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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. A 《ネタバレ》 誤解を恐れず言えば、テーマは、信仰者の受難。この先、このテーマでこれだけ骨太の作品はありえない。荒木浩氏。なんと、この人の屈託のないことか。これが、すべての執着を捨てた出家者の姿なのか。最後に肉親の情を絡めてきた監督に、多少憤りを感じてしまうが、これは傑作。荒木氏とこの作品に出てきたオウム信者のみなさんが、一連の事件に関与はもちろん、知らされていなかったものと信じたい。不謹慎でしょうか。[ビデオ(邦画)] 10点(2011-05-28 19:39:14) 2. 映画 聲の形 《ネタバレ》 これは、つらくて息苦しい視聴体験でした。この手の話、自分の傷に触れないで見ることができた人いるんでしょうか?ワタシ、顔に×こそ浮かんでいませんが、周囲の人々ときちんと関わりを作れているのか、心許ないところがあります。ラストシーンの石田のように、憑きものが落ちるように世界がクッキリ見えることがあれば、そのときはワタシも泣き出してしまいそうです。[DVD(邦画)] 9点(2017-11-19 14:15:26)(良:1票) 3. 映画 ○月○日、区長になる女。 《ネタバレ》 歩く(または走る)後ろ姿がカッコいい。アンドレ・ザ・ジャイアントを見るような図抜けた感じ。なにかを託してみたい気持ちになる岸本聡子氏。映画としては、岸本陣営からだけの描写であり、敵役の動きがなかったのが残念だよね、と思ったのですが、しかし。選挙戦を終え、そして当選の第一報を受けたときに岸本氏の表情を見て、ワタシ、涙がブワッと沸いて出ました。こんな複雑な表情になるのか、と。見に行ってよかった。【追記】「童夢」(@大友克洋)の女の子が、大人になったみたいでもあるな。[映画館(邦画)] 8点(2024-06-14 14:39:53) 4. エイプリルフールズ 《ネタバレ》 エイプリルフールってイベント自体、もう古いものになってるんじゃないでしょうか。なので、そこはあえてなのだと思いますが、出てくるエピソードが何となく古くさい、というかなんか懐かしい。昭和の雑誌に載っていそうなネタが多い。でも、それがイヤじゃないんだ。おそらく年がいった人にも楽しめる(里見浩太朗、大和田伸也の起用もそう)ようになっている親切設計。穏やかにコメディを楽しみたいときにはよい映画だと思います。「不器用な誘拐犯」が好き。「おとなしくしていたら、無茶苦茶うめえラーメン、連れてってやる」って言ったとき、どんなにワクワクしていたか。[DVD(邦画)] 7点(2015-11-09 07:42:19) 5. 映画「立候補」 《ネタバレ》 【ネタバレ大ありです】2011年の大阪府知事選を舞台に話は進みます。ドキュメンタリーなので泡沫候補を笑いモノにするものではないのだろう、という予想は外れました。全体に良質のコントのようです。立候補届出の場で「○○はこないのか」というマック赤坂。政見放送の出来に大満足するマック赤坂。ネットの評判を気にするマック赤坂。大阪維新の会との最終決戦の場で、よりによって「○○を呼べ」と叫んでしまうマック赤坂。笑った。でも、イヤな感じがしないのは監督の腕なのでしょう。しかし本作において、おもしろうてやがて悲しき的な流れのは必然なわけでして。せがれが何を言おうと、マック赤坂のそれはある種の道楽としかワタシには思えない。例えば、司法試験を受け続けている人のそれだ。だから、せがれが父親に真剣になるのがつらい。今をときめくあの方の演説の中、大ブーイングの波に立つマック赤坂が本作の落としどころ。あざといとは思いつつも、切ない気持ちになるのを抑えられない。[映画館(邦画)] 7点(2014-04-05 12:17:00) 6. 映画 深夜食堂 《ネタバレ》 映画化の話を聞いたのは、テレビシリーズの3rdシーズンが開始した頃。「なぜ、深夜食堂を劇場で?」というのが、率直な気持ちでした。でも、大好きな小林薫のマスターにまた会えるのだから、ちょっと得だなとも思いました。レンタルDVDで観ることにしよう、と。 3つのエピソードのうち、最初の「ナポリタン」、次の「ととろご飯」。なるほど、マスターの私生活というほほえましい特別サービスを挟みつつも、テレビシリーズと同じ力加減で進むのだな、むしろその方が好ましいんだもんね、と飲酒しつつみていました。 しかし、その後の「カレーライス」。問題作。とてもじゃないが観るに堪えない筒井道隆演じる大石(筒井道隆がひどいという意味ではない)。こんなデリカシーのない人物設定でいいの。返す刀は菊池亜希子演じるあけみにも及ぶ。「ただのボランティアと被災者の間でよかったのに」。「自分が立ち直るために、利用してまた逃げた」。 現在進行中の災厄。それをこのような扱い方をしてよいのかと思いつつ。そこには当然のそこの人間関係があり、物語の作り手としてそれをなかったことにできなかったのだと、屈託抱えつつ解釈しています。 そして。そんなワタシの複雑な気持ちも一緒にすべてをもってをいってしまう田中裕子。怪作です。[DVD(邦画)] 6点(2015-08-23 15:25:18)《改行有》 7. A2 《ネタバレ》 前作でおばあちゃんを見送ったのち、電車に乗る荒木氏のその先が見たくて、速攻借りてきた本作でした。しかし、そういうものではないのですね。ワタシには、むしろ散漫になったように見える。警官VS右翼なんてガチャガチャしたもん、いまさら見たくもないです。刑務所くらった上祐よりも、ボロボロになっている荒木氏に、最後に極めて大切な質問をする監督ですが、なんか誘導しようとしていないか。なにかけしかけていなかったか。タチが悪いよ。あんた、電波少年の某ディレクターか。[ビデオ(邦画)] 4点(2011-05-30 19:48:34)
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