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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 降霊<TVM>(1999) 《ネタバレ》 あ~、元ネタの原作があるんですね。少し残念。 とは言うものの、そこはさすが黒沢監督。そのままのリメイクじゃなく、日本を舞台に、より日常に即した脚本にアレンジされている。この手のジャンルを撮らせたら、多分、日本では一番センスがあるのは間違いない。 他作品も含めて演出的にパターン化されている部分はあるけど、過剰な表現をすることなく、日常の風景の中に不気味な雰囲気を醸し出すのがウマい。絵に邦画特有の安っぽさがない。 霊よりも、生きている人間の自己本位な考え方こそが最も恐ろしいと痛感させられる。そして見ている間は、殺された少女のことよりも、保身や名誉欲にかられる夫婦にこそ感情移入している自分自身に向き合わされてしまう。そのエゴこそが、まさにドッペルゲンガーなのかも知れない。 ただ、惜しむらくは、ストーリー展開やオチにちょっとヒネりがない点かな。あと、致命的とまでは言わないけれど、霊能者の奥さんのやることの「順番」が明らかにおかしい点。自分の名声を知らしめるために、今回のトラブルを利用しようってのは分かるけど、普通はまず、「少女を廃墟に置き去り(縛って自由に動けない状態)にしておいてから」、心理学部の学生に会いに行くはずでは?何の準備もしていないのにあんなこと言いに行ったら、少女の靴を置きに行った時に学生や警察と鉢合わせするかも知れないのに。 また基本的にいつまでも少女を家に置いておく心理が分からない。最初に箱から見つけた段階で、警察に知らせられないのは分かるにしても、生きているなら、夜中に適当な場所で降ろしておけば、通りがかった人に一両日中には助けられるでしょう。そうすれば少女も助かるし、本当の犯人が捕まっている以上、自分達が疑われる事はまずあり得ないはず。その辺が非常に気になったので、少し減点。 7点(2004-11-21 06:19:24)(良:1票) 《改行有》 2. 五条霊戦記//GOJOE 《ネタバレ》 これまた中途半端。「義経と弁慶の関係に対する新解釈」という設定はいいけど、肝心の解釈に特筆すべきものが無く、ストーリー展開に盛り上がりが無く退屈。 アクション面での演出も中途半端で「カッコ良さ」の演出にセンスが感じられない。ザコ敵は刀を振りかぶって「わーっ」と突っ込んで来ては、流れ作業のようにズバズバ切られていくだけという古臭いチャンバラパターンで、リアリティもカッコ良さも皆無。義経も弁慶もあれだけ強い理由が作中で描かれていないため、その強さに説得力が無い。 あと、やたら映像が安っぽく見えるのは、ひとつには照明の使い方に問題があるように思う。本来は暗い森や夜のシーンでも、不必要なほど煌々と照明をたいているためか、人物が妙に明るく浮き上がっていて、外での撮影のはずなのに、まるでスタジオ内でのセット撮影のような狭苦しさや違和感を感じる。 ラストも結局は別人を立てて、本人たちは歴史の闇に消えたってこと?何か中途半端な終わり方だな~。 DVDの監督のインタビュー記事で、「これまでにないアクション(殺陣)」と自画自賛しているところを見て、失礼ながら失笑を禁じ得なかった。年齢的な事もあるだろうけど、恐らく監督は現代の漫画をろくに読んだ事がないのだろう。本気でこんな退屈な殺陣が凄いと思っているなら、はっきり言ってセンスが無さ過ぎる。 時代劇とは言えアクションを売りにする娯楽映画を撮るなら、クリエイターとして日本の漫画やアニメを見ておく事は「基本」と言っても過言ではない。それほど現代の漫画のアクション演出のセンスは高く、こんな旧態依然とした邦画のチャンバラアクションなどとは最早レベルが違う。今やハリウッドやディズニーのアニメスタッフに、日本の漫画やアニメの影響を受けていない者がいないと言われるのも、ある意味当然。 「ハンター×ハンター」「ナルト」「ブリーチ」「ワンピース」「クレイモア」「るろうに剣心」「ベルセルク」といった少年向けアクション漫画はいまだに軽く見られがちだけど、キャラクターの個性、アクションシーンの演出センス、戦闘時の心理的な駆け引き、展開の意外性などは、もはやこんなチャンバラをやっているだけのアクション映画など足元にも及ばないほどの高いレベルで完成されている事が、いまだに一般人どころか、映画監督をやるような人間にも理解されていないのがよく分かる。[ビデオ(邦画)] 0点(2004-08-23 18:59:59)《改行有》 3. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 アニメーションの表現技術は素晴らしいものの、作品全体が「表現と思索の実験場」と言った趣で、恐らく原作やテレビシリーズを見ていない人は置いてきぼりだろう。 「情報化社会における個の喪失と再確立」という哲学的なテーマも、そこに共感出来ない人にとってはツライものがあるだろう。 ただ、「私って何?」という、どんな人にも大抵は共通する普遍的なテーマであるだけに、もう少し監督の自己満足よりも「娯楽性」を意識した分かりやすい作りにして欲しかった。 何より残念なのは、なまじ今作は話題性ばかり先行してしまって、普段アニメを見慣れない人が興味本位や偏見込みで見て、「理解できないから駄作」と評価してしまうケースが多いこと。テレビシリーズの方は劇場版とはストーリーや世界観が少し違い、物語の背景に社会的なテーマを含ませており、非常にレベルの高いものになっている。アニメ版を未見の人は偏見を捨てて見て欲しいところ。[DVD(邦画)] 8点(2004-01-22 10:13:00)《改行有》 4. 殺し屋1 原作が原作なので、あのテイストを実写化するのはさすがに難しいでしょう(原作は大好きですが)。誰がやってもミスキャストになるのは目に見えていますし。ここまで実写化しにくい作品も珍しいのではないでしょうか。唯一、浅野忠信演じる垣原は、いい意味で独自のキャラとして消化吸収されていて良かった。そんな彼の演技に+1点。5点(2003-09-17 03:41:11)
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