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プロフィール |
コメント数 |
250 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。 評価はもちろん主観です。 評価基準 各2点ずつで計10点 1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか? 2.視覚的に何かを象徴できているか? 3.プロットの構成は適切か? 4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか? 5.作品のテーマに普遍性はあるか? |
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1. 点と線
原作小説の映画化としてはとても丁寧に作られていると思います。原作と比べると福岡の人間が博多弁で喋ることを強調しているのは良い脚色です。85分という短尺の中で必要のないエピソードは省き、原作では手紙でのみ語られるエピソードを具体的に描写しクライマックスに持ってくる構成は正しい判断です。しかしやはり根本的にミステリーというジャンルと映画の相性の悪さを感じざるを得ません。ストーリーの基本として、主人公が物語が展開する中で変化・成長していくという面白さがあります。しかしこの映画では主人公にあたる刑事・三原(南廣)は序盤で安田辰郎(山形勲)を悪人とみなし犯人として疑ったまま最後までその認識が変化することがありません。もちろん、この映画内ではその認識自体に誤りがあるわけではありません。しかし同じ松本清張作品の映画化でも野村芳太郎監督の作品に比べるとこの映画がマイナー止まりなのは作品の古さも一因でしょうが、探偵役である主人公が犯人の人物像を突き詰める中でその心情が変化していくドラマ性に欠けているからだと思います。ドラマチックな展開にするにはもう少し安田亮子(高峰三枝子)を主人公側と関係を持たせる必要がありました。映画というのは基本的には探偵よりも犯罪者を主役とした方が面白くなる媒体なのです。[インターネット(邦画)] 5点(2023-05-05 22:34:00)(良:1票)
2. デビルマン
この映画の良いところ、何よりデビルマンのデザイン。役者も演技はともかくビジュアルは悪くない。ストーリーはほぼ原作に忠実で人間のエゴやグロテスクな描写にも容赦がなく全く媚びていない(迫力があるとは言わない)。いや実際脚本は結構悪くないと思いますよ、出てくる絵面がトンチキなだけで。ビー・バップ・ハイスクールの那須博之ですので学園のシーンはそこまで悪くないです。仁科克基関係の友情ドラマは丁寧に描かれてます、一番感情移入できる部分です。でもジンメンは適当に処理されすぎです。個人的に一番感心したシーンは戦争をビルの狭間から火花が飛び交うのを見せるだけで表現するところです。単に予算がなかっただけなんでしょうが、続く窓から炎の光が差し込む中でのキスシーンも含めて暗闇の中に差し込む火という象徴性を帯びています。暴徒に襲われる牧村夫妻が寄り添い灯すマッチの火もそれに対応していると思います。明が了にお前キレイだなあというシーンはススムがミーコにキレイだねお姉ちゃんというシーンと対になっています、演出で生かせてたら割と感動的になったかもしれません。というか染谷将太って子役時代にこの映画に出てたんだ…。今見直すと2000年代の空気が詰まった懐かしコンテンツとしての需要もあるかもしれません。こんな時代だったな~懐かしいな~だけどそれほど良い時代でもなかったな~という微妙な気持ちにさせてくれます。[インターネット(邦画)] 4点(2023-03-24 23:24:11)
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