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プロフィール |
コメント数 |
901 |
性別 |
男性 |
年齢 |
42歳 |
自己紹介 |
最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。 前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり 新しい映画ライフが充実しています。
昔ほど数はこなせませんが 趣味と生活のバランスをうまく保ちながら なるべくたくさんの映画を観て、 なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。 |
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1. 空飛ぶタイヤ
《ネタバレ》 原作は既読です。と言ってもかなり前に読んだきりで、詳細なディティールはかなり忘れてしまっていますが。
そんな既読か未読かよくわからん状態で鑑賞した映画版ですが、感想としてはだいぶ原作を端折った作りになってるなーと感じました。ほとんど忘れてるくせに何をえらそうに笑、と自分でも思うのですが、あの池井戸さんの作品特有の、中小企業が大企業に仕事や金銭面で追い詰められ、その影響で自分の会社や家族まで追い詰められていくあのドン底の描きかたは、時間制限のある映画ではなかなか描ききれないものですね。あとは、栄転したはずの沢田を冷遇する組織がわかりやすすぎて。そりゃあんな処遇受けたら内部告発もするわ。あからさまで極端過ぎるのがちょっと…でしたね。逆に、商品開発部で冷遇されなかったらそれでも沢田は赤松についたのでしょうか?結局自分の扱われ方次第で敵にも味方にもなる人なんだと思うとそれも少し興醒めでした。個人的に、整備の門田くんや、先代から仕えてる宮さんの出番はもっと欲しかったな。
さらに個人的感想ですが、馴れ合い融資に稟議を通さないホープ銀行の融資担当と、保証金の一億を蹴った赤松社長にはスカッとしました。が、こういうのを見てる第三者は、「保証金なんて要らないからすぐにハブを返せ!」くらい言ってやれ、とか思うんですが、もし自分が現実にそんな立場になったらなかなかそんな踏み切った判断するのは難しいだろうなと思いました。社員とその家族まで背負ってると思うと、なかなかこんなドラマのようにはいかないですよね。この、現実と理想の間を行ったり来たりする感が池井戸作品の好きなところです。[インターネット(邦画)] 7点(2021-10-16 14:32:01)《改行有》
2. そこのみにて光輝く
《ネタバレ》 これくらいの年になるとみんな何かしら抱えながら生活してるんですよね。それが過去に犯した罪だったり、動けない家族だったり、死なせてしまった同僚だったり・・・。そういったものから何とかして抜け出したいが抜け出せず、ただ幸せになりたいと現実に抗いながらも抗いきれない人たちを描いた映画。幸せの基準も人によって違う。幸せのためにお金が欲しい人、女を抱きたい人、家族を作りたい人。人それぞれ、「光り輝く」ために必要なものは違っていて、しかも例外なくその必要なものはなかなか手に入りづらいものばかり。この話が映画だから極端というのではなく、誰しもみんな根っこに持ってる「幸せになりたい」という気持ちは同じなんだろうなあ、という至極当たり前のことを妙に実感した映画でした。
個人的にあまり綾野剛さんや菅田将暉さんは好きなほうではないのですが、この映画・このストーリーにはハマり役だったように思えます。なんか謎めいた寡黙な青年の綾野剛さんも、うっとうしい音量で話す菅田将暉さんも、キャラに合っていました。
中島はまあドン引きするくらいのクズでしたね。刺されてせいせいした。拓児グッジョブと喝采を送りたい。千夏が彼氏を作ったとわかっても「それでもかまわないから」というあたりから、千夏に対して純粋に好きという感情も持っていたはずなのに、殴ったり、千夏のことをほかの人の前で公然と貶めたり、「早く済ませてよ」と言われてほんとにやっちゃうあたり、クズ過ぎてどうしようもない。むしろあれのことをどうしたらそれまで尊敬できていたのか。中島の家族の描写もなかったけど、それも含めて見せてほしかった。
動けない父に縛られ、弟を守るために最低の男にも縛られていた千夏から漏れた、「この町から抜け出したかった」という言葉。弟は自らの意思・自らの責任で動き出し、父とも決別を決心した千夏と達夫がその後新しい幸せをつかめたと信じたいものです。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-06 16:10:48)《改行有》
3. そして、バトンは渡された
《ネタバレ》 正直、前半は見ていて気持ちの良いものではなかった。自分の都合で男を取っ替え引っ替えする女性をあそこまで美化して描くことにけっこうな違和感と不快感を覚えたし、もっと言えば家族になんの相談もなしにいきなりブラジルに行くとか言い出す水戸さんもあり得ない。あの場での梨花の反論は真っ当だと思ったし、みぃたんの動揺も当然だろう。さらに、こういう映画てはよく見るシーンだが、ブラジル行きか日本に残るかを子供に選択させるなんて最低である。あのシーンだけでも梨花の人格を認めることはできない。しかも彼女はちょいちょいその手を使い、子供のみぃたんですら「ママずるいよ」と言いたくなるほど実際ズルい。病気だからって、お世話になってる人の家の中で「もっと違う彼氏探してくるね!!」とか子どもの前で言うかね。そういうあれやこれやを、「病気だったんだ」のひと言で全て無かったことにするこの映画のシナリオははっきり言ってどうかと思う。彼女の行動の理由づけは一応ついたし、それなりに説得力のある説明だったとは思うが、それでチャラ?私は全然納得いきませんでした。
森宮さんと娘の優子ちゃんのストーリーは結構見応えありました。愚直ではあるが、あんなふうに認められる父親になりたいものだ。学校での優子の立ち位置がなんだか分かりづらかったのが気になりました。いじめられてるのかと思いきやそうでもなし、あの学校生活で何を伝えたかったのかはよくわからなかったです。
総評として、ヒロインである梨花を都合よく描き過ぎたことでの不快感を拭えない映画でした。[インターネット(邦画)] 3点(2022-12-23 06:38:13)(良:1票) 《改行有》
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