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プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  子宮に沈める 《ネタバレ》 まずはじめに言っておくと、これは10点です。それくらい物語に入り込み、おそらく製作者の狙うように感じさせられました。心情的には本当に疲弊したし、鬱な気分にさせられて0点どころかマイナス100点くらい付けたい気持ちですが、それがこの映画の狙いというなら、見事に思惑にハマったなというのが正直な感想です。 映画にも色々あって、それぞれに目的があると思います。感動させたい映画。泣かせたい映画。驚かせたい映画。怖がらせたい映画。笑わせたい映画など。この映画は、観る人を鬱にさせたい映画。その意味ではこれ以上ないくらい最高の作品です。 本当に目を背けたくなる気持ち。実際何度か背けたし、何なら一時停止して意を決してから続きを再生したことも数回。 とにかく幸ちゃんが良い子すぎて。健気に母親を待ち、弟の面倒を見て、訳が分からない中でも命を食いつないで、その結果があれなんて。もう言葉が無い。何とかして粉ミルクを作るシーン、缶詰を包丁で開けようとするシーン、マヨネーズの容器がすっからかんになるまで吸い尽くすシーン。動かなくなった弟を何とか起こそうとするシーン。どれも衝撃的でショッキングすぎた。こんな子がまだどこかにいるのかもしれないと思うと、何とかできないのかと胸が張り裂けそうになる。 ただ、母親の気持ちもわかってしまう。さすがにあそこまでのネグレクトはあり得ないけど、それは自分が誰かに頼れる状況があって、全くの閉鎖空間では無いある程度のオープンスペースに身を置けてるおかげなんだろう。夫は行方をくらませてしまった。実家はないのかな。そんな中で幼児二人とずっと閉じ込められてる状態ならおかしくもなってしまうというのは、理解できた。これは、ここまでの状況ではなくても、短期的にでもこのような状態に身を置いたことがある人ならわかると思う。辛い。知らない人はやってみてください。ひたすら子供のペースに合わせ、なだめ、すかし、ご飯を与え、お風呂に入れ、トイレの世話をし、寝かせ、だと思ったら起きてきて、自分は寝れない。それが二人。 なかなか文章では伝えきれない所もありますが、世の母親の方々、本当にお疲れ様です。 人には全く勧められないし、一ミリも楽しい映画ではなかったが、最高でした。[インターネット(邦画)] 10点(2022-05-13 00:51:27)《改行有》

2.  沈まぬ太陽 《ネタバレ》 まず単純に、労組の問題というものは複雑で難しいものだという印象を受けました。何が難しいって一番に挙がるのは、人間関係。この映画を見て、労働組合をやりながら上司とうまくやっていくっていうのは不可能なんじゃないかと思えたほどです。自分は公務員ということもあり、労組というものに実際に所属したことは無いので鮮明にイメージができるわけではないのですが、こんな状態で仕事なんてできたもんじゃないなと思います(ここまでひどいのはなかなか無いと思いますが)。 話の内容としては、主人公・恩地元(=渡辺謙さん)を中心に、労組での闘いやジャンボの墜落などの出来事を散りばめていき、その時々の彼や彼の周囲の人間の様子を描写していくといった感じ。でも本当に、ここまでの扱いを受けるぐらいなら辞めてしまえばいいのにと観ている側からすれば恩地氏にそうアドバイスしてあげたくなります。愛していた会社からも遠く離れ、家族にも大きな負担を強いて、いったい何になるのかと。しかし、恩地氏自身の気持ちになってみれば、そんな会社に屈することはしたくないと思うだろうし、そんな風に堂々とした態度で生きる自分を家族にも示したいという想いもあったのではないでしょうか。事実、はじめは遠く自分の国を離れることや父との時間を過ごせないことに反発していた子供たちや妻も、時が流れるにつれ恩地氏の不器用ながらも決して筋を曲げない生き方を理解していくようになります。なかなか真似ができるものではありませんが、そんな恩地氏の生き方の10分の1でも自分の生きかたに反映したいという想いを持ちました。素晴らしい映画でした。長い上映時間も全く気にならない、重々しいドラマながらも観た人に鑑賞後ある種の向上心というか、「もっと頑張ろう」と思わせるような余韻を残すような作品でした。 最後に、労組の活動の中で業務時間中にビラ配りをするなどのシーンの描写がありましたが、あれだけが残念でした。日々の業務を粛々とこなし、なおかつ業務時間外で労組として会社の業務の改善を訴えるという姿勢なら、もっと労組に対して感情移入もしやすく、胸を打つ内容になっていたと思うのですが。そこだけは会社の上役たちの反論に「うんうん」と頷いてしまいました。[映画館(邦画)] 9点(2009-12-03 10:42:10)《改行有》

3.  詩季織々 《ネタバレ》 三本のショートストーリーの中では、「陽だまりの朝食」が一番好きだったかな。食べ物系って個人的に好きです。食べたくなるから(笑)逆に言うと、食べたくなるようにうまく見せてくれた作品だったと思います。 全て中国が舞台。という割には、あまり外国感はありません。名前が中国的なくらいはあとはほぼ日本の造り。顔の造形も、同じアジアなので当然ですが、人の考え方も。実際の生活の中だと、同じ地域の同じ顔の作りの人たちだけど、文化や考え方は結構違うのかなあとか思ってたので。なんとなく内容が日本的で、実際中国であんなふうに思ったりなるのかなあと疑問に思いながらの鑑賞でした。知らないので、憶測であり勝手な違和感ですけどね。 それにしてもビーフンは美味しそうだった!おばあちゃの思い出のビーフンも、学生の時の思い出のビーフンも、どちらも食べたい。いっそ自分で作ろうかな。そう思うほどに。時が経ち、人も変わり、ビーフンも変わる。好きだったお店も急に無くなっていたりする。そう言った人生の切なさのようなものを見ることができました。 他のエピソードも似たり寄ったりという感じですが、最後のエピソードもけっこう切なかったですね。カセットテープレターのやり取りなんて、憧れます。 全体的にとても感情に訴えかけてきて、とても面白かったと思います。それぞれのエピソードも綺麗にまとまっていて、楽しめました。[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-18 07:55:48)《改行有》

4.  娼年 《ネタバレ》  [娼婦」ならぬ「娼夫」。たいていの場合は体であるが、それを含めて自らを商売道具として売る一人の男性の話。    まず個人的には、不特定多数の女性それぞれと真剣に向き合ってかつ、その場限りの関係で終えられるという感覚が私には理解し難かった。単純に、自分は一人の女性のことばかり考え、良くも悪くもその人以外のことに目が向かなくなる性格だからということもあるだろう。相手の女性に囚われずに、ある意味「器用に」女性の相手ができるこの森中領という人物に、宇宙人かな、と感じるくらい距離を覚えた。  「女なんてつまらない」「セックスなんて手順の決まったただの運動」という領に、仕事を通して女性の多様さや深さを教えようとする静香。少し考えたことは、少々言葉が悪いが、この話は単に一般的な風俗で男が女を買う、というのを入れ替えただけなんだろうか、それとも女が男を買うとなったときにそこに込められる意味も変わってくるんだろうか、ということが気になってきた。私の感覚では、女性が相手を求める感覚も男性が相手を求める感覚も、そんなに違いはないと思っている。男性のほうがあからさまで直接的な場合が多いので、ことさら単純・シンプルと思われがちであろうが、それこそこの物語の森中領くんのような複雑さや深さを持った男性もいるだろう。逆に、男よりあからさまに性を求める女性だっているだろう。そういう意味では「女性は~」という言い回しは私にはさして響かなかった。ただ私自身は男性であり、「異性としての女性」はやはり特別な存在で、その中でも特定の女性には自分の身を半分以上持っていかれるような想いを抱いている。そのように一般的な意味の上での「女性」と私にとっての「女性」では見方が変わるので一概には言えないが、女性だろうが男性だろうがある程度の年齢を生きてきて複雑でも深くもない人間なんていないだろう、というのが私の感想だ。領と東くんの絡みでもあったように、男同士の同性でも感じるものがあってああいうことに発展する場合もある。そういうものも描くあたり、別に「女性」一本槍で押してくる映画でもないんだなと少しほっとした。  「子どもの頃から大人の女性が大好きで、だから歳を重ねた女性がどうしてそのことを罪のように感じるのかがわからない」  この台詞が心に残りました。私はそこまで相手が何歳でも良いとまでは言いませんが、結局その人に魅力を感じるかどうかが大事だと思っています。それ次第では自分より年下を好きになることもあるかも知れないし、その逆も充分あり得るだろう。ただやはり限界はあって、いくら年下でも高校生や中学生にはそんな感情は湧いたりしないし、それは彼ら彼女らはまだ子どもで、自分自身の判断能力も未熟なうちにそんなことをするべきではないと少なくとも私が考えているからだ。私はそうだが、果たしてこの領くんがどこまでそういったことを許容できるのかが知りたいと思った。一般的な美的感覚で言うところの造形が良くない女性であったり、体形が崩れた女性に対しても同じようにできるのか、汚い話ですが排尿はOKでも排便は?など、彼の限界値がどこにあるかが少し気になりました。色々考察する機会をくれるいい映画だと思います。[インターネット(邦画)] 8点(2022-09-21 20:56:34)《改行有》

5.  新聞記者 《ネタバレ》 ジャーナリズム、マスメディア、政府による情報操作の可能性、などについて考える機会となりました。もちろんこれは映画なので、やや荒唐無稽に思える設定や状況があるのですが、ある意味そう言うものが映画だと分かっているのでそこはスルー。 大事なことは出てくる情報は必ず誰かの手が入っていて、手が入っているということはそこには必ず何らかの狙いがあって、情報を受け取る側はそこを見極める必要があるということ。現代は超情報化社会と言っても差し支えがないくらい情報に溢れていて、その情報一つひとつも嘘なのか誠なのか、はたまた30%だけ嘘であとは本当だとかグレーなものもあり、文字通り玉石混交。それを「見極める」なんて至難の業だがそれをしていかないといけない。ほんと、大変な時代です。 冒頭、薄暗いオフィスで内閣情報調査室、いわゆる内調が時の内閣の都合の良い内容のつぶやきをSNSで投稿しまくる、というシーンがあります。「そんなアホらしい仕事そんな立場の人達がやるのか」とは思いつつも、あんな黒い仕事はそこらへんのアルバイトとかにはさせられないなとも思う。実際近年の報道ではTwitterやヤフコメの書き込みを記事に引用することはしょっちゅうあり、その影響力の大きさを目の当たりにすると、内調にこんな部署があってもそれほど可笑しい話ではないとも感じました。内調であればどこからどんな記事が出るかとかはある程度わかっていそうですしね。 ただ本当にそんな仕事をする部署があるとして、役中の杉原(=松坂桃李さん)と同じくそこに確かなモチベーションを持って業務に就ける人なんかいるのかな。SNSの誘導書き込み、政敵となる人間(それが一般人でも)の個人攻撃のための情報捏造とその拡散、そして組織を守るためのスケープゴート役… どこかのタイミングで「何やってんだ俺」って神崎さんのように虚しくなってしまって自己嫌悪に陥ってしまいそうなもんだが、そういう仕事が意外にハマったり代わりに甘い汁を吸えたり、何らかの運や巡り合わせで普通の人なら感じる違和感を何の疑問も持たなくなるとか、どんな仕事でもあるんでしょうねきっと。この間も少し知り合いが以前勤めていたブラックな営業をしていた会社の話を聞いた。この映画の話はなんらありえない話では無いと思った。 昔、報道とは事実と客観的事実のみを世間に知らせる完全に中立なものであるべきだと思っていました。今もそれが理想だと思っているしその考え自体はまだあるんですが、誰かが何かを意見したり論じる時、100%全ての人に公平で中立なものなんてあり得ないんだなということも最近思います。何かを報道すればそれで得をする人損をする人は必ず存在して、その数や割合が平等になることなんて無い。同時に、報道をする側もその報道で影響を受ける人たちのことを計算に入れて報道を出す。きっとその記事は誰かにとってメリットになり、他の誰かにとってデメリットになるものなんだろう。最近実感として思います、完全に客観的な記事なんてきっと無いんだろうな。だからこそ、「中立」「中庸」を目指したいと思っているのですが。 色んな社会問題が、この超情報化社会の中で私たちの目の前に簡単に出てきて、「こうあるべき」「こうするべき」と示してきます。多様性を謳いながら一つの解答に誘導する圧を感じます。本当、本当に生きにくい社会になった。この映画を観て、なにかそう強く思ってしまいました。[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-03 23:53:53)(良:1票) 《改行有》

6.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 有名な作品をなかなかブーム時には観られない性格の天邪鬼自分。『シン・ゴジラ』も今頃になってようやくの鑑賞に至りました。鑑賞の少し前に災害に関する講習のようなものを受け、そこで本作について、いわゆる「想定外の災害」について描かれている旨うかがいました。なのでその点に注目しての鑑賞となりました。 やはり特に気になったのは「会議を経なければ何事も決定できない」ということでした。「決定するつもりが無い」というわけじゃなく「決定することができない」ということがとても印象に残りました。どうしても必要なプロセスとして「会議」があり、一分一秒を求められる状況で、専門家でもない老人多数の大臣たちがまるえ一般人のように思いついたことを述べているシーンはやはり滑稽に映ります。ですが結局のところ現実もこうなんだろうなとも思います。現実も多くはその道の専門分野でもない大臣たちが「IT大臣」だの「少子化大臣」だのとりあえずポストに収まって、そこらへんのおっさんでも言えるようなことを言っている。 この映画の中で現実とは違う良い点としては、「専門家たちをしっかりと登用し活用している」ことだと思います。御用学者のような人たちもいましたが、ゴジラ対応のかなり序盤から専門家たちは重用されており、中枢からその存在感を発揮しています。そういう点が現実のほうにもあればいいのにな、と思ってしまいました。いや、してるんでしょうかね。少なくとも自分のような一般人にはあまり専門家の方々のありがたみはわからず、コロナ対応に対してもどうしても不信感を抱いてしまいます。 ゴジラはなかなか圧巻でしたね。最初のトカゲのようなギョロ目のゴジラが個人的には一番怖かったです。内容は日本に現れたゴジラを世界各国みんなで協力して撃退するというものですが、『インデペンデンスデイ』のように各国に一体ずつ現れても面白いのにとか思ってしまった。そのほうが日本政府VSゴジラの構図がもっとくっきり浮かび上がったのに。 今作『シン・ゴジラ』の内容を受けての『シン・メカゴジラ』とか『シン・モスラ』とかあればまた観たいな。なんつって(笑)[インターネット(邦画)] 8点(2020-06-28 03:10:53)(良:1票) 《改行有》

7.  植物図鑑 運命の恋、ひろいました 《ネタバレ》 なんだか久しぶりにただただ眩しい恋愛映画を観たなぁって感じです。だいぶ昔に書籍も読んだはずで、うっすら内容も思い出しました。 「雑草なんて草はない」「全て名前がある」 というセリフはよく覚えています。いろんな他のことにも当てはまる言葉で、素敵なセリフだと思う。 樹くんが料理も出来て性格もしっかりしている青年であるだけに、あの出会いかたはちょっとなー、、、と思うのは私だけでしょうか。 「良かったらおれを拾ってくれませんか。」「しつけのできたいい子です。」 いやあ、ないわあ。 その流れであっさり拾っちゃうさやかもやはりあり得ない。 あと、さやかの仕事での空虚さを出すための演出なのでしょうが、内見で客に迫られるシーンとか必要ですかね? 原作の設定をなぞらえただけですし仕方ないとは思うのですが、それ以外はとても気に入っています。 自分自身料理が好きですし、料理のシーンがあるのは見ていて楽しい。さすがに野草をとったりはしませんが、ワラビやノビルのレシピには興味ありますね。料理には興味があるのですが、野草には全く興味がないので、植物図鑑買って野草の種類覚えようとは一ミリも思いませんけど(笑) でも本来は全く興味の無いことでも、好きな人の好きなものだと思ったらハマれるって不思議ですね。でも確かにそういうことは起こるし、そういう意味でもいい恋愛映画だと思いました。色々あり得ないと思う部分もある映画ですが、マンガみたいだけどこんな恋愛してみたいなっていうのを擬似的に体験できる映画だとも思う。私は嫌いじゃない。[インターネット(邦画)] 7点(2022-09-03 00:25:55)《改行有》

8.  静かな雨 《ネタバレ》 透明感のあるたい焼き屋の女性と、そのたい焼き屋に通いながら彼女自身に惹かれていく男性の物語。タイトルのように、しとしとと物語は進みます。たい焼き屋に通う男性、行助はその店の女性、こよみとふとしたことから二人でよく話すようになり、彼女?とは言えないまでも親しくなる。そんな矢先にこよみは事故に遭い、命は取り留めたものの、新しい記憶を留めておけない、毎朝記憶がリセットされるような状態になってしまう。そんな彼女との共同生活も始まり…という内容。 こよみは「世界」という言葉をよく使いますが、行助もこよみもそれぞれの世界があり、それらがゆっくりと混ざり合い、しかし浮遊というか、浮上しているような感覚はなく、なんだかだんだん空気が落ちていくような感覚はあり、まさに、静かな雨のようだ、と思いました。 決して多くは語られない、それほど大きく派手な場面になるわけでもない、だがじわじわと何かを蝕んでいくような感覚はあって、と同時に何かが育まれていく感覚もある、不思議な映画です。 まるで芥川賞に出てくる純文学のような映画でした。といっても、私はその手の小説は苦手なのですが。しかしそんな雰囲気で映画を楽しんでいた中、唯一らしくない、というか変な人間味を見たのが、記憶を繰り返し無くしていき、行助のことも度々忘れて記憶のアップデートがされないこよみに対して苛立ちをぶつける行助のシーン。彼女がそういう状態ということは承知して彼女といることを決めたはずなのに、急に子供返りしたかのように駄々をこねる彼には驚きというか、なんだかショックを受けた。正直かなり引いてしまった。 毎朝同じセリフを聞かされ、同じように説明し、毎回嫌いなものを伝えないといけない。それってやはり重い負担なんですかね。その点で行助がああなってしまったというならちょっと理解できない。昔の彼のことは覚えてて、、、というのも気になることではあるだろうが、こよみは今自分のそばにいてくれてるんだからそれほど思い詰めることだろうか。 なんて言いながら、私も好きな人のことではそんな理性が吹き飛ぶくらい自分でも訳のわからないことになってしまうので、あまり偉そうに言えません。あくまでこれが他人事で、第三者として言えるから余裕を持って言えるだけ。 自分も、冷静な第三者から見ればだいぶ愚かなんだろうなと、行助と自分を重ねて自分を少し戒めました。でもどんなに愚かでも格好悪くても、本当にその人のことを考えて想い続けるための、心の栄養には少しなりました。 また明日以降も少し良い自分になれますように。そんなことを考えた映画でした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-21 01:25:44)《改行有》

9.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 エヴァの世界の細かい考察などは他の方々にお任せして、、、(どうせわからないので)、私自身としてはこのシリーズはあくまで映像美や雰囲気を楽しむために鑑賞させていただきました。そう言ってるとなんだか美術館の楽しみ方のようだ(笑)。でも実際そんなものなのかもしれない。そういう風に楽しみました。「これはどういうことかな」「こういう意味なのかな」と考えさせられる要素もたっぷり有り、まさに美術館でアートを鑑賞して製作者の意図を考えるようなことに意識を忙殺されます。映像はただただ綺麗で、素人目にもその作り込まれ具合に魅了されました。個人的にやはり好きなのは戦闘シーン。一番シーンとしてわかりやすいからでしょうか。逆に前半ほとんどを占めたシンジ君の抜け殻シーンはあれだけ見せられたらちょっともうおなかいっぱいという感じです。 『序』も『破』もレビューしてませんが、今作は劇場と、このたびprime videoでも配信されたのを機にもう一回観てしまったのでレビューしておくことに。2回観ましたがやっぱりストーリーはもう字面が頭の上を上滑りするばかりでよくわかりません。ただ、prime videoバージョンだと字幕を出せたので、それでわかった表現がちょくちょくあったことは良かったです。あと、自分も最近知ったのですが、「序・破・急(Q)」というのは雅楽の演奏の三段構成のことなのですね。そういう知識が入るのもまた面白いところか。 一応これでエヴァシリーズは「終劇」と相成ったということで、『シン・~』は2回も観たし、今後しばらくこのシリーズを鑑賞することは無いんだろうな。「こんな話だったなー」という余韻に浸りつつ、別の映画を楽しんでいきたいと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-16 12:31:47)《改行有》

10.  シーサイドモーテル 《ネタバレ》 山奥にある「シーサイド」モーテルに宿泊する人々を描いたコメディ映画。バラエティ豊かなキャラとストーリーが絡まって、意外と面白かったです。各部屋ごとのエピソードはそんなに深く絡んでいるわけでもなく、でもコメディとしてはそれくらいのさらっと見られる感じで良かったです。個人的に一番ウケたのは部屋の前を男が5人連続で通るかどうかの賭けのシーンでした。あらかじめオチが分かっていても面白かったですね。 山田孝之&玉山鉄二エピソードが好きかなあ。他の部屋の話もそれぞれに良かったんですけど。一番要らないのが高級旅館行く行く詐欺男のエピソードでしょうかね。 「インチキなものでも本物になることもある」っていうのは考えさせられました。[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-12 18:25:25)《改行有》

11.  忍 SHINOBI 《ネタバレ》 漫画『バジリスク』をベースに鑑賞すると痛い目にあいます。まず弦之介が漫画と比べてチャラ過ぎる。女のことばかり考えて、「オレが頭だ!従え!!」とわめきちらすなど、漫画のほうのカリスマ性溢れる弦之介からは遠すぎる。弦之介と朧の瞳もだいぶ漫画とは違ってますね。朧なんか、無敵すぎやしないか。 実写なので漫画みたいにはいかないとは思ってましたが、キャラの性格まで変えて欲しくはなかった・・・。ぶっちゃけ、原作どおりに作る気が無いならキャラの名前とか使わないで欲しい。 でも別物の忍者映画として見ればそこそこ楽しめました。[DVD(邦画)] 6点(2011-03-14 17:02:48)《改行有》

12.  白ゆき姫殺人事件 《ネタバレ》 最近こんな「〜殺人事件」というシンプルなタイトルの映画や小説をとんと見てなかったので、ある意味新鮮な気持ちで鑑賞できました。観る前はもっとこう、何人もの容疑者がいて誰が真犯人なんだろうって感じで進むストーリーかなって思ってたんですが、少し違いましたね。 話の展開は今っぽく、Twitterで色々呟くTV局契約社員の赤星が一応主役のような立ち位置。他人のプライベートとか個人情報を平気でつぶやき、案の定破滅する。赤星だからRED STARとか、安直すぎるだろ。本筋とは全然関係ないが、綾野剛さんってこういう役あんまり似合わないな。 あとは、やはりSNSとか報道ってやっぱり安っぽいなあと感じます。当事者でもない人たちが上っ面だけで事件やその関係者を語るのは見ていてとても醜い。さらにいわばつくりものである映画のそれは、リアリティすら薄く滑稽ですらある。自分は特に、ワイドショーとかその中で語るコメンテーターとかはひと通りどうでもいい存在と思ってるので、そんな人たちにいいように踊らされてる人たちも信じられない。よくほとんど知りもしない人の事を悪辣に語れるもんだ。 もっとミステリ要素の強い作品なら好きだったかもしれません。あくまで個人の好き嫌いの範疇での評価なので、あしからず。[インターネット(邦画)] 5点(2023-01-23 23:43:27)《改行有》

13.  修羅雪姫(2001) 《ネタバレ》 メインのストーリーはともかく、サイドストーリー的な城所さん(=佐野史郎)と隆(=伊藤英明)の話が省略されすぎてる感がありました。というより、全てにおいてバックグラウンドの情報が少なすぎるために全くその時代感がわかず、そのためにどうしても「おなはし」を観ている、という感じが抜けなかった。 さらに言うなら、全体的にほとんどのキャストのセリフがまったくなってませんでしたね。素人目に見ても、「ああ、芝居してるなあ」って感じでした。演技で自分を捨てきれていないと言うのはプロの世界においてはタブーに等しいはず。こんな演技をしてるようではなるほど、いくら考えあぐねても伊藤英明なんて俳優は記憶にないはずだ。この映画で良い演技をしていたのは白雷役の嶋田久作と城所さん役の佐野史郎くらいでしょう。あとはわざとらしいものばかりでした。コンセプトは嫌いでないだけに残念。4点(2004-10-18 01:35:43)《改行有》

14.  樹海村 《ネタバレ》 『樹海村』と言うタイトルと、作中での「樹海には自殺しようとして死にきれなかった人たちのコミュニティが存在する」という設定からそういうものを想像(期待?)していたのですが、全然そんなものが出てくる気配はなく、ただただ変な箱が出てきたら人が死ぬフラグが立つ話でした。コトリバコ?というのですか?他の方のレビューを拝見してるとそっち方面では有名な代物らしいのですが、寡聞にして存じ上げませんですみません。 「〜村」というシリーズにしたいという優先順位が勝ってしまって、面白いものが作れなかったのかな。この映画は名付けるなら『コトリバコ』とでもすればいいのにってくらいメインは箱。「村」的なものはほとんど見ることができず話が終わってしまいました。 最近ホラーというジャンルに対して、悪い意味でハードルが下がってしまったように思います。ITの発達により、誰とでもどこからでも連絡が取れたり写真を撮れたり。「そこにあるもの」や「そこにないもの」に対して考える機会が減ってしまったように思う。そのせいなのか、唐突に化け物が出たり人の人格が変わってしまったりしても「怖い」というより「何してるんだろう」という感じ。 『リング』や『らせん』などのホラー作品は昔大好きでした。今のホラーが楽しめないのは時代のせいなのか、自分のせいなのか。どっちなのかな。[インターネット(邦画)] 3点(2021-11-11 20:57:14)(良:2票) 《改行有》

15.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 原作既読です。読んでからだいぶ時間が経ってるんですが、この度prime videoで配信されてるのを見つけて鑑賞に至った次第です。 で感想ですが、原作ってこんなにコメディータッチな話でしたっけ?と戸惑うことがしばしば。確かに小説のほうでも明智さんとか剣崎比留子のキャラは浮世離れしていていわゆる「変人」として描かれていましたが、それは人に笑われたり態度がふざけている「変人」ではなかった。どちらかと言うと学者然として普通の人がしないようなことにのめり込むようなタイプの変人で、だから物語のキャラクターとして魅力があったのだと思います。映画ではこの二人が完全にネタキャラとなってしまっていて、これはもう『屍人荘の殺人』としては楽しめなくなってしまいました。じゃあ他のキャラは大丈夫だったのかと言うとそんなこともなく、全体的にコミカルにふざけた雰囲気で描かれてしまっているため、原作を読んで映画を観た人で満足する人はおそらくいないのではないかと。 と言うわけで、原作基準で評価すると0点。原作を一旦忘れて映画単体で評価するとしたら4or3点ってところですかね。 個人的に、小説の明智さんは本当に魅力的で逞しい変人というイメージだったので、映画でここまでふざけたなよっとしたキャラで使い潰されたことにただただショックです。 残念の一言。[インターネット(邦画)] 3点(2021-06-12 18:36:46)《改行有》

16.  少林少女 《ネタバレ》 まあ・・・ひどいなあこれは。 何がひどいってまず、私はCM見て影響されて映画館行ったんですけど、あまりにもCMで期待させる内容とかけ離れたものでした。『カンフーハッスル』や『少林サッカー』を観て影響された、って言う人もこの映画は別物だった、と後で気づくと思います。上記2作のネームバリューにあやかった紛い物です、これは。 ストーリーももちろん破綻していて、『カンフーハッスル』などは時に笑えるようにストーリーをおもしろおかしく工夫していますが、『少林少女』のそれは話の流れが大変勝手で、観てる側は全くついていけません。鑑賞済みの方はご存知でしょうが、主人公の凛(=柴咲コウ)がラクロスチームのメンバーと打ち解けるまでの流れが・・・はしょりすぎ!!!チームのメンバーと心を通わせる大事なシーンを完全にすっ飛ばして、観客置いてけぼりでした。 ・・・とまあここには語りきれないくらい穴だらけのストーリーで、同じくらいアクションシーンも退屈です。これもやはり前述の2作のようなものを期待すると手痛いしっぺ返しに遭います。ある意味放送事故です。 最後に、この映画あまり火は出ません。[映画館(邦画)] 1点(2008-05-14 00:53:15)《改行有》

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