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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  ニッポン無責任野郎 植木等演じるこのノーテンキぶりが素晴らしい。ここまでいい加減、ノーテンキぶり、お調子の良さ、世の中楽しく!楽しく!て感じが常に漂う。過去より未来に眼を向けて生きようではないかというメッセージまで描かれている。ところで何だか女性陣のキャストを見ると「社長」シリーズぽいなあ!て思ったらこの監督さん、「社長」シリーズの助監督をしてるとは、通りでなあ!「社長」シリーズと「釣りバカ」シリーズを足したような気楽さ、植木等の源さんの部長を馬鹿にしたあの歌が笑えた。笑えた。とにかく余計な事など考えずに楽しむに相応しい植木等の代表作! [DVD(邦画)] 8点(2009-03-25 20:23:15)《改行有》

22.  荷車の歌 山本薩夫監督によるとある田舎の農村で働く人達の人間ドラマで凄い顔ぶれであるけど、何か物足りない。この監督らしい力強さ、観ていてずしりとくるようなものが少し足りない。出演者の顔ぶれに関しては凄い顔ぶれです。望月優子の母に三國連太郎の父、そして、その娘に左幸子、他にも西村晃に小沢栄太郎って、名優勢揃いです。そんな中で三國連太郎と左幸子の二人が一つの画面の中にいる。左幸子が帰ってきた時、奥の方にいる三國連太郎に気付いた後、アホな私は左幸子が三國連太郎の父に向って「ちが~う。この人、お父さんじゃないわ。犬飼さんだわ」てついつい、違うものが頭に浮かんでしまった。それにしても三國連太郎も左幸子も相変わらず上手い。この二人の演技力は間違いなく日本映画の歴史においてトップレベルの上手さだ。[DVD(邦画)] 6点(2009-02-12 21:57:51)

23.  日本列島 《ネタバレ》 宇野重吉と芦川いづみ、目当てに借りてきた。これは何とも重苦しい映画だ!観ていて何ともやりきれない気持ちにしかならない。モノクロの画面から伝わるその怒りと悲しみ、主演の宇野重吉演じる米軍基地犯罪捜査官(秋山)が日本の黒い霧を告発するのだが、敗戦後の米軍占領下で起こった殺人事件の裏に潜む影の正体を追求しようとした挙句に沖縄で殺されてしまう。その模様が描かれている。政治色の強さがありすぎる為にサスペンス映画として観ると面白くはないし、むしろ、そういう見方をするよりはこれは完全な社会派映画として観る方が正しいと思う。この作品では事件当時の映像が何度も出てくるが、そのモノクロ映像による恐ろしさと米軍のジェット機による爆撃で硝子の割れるラストは米軍によって圧殺される者の絶望の象徴を感じせずにはいられない。とにかく何ともやりきれないほどの怒りというものがひしひしと重く圧し掛かってきて本当に嫌になるが、こういうことが本当にあったんだ。けして、人事のようには思えない。他人事としてほっといてはいけない。社会派の熊井啓監督らしいメッセージというものが描かれた作品だと思いました。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-06-17 20:49:23)

24.  日本の悲劇(1953) 《ネタバレ》 木下恵介監督と言えば日本人の優しさ、情感豊な作品が多いが、これはそんな木下恵介監督作品らしさの全く感じない何とも非情な作品です。ここまで徹底して非情に成り切っているのには深い訳がなくてはなれないであろうと観ていて感じるほどの冷たさ、とにかく出てくる人物がどこまでも冷たい。大事に育ててきた二人の子供に見捨てられる母、望月優子の演技の凄さ、子供達の為にしてきたことが子供達から反感の眼で見られ、挙句の果てに子供達に見捨てられる。こういう事は実際に、世の中にはあるであろう事実として、まずは考えさせられる。子供達に裏切られる母の苦しみを本当に理解していた者は果たしていたのか?佐田啓二だけが理解していたのか?人間なんて生きものは所詮は自分のことで頭の中はいっぱいなんだ。例え親だろうが、子だろうが親と子の関係など単なる親と子でしかないのだろうか?と我々に対して、訴えている。問いかけを行なっているような何とも観ていても人間の惨酷な一面が見えてやれきれない思いになる。時折、流れるニュース映像がまるでドキュメンタリー映画でも観ているようなリアリティーを生んでいることだけは間違いなだろうし、そういう映像を流すことで人間の人生なんて、ドキュメンタリーのようなものである。あの母親の人生、列車の中に飛び込み、自殺をはかり死んで行く母の人生の厳しさ、木下恵介監督が本当に言いたかったことは、人生は楽なことばかりではない。むしろ、苦しいことの方が圧倒的に多いのだ。望月優子演じる母親の自殺は我々、全ての人間に苦しくても自殺などしたらそれで終わりである。自殺したからって、何も報われはしないとこの映画を通して伝えたかったのではないでしょうか![ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-22 21:23:56)

25.  人間の壁 《ネタバレ》 学校とは何か?教育とは何か?教師の立場からと学校に子供を預ける立場にある親の視点から見た人間のエゴイズム、自分たちのそれぞれの言い訳により教師とは教え子の中にしか喜びを見出すことの出来ないものです。と宇野重吉演じる教師が語る場面は教師としての苦しみと一人の人間としての苦しみのようなものを感じることが出来る。教師といえども一人の人間であって、子供と同じく人には相談出来ない何か人間である以上、そこには誰もが抱える悩み、苦しみを宇野重吉の演技から感じることが出来る。そして、また、もう一人、香川京子演じる女教師のこれまた苦しみ、自分本位な夫を持ったことの苦しみ、いつの時代においてもやはり男社会、男が優位で女は弱い。教育問題、政治色など強すぎて観ていて息苦しく感じるなどの欠点があるものの、ただそれだけでは済まされないものをこの作品の中に見出すことが出来る。この作品の二人の教師、宇野重吉、香川京子の好演技ともう一人、正義感溢れる宇津井健、更に子供達の素朴さこそ人間にとって最も必要なことではないかと思う。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-05-06 11:52:23)

26.  にごりえ 《ネタバレ》 樋口一葉原作による三つのお話からなるオムニバス作品で、一つ一つの話には関係がなければ繋がりもない。しかし、どの三つにもこの時代の厳しさ、男性社会の中で生きていく女性の厳しい現実、貧しい時代の中で生きることの難しさ、大切さが上手く描かれている。特に最後の話は三つの中でも際立っている。何よりもまずは俳優陣が皆、素晴らしい。淡島千景に宮口精二、そして、名脇役杉村春子のここでも凄さを感じずにはいられない。主人公のお力を演じている淡島千景の女としての色気もさることながら女が生きていく為には人からどんな眼で見られようが、何と言われようが例え「鬼」扱いされようが、そんなことは関係ない。生きる為の手段として男を客として迎え入れる。ただそれだけのこと!そんな女の為に家族を捨て身を滅ぼす駄目男ぶりを見事に演じて見せた宮口精二も男の哀れさ、駄目な部分をあの表情と家族との別れの場面での背中から感じることが出来る。奥さん(杉村春子)と息子を捨ててまで一人の女のためにとボロボロになっていく姿は本当に男のだらしない部分がしっかりと描かれていて考えさせらる。そして、この作品に出てくる男のだらしなさ、駄目ぷりと女の強さは成瀬巳喜男監督若しくは川島雄三監督の映画の中によく出てくる人物像に近いものを感じるのは、何故かと思っていたら何と脚本を書いている二人、水木洋子は成瀬巳喜男監督作品を幾つも書いてるし、また井手敏郎という名前はあの川島雄三監督の個人的ベストワン「洲崎パラダイス赤信号」の脚本家でもある。お力の性格、駄目な男をどうしても愛せずにはいられない。別れたくても別れられない哀しさなどは正しく「洲崎パラダイス赤信号」の蔦枝とダブって見える。女は生活の為に身を張ってまで強く生きて行こうとするのに男はだらしない。この作品は男のだらしなさと、女の強さ、そして、哀しさとを同時に描いた人間ドラマとして見応えたっぷり!あの生活感溢れる長屋のセット、重苦しい雰囲気など正に昭和の雰囲気を十二分に感じることが出来る。[ビデオ(邦画)] 8点(2008-04-29 11:52:14)(良:2票)

27.  ニッポン無責任時代 この映画は疲れた一般サラリーマンへの励まし!毎日、毎日、朝早くから働くサラリーマン達への植木等演じる「平均」と書いてたいらひとしからの応援歌!つまり解り易く言うと「人間賛歌」そういう映画!少なくともこの映画を観て救われる。疲れが吹っ飛ぶ。気分が楽になる。そう思う男達、平社員が私も含めてこの世に大勢、いると思います。[DVD(邦画)] 8点(2008-02-25 21:15:42)

28.  二階の他人 山田洋次監督のデビュー作ってことらしいけど、なるほどね。こりゃ確かに山田洋次監督らしいし、どこをどうとっても山田洋次監督ならではの人間的描き方、アパートの住民の人間模様、ちょっとした喧嘩の場面、弟を叱っている兄、その時の母親の涙、ここで何を言うかと思ったら「ちょっとションベン行って来る」て、おい!おい!寅さんそのものやないか!全体の出来、面白さという意味では監督デビュー作品らしく、まだ山田洋次監督の喜劇としての本領は発揮されてないけれど、所々で感じる後の「男はつらいよ」シリーズに通じるそんな内容になっていると思いました。[DVD(邦画)] 6点(2008-02-23 16:36:02)

29.  肉体の門(1964) 肉体の門、正にその名の通り、自分たちの肉体を武器に生活する女達のドラマが展開されて行く。不況の中、男社会で女が生き抜くためには自分たちの身体を犠牲にまでしなきゃならないという厳しさを描きながら必死になって頑張る女達、作品全体のテーマが重いだけにどの俳優も見ていて痛さを感じる凄まじさを痛感させられた。好みという意味では「河内カルメン」のような作品のが好きだが、作品全体のエネルギーではこちらの方が上かもしれない。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-26 18:59:14)《改行有》

30.  にっぽんぱらだいす 赤線を描いた映画はこれまでも幾つか観てきたが、この映画でも描かれているのは男社会の中で厳しく生き抜く女達を力強く描いていて、彼女らの人生、これから先、見えてこない希望、それでも何かにしがみつきながら生き抜こうとする姿、ラストのあの軽快な音楽の中、絶望的だと解っていながらも明るく振る舞い去って行く姿にはある意味、希望が見えるそんな気がした。[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-13 11:27:50)

31.  にあんちゃん 「黒い雨」以降の今村昌平作品には興味も感じなければ惹かれるものがないのたが、この頃の今村昌平作品はどれも良い。これなんか、えっ?今村昌平作品なの?て疑いたくなるほど心温まる作品になっている。この監督独特のしつこさ、ねちっこさが苦手な人にもこれは安心して奨められる。ある炭鉱の話の中で見せる兄弟達の演技に、更には周りの人たちのなんと良い人たち、見終わってああ、明日も頑張ろう!なんかそういう励ましの感じられる作品です。それにしてもやっぱりこの頃の若い長門裕之は桑田圭佑にそっくりだ![ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-28 21:40:38)

32.  女系家族 これはまた何ともえげつない。人間の持っている金に対する欲望、本性丸出しの凄まじい戦いに見ていて恐ろしいほどの恐さを感じる。父の遺産相続についてああだこうだと色々文句を言っては何とかして自分だけ良い思いしてやろうとばかりに思っている連中、そんな中で若尾文子のしたたかさ、彼女の前には他の全員、何もすることすら出来ない。ただただ呆然とする以外ないのだ!この作品は何と言ってもお互いの感情を剥き出しにして、化かし合いをしている姿が面白く、そして、やはり若尾文子です。あれだけ色々とえげつないことされながらも最後はそれを利用して一番良い所を持って行ってしまうのだから!それにしてもこの作品の若尾文子の美しさ、何とも言えないあの色っぽさ、それでけでも観ていてゾクゾクさせられる。[DVD(邦画)] 8点(2007-09-06 22:17:25)(良:1票)

33.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 昭和二十年(1945年)の8月15日、日本人にとって忘れることの出来ない。けして、忘れてはならない出来事、日本の終戦の事実を映画化している。黒沢明監督と小津監督の作品に出てくるようなメンバーが沢山出ています。これだけの豪華な顔ぶれ、今は絶対に無理です。そのぐらいとにかく出ている俳優陣の凄いこと。それだけでも凄いのに、この映画、誰一人として愚かに描いていないのが凄い。流石は岡本喜八監督です。またこの作品のシナリオを書いた橋本忍という日本映画史上最高の脚本家の力も忘れてはならない。これだけの俳優陣を使いながらもこれだけの緊張感を生み出すのは監督の力と脚本家の力があってこその緊張感漲る作品になってます。一人一人の発する台詞の重み、やっていること、考えこそそれぞれ違っても国を愛する気持ちだけは皆、同じであるという思いが伝わってきます。三船敏郎の本当に阿南陸軍大臣が乗り移ったかの様な凄まじさと笠智衆演じる鈴木総理の身体全体から伝わってくる人間的な優しさ、更にこの映画の中で私が最も感動したのは戦争によって消えていった少年達を静かに見送る伊藤雄之助の仕官の姿に静かなる感動を覚えた。畑中少佐と椎崎中佐が自決するシーンは実際に皇居の中の芝で撮られたと聞いたことがあるが、岡本喜八監督は逮捕覚悟で望んだに違いない。その凄まじいほどの執念には頭が下がる。伊藤雄之助の仕官の後ろ姿に戦争に対する怒りが集中しているように感じる。ラストの仲代達矢のナレーションを忘れてはならい。我々日本人が日本人である以上、一度は観ておくべき作品だと思います。[DVD(邦画)] 8点(2007-08-15 11:10:55)(良:1票)

34.  日本侠客伝 決斗神田祭り 河津清三郎が高倉健と同じ組であるというのはあまりないような気がする。良い親分である河津清三郎なんて何だかしっくりこない。一方で高倉健と鶴田浩二のそれぞれの見せ場、また藤純子との絡みもこの中では他の共演作ほどぐっとくるものがない。深川の町の様子、当時の様子、その他祭りの場面など見所もあるが何か物足りない。江戸っ子てよく聞くけど神田っ子なんて初めて聞く。このシリーズ幾つか見て来た中では任侠映画としての面白さでは下から数えた方が早い。良い役者は沢山、いるだけにちょっと勿体無い。マキノ雅弘監督にしては普通な感じの出来栄え![DVD(邦画)] 6点(2007-03-19 20:35:37)

35.  日本侠客伝 斬り込み 《ネタバレ》 今回でこのシリーズ観るのは四本目だけど、今回はいつもと違った展開、何と今回は高倉健演じるやくざな男に一人息子がいるという今までとは違う内容!冒頭からいきなり殴り込みのシーンで始まり、最後もお約束通り殴り込みで締める。それだけなら何も変わらないのでは?と思うかもしれないけど、違います。マキノ雅弘監督はこの作品では初めてだと思う試みをしています。それは義理と人情、やくざの世界にいる男は最後は必ず捕まってしまうものの、今度だけは一度は捕まるけど、最後は捕まらない。高倉健と藤純子の最後の二人のツーショット、笑顔が素晴らしい。これは今まで私の映画を見て、応援してくれている人へのプレゼントのように感じる清々しい終り方!そこまでの流れの中でも主役だけでなく脇を固める俳優陣、一人、一人をきちんと描いているから全くダレルことなどない。マキノ雅弘監督の演出の上手さによって、一人、一人の人間性、例えば金子信雄と長門裕之の二人の子分についてもとても爽やかで気持ちが良い。金子信雄の最初の登場シーンで見せる健さんとのやりとり、卑怯な手を使う悪い奴らを許すことなど出来ないとばかりに寝返り、健さん達の見方となる長門裕之とその仲間達、とにかく義理に厚く、人情に弱いそんな男達の人間模様を描いているからマキノ雅弘監督作品とこのシリーズを初めとするこの頃の東映任侠映画って人気シリーズとして何本も撮られ、そして、どれもが大ヒットとなったのだと私はこの作品を観て益々感じました。いずれにせよ、マキノ雅弘流、任侠映画的な熱くて熱くて盛り上がるそんな作品です。[ビデオ(邦画)] 8点(2006-12-02 09:12:46)

36.  日本女侠伝 侠客芸者 藤純子主演の任侠もの、しかも監督は山下耕作監督である。そりゃあ、もう、期待するなってのが無理なわけでして、まあ、それなりに楽しめたし、藤純子は相変わらず美しくてかっこ良かったけど、緋牡丹シリーズと比べてしまうと、どうしても物足りない。藤純子を引き立てる脇を固める俳優陣に関しては悪くはないし、良かったと思うが、それでも何か足りない。もう一度、見れば印象変わるかもしれないけど、一度見れば良いかなあ![ビデオ(邦画)] 6点(2006-11-20 22:27:54)

37.  日本侠客伝 うん!なるほど、これがこのシリーズの最初の作品か!どうも観ている順番、滅茶苦茶だけど、そんなことはこの際、どうでも良いと思うし、それはそうと、マキノ雅弘監督の任侠ものに多く出ているいつもの常連達に加えて、中村錦之助も加わるというただでさえ豪華な顔ぶれが、より豪華になって良いのだが、どうにもこうにもこの作品の中の中村錦之助の人物像の描かれ方が気になって仕方がない。ゲスト扱いみたいな扱われ方と影の薄さが気になる。やはり中村錦之助は脇を固める俳優ではなく、主役を張る人間だと改めて思った。そして、高倉健にしても登場の仕方が何かいつもと違って、ワクワク感がない。そんな中でもマキノ雅弘監督らしい脇役の描き方の上手さなどは相変わらず上手いし、色々と見所はあるけど何か吹っ切れず、マキノ雅弘監督作品に流れる熱い感じというのもやや薄く感じた。それなりに楽しめたけどマキノ雅弘監督作品としては物足りないです。[ビデオ(邦画)] 6点(2006-10-29 21:44:56)

38.  にっぽん泥棒物語 《ネタバレ》 三國連太郎の演じる主人公は、泥棒上がりの前科者である。その前科者の三國連太郎の泥棒時代のエピソードとそこに関わる人達、また泥棒からは足を洗ってはいるものの、世間の眼はとても冷たい。かつてまだ泥棒時代だったある日、列車の脱線事故を目撃したことで、警察に色々と聞かれたりもする。あること、無いこと色々言われても、家族を思う者として耐える三國連太郎の主人公の姿に心を打たれる。そんな三國連太郎の裁判シーンでの笑えること。伊藤雄之助の警部に対し、嘘の証言を迫られたことを述べるシーン、それを見つめる妻、佐久間良子の表情も切ない。更にこの作品、元泥棒だった三國連太郎演じる主人公が警察の尋問に対して、思い切り笑える皮肉を沢山言うのだが、これがまた物凄く笑える。警察にあなたは泥棒する時は縄は用意しないのですか?という質問に対し、泥棒は縄など用意はしません。何故ならお縄になるなどと、言っては裁判を見に来ている客を爆笑の渦へと巻き込み、このシーンは私も大爆笑してしまった。更に凄いのが警察は嘘を言わせようとしている。嘘は泥棒の始まりではと言うようなことを言う。元泥棒による警察に対する皮肉いっぱいの凄い作品を観た気がする。法廷シーンでの三國連太郎の演技は本当に凄い。やはりこの人、ただ者ではないとこの作品を観て改めて感じた。三國連太郎=すーさんとばかり決め付けてはいけないし、そう思っている方に特にお勧めしたい。これまた間違いなく俳優、三國連太郎の代表作の一つだと言えるでしょう![ビデオ(邦画)] 8点(2006-09-08 21:30:39)(良:2票)

39.  日本侠客伝 雷門の血斗 マキノ雅弘監督によるこのシリーズ、今回で観るのは二本目だけど、個人的には前に借りて来て観た「関東編」の方が良かったし、好きだなあ!何て言うのかなあ?相変わらず高倉健はかっこ良いし、一つ一つの台詞から表情まで決まってるし、それはそれで良いのだが、脇を固める俳優陣も悪くはないと思うし、むしろ良いと思うぐらいなのだが、殴り込みのシーンへの持っていき方がいまひとつぱっとしない気がした。それと気になって仕方がないのが、藤純子です。相変わらず美しく撮られているのだけど、あまりにも泣き過ぎ、泣かせ過ぎなんじゃないのかな?とマキノ雅弘監督作品は大体が標準レベルより上だと言えるし、そう考えてしまうと、マキノ雅弘監督作品としては雑な面も見られて弱い気がする。期待が高すぎるのかもしれないけど、これはこれで一本の映画として観ればそれなりに楽しめるけど、やっぱり物足りない。[ビデオ(邦画)] 6点(2006-09-03 18:19:20)

40.  ニワトリはハダシだ 《ネタバレ》 オハヨ オハヨ スズメモ チュンチュン オハヨ♪オハヨ オハヨ ボクモワタシモ ナカヨク アソビマショ♪て、なんだ?いきなりこの変な歌とコサックダンスのようなシーンから、やられた!このいかにもバカっぽい感じのするスタート!森崎東監督は社会に対する挑戦!人間とはいかにバカな生きものなのかということを伝えたいと思わせるそんなシーンからして、これぞ正に森崎東ワールド!だからと言ってこの監督の描こうとしているのは単なるバカな人間、世界を描こうとしてるのではなく、バカだろうと何だろうと人間としての在り方、生き方をストレートにそして、力強くエネルギッシュに描こうとしているように感じるし、本当にこの映画に出てくる人達はどいつもこいつもバカな奴きりです。しかし、このバカの中には生きる為のエネルギー、源とでも言うべきか?どんなバカでも人として一生懸命に生きているのだということを言おうしているように私は思う。そんなこれこそ森崎東監督らしい世界であって、またそんなバカきりの人間的な魅力、つまりは熱い人達ということ。はどこか井筒監督の「パッチギ!」に通じるし、やくざに追われ、警察にも追われてのハチャメチャな展開などはマキノ監督の作品のようで、ワッショイ!ワッショイ!と祭のシーンなんて、正にマキノ監督の世界で、また変わってる人達の変わってる人間模様なんて川島雄三監督の世界に通じる。バカだけど魅力的な人物きりと熱くこみあげてくるストーリー展開、これこそ今の日本映画に必要な要素であると私はこの映画を観て、そう感じました。いずれにせよ、こういう熱く変わった話、私は大好きだ![DVD(邦画)] 9点(2006-08-05 13:40:02)(良:1票)

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