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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港 第4作。今までのシリーズと比べると間延びしていて、やや中だるみと言った感じ。とはいえ、石松、三五郎、お仲さんらが清水に集まってくるのは見ていてワクワクするし、ここでも前回と同じく森繁久弥演じる石松が最高。そして、次郎長一家の仲間に加えてほしいとやってくる加東大介演じる漁師・豚松もなかなかいいキャラクターで、このシリーズらしい(というか、マキノ雅弘監督らしい)お祭り的雰囲気もあって面白かった。でも全体的に見て明らかにつなぎに徹している印象はぬぐえず、楽しめる作品にはなっているのだが、前回までと比べるとやっぱり何か物足りないなあ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-07 02:36:56)

82.  次郎長三国志 第三部 次郎長と石松 シリーズ第3作。「次郎長と石松」というタイトルのわりには次郎長一家の出番は少なめで、どちらかと言えば「石松と三五郎」という感じで石松と今回初登場の追分三五郎との絡みが中心。前回、最後にチョロッと出てきただけでも抜群の存在感を放っていた森の石松が、今回いよいよ本格始動して大活躍。演じる森繁久弥の持ち味がじゅうぶんに発揮されていて面白い。そして今回もう一人初登場となるお仲さんが色気があって美しくて気風の良い姉御肌で博打で壷を振る姿もかっこよく、見てるこっちまで石松や三五郎と一緒に思わず惚れてしまいそうじゃないか。お仲さんが酔った勢いで石松と一緒に旅に出る約束をするシーン。このシーンの二人はなんかいい感じで、そういえばお仲さんを演じる久慈あさみって「社長シリーズ」では森繁久弥演じる社長の奥さん役だったよなと思って見たり。そのほか、博打で捕らえられた次郎長一家に会うためにわざと見張りをぶん殴る張子の虎造も面白い。しかし、今回はなんと言っても森繁久弥演じる森の石松のキャラクターと久慈あさみ演じるお仲さんにすっかり魅せられた一本だった。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-04 22:34:34)

83.  次郎長三国志 第二部 次郎長初旅 シリーズ第2作目。冒頭の婚礼シーンのあと、次郎長一家が旅に出るのだが、それを見送るお蝶さんを演じる若山セツ子の演技がとても良かった。ただ、今回はちょっと最初からしんみりするような展開だったため、この先、どうなることかと思っていたが、あとは全体的に喜劇タッチで、料理屋でのドンチャン騒ぎ(一緒になって騒いでいる料理屋の主人佐太郎役の堺左千夫が女房に呼ばれて「ああ、そうか。」と下へ行くシーンが笑える。)とか笑えるシーンが前回よりも増えている感じで前回同様楽しめた。佐太郎の奥さんのお徳さん(この名前を聞くとなんか「洲崎パラダイス 赤信号」の千草のおかみさんを思い出す。)の優しさはたまらないし、おきねの父が娘の恋人である仙右衛門と和解するシーンは思わず感動した。そして終盤に登場する森の石松を演じる森繁久弥の存在感がすごい。これは、石松が本格的に物語に絡み出す次回が楽しみだ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-04 15:02:18)

84.  次郎長三国志 第一部 次郎長売出す マキノ雅弘監督の「次郎長三国志」東宝九部作の第一作。今まで「サラリーマン清水港」とかパロディーものしか見ていなく、本家を見るのはこれが初めてだったのだが、とにかく出てくるやつらがみんな個性的で魅力があって楽しく、明るい作品でとても面白かった。今回出てくる子分たちの中ではとくに最初に次郎長の子分になる鬼吉。このキャラクターは演じる田崎潤に渋い役者というイメージが強くこういう役のイメージが皆無だっただけにそのハイテンションな演技がとても新鮮に感じられて面白い。彼が棺桶を背中にかついで走るシーンは同じ監督だからだろうかどことなく「決闘高田馬場」を彷彿とさせている。ほかにも浪曲をうたう張子の虎三(演じる広沢虎三は実際に次郎長伝の浪曲で知られている人。)なんかも実にいいキャラクターで楽しかったし、「青い山脈」で笹井和子を演じていた若山セツ子演じるお蝶さんは可愛い。大政と女房が別れるシーンは全体的に見て、少ししんみりするが、このシーンの大政役の河津清三郎の演技が素晴らしく、ここはこの映画の中でも名シーンの一つだろう。それにしても、新年一発目に見た映画がこれなのだが、とても満足いく作品だったと思う。第二部も楽しみ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-02 11:17:23)

85.  小説吉田学校 GHQによる占領時代の講和条約からバカヤロー解散にいたるまでの吉田茂内閣時代を描いた実録政治もの。見る前はなんか淡々としていそうで退屈するのではないかと思っていたが、確かに淡々としているものの、スケールが大きくてものすごく見ごたえのある骨太の作品で、原作者の監修が入っているからか大作映画で知られる森谷司郎監督作(本作が遺作。)の中では大味な部分も特になく政界ドラマとして非常に面白い作品になっていると思う。公開当時にまだ現役だった実在の政治家(公開当時の首相は中曽根康弘。)たちが多数実名で登場している(当然本人には相当配慮していると思われる。)などドキュメンタリー映画的な側面もあってこの時代の政治家には威厳があったのだなあと感じる。吉田茂を演じる森繁久弥が本当にそこに吉田茂本人がいるような雰囲気が漂うほどの名演技で間違いなくこれは彼の晩年の代表作だろう。またこの映画を見ていると主人公の吉田を含め近年総理大臣に選出された安倍、福田、麻生の父親や祖父が登場しており、今の政界はつくづく世襲の多い世界だと思うと少々唖然とする。[DVD(邦画)] 8点(2008-11-25 20:17:51)

86.  心中天網島 《ネタバレ》 黒子を使った歌舞伎のような演出や、篠田桃紅の描いた絵をはじめとした独創的な美術セット、白黒映像の美しさなど印象に残るし、ファーストシーンが電話でこの映画の打ち合わせをする監督(篠田正浩)と脚本家(富岡多恵子)のやりとりというのも面白い。だがあまりにシュールすぎて展開についていきづらく、あまり入り込めずに終わってしまった。しかし、岩下志麻は美しかったし、音楽担当の武満徹が脚本にも参加しているのはすごいと思った。[CS・衛星(邦画)] 5点(2008-09-14 02:42:26)

87.  静かなる決闘 《ネタバレ》 西部劇の邦題のようなタイトルだが日本映画である。戦時中の野戦病院で患者に梅毒をうつされた若き医者を描いた黒澤明監督の初期作。冒頭の大雨の降らせ方や野戦病院の暑苦しい雰囲気などはいかにも黒澤監督らしい描写で、主人公の医者を演じる三船の「赤ひげ」とは違う渋みがかっていない若さや「酔いどれ天使」に続いて医者を演じる父親役の志村喬の味わいのある演技も良かった。が、三条美紀演じる主人公の婚約者が何も知らされないまま別れてしまうのはちょっとかわいそうすぎる気がする。黒澤監督は基本的に男性的な作風の監督であるが、女性の心情とかそういうものを描くのは苦手なことがはっきり分かってしまった感じがして、ここはもう少し女性の心理描写のうまい監督だったらとつい考えてしまった。でも、昔は黒澤作品大好きだっただけにやっぱりこれは自分の映画の好みの変化によって思うことかもしれない。ただ峯岸看護婦役の千石規子はすごく良かったので彼女に1点プラスの6点。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-21 23:42:38)

88.  新幹線大爆破(1975) のちにスピードが80キロ以下になると爆発する爆弾が仕掛けられる設定だけキアヌ・リーブス主演の「スピード」にパクられた(?)東映の鉄道パニック映画。「スピード」もけっこう突っ込みどころのある映画だったけど、こちらはそれ以上に突っ込みどころがあり、とくに既に触れられている方もいるかもしれないが、川くだりのシーンで待機していた刑事が偶然通りかかったジョギング中の柔道部員に大声で「捕まえてくれ」と叫ぶシーンとか絶対に有り得んと思うし、ほかにも警察の無能さをさらけ出しているシーンとかけっこう多かった気がする。それに主犯である高倉健が爆弾の図面を残していった喫茶店が唐突に火事になるのは脚本のご都合主義を感じずにはいられない。それに肝心の新幹線が模型でときどきえらくしょぼいのにも唖然。でも、そういうところを突っ込みながらも映画としての勢いはすごく、高倉健の渋さもあって最後まで飽きることはなく楽しめたし、最初に見た映画が「北京原人」だった影響で個人的にブラックリスト監督となっている佐藤純弥監督の作品の今まで見た中ではいちばん退屈しなかった。でもやっぱり「スピード」の方が好き。宇津井健は映画作品ではあまり馴染みなかったが、もう一人の主人公といえる重要な役柄である運転指令長役をとてもうまく演じていてカッコイイし、新幹線に乗り合わせた女医を演じる藤田弓子も若い。そして高倉健の別れた妻・靖子(宇都宮雅代)の苗字が「富田」。藤田弓子に加えて新幹線の運転士役で小林稔待も出ているのでなんか大林宣彦監督の「さびしんぼう」を思い出してしまった。[DVD(邦画)] 7点(2008-08-11 14:05:59)(良:3票)

89.  忍ぶ川 話そのものは今から見るとどうってことはない少し暗めのラブストーリーなのだが、全体的に白黒であることを生かした美しい映像が印象的だった。熊井啓監督は撮影時、体調がすごく悪かったと聞いていたが、それでも(傑作かどうかは別として)それを感じさせないとても完成度が高い作品になっているのはちょっと驚かされる。ヒロイン役栗原小巻がとても美しく、今までも「男はつらいよ」シリーズのマドンナ役とか見てるけどここまでとは思わなかったし、見ていて可愛らしく思える。相手役の加藤剛は実は「砂の器」しか見たことなかったのだが、ここでも暗い過去を持つ役柄を演じていて和賀英良と少しダブって見える。(劇中、彼が演じる哲郎の口から「宿命」という言葉が出て、やっぱり意識した配役なのかと思ったら、「砂の器」よりも前の作品だった。)そんな二人が初夜を迎えるクライマックスは卒倒しそうなくらいにドキドキしてしまった。このシーンをめぐって吉永小百合が降板したエピソードは有名だが、原作小説が出た60年代の初めにも映画化が企画され、監督には川島雄三が予定されていたんだとか。洲崎橋でのシーンや哲郎の実家が青森という設定なのを見ると、ぜひとも川島監督で見たかったという気持ちになり、個人的には川島監督で実現しなかったことがとても残念に思えてならない。[DVD(邦画)] 7点(2008-04-15 23:58:08)(良:1票)

90.  尻啖え孫市 東映を退社してフリーの身となった錦之助が大映で主演した時代劇。あまりいい評判聞いてなかったけど、そこそこ楽しめる作品にはなっていると思う。でも、三隅研次監督の演出にキレがあまり感じられないうえに宮川一夫が撮影をしてるにもかかわらず三隅監督にしては映像も平凡で物足りないし、勝新の織田信長もちょっとなあ。外部出身のスター俳優が主演ということで、スタッフが身構えてしまったのだろうか。錦之助と弟の中村賀津雄のやりとりはなんか東映の時代劇を見てるみたいだった。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-09 03:09:12)

91.  しとやかな獣 悪いやつばかりが登場すると見る前に聞いていたので、どんな風な映画なのかと思っていたが、人間のいやな部分をブラック・ユーモアたっぷりに描いていてとても面白かった。この映画のように舞台を一箇所に限定している映画だと、単調に感じられる場合があるが、凝ったカメラワークと登場人物たちの会話のおかげでむしろスピーディーに感じられ、途中で全くだれることがなかったのも川島雄三監督の演出力の高さを感じられる。ほかにも川島監督ならではと思えるシュールな演出もあり、ヒッチコックの「ロープ」のような舞台的な作品でありながら、ちゃんと映画としてのつぼを押さえているのには感心させられる。そしてなんといってもこの映画の魅力は前田家を中心にした登場人物たちに尽きるだろう。若尾文子の悪女役はあまり見たことなかったんだけど、したたかに演じきっていてさすがと思わせる。前田家の面々にはちょっと唖然とする。それから忘れてはいけないのが小沢昭一。とても怪しげな独特のキャラクターで強烈に印象に残る。出番が少ないのははっきり言って勿体無いなあ。 2012年12月10日追記:小沢昭一という俳優を知ったのはたぶん映画ではなくラジオのパーソナリティーとしてだったと思うけど、いまでは川島監督の映画で欠かせない俳優の一人というふうに自分の中ではなっている。「幕末太陽伝」の金ちゃんはもちろんのこと、そのほか、「洲崎パラダイス 赤信号」のだまされ屋の店員役もまさにこの人ならではで、比較的シリアスな物語にあって小沢昭一演じるこの店員がコメディーリリーフとしての役割をはたしており、これも忘れられない。でも、やはり、この映画に登場するあやしい存在感を放つ歌手・ピノサクは小沢昭一だからこそ、小沢昭一にしかできないと思えるほどのハマリ役で、今まで見た小沢昭一の演じた役柄ではいちばん印象に残っているし、いちばん好きな役柄だ。そんな小沢昭一の訃報はとても悲しいし、非常に残念に思う。心よりご冥福をお祈りします。「このアパート、エレベーターないの!?」[DVD(邦画)] 8点(2007-08-02 12:35:26)(良:1票)

92.  地震列島 《ネタバレ》 小学生の頃にテレビで一度見た映画なんだが、地震のシーンしか覚えてなかったので久しぶりに再見。地震が起こった後のマンションや地下鉄からの脱出劇といったスペクタクルシーンはそれなりに楽しめるものの、ストーリーが大して面白くなく、勝野洋、多岐川裕美、松尾嘉代のドロドロしたエピソードなんかちょっと退屈だったし、地震に遭遇した人々の人間ドラマがあまりないのも残念だし、全体的にハリウッドの大作映画のような大味な印象しか残らない映画だった。この頃から日本映画はハリウッドを意識するようになったのかなあ。そのほかの役者についてもう少し言わせてもらえば燃え盛るマンションに多岐川裕美を助けに来る永島敏行が「異人たちとの夏」とかぶって見える。佐分利信の総理大臣はヤクザの組長みたい。[DVD(邦画)] 5点(2007-07-17 14:33:03)

93.  新・座頭市 破れ!唐人剣 《ネタバレ》 座頭市が中国人の使い手と対決するシリーズ第22作。これが最大のウリで映画としてはいつものような感じなのかなあなんて思ってたけど、座頭市が盲目なのと互いの言葉が分からないという点がうまく生かされていて、二人が対決に至るまでの展開はけっこう重く、対決がいつものように勧善懲悪の上に成り立っていないのがドラマを盛り上げていて見ごたえがある。その対決シーンも勝新の殺陣とジミー・ウォングの殺陣のぶつかり合いがすさまじく、印象に残る名勝負になっている。全体的にシリアスな中にてんぷくトリオ(伊東四朗、若い。)の笑いがバランスよく盛り込まれ、雰囲気を和ませているのも良かった。シリーズものって末期に近づくほど面白くなくなっていく印象があるけど、これは1作目につぐ傑作だと思う。[DVD(邦画)] 9点(2007-05-17 11:39:13)

94.  十九歳の地図 ひたすら暗く、重苦しい映画で見た後かなりブルーな気分になるのだが、主人公の気持ちがなんとなく分かる気がして切なかった。とくにラストの電話ボックスで涙を浮かべながら脅迫電話をかけるシーンは胸がはりさける思いがした。蟹江敬三と沖山秀子(この二人の演技がすごくいい。)の関係をはじめとした主人公の周囲の人物たちの描き方も生々しくて妙にリアルに感じる。70年代のアート系邦画をひさしぶりに見たが、やっぱりこの頃のこういう映画は独特な雰囲気があってなかなかいいなあ。[ビデオ(邦画)] 8点(2007-04-09 17:53:57)

95.  事件 野村芳太郎監督の法廷ものとしては「疑惑」ほどのインパクトはなかったけど、それでも主役三人のドロドロした愛憎劇と法廷での緊迫したやりとりで充分楽しめた。ラストの大竹しのぶと渡瀬恒彦の会話シーンはなんか意味深。大作らしくキャストも豪華なんだが、あまりに周りが豪華なので被告役の永島敏行がかなり地味に見えてしまうのがちょっと痛いかな。弁護士役の丹波哲郎が最近亡くなってしまったのが残念。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-29 02:49:01)

96.  下町の太陽 《ネタバレ》 山田洋次監督の2作目で、倍賞千恵子が山田監督の映画に初めて出演した意味で重要な映画でもある。先週「キューポラのある街」を久しぶりに見返したばかりだが、間をおかずに本作をあらためて(こちらも久しぶりに)見るとやっぱり雰囲気がよく似ていて、かなり意識して作られた映画(東野英治郎や菅井きんが出演しているのもそういったことからかもしれない。)であることが分かるし、あからさまな二番煎じを狙っているのは明白なのだが、倍賞千恵子は吉永小百合よりも庶民的な感じがして、それだけでなにか役に説得力があるし、山田監督の演出はまだ垢抜けないものの、ところどころに粗削りながららしさを感じる部分はあり、とくにラストのヒロインの選択はいかにも山田監督らしい真面目さが出ていると感じる。さっきも書いたように「キューポラのある街」を意識して作られた映画には間違いないと思うが、音楽も日活映画でよく見る作曲家が担当しており、そのためか、どことなく日活っぽさも感じられる中であくまで松竹らしい作風の映画になっているのが少しチグハグな印象も受けるものの、本作のタイトルにもなっている主題歌の「下町の太陽」の明るさがとても倍賞千恵子のイメージにピッタリと合っていて、この歌の存在が本作をアイドル映画だと感じさせてくれているし、またヒロインにとっても希望が込められた歌なのだろうとじゅうぶんに感じることができる。(2023年6月25日更新)[DVD(邦画)] 6点(2006-08-15 03:20:42)

97.  祝辞 専務の息子の結婚式でスピーチをすることになった財津一郎演じる課長の式までの四苦八苦する姿を描いた「釣りバカ日誌」シリーズの栗山富夫監督によるコメディー映画。ビデオを見てスピーチを考えるなど前年の伊丹十三の「お葬式」に影響をうけたようなシーンもあり、この当時はあの映画のヒットの影響でこういうハウツーものが流行ってたのかなあと思ってしまった。21年前というやや中途半端に古い作品のためか、ちょっと時代を感じるところもあったものの全体的にはなかなか面白かった。柄本明がいい味を出していて、財津一郎と彼のやりとりがかなり笑えた。ワンシーン出演の植木等も良かったなあ。[ビデオ(邦画)] 7点(2006-06-19 02:38:01)

98.  Shall we ダンス?(1995) 《ネタバレ》 かなり久しぶりにDVDで再見したが、昔に初めて見たときはそんなに面白いとは思わなかった映画なのに、今になってあらためて見るとこれがかなり面白くて思わず見入ってしまった。平凡な毎日を送りながらもどこかに満たされない気持ちを持っているサラリーマンの男がふとしたきっかけで社交ダンスをはじめ、次第にのめり込んでいく姿が描かれているが、たとえ最初の動機は不純でも趣味を持つことの大切さ、素晴らしさや楽しさ、またそれによって人間は変われるということを感じることができるし、また、中年サラリーマンの悲哀を描いたドラマもよく描けていて、(この辺、初めて見たのが中学生くらいの頃だったんで分かんなかったんだろうなあ。)決して話題性だけではないちゃんとしたドラマとしての面白さのある映画になっているし、まさしく日本映画らしい映画で、日本映画だからこそできた傑作の一本だと改めて見て思った。周防正行監督の映画に欠かせない存在である竹中直人をはじめとしたわき役陣の強烈な個性も光り、周防監督らしいコメディとしての面白さもじゅうぶんあり、やはり周防監督はこういう肩の力を抜いて楽しめるコメディのほうがのちの社会派ドラマよりも合っていると思うしやっぱり好み。とはいえ、本作も次回作である「それでもボクはやってない」も電車が話の発端となっているのは偶然なのだろうかとつい考えてしまった。(まあ、考えすぎだとは思うけど。)ラストはなにか強引な気がしないでもないが、このラストの後味が最高なので気にはならなかった。タイトルになってる曲は劇中でも言及がある通り、もともと「王様と私」で使われた曲ではあるが、やはり今でも個人的には「王様と私」よりも本作のほうが印象が強い曲だ。ハリウッドリメイクもされているが、さっきも書いたように日本映画ならではの魅力のある映画だと思う。(2021年1月17日更新)[DVD(邦画)] 8点(2005-08-15 01:35:56)

99.  十五才 学校Ⅳ 《ネタバレ》 麻実れいの引きこもりの息子とのエピソードが感動的だった。ゆずの主題歌もいい。主人公のガールフレンドの名前が泉、丹波哲郎の息子(前田吟)の名前が満男というのが寅さんシリーズへのオマージュのようで印象的だった。 そういえば主役の俳優は顔が吉岡秀隆に似ている。[ビデオ(邦画)] 8点(2005-05-25 17:58:07)

100.  地獄門 《ネタバレ》 カンヌ国際映画祭グランプリやアカデミー賞を受賞した名作とされている映画だが、確かに映像や衣装の美しさなどは大映の中でもとくに気合いが入っており、素晴らしいの一言。でも、いかんせん人妻に惚れた男が今でいうストーカー行為に走るというどこかの昼メロにありそうな展開であまり面白くないし、長谷川一夫と京マチ子のキャラクターが二人とも濃すぎてイマイチ入っていけない。ただ、執拗に袈裟(京マチ子)につきまとう盛遠(長谷川一夫)の姿はどこか滑稽であり、傍から見ているとつい笑えてしまう。今回、この映画を見るのは二度目で、昔見たときには退屈で早く終わらないかと思ったものだが、今回も実際の上映時間よりも長く感じたものの、前回よりも退屈しなかったのはこれをけっこう楽しんでいたからかも知れない。でも、好きな映画かと言われればやっぱりそうではないなあ。(2013年6月6日更新)[CS・衛星(邦画)] 5点(2005-05-21 10:09:25)

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