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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. シン・ゴジラ 《ネタバレ》 表面上は日本賛美な映画。自衛隊や政府機関が協力しているから、仕方ないといえる。 しかし、少しでも考える頭のある人なら、その奥に、徹底した文書主義の非効率さやそれ故に有事の際の対応が 後手に回ること、戦後70年以上経っても日本は事実上アメリカの属国だという現実、自衛隊はいつでも戦闘ができる体勢にあるという怖さ、日米安保の欺瞞などの様々な問題提起を感じ取ることができるであろう。 後半の総力戦はとってつけた美談であり、現実はあのような状況になった場合、日本はアメリカ主導の国連の要求を呑み 核を落とされるであろう、そういった今の日本の立場の危うさと外交手腕の拙さも示唆されている。 日本人は性善説で外交をし、他国は性悪説で外交をしているから日本の外交は上手くいかないのだと良く言われるが、 それを端的に現していたのが、スパコンを並列させる要請を海外に出したときの場面。 相手方の返答は「他国に情報を盗まれるから嫌だ」というもの。恐らくこれが、国際社会で先進国として生き延びるために 必要な外交手腕なのだろう。しかし日本の外交にはそういった面が足りない。 主人公が立案した作戦が上手くいかないと美談に持って行けないので、「人を信じましょう」と綺麗事を言う人物が登場し スパコンの並列は許可されるが、現実的には、こういった状況で協力を得るのは難しいであろう。 他にも、自衛隊の武器の多様さ(全面協力の下、なのだから前半の美談ではない総力戦に登場する武器は、全て現実に存在するものなのであろう)や、女性政治家の少なさ、前例やマニュアルが無いと何も出来ず、全て文書で管理するために分厚いチューブファイルを持って動き回る官僚達など、現在の日本の問題点を描いていた。 ただ、これほどまでに風刺に満ちた作品でも、「天皇」について描かれていないのは、少しもどかしい。(天皇について触れるシーンは皆無) 全体的には、よくできた社会派作品だと感じるが、表面上だけ見て、「日本は凄い!日本人で良かった!」というような 人もいるかもしれない。そういった意味で、相手の思考レベルを測るリトマス紙的な使い方もできる作品。[映画館(邦画)] 8点(2016-08-04 12:18:12)(良:2票) 《改行有》 2. 四十九日のレシピ 《ネタバレ》 見てしばらく経ったので、簡単に…。 キャストは良いが、脚本は普通。登場人物が良い人すぎ!(笑) おばさん(?)の心境の変化など、少しわかりづらかった。イヤミな人は最後までそれを貫いて欲しかったかも[DVD(邦画)] 6点(2015-04-05 23:50:24)《改行有》 3. シンプル・プラン 浅はかな一般人が策を巡らせても、専門家には勝てないということか。主人公の兄のキャラが底辺に生きる人をリアリティーをもって表現されていて、本題とは違うところで色々と考えさせられた。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-24 15:09:26) 4. 新幹線大爆破(1975) 警察の無能っぷりに苛々させられた。発砲基準がおかしい。警察のやり方を暗に批判した映画だと受け取っておく。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-21 18:34:15) 5. 人狼 JIN-ROH 重い。 暗く、重く、笑える箇所も救いもない。 冒頭の、長くややこしい説明のナレーションで、この映画の設定はこうである!と強制的に押しつけられるのはどうかと思った。 そして、どのキャラも心が無いように見えるほど淡泊に描かれているため、感情移入ができない。 どうして主人公が彼なのか・・・という疑問は終盤で解決されたが、だからといって残るのはやるせなさだけ。 アニメーション作品として発表するなら、アニメではないと表現できないことをやって欲しい、しかしながらこの作品には、そのようなところはみられない。 極端に言えば、実写でも撮れる作品。 アニメでしかできないことを表現したいから、アニメーション作品を作るのではないのか?と疑問に感じた。 個人的な意見だが、暗い映画は実写だけで十分。アニメ映画にはせめて、一筋でも光が欲しい。 [DVD(邦画)] 5点(2011-01-27 17:27:00)(良:1票) 《改行有》 6. 七人の弔 ダンカンの初監督作品。予告編を見てから、ずっと見たいと思っていたのだが、先日ようやく見ることができた。 予告編通り、ブラックでいてシリアスな映画。親に売られた子どもたちと、子を売る親たちのやり取りをブラックジョークを交えながら描いている。 私はこの作品にどこか違和感を感じた。新人の役者の演技にか、淡々としたダンカンの喋りにか、それともこの作品の世界観にか。 どちらにせよ、この作品は違和感を感じるべき作品だ。もしかすると、ダンカンも敢えてこの"違和感"を観客に伝えているのかもしれない。 この作品で描かれていることが、まかり通っていいわけがないのだから。 肝心のストーリーだが、予想通りのオチ、というわけではなかった。 ただ、どちらに転んでも悲しすぎる。 もしこの映画が隙なく完璧に作られていたとしたら、「誰も知らない」ぐらい涙させられただろうし、考えさせられもしただろう。 しかしそれはそれで恐ろしいので、個人的には、この"惜しい"ぐらいの出来でよかったのではないかと思う。 個人的には、「オールド・ボーイ」に並ぶ"見終わった後に憂鬱になる映画"であった。 (レビューを書いた2008年当時)[DVD(邦画)] 6点(2011-01-27 15:29:43)《改行有》 7. 十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 正統派時代劇という感じ。三池らしさが無いと言われるが、岸辺一徳さんのシーンや不死身の伊勢谷くんのシーンは三池らしさではないのか。入れない方が作品として収まりが良いところをあえて入れてくるのが三池。 刺客に暗殺されるほどの悪者で無いと納得できない殿役を演じた稲垣吾郎は、残酷性と幼稚さを兼ね備えた殿役を怪演。 殿様という育ちの良さと幼稚さ故の残酷性は彼のキャラクターだからこそ出せたものではないか。 殺陣は松方弘樹が抜群に上手い。この殺陣を見るために劇場に足を運ぶ価値はある。他の人も上手い人ばかりだった。 個人的には、色物も出来る古田新太がもう少しオイシく使われていたらよかったのにと少し残念。[映画館(邦画)] 8点(2011-01-21 21:30:59)(良:1票) 《改行有》
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