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1. 東京物語
上京した老親と子供、孫達の有様を淡々と描いているだけに、逆に当時の日本人のごくありふれた日常生活の貴重な記録となっている。人々の立ち振る舞い、言葉遣いのきれいなこと。私達は何でこういう素晴らしいものをいとも簡単に忘れて来てしまったのかと思う。また人々は良く掃除をし、家をきちんと片付ける。あの頃、片付けられない女達はいなかったんだろうか?忙しい忙しい、だから仕方ないを連発し自らを納得させる娘と息子達。そんななかで、亡き次男の嫁だけが心の通ったもてなしをする。原節子は顔の作りも表情も演技も1人だけ全く異質で、浮世離れしている。まるで空から舞い降りた天女のようだ。これに多分、杉村春子演じる娘のような現実の女を日々相手に生きていかねばならない男性は、当時コロッとまいったのだろう。今ではあまりに非現実的過ぎ、お笑いにしかならないだろうが・・・。映画自体は多くの人がいうほどそれほど胸に迫るようなものではなかった。「ショーシャンクの空に」とかこの映画とか、そこまでいいか?私にとってもっといいものはたくさんある。だから、私は日本では生きにくいんだ、と思ってしまう。 7点(2003-12-14 00:42:25)
2. Dolls ドールズ(2002)
1つ1つの愛の物語は、それぞれ冥途の飛脚、春琴抄、アデルの恋の物語、などを下敷きにしていると思われる。語り継がれ、使い古された愛の話(赤い紐で二人が繋がれているのも含めて)であるが、だからといってこの映画がダメだということには決してならない、そこがすごいと思う。画面は淡々と流れ、退屈といえば退屈であるが、そのとき、見る人それぞれが何を思い出すか。人によってその深さ、広がりは違う、思い出すことの多い人はこの映画の時間の流れ方をきっと心地良い、素晴らしいと思うであろう。そしてその画面はあくまで静かで、これでもかというほど美しい。梅川忠兵衛の道行きは雪であるから、最後は当然雪であると予想はついた。しかし、あのラストは確かに心中はご法度、晒し者、という定石を踏んでいるとしても、抵抗が残る。また、主演男優の描き方(親に言われ社長の娘と結婚するような男性が、あのような行動をとる人物か?)に説得力を欠くのが惜しまれる。菅野美穂は大変良く、松原智恵子もはまり役である。 8点(2003-12-09 23:45:04)(良:2票)
3. 突入せよ! あさま山荘事件
意外といっては失礼かもしれないが、結構面白かった。警察の内部の決定力のなさや、事なかれ主義、無責任さ、トロさ、脆弱さ、馬鹿馬鹿しい縄張り意識なんかをシツコク描いたのが良かったのかもしれない。どちらかといえばこれ、コメディ?事件そのものはとても凄惨なものだったのに、後から見ると愚かしいことに変わりはないのかもしれない。ただ、最近の日本映画の台詞は本当にどれもはっきりしなくて聴き取りにくい。とても疲れる。俳優が悪いの、録音係が悪いの?何とかしてください。字幕が欲しい。7点(2003-06-30 00:09:15)
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