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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 遥かなる山の呼び声 《ネタバレ》 「幸福の黄色いハンカチ」と並び称される本作だが、何かとやかましい武田鉄矢の出番が少ない分(笑)、こちらの方が落ち着いて観られた。登場人物に寄り添い、時間の流れを丁寧に見せる手法は共通している。「幸福の~」では健さん達と一緒に旅をしているような気持ちにさせられたが、こちらは倍賞の牧場に健さんと一緒に住んでいるような思いにさせる力がある。だからこそ、健さんと母子が少しづつ家族のようになっていく姿に自然に共感してしまうのだ。その思いは草競馬のシーンでピークを迎えるわけだが、それまでに多くの時間をかけて丁寧に描いている分、その後の「転」「結」が劇的になるという、映画のお手本のような作品。本作の肝は倍賞の健さんに対する心の動きにあることは言うまでもないが、ここの描き方に手抜きがないので、自然に受け止められる。また本作の素晴らしさは北海道の描き方に嘘がないこと。酪農作業の所作や住居や家財道具、言葉や風習など相当な取材をして各シーンを作っていることが伺える(私が道東在住なので…)。これは子役の吉岡秀隆を含め、名作ドラマ「北の国から」にも繋がっていく流れにも感じた。ただ惜しむらくはタイトルが内容を反映しておらず、損をしている。例えば『望春』のような希望を感じさせるタイトルの方が良かったのではないだろうか。[DVD(邦画)] 9点(2015-04-05 16:41:51) 2. パッチギ! 《ネタバレ》 個人的に(自分が生まれた頃にあたる)昭和40年代の粗野でありながら活気あふれる日本の雰囲気が好きなのだが、本作は画面全体からこの昭和のエネルギーがしっかり伝わってきた。話自体は「壁」を乗り越えて恋が成就するという、よくある青春ラブストーリーなのだが、本作の場合「民族」という邦画ではあまり取り上げられなかった「壁」を題材にした点がユニークといえる。「パッチギ」とは朝鮮語で「突き抜ける、乗り越える」という意味もあるそうだが、まさしく本作は主人公がその民族の壁を突き抜け、乗り越えていく心の葛藤と変遷を「イムジン河」といった往時のフォークソングに乗せて印象的に描く構成がなかなか秀逸。全編を通しバイオレンスシーンが多いわりには、誰も憎めないユーモラスなキャラクター設定と基本的にハッピーエンドなので、不思議と明るく爽やかな余韻を残す。本作で語られる「歴史」そのものに違和感を感じる人もいると思うが、誤解や曲解そのものを糾弾することよりも、その影響を受けた人間の心情に思いを馳せることができれば、人と人の間に立ちふさがる様々な「壁」を「パッチギ」ることができるのではないか、というメッセージが鑑賞後の爽快感に繋がっているのだろう。加えて本作はキャスティングの良さも光っており、その意味でも見応えのある作品となっている。[インターネット(字幕)] 7点(2013-07-22 00:00:05) 3. はやぶさ/HAYABUSA 《ネタバレ》 宇宙科学分野のニュースに疎く「はやぶさ」の存在自体を帰還した時のフィーバーで初めて知ったような自分にとっては、本作は基本的なことの説明もうまく盛り込んであり勉強になった。その意味ではドキュメンタリーチックになりがちなところを、竹内結子演じる水沢という架空の人物の成長ストーリーを絡ませることで、飽きずに観ることができた。宇宙科学オタクの描写としてはいささかステレオタイプではあったものの 、微妙な挙動の面白さなど、良く演じていたと思う。はやぶさの擬人化については賛否あるが、大気圏突入前に地球の姿を見せてあげるシーン等は素直に感動できた。日本の科学技術の素晴らしさと、「失敗という成果(だったと思う)」という考え方に勇気をもらえた作品だった。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-24 10:17:53)《改行有》 4. パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT 《ネタバレ》 本家の方は観ていないが、主観映像と固定カメラを取り入れたプライベート映像的なつくりは、眼前で起こっていることを疑似体験しやすく、意外に結構見られた。 特殊効果や音楽がなくても、いや、余計なものがない方が、怖い。特に「骨折歩き」はトラウマになりそうだ。静かな環境で一人で観たら、より一層怖いだろう。が、こういうのは好きではないので、この点数で。 [DVD(邦画)] 5点(2011-03-14 12:03:10)《改行有》 5. ハナミズキ 《ネタバレ》 道東在住者としては、道東を舞台にしてくれたことで評価はどうしても甘くなってしまう。 若干「北海道」や「東京」「NY」を強調した画づくりが鼻についたが、ご愛敬か。 ただ、北海道弁については、地元人としてはつっこみどころ満載で、そういう楽しみ方もある映画だった。 登場人物の誰も不幸にすることなく(北見の死もある意味で本望だったろうし)、ラストの奇跡へ話をつなげていることも含め、ストーリーについては、ラブファンタジーと割り切って観るべきだろう。 「百年続く恋」はないかもしれないが、生涯忘れない「誰かへの思い」はあってもおかしくないだろう。 多くの人が胸に大切にしまってある、純粋で、ほろ苦くも甘酸っぱい風景を思い出させてくれる作品である。 [DVD(邦画)] 6点(2011-03-14 09:47:38)《改行有》 6. バトル・ロワイアル 原作未読。ビートたけしはじめ、キャストは豪華だが、奇想天外な設定が活かされていなく残念。久しぶりに東映映画を観たが、生徒が死亡したときのテロップなどは必要なんだろうけれど、画作りが古くさく感じた。奇想天外設定モノでは「イキガミ」の方が設定を活かしていたと思う。BR法がどうしてできたのか。世の中でどのように受け止められているのか。生徒の家族はどう思っているのか等が抜け落ちているので、ガキどもの無人島でのリアルな殺人ゲームにしか見えない。(もっとも死に方も深作やくざ映画の域を出ていず今の時代では陳腐この上ない)違う監督が撮れば、もう少しましだったのかも…と悔やまれる作品。[DVD(邦画)] 4点(2010-10-26 10:27:48) 7. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 タイムマシンという装置は、どう転んでも冒険活劇を生み出す装置として、便利なものである。本作もこのタイムマシンの特性を存分に活用した多数のネタが仕込まれている構成になっており、無難に楽しいものになっている。特に1990年という中途半端な過去に戻るあたりの微妙な違和感はなんとも面白い。10年一昔というが、たった十数年の過去にこれほどの違和感があろうとは、時代も予想以上に早く進んでいるというところか。本作は一見バカバカしいSF冒険活劇でありながらも、バブルに浮かれていたあの時代を舞台に意外に大事なメッセージも含んでおり、予想外の佳作だった。広末や阿部寛もさることながら、ワキ役連中も皆いい味を出している。[映画館(邦画)] 7点(2007-03-30 17:58:38)
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