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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 思い出のマーニー 《ネタバレ》 映画はエンタメと思っている自分にとって、この映画は冗長で退屈なものでした。 この『ザ・道徳』なスタイルの映画で、主人公のモラルが欠如しちゃっているのはまずいでしょ。 体が弱い。両親が死んでいる。だから悲劇のヒロインのように振舞ってもOK? いやいや。自分をひきとってくれた叔母さん。夏休みに面倒を見てくれる大岩夫妻。田舎で出会う人々。その誰もが親切でフレンドリー。こんな恵まれた環境なかなかないよ?何を勘違いしちゃっているのかな?あなたより不幸な人はたくさんいますよ。 それに最後の種明かしでわかることですが、両親が亡くなったのはもうずいぶん前、アンナが物心つく前じゃないですか。 ・・・・え?そんなにヒネますかね? しかもその後ひきとってくれた祖母、おばさん夫婦、みな愛情を注いでいるのに、こんなにヒネますかね? おばさん夫婦が自治体からお金をもらっているのを知っただけで?今まで育ててもらった恩はなかったことになるの? は?性格悪すぎません? 極めつけは、『太っちょ豚』発言。しかもそれを言われたほうが、『はい、この件はもう終わり。』って手を差し伸べる寛大さ。 なのに、その手をはらいのけるアンナ。 ・・・・・お前は何様じゃ~(゚Д゚)ノ で、そっからマーニーと仲良くなっていくわけですが・・・・マーニーのことは無条件で受け入れるアンナ・・・。 いやいや、ルッキズム至上主義じゃないですか。引くわ~( ̄д ̄) 主人公が嫌いすぎてだめでした。 でもミステリー要素だけは面白い映画でした。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2024-06-15 03:22:16)《改行有》 2. おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 かなり好きなタイプのアニメです。 この作品に対する批判的な意見。それは裏を返せば、批判的な意見を持たざるを得ないほどに、見た人がこの作品にリアルを感じてしまっている証明にもなるでしょう。アニメなのにだ。狼男という架空の生き物が出てくるファンタジーなのにだ。これは凄いことではないでしょうか。 まず第1部の母と父が結ばれるまでの導入部がよくできています。普通にラブストーリーとして心温まる物語だし、二人を応援したくなります。それにプラスして、狼男だと明かす最初の名シーン。この序盤が一番好きかもしれないです。 第2部ではお母さん奮闘記が描かれます。ここは何をやってもうまくいかないシーンが多くて辛い。シングルマザーの子育ての苦悩を追体験するだけでなく、子供たちの秘密まで守らなくてはならない。普通だったら心が折れます。ですがこれはアニメでありフィクション。心は折れない。頑張り続ける。私には狼男の存在以上にこの母親の存在がファンタジーでした。 そして第3部。子供たちの成長。 主人公は花から次第に雨と雪にシフトされていきます。 すばらしかったのは、雨と雪がそれぞれ違う人生を選択したこと。雪は人間として生きることを選び、雨はオオカミとして生きることを選ぶ。子供のときは雪のほうが野性味あふれていたのに…。このあたりのポジションチェンジがさりげなくてうまいです。 大きな目的に向かって突き進むような映画ではありませんが、何とも言えない余韻を残してくれる名作。 そして声優さんたちが実に良い![ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-09-26 04:37:10)(良:1票) 《改行有》 3. おにいちゃんのハナビ 《ネタバレ》 人が病気で亡くなる話は好きではないのですが、実話なら仕方がないですね。 前半はひきこもりのお兄ちゃんを引っ張り出すコメディテイスト。笑いどころが多い。スキあらばうまいことを言おうとする兄。それにつっこむ華。二人の掛け合いが面白おかしくも微笑ましい。女装させられるお兄ちゃんには爆笑必至。 後半、華の白血病が再発。事態は急変。物語は次第にシリアスなドラマへと路線変更していきます。 妹は結局年を越すことができません。それはそれはもう悲しくて仕方がないわけですが、物語のクライマックスはここではありません。兄が亡き妹のために、個人奉納で赤色の花火を打ち上げる。その一部始終を、静かに、でもドラマチックに描いた感動のストーリー。最近見た中では一番泣いた映画となりました。 父。母。病院の先生。学校の先生。同級生。翠嶂会のメンバー。新聞配達先のお婆さん。誰もが優しい人ばかり。 大切な人を失い、いったんは絶望の淵に突き落とされる。そこへ届く一通のメール。心の底から悲しい事を乗り越えて、そこから再生していこうとする物語。よくある人の死で泣かせるだけの物語ではありません。悲しさや寂しさと共に、そこには確かに希望があったのです。 88歳の誕生日を孫達に祝ってもらうおばあちゃんもいれば、17歳という若さでその生涯に幕を閉じる人もいる。 人はいつ死ぬか誰にもわからないけれど、だからこそ一日一日を大切にしようと感じさせてくれる名作でした。[DVD(邦画)] 9点(2021-03-21 17:41:07)(良:1票) 《改行有》 4. おと・な・り 《ネタバレ》 どーにもこーにも退屈しちゃいまして、映画の良し悪しに関わらず高い点数はつけられません。 V6の岡田君演じる野島聡は良かったのですが、女優さんのほうを特別かわいいとか、きれいだとか思えなくて。もちろんこれは、演技や演出の問題ではありません。私の好みの問題です。 ですがレビューというものが、主観に基づいた感想を書くものだとすれば、『ヒロインにそこまで魅力を感じなかったので、物語に入り込めなかった』という自分の気持ちを大事にしたいです。 最後のほうまで、お互い何者かわからないっていうシチュエーションは好きなんですけどね。 そのまま知らずに終わるっていうのはよくあるパターンですが、これはちゃんと知り合いますね。エンドロールでは知り合った後の後日談まであります。しかも二人がそれぞれ海外から帰ってきた後の話。会話だけで、二人が一緒に暮らし始めたことがわかります。その会話の微笑ましいこと。なんだか幸せな気分になりました。 かと言って、『じゃあ良い映画じゃないか。』と聞かれれば『Yes』なんですが、『面白い?』って尋ねられると、う~んって感じなんですよね。 主演の2人のファンの方であれば、きっとはまる作品だと思います。 私にはちょっと淡々としすぎていました。 あと、茜の登場シーンが印象最悪でイライラしました。実は良いやつってのがわかったとしても、こんな非常識な人間は嫌です。[DVD(字幕)] 5点(2020-05-20 21:48:24)《改行有》 5. ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 『六ちゃんの結婚』『淳之介の小説家デビュー』ドラマ自体は面白いんですけどね。取り上げている題材が、どの時代でも共通のものになったぶん、『この時代ならでは』って感じが弱くなりましたね。 『遊び人だと思われていたお医者さんが、実はとてもマジメで志の高い人だった。』こーゆーオチは良いですね。気分が良いです。 『茶川のライバル作家の正体が実は淳之介だった。』というのも面白い。 今作も、相変わらず良い人ばかり。この作品を見て不快になる人は、まあいないでしょうね。ただ映画作品として面白いかと問われれば、シリーズ中一番凡庸な出来だったことは否めないかもしれないです。 このシリーズにはまっちゃった私にとっては、当たり障りのない内容でも面白いです。 初見の人がこの作品を見てどう思うかは微妙なところでしょうね。テレビドラマとの違いがよくわからないと思うかもしれません。 もはやこの3作目に関しては、1作目、2作目でファンになった人のためのファンサービスのような作品。これ1本での評価は難しいですね。 蛇足ですが、このシリーズで、わたしは『鈴木オート』の面々がかなりお気に入りです。 今作でも、『帽子を深くかぶって気付かれないようにする六ちゃん』『いきなりお医者さんを殴りとばす鈴木パパ』など、狙いすぎだし、ベタですが、そこが面白いです。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-07-13 13:40:19)《改行有》 6. ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 とても良いです。大好きです。今作は『茶川、ヒロミ、淳之介』がメインのようです。ただその3人に、周りの人々が絶妙な匙加減でからんでくるので、ヒューマンドラマとして実に味わい深いです。それに、3人がお互いを思いやる気持ちが切ないくらいに伝わってくるのがたまらないですね。そんな中、一番心にぐっときたのは、茶川が本音を吐露するシーン。『でも俺は男としてお前達を・・・』って、ついに言っちゃうんですよね。最後まで言い切らないところがまた泣ける。 3人のエピソードがメインなのは間違いないと思いますが、その次にこの作品の核となっているのは、やはり鈴木ファミリー。今作では鈴木家に親戚の女の子が参加。早くに母親を亡くし、父親は事業に失敗。そのため預けられることになったのですが、この娘と鈴木家の関係が凄く良い。どちらかというと鈴木家はコメディパート、茶川家はシリアスパートといった感じ。ですが、親戚の女の子と鈴木ママの触れ合いだけは、なんだか心に染み入るものがあります。また、この娘と一平君の、小学生ならではの恋模様からも目が話せません。 そして前作でお医者さんのエピソードがあったように、今作でも戦争の影が描かれています。 鈴木ママの実らなかった恋。戦争で音信不通になっていた恋人は、かの有名な『シベリア抑留』で戦後シベリアで強制労働させられていた。生きて再会できたのはまさに偶然。でも時は流れ、二人はそれぞれの家庭を築き、それぞれ別の道を歩いていた。こーゆーことが当時は当たり前のようにあったんでしょーねー。 戦友たちとの同窓会に参加するのを臆する鈴木パパ。その理由は仲間の戦死を知ることが怖かったから。今の時代からは到底考えられないですね。映画の雰囲気を壊さない程度に、でもしっかりとした反戦メッセージ。 このシリーズは、とにかくたくさんのエピソードをつなぎ合わせている作品。悪く言えば、『NHK朝の連ドラ9話分』という意地悪な見方もできるでしょうが、これで良いんです。ちょっと笑えて、少し考えさせられて、しっかり感動できる素晴らしい映画ですから。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-07-05 03:03:57)(良:2票) 《改行有》 7. ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 コメディ色の強い前半、7点。お涙頂戴の後半、9点。会せて8点といったところでしょうか。 プロローグで少年達が飛行機をとばすシーン。飛行機を見上げる少年達の目線から、大通りへの俯瞰ショットへと切り替わる、この導入部分の美しさが好きです。 登場人物が多いのですが、それぞれの役割がはっきりしているため、大変見やすい、わかりやすい。 『コメディ』と『シリアス』のバランスも大変良い。 大笑いもあれば、思わず顔がほころんでしまうようなエピソードもある。『シュークリーム』や『注射』、『TV』など、笑わせるところはしっかり笑わせてくれる作品です。 その一方で、『淳之介と茶川のエピソード』や『青森の母親からの手紙のエピソード』など、泣かせるところはしっかり泣かせてくれます。 1本の映画の中で、笑いもしたし泣きもしたってのは、本当に久しぶりかもしれません。 派手な事件や出来事は一つも無いのに、何か心にぐっとくる。 悪女かと思えた小雪が、実は人間味のある苦労人だったり。自分の事しか頭になかった茶川の心境の変化だったり。そういった人物の描き方が抜群に良いんですよね、この映画。 正直戦後の日本っていうのは、『地味』『不便』『貧乏』『苦労』『犯罪』『なんか暗い』といった負のイメージが先行していたのですが、これを見るとそのイメージがなくなります。もちろんこの作品自体はフィクションであり、事実ではないのですが、『自分の知らない時代』に夢を見させてくれるとても良い作品だと思います。夢を見るっていうのは、なにも未来だけでなくとも良い。こんなふうに、見たことがなかった昔に夢を見させてくれる映画があっても良いと思う、そう思わせてくれる作品です。 現代では『人と人とのつながりが希薄になった』というけれど、現代ではそもそも人とつながる必要性がなくなったのだと、この映画を見ると実感します。当時の世では、人とつながるのは生きていくうえで必然だったと思うのです。 『冷蔵庫が来る』ということは、『氷屋さんとのつながりがなくなる』ということ。 1つ便利になるということは、1つ絆を断ち切るということなのかもしれません。 [ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-06-27 09:13:25)(良:2票) 《改行有》
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