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プロフィール |
コメント数 |
304 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
つたない文章力で自分なりのレビューを心がけます。映画館で観た作品は自然と評価が高くなりがちです。 |
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1. 野火(2014)
日常で目にする空よりより青く、雲はより白く、樹々はより青々と生い茂る。
血はより赤く、暗闇は全てを飲み込むかのように暗い。暗闇に照らされた光は、無機的な明るさを放つ。そうした色が混ざり合い、全てが主張する事が、世界の混沌を作り出す。
音は増長され、視覚(カメラ)は混乱を起こし、時間は感覚を失う。敵が、さらには自分すらどこにいるのか、どこから弾が飛んでくるのかもわからない。
色彩も状況も感覚も、全てが方向性を失い麻痺したとき、飢えが極限をむかえ、人間が道徳や倫理観を超える。
そこでは、観客が画面の向こうで、安心して出来事を見る事を決して許すことはない。[DVD(邦画)] 8点(2017-01-15 23:33:52)《改行有》
2. 脳内ポイズンベリー
《ネタバレ》 いちこも早乙女も越智も結局は全て他人だよりで、人のせいにする。
最後の脳内会議を経て、始めて他人頼りでない、いちこになったかと思ったが、ラストシーンでまた最初のシーンを繰り返す事で、恋の予感を感じさせる。その後の展開は変わるものだとしても、少なくとも、いちこという人間の変化を感じられない円環構造にし、同じ描写をする事は絶対に避けるべきであったと思う。
物を拾ってくれた人物への対応の変化を見せる事が、脳内会議をした意味となるし、この映画の存在意義になると思う。
そして、意図的であるにしろ越智という人物が若さなど関係ないほど、あまりにも軽薄な人間で、危ういながらも人を惹きつける魅力がある人物には全く見えない。画面に出てくるたびに、ただただ不快だった。[DVD(邦画)] 4点(2016-05-21 21:29:01)《改行有》
3. の・ようなもの
《ネタバレ》 この映画を包み込む全てが愛おしくなった。
生きていくという事は良くも悪くも変わっていく事。変わらなければ生きていけないのが人生。それは時には喜びであり、時にはとてつもない悲しみを伴う事でもある。この映画は酸いも甘いも出会いも別れも含めて、人生は素晴らしいということを心の奥底から感じさせてくれたし、ずっとこの人たちの人生を見て共に時の流れを感じていたいと思った。
しかし楽しい時間は終わる。物語からカーテンコールのように登場人物は一人一人それぞれの人生を歩み始めるかのように去っていき、最後には無人になる宴会会場。祭りの後の言葉にしがたい寂しさ。でも確実に残った幸福感。
この映画に出会う前より少しだけ、だけど確実に人生に前向きになれた気がした。そして画面の外に最後に取り残された自分も、日々変わっていく人生を歩んでいかなければならないと思った。[DVD(邦画)] 9点(2016-02-10 23:58:41)《改行有》
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