みんなのシネマレビュー
Yuki2Invyさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12

1.  残菊物語(1939) 《ネタバレ》 日本版『椿姫』とも言える内容であるが、二代目尾上菊之助の立身出世物語を表に備える本作の方が、総合的に話の内容としては上であるようにすら思える(同年代のグレタ・ガルボ版『椿姫』と比較してさえ、個人的には上回ると思う)。また、お徳さんの菊之助に対する献身には、もはや男女間の愛情を超えるものすら覚える。前時代の日本ではこれが当たり前だったとでもいうのだろうか(俄かには信じ難い)。 歌舞伎のシーンが多く挿入される本作であるが、特に『関の扉』のシーンは実に緻密で良く出来ていた(菊之助の芝居をはじめ、祈るお徳さん、芝居を見つめる福助の緊迫感漲る様子には引き込まれた)。ラスト、花開いた菊之助の晴れ姿と儚く斃れるお徳さんの対比も見事で、ここにはもう涙しかなかった。種々の場面で和の趣を湛える音の使い方も素晴らしい。個人的一、二位を争う屈指の名作邦画。[DVD(邦画)] 9点(2020-02-04 21:34:05)《改行有》

2.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 原作がノンフィクションとゆーコトなので、内容それ自体は(劇映画=創作とゆーよりは)確実にドキュメンタリの方に近い作品だ、とまずは思うのだし、ソコに対しては正直面白かった…とか私がどう感じた…とか、或いは(娯楽として)楽しめたかどーか…などという個人的な部分の評価もナニも無い、とも思う。私の評点はひたすらに「観る価値が有ったか」という一点のみを意味しています(⇒モチロン、ここに描かれているものは概ね真実である…という前提の下ではありますが)。否、出来るだけ多くの人に観て貰いたい映画だ、とゆーのが正直なトコロの感想でありますね(出来れば全国民とかに観て貰いたい)。 ただ一点だけ、ココだけは「映画として」大いに評価したいのが、何と言っても田中絹代さんですよね。今作の絹代さんもある種モ~「演技の域を超えている」とゆーか、正に本物・本人にしか見えない…というレベルの超絶技巧だったかと思います。実にお恥ずかしいコトですが正直『山椒大夫』『雨月物語』『西鶴一代女』位でしか観たコトが無かったのでして(でも、それら作品を観た時にはやっぱ心底「凄い女優さんだな…」ともチャンと思っては居たのですよ⇒特に『西鶴一代女』は)今後はもっと意識的に古い映画も観るようにします(反省)。[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-15 18:18:03)《改行有》

3.  サッドティー 《ネタバレ》 なんか今作を観るの(ダケ)が随分後回しになってしまった感は否めませんが、テーマ的には監督の初期の短編とか、あるいは『愛がなんだ』とかにも非常に近いと言いましょーかね(きっと、ここら辺が監督のプリミティブな心象風景なのかなぁ…とは思われますよね)。しかし、今作は例えば『愛がなんだ』に比べればかなり正反対の側に在る…とでもゆーか、全体としてほぼ完全なるコメディではあるのですよね。何しろ「愛ってナンだろう?」というテーマ的なモノを語るべく最後の希望たる朝日クンですらも、結局はあのザマなのですから(このフリオチ、監督は実に気持ち好かったでしょーね)。この辺りにやはり好みってのはあるのかも知れませんが、私は結局ドッチも大好き!という感じでした。素直にオススメしたいですね。 特に好きなのはチャプター9・10あたりでしょーか。チャプター9はとにかくナニからナニまで意味の分からない二ノ宮隆太郎の挙動が、そしてチャプター10は岡部成司のドクズっぷりが(+永井ちひろの秘めたる感情の嵐が)コレも(あくまでコメディとして)大好物なヤツだったのですよね。あと、役者さんでゆーとまたやはり、ゲストでワザワザ呼んだらしい内田慈さんは終始「効いてたな~」と思いましたね。他の方々も全然好かったと思うのですケド、やっぱ一人はこーいう軸とか箍とかっていう役割を務められる人が居ると全体が引き締まる…と言いますか。お見事でした。[DVD(邦画)] 8点(2022-11-04 14:38:19)《改行有》

4.  さがす 《ネタバレ》 監督と言えば当然、かの問題作『岬の兄妹』しか観たコトなかったのですケド、アレはま~極度に強烈な映画でしたので、そのパーソナリティとゆーのは(1作観ただけでも)ビンビンに伝わってきましたのですよね。すなわち、社会の暗部や人間が秘める闇、だとかいったごくダークなモノを、ソレこそ取り繕うコトも無くダークでネガティブなままにフルスイングで叩きつけてくるかの様な…と言いますか。でも、その中にも実はごく善なる人間性も描き込もうとはしてる…のカモ…と(仄か乍らに)感じ取れたのも確かなのであって、だから今作、個人的にはかなり期待してたのですね(特にその後者の方に)。そして、まずはその期待した側面に関しても今作は実に好い出来だった…とは、とにかく最初に何より伝えておきたいのです(その面、かなり奥ゆかしいのも確かですケドも)。監督のファンならたぶん必見!というヤツかと思いますね。 ただ、意外なコトに本作は(前述どおりの種々の人間性の描き込みもしっかりとされてゆく中で)全体としてはハード系ヒューマンドラマとゆーよりはかなり純然たるサスペンスとして仕上げられているのでして、そしてその面の出来がまた実に意外なまでに頗る高かった…と言えるのですね。なので、お話の内容についてはレビューで言えるコトが(実は)あまりないのです(=ダマって観て!としか)。と言っても、犯罪当事者の計画が(当初から)ごく精密に考え抜かれていた…というヤツではなくて、その実行過程には行き当たりばったりや偶然も大いに孕むのですが、それでいて終盤の展開運びは明快で鮮やか、かつ抜群のキレの好さを誇っており、率直にとても素晴らしかったです。シンプルに事件ものが好き!という方にも大いにオススメですね(近年の邦画では屈指というレベルで)。[映画館(邦画)] 8点(2022-02-03 22:48:57)(良:1票) 《改行有》

5.  さびしんぼう 《ネタバレ》 ファンタジック・ノスタルジック・ロマンチック・コメディ。『別れの曲』のなかに淡く融合されてゆく様なこれらの要素はいずれも中々出来が好いと思いますが、やっぱり今作はロマンチックですかね。個人的な趣味ですが、富田靖子が色々とにかく可愛いんですよね(紛う事無き昭和の美少女、というか)。膝下スカートの制服で自転車に乗り、棚引かせるは長い碧の黒髪(昭和な感じの豊かな毛量)と、それだけでロマンチックとノスタルジックは私の合格点を完全に凌駕してゆきます。ちょっとおバカなコメディ面も好きですね(チョイ役の樹木希林と小林聡美とか実にイイ味出してましたね)。残るはファンタジックですが、あくまで軽いノリの世界観も全体の雰囲気に対してとても適切だったと思います。更に年齢を重ねて、また観てみたい作品です。[インターネット(邦画)] 8点(2020-11-28 16:57:44)(良:1票)

6.  最低(2009) 《ネタバレ》 最低なのは、率直に男どもである。浮気性・甲斐性無し・息を吐くように嘘を吐き・そしてほのかに(一部は完全に)変態、等々、かなりどーしようも無い男の最下層。しかしそんな彼らには、そんな彼らをどーしても好きだ!という女が何故か必ず(時として複数)付き纏っている。その意味では、最低なのは女どもの「男を見る目」かも知れないし、否、そーいう駄目男に女が惚れ込んでいるサマがこれも何故やら大好物で、挙句(短編とは言え)このテーマで映画3本も撮ってしまうという監督こそが、最も最低な変態なのかも知れない、とも思う。 ①最低:のっけからこれ見よがしに「最低」な男2人。しかし彼らには、それぞれ自分を好いてくれる女性が(片や3人も)居るという、この短編集のテンプレート。やっぱそーなると理由が気になるよね。実は優しい、見た目の(風変わりな)好み、或いはカラダの相性、とかかもね。う~ん、面白いすね。 ②微温(ぬるま):嘘と隠し事に満ち満ちた、4者の織りなすカオスな恋愛関係。中で彼らに共通するのは、皆自分が二股の当事者であることは認識してるということ、そして(それなのに)誰も自分が悪いとは思っていないこと、である。あっけらかんと破廉恥なサマにはもはや唯々笑うしかないが、にしてもこれはかなり笑えるヤツですね。個人的には、ベランダに積んであるトイレットペーパーにも久しぶりに泣くホド笑いましたよ。 ③足手:ごく大目に見れば、発端としては(ギリ)無くはない話であるし、男も女子も友人も、ある程度は理解のできる(ある意味)常識の範囲内な行動をとってゆく。しかし、理解不能なのはラストの三竦みである。な~んだコレ?監督はどーいう指示を出している?私の思考の及ぶ範囲ではない…というか。この不可思議な一瞬こそ、短編映画のひとつの醍醐味ではなかろーか。この三篇では一番好き。[DVD(邦画)] 8点(2020-10-10 00:04:26)《改行有》

7.  さよならくちびる 《ネタバレ》 青春って、自分の世界が広がっていくことだと思っている。そこでは最初、視野が狭いが故に人はみんな万能だ。周りが見渡せるくらいに世界が広くなって、遂に自分の限界を知ったとき、大抵の人にとって青春は終わって、ひたすらな現実が始まるのだろう。それさえ在れば生きていける、なんていう純粋な恋愛も、そこまでなのかも知れない、とも思う。 若いときって、自分はどうするべきなのか、は疎か、どうしたいのか、も結構見えていなくて、じゃあどうするのかっていうと、ボンヤリ時間を浪費してしまうのか、それとも今作の3人のように周囲に対して尖っていくのか、どっちかな気もする。前者だった自分にとって、この映画は眩い。 でも、だから、自分にはまだできると信じ続けるなら、それだけ青春は終わらないのだ。馬鹿でナニが悪いのさ! 本作は、青春の終わりを描いてゆくと見せかけて、ラストに突如反転攻勢を仕掛け、無軌道に迸る「青春の万能感」を見せつけて終わる。そこにロメロ版『ゾンビ』を感じたのだといったら、どれだけの人に理解して貰えるだろうか。[インターネット(邦画)] 8点(2020-02-26 22:22:30)《改行有》

8.  37セカンズ 《ネタバレ》 障碍者の方たちは、状況によって日常生活に健常者の助けを借りる必要があることから、負い目や気後れ、あるいは「この人にはこれは無理なんじゃないか」といった健常者からの「色眼鏡」によって、身体的・物理的な不自由以上に、人間関係における不自由を抱えているのだろうと思う。本作では前半、そういった障碍者の心理的な不自由を主に描き出し、そこから主人公が自由を追い求めていく切実な姿を忌憚無く描いており、非常に見応えの有る作品に仕上がっている。 面白い・良く出来ていると思うのは、主人公の障碍者本人だけでなく、家族(この場合は母親)も物理的・心理的な不自由を抱えており、主人公と一種の共依存関係に陥っているという状況を詳細に描き出している点である。これについては、母親役の神野三鈴の演技の良質さも大きな要因であると思うが、この部分に非常にリアリティが感じられ、その方面からも大いに共感・感情移入することが出来た。母親に限らず、この映画の多くの登場人物には何らの「慈しむべき」不完全さがあるように描かれている様に思われ、そのことがシンプルな話に奥行きを与えている様に思われる(超絶自己チューな荻原みのりは置いといて)。 そしてもう一つ、何といっても主演女優の熱演の素晴らしさ。実際に障碍を持つ方だそうだが、正に全身全霊を傾けているひたむきさが画面に滲み出ており、控えめに言って圧巻だった。特に終盤、37秒の真相をベッドで打ち明けるシーンは、素人とは思えない素晴らしい「間合い」だった。役柄上でもそうだが、その勇気・特大の積極性には心からの敬意を表したい。 映画としては一点だけ、家出少女がパスポート持たずにいきなり海外なんて行ける訳無いやんけ、とは思う。付添いの兄ちゃんも仕事はどうした?そもそも何でタイ語喋れんねん。まあ、これにより物語は文字通り「飛躍」した訳だし、異国の情景の中の姉妹再会シーンも抜群の出来だったので、細かい事には目を瞑ろうと思うけれども。[映画館(字幕)] 8点(2020-02-13 21:46:00)《改行有》

9.  ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 《ネタバレ》 一つ言えるのは、これホド迄に「何をやるべきか」とゆーのが明確で、かつソレをやっておけば(ソレをやっておいたダケで)また絶対に大成功=大儲けできる、という映画なんて他に無いですゼ!ってコトなのですね。で実際、本作ではその「やるべきコト」をかなりの精度でチャンとやれて(取り込めて)いて、だからフツーに大成功・大絶賛(・超絶興収)ってのが実現できてしまってる…のだと。その意味では、ある意味実に「無難でつまらない」映画だな~とも思いますよね(否、映画自体が無難でつまらない、とゆーコトでは微塵もねーのですよ)。 再度、映像・アクションはフツーにハイ・クオリティの範疇だと思いますし、キャラ・世界観なんかも(根本的には)説明不要なモノばっか…なのでまずは非常に分り易い・入って来易いし+テンポも好くなるダケ好くなってるし、かつそーいう設定的なモノの映画(=ストーリー)への落し込みもごく手堅く進めて「変な失敗(=勇み足的なモノ)」なんて無かったし、ただ一方で(部分的には)少し「遊んでみた」という程度のアレンジも有るには有った(=工夫が全く無くはなかった)し、んで結論、その意味でもごく無難に大成功してた作品だな、と思います。特にファミリー・子ども向けには超・超・超・超…手堅い作品だと思うので、連休のお楽しみにはピッタリかと(是非々々)。 しかし、一応、その中に突き抜けて好かった点(≒予想以上or予想外に好かったモノ)とゆーのは、在ったか無かったかで言えば無かった「寄り」かな…てのと、あと少しダケ(備忘的に)言っておきたいコトがまた在りましたので、ソコも含めるとこの評価かな…という感じすね。以下、その指摘は箇条書きにしておきます。 ・映像は十分にハイ・クオリティだと思いますが、ソレでも例えば年イチとか、或いは何らか「エポック・メイキング」というレベルでは(少なくとも)なかったかな…と思います。特に、IMAX3Dで観たのですが、正直3Dとしての出来は(比較的にも)平凡だったかな…とゆーのは、ワリと明確な感覚としてありましたです。 ・ピーチ姫役のアニヤ・テイラー=ジョイ嬢は、今作でもその仕事の出来自体はまた素晴らしかったと思うのです。がコレは(このキャラ自体は)もうピーチ姫ではなくって、唯々アニヤさん本人!だよな…と思っちゃったのがまた×2確かで、ソコについては個人的には少~しダケ「違和感(=ツッコミどころ)」にもなり得る程度のアレンジだったかな…と。 ・あとは…まァ言わずもがな、話の中身はも~「コレしかない」というまんまマリオな話っすね。期待以下でもなく、以上でもなく…とゆーか。[3D(字幕)] 7点(2023-04-30 17:23:16)(良:1票) 《改行有》

10.  サバカン SABAKAN 《ネタバレ》 非常にシンプルな青春もの・ファミリー映画だと思いますが、だからソレこそ誰でも共感できるという作品だと思います。大部分では実際の子役が物語を演じてゆきますが、導入・結末とナレーションで入っている草彅クンのお蔭で大人でも容易に作品に入り込んでゆける、と言いますか。私は世代的にもドンピシャで、実に心地好いノスタルジィと夏の楽しさ、そして一生ものの友情の片鱗を感じ取れて大満足でした。是非家族で観ていただけると好いなあ…という感じですね(ごく手堅くオススメできる作品ですね)。[映画館(邦画)] 7点(2022-09-02 16:24:03)

11.  最後の特攻隊 《ネタバレ》 いい時代になったな…と言いますか、冒頭いきなり「この映画は宇垣中将とは関係ありません」とかテロップ出て、誰?と思って調べるとすぐにどーいうコトだか分かるという(他、特攻隊についてもWikiで散々調べられる)。本作の公開当時であれば、知ってる人に訊くしか手段が無いコトですもんね。 時代的なこともありましょーが、多分に特攻隊、とゆーか特攻に命を捧げた人たちの人間性の好ましい側面を重視して描いた作品ではありますか。しかし様々な観点において、彼らの人として・或いは軍人としての在り方には非常に多面的な部分が見て取れて、それが特に面白かったですね。一番印象的でかつ尺も割かれていたのは渡辺篤史の吉川飛長(=命を捨てる覚悟が全く出来ていないキャラ)でしょーが、でもそもそも主人公の鶴田浩二からして一度特攻に失敗・死に損なって以降は特攻機の援護(直掩隊)の方を務めている、という少しややこしい感じではあります。他にも、特攻一発で死ぬ位なら生き延びて一機でも多く敵を倒したいという山本麟一の堂本軍曹とか、そしてその弟の梅宮辰夫は打って変わってフワフワした感じでかつアッサリ死んでいったり、と正に人間模様という感じですね(見応え在りました)。中で高倉健はひとり特攻に対する非常に確固たる意思を持ったキャラであって、その面ではも~少し人間味が薄いとゆーか個人的にはちょっと怖くも感じるレベルでしたかね。 まあとは言え、今作からひとつ際立って強力に感じられるのは、これもやはり「集団意識」の産物なのだろうなあ…というコトですよね。ある種日本人の気質とも言いますか、でもやっぱり本当に自分自身として納得して死んでいった人なんて殆ど居なかったのだろうな…とは強く感じるトコロでして(むしろ周囲の圧力に流されて or 周りが死んでいるのに自分だけ生き残るのは…と止む無く死んでいった人の方が遥かに多いのではないかな、と)。そしてそもそも、私ならまあ絶対に無理だなコレ…とは常々思っているコトでもあります(泣いて逃げるかと)。個人的には中々、共感するとまではいかないものの好い感じに色々と考えさせられるという良作であったか、と思いました。[DVD(邦画)] 7点(2022-06-10 22:37:08)《改行有》

12.  3月のライオン 前編 《ネタバレ》 やはり漫画原作だけあって、多分に漫画的とゆーか(羽海野チカっぽいと言えるかとも思いますが)、魅力的なキャラクターをとにかく大勢つくり込んで群像劇的に作品世界を描いてゆく、という系統ではあるかと。非常に有り体に言えば、やはり少し映画的ではないかなとゆーか、特にこの映画ではキャラにせよ個々のエピソードにせよ少しだけ奥行きを欠く・全体としてもやや纏まりが無い、と感じたのも正直なトコロではあります。ただ、それでも各キャラ・各エピソードを魅力的に・興味深いモノに見せるアイデア(見せ方・キメ台詞とか)とゆーのはどれも中々に上質でかつ分かり易いモノだったと思いますし、実写化となればソコを表現してゆくのにまた重要となる役者さんの仕事もかなりキマってた、とも思えて、だから全然普通に最後まで面白く観るコトは出来ましたですね。漫画の映画化としては相当に好く出来ている方ではないでしょーか。いちばん肝心な将棋の対局場面とゆーのも、静かながら熱い戦い!とゆーのが的確に表現されていて緊迫感はまま高度だったと思います(思いのほか観入ってしまいました)。 役者さんに関しては、ワリと普段とイメージの違う役をやっている人が多くてソコも面白かったですね。中でも有村架純は(ゆーて比較的善人が多い)今作のキャラの中ではひとりだけ少しダークな…という側面が存外にハマっていてお話の好いスパイスになっていましたし、翻ってのツンデレぶりも流石のキュートさでした。後編も楽しみです。[DVD(邦画)] 7点(2022-02-23 02:54:22)《改行有》

13.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 これ見よがしに「その辺にフツーに居そうな子」を集めたな、とゆーか、登場人物には総じて非常に身近なリアリティを第一には感じました(でも主演のコは元アイドルなのですね…)。ただ、本作は青春映画とは言っても全体的にはだいぶんコメディ寄りで、ソコを何とかするためとゆーかキャラクターの中身自体はかなり漫画チックとでも言うか、ごくコミカルに振ったキャラが大半を占めています(その意味では、中身はそんなにリアルでもないカモ、とも)。当然、少し重くなるシーンや色恋沙汰も含まれてはゆきますが、まずはどこまでも明るく楽しく(笑い通しで)観てゆけるという作品ではありますですね。 しかし、主演の伊藤万理華ちゃん演じる映画好き女子に関しては、ここには更に一段高度なリアリティというか、実に普遍的で切実な青春の物語を見て取れました。その意味では、彼女が志すのが映画監督という、それこそ確固たる「自我」の無ければ務まらない(ハズの)仕事だった、とゆーのは重要なポイント・アイデアだと思われます。この物語はシンプルな、人間が自分が何者であるかを見出す、という青春のお話だと思います。その観点からすると前述どおり、主人公に(少し人とは違っていながらも)実に明確な方向性・目的意識といった確かなアイデンティティがあるという点でのキャラ設定、そしてそれを具現化する彼女の演技も含めてかなり優れた表現だったと思いますし、テーマ性と物語(主人公のお話と主人公の「撮っている」お話、という二重構造の)を見事に整合させたラストの展開も中々好く出来ていたと思いました(ほんの少しだけは暑っ苦しい気もしますケドも)。うーん、これも爽やかで心地好いですね!良作です。[映画館(邦画)] 7点(2021-08-30 22:34:39)(良:1票) 《改行有》

14.  猿楽町で会いましょう 《ネタバレ》 どーみても恋愛映画にしか見えませんが、率直にここまで来るともはやそーとも言い切れない、というレベルですね(コレを恋愛映画だとは、私は認めたくないのです)。ここに描かれるのは愛だ恋だといった人間性のごく善なる側面では更々なくて、徹頭徹尾がその負の側面の方なのです。シンプルな愚かしさに始まり、狡猾・打算・不誠実、そして猜疑…ここまでネガティブな映画、それも一見そうは見えない様な「皮を被った」作品というのは、個人的には随分と久し振りな気がします。 とにかく、本当に碌でもないヤツしか出てこないのです。男の方も正直言って最初からあんまり印象は好くないのですが、ラストまで観ると彼には逆に同情の念すら覚えます(=女の方がヒドすぎて)。まあ、あくまで女性を信じようとした彼の人の好さを「未熟」だと糾弾してよいものなのかどーかは、率直に微妙なトコロでしょう。ただ個人的には、人を信じるのはそれこそ個人の自由だと思いますが、大人ならばそのリスクに対する回避策・自分が傷つかない術、とゆーのは常に用意しておくべきだと思います(仕事においても、プライベートにおいても、それは常識かと)。大人は基本的に、オールベットなどしないものです(自分で書いててなんか浮気の言い訳に見えてきましたケド)。 まあそんなのはどーでもよくて、とにかく問題は女のコの方ですべ。なんつーか、どーしよーもないですね。なんも考えてませんし、困ったら泣くか媚びを売るかすればどーにかなるとしか思ってなさそう、とでも言いますか。とにかく彼女は、自分がその時欲しいモノを相手がすぐに与えてくれるか、でしか他人を見ていない様に思われます。それは相互関係、高度な意味での(大人が必要とする)人間関係ではない、とすら思います。本作のラストには、彼女は影もカタチもありません。それこそが監督の「答え」なのではないか、と感じました(すなわち、彼女の居場所とゆーのはこの世の何処にも、他の誰の人生の何処にも、無いという意味かと)。若い日本の女優さんにしては珍しく脱いで頑張ってますが、後半はそれが全く嬉しくもなかった、とゆーのが、彼女に対する(私の)嫌悪感を物語っているよーにも思います。 映画としての完成度は、かなり高い作品だと思います。とは言え、こーいう(ただネガティブな)お話を映画として描くことにどこまでの意味を見出すか、というのも、ひとつ確実に議論の在るトコロではあるでしょう。少なくとも、映画から何らかのポジティブさを得たいと常々思っている人、或いはそーとまでは言わなくても、現時点でそーでもない映画を観れるだけのメンタル的な準備が整っていない人、には向かない作品だと思います。個人的にはこの見応えの、ある面での「素晴らしさ(ユニークさ)」を念入りに勘案して、正直嫌いな部類の映画ですがこのような評価とさせていただきたい、と思います。[映画館(邦画)] 7点(2021-06-16 21:47:03)《改行有》

15.  佐々木、イン、マイマイン 《ネタバレ》 彼は、僕らの青春の象徴だった。それは、彼が高校時代に既に完成されていて、おそらく今後もずっと彼で在り続ける、だろうからだ。彼はきっと、僕らにとって故郷の様なものだった。何年か前に会った彼も、変わらず彼のままだった。でも、そんな彼ももう居ない。僕も、そろそろ前に進まなくては。非常にシンプル、そして爽快な青春映画だったかと思いますですね。 好きなシーンは、木村の家での朝とか。佐々木とは対照的に、3人の中ではひとり木村だけが人生を前に進めている。その証しを手にした時にこぼれた涙は、不甲斐ない自分に対するものか、それとも自分よりもっと進むことができなかった佐々木に対する憐憫か。もうひとつ、あまり女っ気の無いムサい映画なのですが、所々出てくる女優さんは結構可愛いのです。特に可愛かったのが、萩原みのりが主人公に謝るシーン。「アレはワタシが間違った」実にイイ表情でした(久方ぶりにビビッと来ました)。熱いラストも、私は(全部ひっくるめて)好きですね。[映画館(邦画)] 7点(2020-12-17 18:47:42)《改行有》

16.  ザ・ミソジニー 《ネタバレ》 監督の前作『霊的ボリシェヴィキ』は公開当時に観てて(+何なら『発狂する唇』『血を吸う宇宙』とかも随分昔に観ては居る)んで今作を観て、少~し「(そっちを)観直さないとダメかもなぁ…」と思ったので『霊的…』については今回再見してます。するとやはり、方向性としては酷似してるな…とゆーか、どっちの作品も率直に・大いに評価は割れるタイプのホラーかとは思うのですが、私自身は決して嫌いな方のヤツではなかったりするのですよね。ホラーとして根本的に、兎にも角にも「不可解・不条理」である(or だから決して何もかもを「説明しすぎない」)とゆーのは、コレってワリと(最早)古風な価値観なのかも知れないのですが、恐怖という概念の持つべき・に持たせるべき非常にエッセンシャルな要素だとは(個人的には)捉えていたりもするのですよね。今作は、前作から更に更にその部分を尖鋭化させているとゆーか、第一印象としては正直「舞台劇=不条理演劇」ぽいみたいな感じをごく強く覚えるのですよね。でもソレって思えば・観返したら確かに、前作もその時点で結構高度にそーいう感じだったのです⇒ケド(重ねて)今作の方がより大いにそーなって居る、と思えたのがまた確かなトコロではありまして。 その点も含めて、改めて今回この二作品を観直して、どっちもそんなに悪くはない⇔ケドどっちかちゅーたらこっちの方が好き、みたいな評点にしているのには、大きく理由(となる要素)が二つあります。一つは、ゆーて二作品どちらも「テキスト」が悪くない…とゆーか、登場人物の対話や一人語りのシーンの台詞とゆーのは(ホラー的にも文芸的にも)まあまあ面白みが在ると思えている⇒ケド、比較して今作の方がよりそー思えている、というトコロですかね。もう一つは、シンプルに、ソコに加えて端的な演技のクオリティについても今作の方がより濃密・凝縮されて優れたモノだったと感じられたコトですかね⇒河野知美さんという方は、よく見たら前作にも(チラっと)出てらしたよーですが、最近じゃあ全然別の作品でもチョイチョイお見掛けする様になって来ていて、個人的には今後ちょっと追っかけてみよーかな、と思ってるトコロではありまして。 勿論、前述どおり、こーいうの好きじゃないって方だと評価もクソも無い…みたいな(ごく高度な不条理系)作品であるとは思ってます⇒加えて重ね重ね、そのコト自体は前作よりもだいぶ高度になってしまっても居て。特に終盤、正直全くよく分かんない展開に陥ってゆくコトについては「コレはそーゆうモノだから=そーゆう風にするコト自体がそーゆうコトだから」と思えないとモ~どーにもなんない…みたいなヤツだとも思うのですよね。その上でもう一個プラス、コレまた前作も今作も同じ様なコトではあるのですケドも、それでもどっちの作品もまた「ただ不条理・ただ舞台風・ただ文芸的」みたいなコトにも為り切れては居なくって、何でかチョコチョコ普通の娯楽ホラー的に(物理的に)音とか映像エフェクトとかで何らかの効果を出そうとして来る場面が在る…のですケド、ソコに関しては逆にハッキリ「レベル低い」と思っちゃうのですわ⇒正直どれもかなりチャッチい代物なのですよね。結論、私の今作のこの評価とゆーのは、その辺りを掻い潜りに潜り捲ってのモノであると、ただし加えて、そーであってもやはり今作のこの「方向性=如何にして恐怖という概念を映画の中に表現するか」におけるある種の「希少性」については、個人的にはまずまず好ましく思えている、というトコロは最後に今一度申し上げておきたいのであります。以上。[DVD(邦画)] 6点(2024-05-24 00:06:28)《改行有》

17.  さかなのこ 《ネタバレ》 正直、さかなクンという方に対する個人的な印象は頗る高いのでして(何なら全ての中でイチバン高いかも)今作は素直なその人の伝記映画だし、そして主役ののんちゃんもまた諸々と実にハマってたと思うのですね。だから、まずはテーマと+そのメインの表現プランに関して言うなら全く完全に共感できまくる、といって過言ではないのです。 ただ、描き出しているモノ(⇒今作に於けるソレとゆーのは、も~映画とか物語とかでもない或る一つの「事実」だと思いますが)については前述どおり高度に共感できるとしても、ソレがそのまま映画としての出来に対する評価に為るワケではねーのでして、一つ明確に、そのさかなクンのキャリアにおける「困難」を描く中盤のシークエンス(30分強くらい?)が、ちょっと個人的にまた嫌すぎた…のですよね。監督作は最近のヤツは結構観てて⇒だからどーいう監督か…とゆーのは知っては居たのですが、その意味ではシンプルに「肌が合わない」というコトかと思います(例えば『おらおらでひとりいぐも』とかも全体としては今作同様、テーマに関しては思いっ切り共感できるのですケド、途中の実際のシークエンスの方はちょっと苦痛すぎて…という感じで)。ゆーてでも、コミカルな・快適なシーンは全然大好きなのですよね~⇒んで辛いシーンもごく同じ感じでまったりと真綿で首を絞めてくるモンですから……個人的には、ソコはちょっと悩ましいトコロに感じられてますね。[インターネット(邦画)] 6点(2023-05-28 23:47:49)《改行有》

18.  桜の森の満開の下 《ネタバレ》 結構色んな人が桜の「二面性」というモノには言及している様に予て思っていまして、今作もその桜に却って「孤独」という人の性を付託した作品…なのかと思いました(映画を観てから、すぐに原作も読みまして)。で、この作品って、男と女の存在は対称ではなくって、明確にその「孤独」の主たる若山富三郎がメイン(で岩下志麻はサブ)というヤツなのでしょーね、とも。でもやはり「二面性」という意味では、誰にとっても桜ってまずは「善きモノ」ではある…とも確実に思われるので、その「逆側」に言及する為にはどーしたって「ふたつ置く」必要がある様にも思えるのですね(善きモノとしての桜を前提にまずは置いておかないといけない、と)。だから畢竟、若山富三郎と岩下志麻はこの映画に於いても(一見は当然に)二項対立を為している様に見えるのでして、でもソレがそもそも原作の小説からすれば齟齬なのだろーな、と。原作でも別に、女の性質自体は映画のソレと大きく変わらない様にも感じますが、でもその「存在感」…という意味では確実に主たる男に対してはチャンと「従」であるように思われて居ました。結局ソレは(その「首遊び」にせよ何にせよ)総て「文字だから」というコトにも思えるのですね。シンプルに、映像化が難しい方の文学だったのかな、と。 ただ……その「怖ろしい」桜の満開の下、花びらが吹雪く中を、スローモーションで舞い狂う人の様、とゆーのは実に見事にアートでしたね。そもそも今作のロケーションとゆーの自体がごく素晴らし過ぎたのでして、ソコには確実に超・観入ってしまいましたです。個人的には、期待からは多少ハズレ気味ではありましたが、観て損とまではならなかった、と思いました。[DVD(邦画)] 6点(2023-05-20 16:32:37)《改行有》

19.  最強殺し屋伝説国岡 完全版 《ネタバレ》 率直に、この国岡さんのキャラとゆーのは(アクションの出来、とゆーよりはむしろ何かしらの格闘技をそこそこ「やってた」感の高度さも含めて)大前提としては確かに極め付きなグッド・ジョブだった…とは思うのですよね。大枠としてフェイク・ドキュメンタリ、とゆーて世界観はドコかも~ファンタジックな代物で、かつ肝心のアクションだってリアルな質感からはちょっとばかしホド遠い…という作品である中で、しかし肝心のその彼に関してはワリかし以上にナンだかが「しっくり」くる…(=彼がそこそこやり手+ごく若手の「殺し屋」だというコト)とゆーのが作品世界に入り込めるかという部分で非常に重要な効果を上げていた、とも感じられたのですよね。彼を再度同じ役に起用しての続編(スピンオフ)が最近製作されてるよーですが、まあフツーに正解かな~と(私も多分そのうち観るでしょう)。 あと、コレもチープな質感ではあるものの、本作のコメディの感じってのも個人的には結構好きなヤツではありました(多分に若年層向けのコント的・お笑い的な…とは思いましたケド)。特に面白かったのが、弾丸の急な用立てに対してツケをお願いしたら保険証のコピーを要求される+思いっ切りぼったくられるというくだり、とか(あの女のコしかもちょっと可愛かったですよね)。重ねて、全体として相当なるB級的質感だ(=誤解を恐れずに言えば安っぽい)…でもだからこそ、むしろこーいう笑いの方もより生きてくるかな~とも思ったり。だから尚更とゆーか、今後監督がこのまま売れて、そしてその時にどーいう方向性を指向してゆくのか(どう進化してゆくのか)が個人的にかなり気になってるとゆーか、結構楽しみだな…なんて思ったりもね。[インターネット(邦画)] 6点(2022-10-24 12:36:19)《改行有》

20.  3月のライオン 後編 《ネタバレ》 やはり重ねて、根本的には役者がまずまずハマってるのでドラマとしてはもう全然普通に(コッチも)観てゆけますですね。特に神木クンは私が観たモノの中ではベストアクトに近いとも思いましたし、彼が主役である以上は今作はどのようなドラマにでも対応できる、という風にも感じました。全体としては彼の(特に人間的な)成長を描きつつ、あとは前篇で切り込みが甘かったその他のキャラも余さずにチャンと描いてゆこう…という後篇に見えており、前篇よりはより普遍的な人間ドラマな様にも感じられました。ただ、だから尚更(やっぱ)映画的ではないな…とも少しだけ感じるトコロではありましたし、コレも根本的には前後篇である意味も正直あまり感じられない(=原作が尽きない限り、別に今後続篇があっても何の問題も無さそう)とも思います。個人的には、肝心な将棋の対局シーンの仕上りが前篇の方が好みだったかな…と少し思いましたので、評点は調整しました。[DVD(邦画)] 6点(2022-02-23 02:54:41)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS