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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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61.  祝辞 専務の息子の結婚式でスピーチをすることになった財津一郎演じる課長の式までの四苦八苦する姿を描いた「釣りバカ日誌」シリーズの栗山富夫監督によるコメディー映画。ビデオを見てスピーチを考えるなど前年の伊丹十三の「お葬式」に影響をうけたようなシーンもあり、この当時はあの映画のヒットの影響でこういうハウツーものが流行ってたのかなあと思ってしまった。21年前というやや中途半端に古い作品のためか、ちょっと時代を感じるところもあったものの全体的にはなかなか面白かった。柄本明がいい味を出していて、財津一郎と彼のやりとりがかなり笑えた。ワンシーン出演の植木等も良かったなあ。[ビデオ(邦画)] 7点(2006-06-19 02:38:01)

62.  新選組(1969) 《ネタバレ》 三船敏郎の近藤勇は風格が漂い、存在感も良い。三国連太郎が芹沢鴨をいかにも胡散臭く演じており、大河ドラマで同じ役を演じた佐藤浩市と見比べるのも面白いだろう。内容は芹沢暗殺から新撰組の結成、近藤が打ち首になるまでの新撰組の歴史が2時間の間にギッシリと詰め込まれ、駆け足ぎみではあるが、最後まで面白く見られる。沖田総司(北大路欣也)が病死するのではなく、カッコよく戦死したのは驚いたけど。[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-03-26 15:50:55)(良:1票)

63.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 新ウルトラマンと言えば「帰ってきたウルトラマン」(ジャック)をどうしても思い浮かべるし、脚本ほかを担当した庵野秀明監督も「帰ってきたウルトラマン」のファンということもあったので「帰ってきたウルトラマン」のリブートでも良かった気がするが、初代ウルトラマンのリブート映画である。樋口真嗣監督と庵野監督の前回のコンビ作である「シン・ゴジラ」はゴジラ映画としてはやや異質ながらも災害映画としてリアリティがあり、こういうゴジラが見たかったと見終わって思わせるものがあったが、今回はウルトラマンという素材を使って自由に遊んでいるという感じで、映画としての完成度は高くなく、むしろ「ウルトラマン 怪獣大決戦」などのウルトラマンのテレビシリーズのエピソードをオムニバスに並べた映画のような印象があるのだが、それでも面白かった。一方で、ウルトラマンを最初にデザインした成田亨の初期デザインのとおりにカラータイマーのないウルトラマンや、パゴス、ネロンガ、ガボラの三体が似ていると言及があるのも、「ウルトラQ」や「ウルトラマン」に最初に出てきた個体が同じ着ぐるみから作られていることを知っていれば思わずニヤリとしてしまうのだが、同時にそれが原因でけっこうマニアックな映画に感じてしまうのも事実で、最初から万人受けを狙っていないようにも思えるのは庵野監督らしいところかもしれないが、ちょっと残念。オリジナルは最終回の最後まで正体が周囲に露呈することがないというのが好きなのだが、本作ではザラブのくだりで周囲に正体を明かすという展開で、オリジナルでザラブ星人が登場するエピソードである「遊星から来た兄弟」の同じ部分を考えるとこの方が自然に見え、ここの部分の脚色は良かったと思う。メフィラス(山本耕史の独特な演技が印象深い。)の力で浅見(長澤まさみ)が巨大化しているシーンはオリジナル(「禁じられた言葉」、私の好きなエピソードです。)の巨大フジ隊員よりも登場時間が長かったように思えたのも個人的には良かった。そしてゼットンだが、これがもう見るからにエヴァの使徒でこんなのいたよねという形状で、怪獣ではなく、最終兵器という設定にも違和感を感じるも、ちゃんと脅威が感じられるものになっていて、何より一兆度の熱線というのにちゃんと触れていたのは嬉しかった。ただこのゼットンを持ってきたのがゾーフィという名前なのはゾフィが悪役のように描かれているように感じられてしまい、どうしてもここだけ抵抗感が残る。ラストシーンもウルトラマンと分離した主人公がただ目覚めてエンドロールが流れ始めるのではなく、もう少し何か欲しかったような気がする。感想が少しマニア目線になってしまったみたいだが、まあさっきも書いたように楽しめたし、全体的に見ても嫌いではない映画だ。それともう一つ、宮内国郎の劇伴を使うなら、主題歌は「ウルトラマンの歌」をそのまま使っていたほうが良かった気がしないでもない。[DVD(邦画)] 6点(2024-06-30 23:55:48)(良:2票)
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64.  十一人の侍 《ネタバレ》 「十三人の刺客」、「大殺陣」に続く工藤栄一監督の集団抗争時代劇。タイトルからどうしても「七人の侍」を連想してしまうのだが、それは製作陣も分かっているようでクライマックスの大雨の中での決闘をはじめ、ところどころで意識しているのが分かる作品となっているが、「七人の侍」のようにメンバーそれぞれに個性を持たせる描き方でなく、メインとなるのは主人公である仙石(夏八木勲)ら数名というのは「十三人の刺客」とほぼ同じ。暗殺の標的となるのが菅貫太郎演じる将軍の弟・松平であるなど話としては「十三人の刺客」の焼き直し感が強くなっている(音楽を担当しているのも同じ伊福部昭だが、オープニングの音楽がものすごく「十三人の刺客」っぽい。)が、この松平が「十三人の刺客」のような強烈なインパクトがなくなんか薄い感じがして物足りないし、少し無理やり感のある展開も多く、全体的には凡作の域を出ていないように思うものの、十一人のメンバーの中に女性がいるのが新鮮だったし、最終的にメンバーの中で生き残るのが西村晃演じる浪人ただ一人というのが先に「十三人の刺客」を見ているとまた最後の最後で死なないのかと疑ってしまったが、本作では本当に最後まで死ぬことなく終わって一安心。そして、森での待ち伏せ作戦が中止になったあとの馬の足音だけを聞かせるワンショットがものすごく印象に残り、ここだけでも本作を見た価値はあったと思う。[DVD(邦画)] 6点(2023-08-06 17:16:18)

65.  賞金稼ぎ 《ネタバレ》 のちにテレビドラマ化もされたという若山富三郎主演のアクション時代劇シリーズ第1作。冒頭のテロップからして「柳生一族の陰謀」や「真田幸村の謀略」のような荒唐無稽な時代劇である事が伝わって来そうな雰囲気だったが、実際その通りの荒唐無稽な娯楽時代劇でツッコミどころも多いが、何も考えずに見る分には安心して見ていられる。時代劇だけでなく、西部劇的な雰囲気もあって無国籍風なのだが、それに主演の若山富三郎がよく馴染んでいるし、主人公である市兵衛が刀はもちろんのこと、銃を撃ちまくるというのもこの雰囲気で若山富三郎だと全く違和感を感じさせないのがすごい。それに本作では按摩のふりをするシーンがあるのだが、それがどう見ても座頭市にしか見えないのはやっぱり笑ってしまう(主人公の名前からして「市兵衛」だし。)し、それと同時に若山富三郎と勝新はとてもよく似た兄弟なのだということを感じられたのが楽しい。(「影武者」で最初は主演の勝新だけでなく、共演者として若山富三郎にもオファーがあったというエピソードにも納得。)市兵衛と陽炎(野川由美子)が最初に出会うシーンでストップモーションが使われているのも凝った強烈な演出で印象に残り、良かった。[DVD(邦画)] 6点(2023-07-23 15:20:11)

66.  人生劇場 続・飛車角 《ネタバレ》 シリーズ第2作。飛車角(鶴田浩二)が刑期を終えて出所するところから始まっていて、前作のラストが素晴らしかっただけに抵抗を感じるものの、決してつまらない続編というわけではなく、前作には及ばないものの、そこそこ面白かった。今回新たに長門裕之が登場しているが、彼が出るだけでマキノ雅弘監督の映画のような感じを受けてしまうのは気のせいか。(前作に続いて沢島忠監督が手掛けているのだが。)今回も前作と同じくメロドラマ色が強く、飛車角がおとよ(佐久間良子)を追って満州へ行く展開などにそれは表れているように思う。しかし、今回は佐久間良子がおとよに加えてもう一人、東野英治郎演じる親分の娘 お澄を演じていて、おとよが病死したあと、飛車角がその親分から縁談を薦められていたお澄と結婚するという展開は分からなくはないものの、見ていてなにか飛車角におとよへの未練がましさを少し感じてしまった。前作で宮川を演じていた高倉健が別の役で再登場とかはなかったのは良かったと思う。飛車角は周囲から「角さん」と呼ばれていて、東野英治郎演じる親分からもそう呼ばれているのだが、やはり、西村晃が出演していた永島敏行版同様につい「水戸黄門」を思い浮べてしまう。飛車角が裏切った仲間に殺されるラストシーンはヤクザ社会の非情さを物語っていてもの悲しかった。でも、面白いのは確かだが、やはり、前作が良すぎたせいか、蛇足とまではいかないものの、物足りなさも残って、前作のほうが良かったという感想をどうしても持ってしまう。[DVD(邦画)] 6点(2019-07-06 21:39:06)(良:1票)

67.  昭和残侠伝 破れ傘 《ネタバレ》 シリーズ最後の作品で、本作公開の翌月には「仁義なき戦い」が公開されたとのことで、東映任侠映画としても最後の作品になるのかな。そういうこともあってか、いつもの風花コンビを演じる高倉健と池部良に加え、前作にも出演していた鶴田浩二が再び出演しているほか、安藤昇や北島三郎まで出演していてとにかく豪華な俳優陣が目を引く。それ以外には特別なことはなくいつも通りなのが安心して見ていられるし、前作のように助太刀が入らず、終始風花コンビ二人だけの殴り込みのシーンもこのシリーズらしいものになっていて良かったと思う。しかし、内容としてはいつもよりたくさん登場人物が死んでいる感があってなにかこのシリーズとしてはちょっと殺伐としすぎた印象が残り、なにか違うと感じてしまったのがちょっと残念に思う。前作と同じ佐伯清監督が手掛けているが、本作でも主役コンビなどメインの役柄を演じる俳優たちのよさはじゅうぶんに出ているかわり、脇役陣がそれほどでもない。これが前作では不満だったのだが、二本目ともなると既に慣れてしまい、マキノ雅弘監督や山下耕作監督が手掛けた回との違いの一つとして楽しめるようになっているのが自分でも不思議。ただ、ヒロインとなる重吉の妻役はこの時期東映で高倉健との共演が多かったという星由里子が演じていて、悪くはないのだが、若大将シリーズの澄子など東宝映画での印象が強いせいかイマイチしっくりこない。[DVD(邦画)] 6点(2017-04-29 16:44:18)

68.  昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 《ネタバレ》 シリーズ第8作。今回は高倉健、池部良の風花コンビに加え、鶴田浩二まで登場している。内容は義理や筋を通すことへの苦悩がよく描かれた典型的な任侠映画らしい任侠映画になっていて面白いし、出来としてはそんなに悪くない。でも、マキノ雅弘監督の担当した回と比べると佐伯清監督(本作で監督作初鑑賞)の本作は脇役の描き方がイマイチに思え、そこが物足りなく感じる(単に慣れの問題かもしれないが。)し、話の発端となる風間重吉(池部良)の弟・文三(松方弘樹)の駆け落ちの相手と、花田秀次郎(高倉健)のかつての恋人の二人のヒロインが登場するが、展開上、駆け落ちのエピソードのほうがウェイトが大きくなり、秀次郎のかつての恋人とのエピソードはなにか中途半端な感じ。文三の駆け落ち相手を演じるのが新人ぽい女優なのに対してこの秀次郎のかつての恋人を演じるのが東映専属ではない日活の松原智恵子(に加えて今回の敵役も日活の葉山良二。)だったので、せっかく他社から出ているのにととくにファンでもないのにもったいなく感じてしまい、無理に主人公にもヒロインを出さなくても駆け落ち相手だけで良かったのではと思う。また鶴田浩二が出たことにより、池部良の存在感がちょっと薄くなった感がある気がして、とくにクライマックスの殴り込みシーンに途中から鶴田浩二が助太刀に現れ、いちばん最後のシーンも高倉健と鶴田浩二の後ろ姿のツーショットというのはこのシリーズとしてはさすがに違和感があったのがちょっと残念だった。[DVD(邦画)] 6点(2017-01-19 20:19:27)

69.  次郎長三国志(2008) 《ネタバレ》 マキノ雅弘監督のライフワーク的代表作である「次郎長三国志」を、東映版シリーズにも出演した甥の津川雅彦がマキノ雅彦名義で自ら監督を手掛けた平成のリメイク版。思ったより悪くはなく、津川雅彦のおじの思いを受け継ぐという思いも伝わってくるし、東宝版や東映版にはなかったシーンもとくに不満はなかった。子分役の俳優陣の平均年齢が高めなのが見る前は不安だったのだが、みんないい味を出している。特に法印役の笹野高史がどことなく田中春男演じる法印を思わせている。しかし、温水洋一の石松に関しては前半、森繁久彌や長門裕之の石松に対してドモリを強調しすぎていてかなりの違和感を感じる。それに尺の都合上、追分と石松とお仲さんの道中記の部分や仲間との出会いが大幅に省略されているのは仕方がないとはいえ、東宝版や東映版ではここが面白かった部分でもあるのではっきり言って残念。お牒さんが死ぬシーンは本作でもジーンとさせられるのだが、ちょっと長かったかな。ただ、これまでの映画よりも次郎長とお牒さんの愛を強調したつくりで、東宝版や東映版にはない簪を重要なアイテムとして使った演出がそれを感じさせていて良かった。子分の人数も東宝版、東映版に比べて少なくなっているのだが、監督である津川雅彦が東映版で3作目まで演じていた増川仙衛門が本作では登場していないのが印象的で、ひょっとしたら途中で降板したのが嫌だったのかなと憶測してしまう。東宝版、東映版双方に出演している長門裕之が本作にもちゃんと出演しているのはなんだか嬉しいものがあった。しかし、次郎長(中井貴一)とお牒さん(鈴木京香)の結婚から、お牒さんの死までを2時間ほどで描いているため、全体的に急ぎすぎている感があり、とくに先週まで東映版シリーズを見ていたせいか、まるで総集編を見ているような感覚が最後まで抜けなかったのも事実で、この物語はやはり単発よりも連作シリーズとしてじっくり見た方が面白いと本作を見てあらためて思ってしまった。最初に書いたように決して悪い映画ではないと思うのだけど。[DVD(邦画)] 6点(2016-11-18 21:12:31)

70.  実録三億円事件 時効成立 《ネタバレ》 三億円事件を題材にした犯罪サスペンス映画。実際に時効が迫っていた時期に公開されていて、(東映らしいなあ。)冒頭に実際に三億円事件の捜査に携わった刑事ふたりのインタビューが挿入されるところは生々しくてリアルで、この頃のほかの東映実録映画(あんまり見たわけではないのだが。)とは一線を画した印象で、本筋が始まっても石井輝男監督は犯行までをドキュメントタッチかつサスペンスフルに描いている。中でも犯行を再現したシーンは実際の事件にけっこう忠実に描かれており、緊迫感もじゅうぶん。しかしその後、金子信雄演じる刑事が登場してからは普通のサスペンス映画のようになってしまったのはちょっと残念だったかな。でも、東映ヤクザ映画で悪役を演じることの多い金子信雄が善良な刑事役を演じるというのは見る前はかなり意外に感じていたのだが、演技を見た印象としてはヤクザ役のときとあんまり変わらなかったので、後半はほとんどこの金子信雄のキャラを楽しみながら見ていた感じだった。[DVD(邦画)] 6点(2014-11-20 17:03:09)

71.  処刑の部屋 石原慎太郎原作の太陽族映画というと日活の映画という印象があるが、本作は大映の映画で、日活から移籍してきたばかりの市川崑監督が手がけている。映画としては「狂った果実」よりも面白く見ることができたが、それでもやはり今見ると「狂った果実」と同じく古臭さを感じてしまう映画で、市川監督の演出もそれほどキレを感じない。(ただみなさんがおっしゃるように宮口精二と川口浩が口論をする隣の部屋で岸輝子が新聞漫画を読んでいるカットは市川監督らしさが感じられた。)主演の川口浩は不良らしさがよく出ていて、裕次郎よりもこういう役はハマっている気がする。しかし、「狂った果実」もそうなんだけど本作に登場する大学生たちはどこか幼稚な存在に描かれていて、太陽族ものってみんなそうなのかと思えてしまった。ヒロイン役は市川監督の映画には本作が初出演の若尾文子。この頃はまだ清純派で可愛らしい彼女がけっこうな体当たり演技を見せていて、(とはいえ、まだ本作ではだいぶおとなしいが。)本作に助監督として参加している増村保造監督とのその後のコンビ作での活躍を予感させていたのが印象に残る。[DVD(邦画)] 6点(2014-06-05 17:06:57)

72.  地獄花(1957) 室生犀星の原作を映画化した伊藤大輔監督の時代劇。「地獄花」というタイトルと京マチ子がヒロインを演じていることから、大映が外国の映画祭での賞どりを狙って企画した映画だと勘ぐってしまう。確かに撮影や美術などは大映らしい素晴らしさであるが、物語的にさほど見るものはなく、イマイチ面白くなかった。京マチ子は勝気なヒロインを熱演していて、その濃い顔立ちもあってか、とても演技にインパクトが感じられるが、表情が怖く、少しひいてしまう部分もある。相手役の鶴田浩二はいいのだが、個人的にはこの頃よりももっとあとのほうが好みかな。山村聡は京マチ子に言い寄る男の役で、普段誠実で真面目な印象があるだけに違和感があり、がんばってはいたが、若干ミスキャストに感じる。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-06 12:52:13)

73.  四月物語 大学進学のため、北海道から東京に出てきて初めて一人暮らしを始めた女性の日常を描いた岩井俊二監督の映画。取り立てて何か起こるわけでもなく、淡々としているが、爽やかな青春映画となっていて、思ったよりは面白かった。光の使い方が印象に残り、映像的にも美しく、岩井監督の映画はまだ何本も見たというわけではないが、初めて見た岩井作品である「Jam Films」の「ARITA」も、光の使い方がうまかったような印象があるので、これが岩井監督の個性なのだろう。初主演となる松たか子も初々しく、見知らぬ土地で初めて一人で生活する期待と不安をよく表していて良かったと思う。ひょっとしたら主人公を初主演の女優に演じさせることで、役柄と演じる側の状況をある程度ダブらせてリアリティーを出そうという岩井監督の演出意図があるのかもしれない。冒頭の松本幸四郎一家総出演はこの映画で初めての主演を飾る松たか子にエールを送っているようにも見える。(ここの主観ショットはけっこううまい。)上映時間も短くサクッと見られるし、後味もいいのだが、名画座で「生きていた信長」を見るシーンだけは、いちいち劇中劇として挿入しなくても、劇場で映画を見ているというシーンだけでじゅうぶんだったような気がする。[DVD(邦画)] 6点(2012-09-06 16:09:43)

74.  修羅の群れ(1984) 山下耕作監督が手がけた松方弘樹主演のヤクザ映画。ヤクザの世界に飛び込んだ一人の男の生き様を描いた年代記ものなのだが、ドラマがやや駆け足ぎみで物足りないと思うものの印象的なセリフも多く、全体的にはそこそこ楽しめたといったところか。ナレーターが小池朝雄だったり、脇に菅原文太や北大路欣也が出ているのでつい最近まで見ていた「仁義なき戦い」シリーズを思い浮かべてしまうが、山下監督の演出は画に落ち着きがあり、撮り方もキレイ。(深作欣二監督の手持ちカメラによる荒々しい映像も好きだが。)松方弘樹は貫ろくのある存在感で主人公を熱演していて、子分の菅原文太を「おい」呼ばわりするのもいちいち迫力がある。一方の菅原文太も良かったが、こちらが「仁義なき戦い」シリーズを見終わったばかりというのもあってか、ほとんど同じ演技にしか見えないのがちょっとなあ。松方弘樹の兄貴分を演じる鶴田浩二は本当に味のある演技で、若い頃より晩年近くなったこの頃のほうがいい芝居をしているように思う。(といっても若い頃の東映での出演作はほとんど見たことがないのだが・・・。)俳優が本業でない演歌歌手も何人か出ているが、中でも主題歌も担当している北島三郎(モロッコの辰役)が意外にいい演技をしていたのが印象に残り、ちょっと新鮮に感じた。(北島三郎、そんなに好きでないけど。)[DVD(邦画)] 6点(2011-06-14 16:02:40)

75.  新仁義なき戦い(1974) 《ネタバレ》 全5作で完結した「仁義なき戦い」シリーズであるが、それからあまり間を置かずに製作された新シリーズ第1作。人気シリーズを手放したくないのは分かるが、ちょっと潔さが感じられないなと思いつつも見たが、想像よりは悪くないし、シリーズ初参加となる大物俳優の存在感もあって楽しめる。それに五部作で登場するたびに殺されていた松方弘樹が最後まで生き残るのは見ている側の予想を裏切る展開である意味新鮮に感じた。五部作とは役名の変わった出演者が多い(でも、田中邦衛とか役柄はほぼそのまま。)中で金子信雄だけは同じ役名で同じ役柄というのが嬉しかったりもする。しかし、ドラマとしてはちょっと盛り上がりに欠け、五部作に比べてちょっと物足りないというか、普通のプログラム・ピクチャーになってしまった感じがするのが残念。(五部作では人間ドラマの面白みに加え、ラストシーンが印象的な場合が多く、それが評価を上げる一因になっていたのだが。)菅原文太演じる主人公も広能と口調は同じだが、キャラクターが広能と比べるとワルな感じなのが少し違和感を覚える。田中邦衛の手旗信号のシーンはコミカルだし、五部作同様ユーモラスな場面があるんだけど、やはり五部作のほうがドラマとしての見ごたえはあったと思う。殺された組員(誠直也)の母親役で1シーン登場する菅井きんが強烈だった。[DVD(邦画)] 6点(2011-04-05 16:24:24)

76.  新・極道の妻たち 覚悟しいや 《ネタバレ》 「極道の妻たち」シリーズ6作目。このシリーズを最初から最後まで見るのは同じ山下耕作監督が手がけた「極道の妻たち 最後の戦い」に次いで2本目となる(ちなみに山下監督の映画も見るのは2本目。)のだが、今回はかたせ梨乃に裏切られた岩下志麻が北大路欣也とともに、彼女と愛人である中尾彬を仕留めるまでが描かれていて、役柄が違うとはいえ、前回見た「最後の戦い」と比べると違和感を感じる展開で、ドラマ的にもなにか物足りないが、それでもけっこう楽しめた。しかし、山下監督にとって最後の東映での映画になる作品でもあり、前作で印象的だった映像美がかげを潜めているような気がするし、音楽もなにかコミカルに感じる。刑務所の面会シーンからいきなりシーンが香港に飛ぶのはちょっとビックリ。岩下志麻はどぎつい関西弁で、眼力が鋭く、貫ろく充分に主人公を演じていて、とても若い頃に見せていた清純派の面影などどこにもない演技で、本当に別人のよう。それでいてカッコよく、「覚悟しいや」と啖呵を切るクライマックスは思わず唸ってしまう。 それにしても松竹のスター時代を知っているとよくここまでキャラが変わったものだと不思議に感じてしまうのだが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-15 02:59:34)

77.  将軍家光の乱心 激突 《ネタバレ》 千葉真一が自ら演出したアクションシーンはド派手で見ごたえ充分だが、降旗康男監督の演出は深作欣二監督のような勢いは感じられず、やや物足りないし、緒形拳と千葉真一の決闘シーンも、深作監督の「必殺4 恨みはらします」における千葉真一と蟹江敬三の決闘シーンと比べると落ちる気がする。千葉真一や松方弘樹など深作組常連俳優がいるのだから、深作監督で見たかったという気持ちもあるが、それでも娯楽時代劇としてはそこそこ面白いものになっている。ただ、長門裕之の火だるまシーンは合成丸出しでかなりしょぼかったのが残念。織田裕二を時代劇で見るのは初めてだったけど、どこに出ていたのか分からなかったなあ。(竹千代を護衛するメンバーにいたらしいが。)竹千代を演じるのが茂山逸平なのだが、まだ幼くてかわいい。出番の少ない京本政樹の演じる殿様はかなりのインパクトがある。でもそれ以上に強烈なのがラストの二宮さよ子の高笑い。ここはこの映画のどんな派手な見せ場よりも印象に残り、このシーンだけで彼女がこの映画すべて持って行ってしまったかのような気にさえなった。(このシーンなかったら1点マイナスだったかも。)アルフィーの主題歌は良かったけど、時代劇にはややそぐわないかなあ。[DVD(邦画)] 6点(2010-09-30 01:01:54)

78.  修羅雪姫 怨み恋歌 「修羅雪姫」シリーズ第2作。というか前回のあのラストシーンからどうやって続編につなぐのかと思ったら、前回のラストは無視しているみたい。前回は雪は復讐のためだけに生きていて、かなり気迫があり、演じる梶芽衣子からも得体の知れない凄さを感じたのだが、今回の雪は前回に比べておとなしく、凄みも感じないし、前回印象的だった主題歌が流れないのは残念(なぜだ。)だし、映像の美しさも前回のほうが勝ってた。でも今回は梶芽衣子のまわりにいる出演者が曲者ぞろいで、原田芳雄と伊丹十三の兄弟や、伊丹の妻を演じる吉行和子の濃い熱演はもちろん、悪役の岸田森がなんとも怪しい存在感で演じていて、はっきり言って雪よりまわりにいる登場人物たちのほうがインパクトがある。(岸田森、やっぱりカッコイイなあ。)これはこれでいいのだが、やはり前回に比べると雪の存在感が薄くなってしまった感じでやっぱり残念。ただ映画自体は思ったより面白かったかな。藤田敏八監督の映画を見るのは2本目だが、のちに監督となった伊丹十三が藤田監督を俳優として「タンポポ」に起用しているのを思い出し、ここでは藤田監督が俳優として伊丹十三を起用していることに一種の感慨深さというか、そういうのを覚える。ところで鈴木瑞穂のナレーションを聴くとこんなはちゃめちゃな映画でも硬派な社会派ドラマのように見えてしまうから不思議。[DVD(邦画)] 6点(2010-09-08 23:45:39)

79.  しびれくらげ 「でんきくらげ」に次ぐ増村保造監督と渥美マリのコンビ作で大まかなストーリーやほかの出演者も「でんきくらげ」と似たりよったり。でも、「でんきくらげ」に比べるとこちらの方が面白かった。渥美マリは「でんきくらげ」よりはこちらのほうが確かに洗練されている感じはあるけど、増村作品に登場するヒロインとしてはやっぱり何か物足りないという気がする。「でんきくらげ」を先に見ているからか、主人公の父親役で玉川良一が出てきたときはまた同じような役回りなのかと思ったが、今回は「でんきくらげ」のようなワルな印象の役ではなく、笑ってしまうほどのダメ男の役でなかなかいい味を出している。この父親と主人公のやりとりがスピーディーに展開されるあたりはいかにも増村監督らしいし、ラストの余韻の残し方もうまいと感じさせるものの、本作も増村作品としては凡作の感が否めないのが少し残念。(さっき書いたように「でんきくらげ」よりは面白かったのだが。)そういえばヤクザ役で田村亮が出てるけど、田村三兄弟は全員が増村作品に出演経験があるんだなあ。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-04 16:59:13)

80.  静かなる決闘 《ネタバレ》 西部劇の邦題のようなタイトルだが日本映画である。戦時中の野戦病院で患者に梅毒をうつされた若き医者を描いた黒澤明監督の初期作。冒頭の大雨の降らせ方や野戦病院の暑苦しい雰囲気などはいかにも黒澤監督らしい描写で、主人公の医者を演じる三船の「赤ひげ」とは違う渋みがかっていない若さや「酔いどれ天使」に続いて医者を演じる父親役の志村喬の味わいのある演技も良かった。が、三条美紀演じる主人公の婚約者が何も知らされないまま別れてしまうのはちょっとかわいそうすぎる気がする。黒澤監督は基本的に男性的な作風の監督であるが、女性の心情とかそういうものを描くのは苦手なことがはっきり分かってしまった感じがして、ここはもう少し女性の心理描写のうまい監督だったらとつい考えてしまった。でも、昔は黒澤作品大好きだっただけにやっぱりこれは自分の映画の好みの変化によって思うことかもしれない。ただ峯岸看護婦役の千石規子はすごく良かったので彼女に1点プラスの6点。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-21 23:42:38)

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