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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
21. ドッペルゲンガー 『カリスマ』がホラーでもなんでもない題材を思いっきりホラーで撮ったのに対し、今回は思いっきりホラーな題材をホラー的演出を封印し、この人の『勝手にしやがれ』シリーズ調のドタバタコメディのような演出で、さらに途中からはロードムービーにしてしまったというある意味すごく実験的な映画。だから、役所広司のドッペルゲンガ-はその存在とは裏腹にやたらと馴れ馴れしいし、ゾンビのごとき柄本明の最期はあまりにあっけないし、殺人者そのものの表情で迫り来るユースケ・サンタマリアも喜劇的オチにて画面から消え去る。黒沢清が実はものすごく怖く撮れる人だってことを知らずに観ると拍子抜けしてしまいかねない、そんな危険をはらんだ映画。それでもそれをやっちゃったことに対してはもっと高得点を捧げたいが、この作品単体での印象は今のところ6点が限界。といっても私の6点はけっこう楽しめた部類に入りますが。[DVD(字幕)] 6点(2005-11-18 16:07:04) 22. どぶ 新藤兼人は脚本した作品には楽しい作品が多々あるのにどうして本人が監督も兼ねちゃうとこう真面目くさいものになっちゃうのか。66年『本能』なんかは社会派としての厳しさをユニークな作風の中にうまく描いていてけっこう好きなんだけど、この作品のようにひたすらシリアスで来られるときつい。乙羽信子の衝撃のアホ顔は最初この映画の中できつさを和ませるユニーク担当なのかと思ったが、どうしてどうして、より一層のきつさを出すためのものだった。この人の作風に美人は不要なのかもしれないが映画なんだからもうちょっとなんとかならんか。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-08-01 14:13:02) 23. 時をかける少女(1983) 尾道の古風な町並みが背景にあるおかげでかなり救われていると思う。その背景に合わせて『ねらわれた学園』のようなトンデモなSF映像が抑えられているのも救い。古風な街で古風な性格をした原田知世が古風な格好してる(下駄履いて石段下りてくとか)のもSFという非現実的なものがより非現実的なものに見えてよかったかもしれない。それでも大林監督の演出ってなんか苦手かも。セリフ棒読みとか大根演技とかはべつにいい。でも大林監督の求めてる棒読みと大根演技はちょっと違う。なんか独特の空気持ってる。それさえクリアできればけっこう楽しめるんだろうけど。だいたい尾道なのにみんな標準語ってだけでもう独特な雰囲気になってるというか、これが大林ワールドなのか。ゴローちゃんが一番かわいそうってのは激しく同感(↓)。あと根岸季衣のホットパンツはきついものがあった。[DVD(邦画)] 5点(2009-06-24 16:49:01)(良:1票) 24. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007) うちのオカンも息子(私や弟)の友人や彼女と、あるいは別れた彼女と息子無しで会ったり電話したりするほどに仲がよくって、だもんで、この映画のオカンのように、10年以上前にはなるんだけど癌になったときは私を押しのけて友人たちがえらく心配してくれたことがあって、妙にシンクロしちゃって泣けてしょうがなかった。で、泣きまくっといてなんだが、見せ方がやけにのべーっとしてるというか、決定的な画に乏しいというか。例えばこの物語の最も重要なシーンは健康ランドのシーンだと思うんだけど、重要であることがあんまり伝わってこない。行く前に化粧しているところをボクが覗いてるシーンでも子供視点で撮るとだいぶ印象的になったような気もしないでもないし。なんつうか、お話の上辺だけを描いていて、その内情とか側面とかがフッと現れるようなところがないというか・・。豪華脇役陣がいかにも製作にテレビ局と広告会社が名を連ねる映画だなと思ったが、この豪華な顔ぶれをわりと前にでしゃばらないように地味に使いこなしているのは好感が持てる。[DVD(字幕)] 5点(2009-01-30 15:11:42) 25. TRICK トリック 劇場版2 ヨメさんと一緒に観ていたのだが、「よろしくネ!」でクスッと笑うと「何か面白いこと言った?」とヨメさん。「ゆーとぴあ」を知っている者と知らない者の差が明白となった瞬間。『下妻物語』のジャスコネタや晴郎登場のような極めて間口の限られた笑い(『下妻物語』には映画的笑いもあった)。仲間由紀恵の貞子のような寝姿も笑えるがテレビ版で何度か見ているものにはさらに笑えるもの。片平なぎさの手袋は「スチュワーデス物語」を知らない者にはなんの意味もない。しかしこれらは単なるネタではなく「パロディ」という確固たる手法の一つでもある。ゴダールの映画なんてこの「パロディ」で埋め尽くされている。ただ引用元が誰も知らないようなものばかりなのでただ困惑してしまうだけで。だからというわけではないがこの「パロディ」だらけのこの作品は捨てきれない。テレビドラマの魅力をそのまま映画館に持っていけばテレビドラマの映画化はヒットするという法則が「踊る大走査線」で確立して以来、そこは逸脱できない。その中で苦心したかどうかは知らないが、「パロディ」のてんこ盛りという手の込んだお遊びが必死でテレビとの差異を叫んでいるかのように思えた。[DVD(邦画)] 5点(2007-05-24 18:18:33) 26. どろろ 原作漫画の大ファンです。それゆえに不安を抱いて鑑賞したせいかまずまず満足しました。手塚治虫の漫画は「ブラック・ジャック」然り「三つ目がとおる」然り「アラバスター」然り、実写だとかなりグロテスクになるものを絵にすることでグロテスクさを緩和しキャラクターの持つ内面を「顔」に、とくに「目」に見て取れるようにしている。「どろろ」もピノコの原型である百鬼丸は漫画の世界だからこそかっこよかったわけだが、この映画は実写であることがリアルでなければいけないという勘違いを犯さず見事に妻夫木聡という男前をさらに美しく、そして優しく強くかっこよく描くことで原作の魅力的なキャラを継承している。そして原作「どろろ」を下敷きに「人は人を許せるのか」という直球テーマを奇をてらわずに見せる、そのシンプルさも娯楽映画として好感が持ててたいへん満足している。ただし魔物たちの幼稚な造形はかなり幻滅したし、何よりもこの監督は『害虫』で説明しないことを実践しているにもかかわらず『黄泉がえり』など観客動員必須の作品では過剰に説明するという客をバカにしたスタンスが気に入らないのだが、まあ後者に関しては我々観客にも責任の一端があるわけで、今後こういった過剰な説明がいかにしらけるかということを声を大にして言い続けなければいけないと感じた次第。「殺気!!」っていちいち声に出すなよ。[映画館(邦画)] 5点(2007-05-14 13:50:51) 27. TRICK トリック 劇場版 ゲストに多彩な顔ぶれを揃えただけで「劇場版」とは御粗末。TV版の方が凝ったストーリーがある。映画「ケイゾク」の朝倉ネタで失敗した教訓かどうか知らないが黒門島ネタを出さなかったのは正解。「劇場版」はやはり特別なんだから上田には3回は気絶してもらわねば!4点(2003-10-22 18:08:25) 28. DRIVE 「あの車を追え!」と言われてもひたすら制限速度を厳守。当然追わない。そして奇妙で唐突な交わりから1人、また1人と抜けてゆくという逆ロードムービーという発想。映画の定石をスカしてゆく確信犯的なズレはアイディアとしては面白い。ただ、ドラえもんさんがご指摘されているようにひとつのシーンが長い。松尾スズキのシーンなんて笑っちゃうほどシーンを切って間延びさせている。で、長くする理由がわからない。あまりにもいきなり別れる理由が降って沸いてくるのはむしろ面白いと思うのだが、短い時間を長く伸ばす意図がわからん。この不思議な組み合わせを楽しめということか?[DVD(邦画)] 3点(2006-07-25 12:16:24)
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