撮ファンへのサービスだと思いました。 何を感じたかと云うと、突然やって来る災厄です。モノローグがそれらしいことを語っていたからではない。東日本大震災をビルの高層で体験した時に覚えた命のか細さ。あの非日常的な感覚が東京の破壊映像で蘇りました。 後に「Q」との符合を考えると、劇中で描写されなかった「サード・インパクト」って「火の七日間」のことではないかとも思いました。「セカンド・インパクト」は大質量隕石の落下に類似する気候の変化だったけど、「サード・インパクト」は巨神兵=エヴァのコピーが大量発生して地上を焼き尽くしたのではないかと…。 その真偽は別にして、「インパクト」という言葉で片付けている未曾有の大量突然死を感覚的に「補完」する意図があったのではないかと思った次第です。 ともあれ、「Q」を観に行って中味の濃いオマケを貰い、得した気分です。[映画館(邦画)] 7点(2012-11-27 00:14:39)《改行有》

19.  キャタピラー 《ネタバレ》 若松監督の追悼放送で鑑賞しました。映画メディアには色々な側面がありますが、この方の作品は常にエンターテイメントとは対極の場所にあります。何かを訴えるというレベルでは無く、暴いて抉るって感じです。その追い込み方は恐れ入ります。 本作ですが、監督本人の意図は別にして、反戦映画という範疇には入らない気がします。ラストにヒロシマや長崎の映像や戦死者の数がテロップで表示されますが、本編と繋がっていないような違和感を覚えました。 私にとってのキーワードは「御国のために」です。「御国のために」送り出した亭主が形容も難しい姿で帰還し、妻は「御国のため」に食欲と性欲と排泄の世話をする。「亭主のために」という言葉は聞こえてきません。その亭主が「御国のために」やっていたことは中国の婦女子を凌辱することで、軍神と祭り上げられても呵責に苛まれる状態。 世間からは軍神と帝国婦人の鑑だったりする訳ですが、内実は「御国のために」蝕まれて行く夫婦です。「御国のために」やっていたことを現代に映画化して、その内実を伝えること自体は、直接的には意義を感じません。今、日本が戦争状態になっても、同じ状況が現れるとは思わないから。でも、日本人の悪しき体質である、本音と建て前の使い分けが最も悪いカタチで現れた例が「御国のために」だったと思います、カタチこそ違え、その体質は現代の日本を相変わらず不自由な国にしているような気がしてならない。それを教訓としたい映画だと思いました。 タイトルのキャタピラーは「芋虫」って意味なんですね。乱歩の同名短編をモチーフにしているらしいのですが、そのまま「芋虫」ってタイトルでも良かったと思います。その昔に「ジョニーは戦場へ行った」という映画がありました。四肢を失くした兵士という共通項があります。名作と言える作品だと思うし、真っ当な反戦映画ですが、本作を観た後では随分とキレイな作品だったなぁと思いました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-27 23:19:12)(良:1票) 《改行有》

20.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 「かわいい子には旅をさせろ」という諺がありますが、あれは子供の成長を促すというより、親に対しての戒めの色合いが強い。「過保護になるな」という意味で。子供たちが自らの意志で積極的に「旅」をしたらどんなことが起こるのだろう。本作はそんな映画だったと思います。九州を縦断する新幹線が初めてすれ違う瞬間を見る。その他愛無い目的も、遠く距離を隔てた場所で起こるので、小学生たちにとってはただ事ではありません。計画から準備、資金繰り、親や周囲の大人たちとの調整など、途上の苦労や工夫は、思い込みが激しい分だけ力強い経験値となって蓄積されます。幼児が「初めてのお遣い」で世界を拡げるように、彼らも「初めての旅」で世界を拡げました。「お遣い」との違いは、自分たちが受けている外界からの恩恵を実感したことではないかと思います。その自覚は彼らの内面をひと回り太くし、大人への第一歩を刻ませました。家族4人が一緒に暮らす「奇跡」をスケープゴートにしながら、自然とその過程がテーマになっている構成がとても良かったです。新幹線がやって来る直前、この「奇跡」を目指したアクションの記憶をフラッシュバックさせる演出に感心しました。複雑な想いや状況をひとつの方向性へと昇華させる刹那の心情を見事に表現していると思います。子供たちの成長のために、本当に大切なことは何なのか。教育機関などにクレームを付けることを生き甲斐にしているモンスターペアレンツさんたちに見て欲しい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-08 18:07:10)(良:1票)

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