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1. 江分利満氏の優雅な生活
《ネタバレ》 岡本喜八監督の冒険心は感じられるのだが、 正直、これはちょっと微妙。
アクション映画じゃないのでテンポが取りづらい。緩急の工夫はしているのだが、いかんせん、原作が映画的な緩急のある話ではないので、空回りしている感じがする。
劇中で話を聞かされている者が退屈する様子を観客にも同時体験してもらって根比べみたいな趣旨のことを特典映像の監督インタビューで言っていたが、まさに監督の思い通りになってしまった。
監督の意図どおりの映画になってはいるのだが、それが楽しさに繋がったかどうかは微妙。[DVD(邦画)] 5点(2010-07-01 02:17:05)《改行有》
2. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
《ネタバレ》 見てる途中から、庵野さん、どこに行きたいの??と思わず口走ってしまい、結局次回作を見ないと何も分からんじゃないのという映画。
TVシリーズの全話の展開と最後の破綻の経緯をある程度理解している人しかストーリーの展開や意味についていけないようなシナリオで、さらに、それを知っていたとしても、違う方向性であることは判るのだが、じゃあどっちの方向性に持って行きたいの?と言わしめるような、テーマの見えない意味不明の展開で、最後は次回予告だけして終わり。
「序」では、全体のテーマは見えないながらも、まだ1作でのエピソードとしての完結感は多少は得られたが、今回はそれも全くなし。
1本の作品として完成させるためには、ある程度独立したエピソードとその結末を起承転結で見せることが必須で、連作ものとするのであれば、さらに大きなテーマをうまく提示し、その中での今回のエピソードの位置づけを表現するというのが、いわゆる本来の「映画」であって、それを全く度外視したこの作り方は、映画&DVDという発表手段を使った連続もののテレビアニメの1回分でしかない。
テレビアニメだったら、次の展開まで1週間待てばいいから許せるし、1回ぐらいは全体のテーマが分からなくても、起承転結がなくても納得できるが、映画という手段を選んだ以上、次回作までまた長く待たされるわけで、全体テーマも見えず、独立したエピソードにもなっていない今回の映画は腹立ちすら覚える。
一部のコアファンのおかげである程度成功するんだろうが、それに甘んじないで、1作ずつでも完結する完成度が欲しい、、、といいつつ、次回作を期待している自分も、コアファンなのかもしれないが、、
破綻して庵野さんの意思とは違うものとなったTVシリーズを、ちゃんと自分の思い通りに完成させたいのだろうなということは感じられるのだが、TVシリーズは、破綻したことにより哲学性を持った深みのある作品となったのであって、いくら作り直しても、絵とか音とかはお金と手間をかければ質も上がるが、作品としては改悪しにしかならないのじゃないだろうか。
[DVD(邦画)] 4点(2010-06-28 03:25:15)《改行有》
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