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コメント数 2526
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  BALLAD 名もなき恋のうた 山崎監督って、いい意味で色のない人だと思うんですよ。自分の色みたいなのがない(或いは出さない)がゆえにアクの強さがなく、毎回、広く人々に見られる作品になっている感じ。だけど、この作品は映画版『クレヨンしんちゃん』の映画化、今世紀に入ってから作られた最近の作品をわざわざ実写映画化してしまうっていうのは大変に無粋なように思え、また、元の作品に原監督の色が濃く出ているがゆえに、山崎監督ではなく原監督のモノとしか言い様のない映画になってしまうのではないかと危惧しました。結論としては、原監督と山崎監督のハイブリッドになって実写なりの面白さが出たな、と。原監督的こだわりはかなり薄まりました。でも、キャスティングのそのアクのなさ加減、色の薄さ加減まで含めて、これはかなり巧妙に計算されているんだな、と。つよぽん、ガッキーから筒井、夏川と、見事なまでに強い個性で押すタイプではない役者を揃え、アクの強さをいかに消しこんでゆくか、と。そう、オリジナルのアニメをそのまま映像化したら、とんでもない事になってしまうという危うさをきっちり回避してるんです、これ。実写で「野原一家、ファイヤー!」をやっちゃったら、ボディブレードでフルスイングをやっちゃったら終わりになってしまうという。そこら辺、『20世紀少年』なんかとは違いますね。結果として、広く口当たりのよい娯楽時代劇の出来上がり。シネスコ画面に展開する合戦シーン、一対一の殺陣など、必要な画も撮れてますしね。本格時代劇を、また『クレヨンしんちゃん』を大前提とした視点で捉えてしまうと物足りなさ大爆発でしょう。しかし、いい意味での俗っぽい仕上がりであるがゆえに、「『しんちゃん』でかつ大人なドラマ」という、客観的に見ると実はシリーズ中でもかなりマニアックなシロモノであった『アッパレ!戦国大合戦』よりも敷居は低く、間口は広い作品に仕上がっています。ポイントは『クレヨンしんちゃん』の実写化ではなく「おマタのおじちゃんと廉ちゃんの物語」の実写化。純化され、透明感を与えられたラブストーリー。そこに実写化の意義も価値もあったと思います。[映画館(邦画)] 8点(2009-09-06 18:36:01)(良:3票)

22.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 飛行機の運航に関わる人々のエピソードが盛り沢山なものの、あまりに網羅しようとし過ぎて薄くなってます。『大空港』的なるものを目指した感じがありますが、『エアポート'75』あたりの薄さになったような。どのドラマも半端になってしまって。そして、気になったのが矢口キャラに染まった人々が、このプロフェッショナルの物語に不向きな事。ハンパなんですよ、プロの仕事をガン!って見せたいのか、コメディにしたいのか。ANAとのタイアップのせいもあってか、一大航空パニックものにできないゆえ、サスペンスとしては不発で、かと言ってPR映画としても登場人物の矢口的いい加減さで問題アリで(更にはバッドタイミングでANAの大々的な検査漏れが報道されたりして)「これ見てANA、乗りたいか?」という大変アレな状態になってしまっています。あと、伏線投げて広げるとこまでやるけど回収はしない、っていうの、矢口監督の悪いクセだと思います(新婚夫婦とか正露丸とか)。もっとミニチュア丸出しでいいので(昔の矢口監督のインチキ丸出しミニチュアに比べて特撮マトモ過ぎ)、タイアップなし、架空の航空会社を舞台に笑いもパニックもガンガン来るようなシロモノであった方が良かったのではないかと思いますが、今の日本映画の実情じゃムリですか。機上のドラマは使い古されたものばかりだったので、むしろ地上の人々に絞った方が良かったかな。[映画館(邦画)] 6点(2008-11-15 18:29:29)(良:3票)

23.  パコと魔法の絵本 《ネタバレ》 従来の映画的概念を徹底的に壊しまくるところから結果的にこれが映画だってところまで持ってゆくという、実はもうヒネりまくってある映画。全部が作り物の映像、舞台演技にカメラ目線、あからさまにここぞとばかりに存在を主張する照明、作り物の中に作り物が入れ子細工状態になっていて、ひたすら見立てで描きながら、いちばん肝心な見立ての部分はCGで実映像化。メーテルの星空、惣流・アスカ・ラングレーの青空、アニメのフィールドから続いてゆく世界・・・。真っ当な映画としての機能はしていないように見えながら、フェイクな映像が作り出すドラマに結局は虜になって、でも、それこそが映画でしょ?って。劇映画の起源はオペラを撮影した事だという説がありますが、この映画はそこから遠く離れたようでもありつつ、原点回帰してもいるようで。映画の定義にうるさく拘れば、これはとても遠いところにある異端だけれど、でも、そんな拘りが本当に意味を、価値を成すものなの?みたいに考えたり。・・・なんてワザとややこしい話に持ってゆかなくても、ココロ、キモチで見られる映画です。出だしこそ、コレで最後まで見られるんかいな、と不安になりますが、毒気を放ちまくるキャラクター達にキモチをシンクロさせてゆき、終わってみれば最初の不安なんて何処かへすっ飛んでしまいます。子供にはちょいとその毒気がキツ過ぎかなぁ、ってカンジもしますが、ファンタジーなんぞは、元々毒気が強いモンだったりしますからね。元の役者のイメージがぶっ飛んでいる状態だったりしますけど、だからこそ、彼ら、彼女らのスゴ味を楽しめるって点でもこれは凄い映画。脱帽。[映画館(邦画)] 10点(2008-09-13 19:45:57)(良:2票)

24.  バース 《ネタバレ》 懐かしいなぁ、パンテオンでの早朝上映。この頃のアニメブームは見せる側も見る側もパワーがありました。早朝から徹夜まで駆け抜けてましたしね・・・。さて、作品の方はガッカリな出来。金田伊功って人は、作品全体ではなくて部分を支えてこそ才能が輝くという事を証明してしまったような映画でした。流石に金田作品だけあって、とにかく動くのはよく動くんですが、自らが監督をしているだけあって抑えが効いていなくて、悪いクセまでもがそのまんま修正入らず動いてるという状態。しかも絵は動くけれど物語はとんと動かない。物語にちゃんとした基盤がないままに、とりあえずフィルムにしてみました、というのが見て取れるような感じ。収拾が全くつかないままに唐突にお終いを告げる意味不明な1シーンで幕という、見終わって一体ナンだったんだろ?と観客一同首を傾げるような映画でした。カナメプロ系アニメはクリエイターの個性はよく出てたけれど、作品としては毎度まとまらないという致命的欠点を抱いておりましたが、これもそんな時代に咲いた徒花と言ったところでした。[映画館(邦画)] 3点(2007-12-16 22:37:44)

25.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 うーん、原作は未読なのですが、ハチャメチャな意味なしセリフから察するに、これ、元はもっと馬鹿馬鹿しい不条理物語、毎度の筒井節の世界だったんじゃないでしょうか。なんか妙に真面目に作られていて、どうも物語と今監督との馴染みが悪い気がして仕方ありませんでした。説明的不条理という、創作においてあんまり面白くない状態になってしまっているんですよね。『千年女優』のような、全てが1つの芯の上に存在する不条理と、この物語の不条理とは全くの別物なのですが、同じ様な感覚で作られてしまっているような。逆に説明的に作るのならば、敦子が時田に抱いていた感情に何らかの説得力ある描写が欲しかったです。あれだって本来はどう考えても不条理なお笑いネタなんじゃありません? あと、林原めぐみの声がパプリカには合っていても、敦子には合っていない感じ。しかし一方でアニメーションとしてはかなり面白い出来だったと思います。映像を見ているだけで存分に楽しめてしまう状態。物語は懸命に意味を求めていたけれど、結局は映像の快楽にこそ本質があった、そんな映画でした。[映画館(邦画)] 7点(2007-04-08 16:49:02)(良:1票)

26.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 あの時代をモロに生きた身としては、笑えないんですよねぇ。バブルの恩恵にはさして与れなかったけれど崩壊にはキッチリ苦しめられた訳でございまして、当時バブルの波の中で生きてたホイチョイの、バブルの夢よもう一度的な面があるんでないの?という意地悪な視点を持ってしまったり。無神経なWEB広告作って思いっきりユーザーから怒られちゃったりする時代の読めなさ加減も手伝って、ホイチョイが最早過去のものであるというのを図らずも表現してしまった映画と言えない事もないかも。さて、タイムトラベルものとしては、もっといっぱい伏線張って、いっぱい回収して欲しかったかな。脚本がかなり雑で、つっかえまくりな進行にはイライラさせられますし(100円玉や雑誌よりも携帯の方がよっぽど説得力ありそうなモンですがねぇ?)、クライマックス2回のアクションシーンのヘボさ加減は、もう少しなんとかならなかったの?って感じ。馬鹿げたラストシーンは(CGがガタガタ言ってますよ・・・)随分と無責任だなぁ、って感じ。ヒロスエは可愛かったけどね。[映画館(邦画)] 5点(2007-03-03 22:15:55)

27.  ハチミツとクローバー 《ネタバレ》 この映画は原作を知らないせいか、かなり退屈してしまいました。そもそも誰が主役なんでしょう? 群像劇として構成されているようで、けれど複数の人間のモノローグが入るという状態は映画としてはマズいんでないの?と。誰にも心を置いておけずに、あっち見、こっち見で、一体どこがどう重要なのかが全く見えてこない映画。登場人物的にドラマとして見られたのは関めぐみ一人だけで、だけど彼女はポジションとしてはサブみたいな状態ですし。元々物語は、芸術と恋愛、というのが主軸になっていると思うんですよ。ところがその2つの要素がそれぞれにとても半端に描かれていて、学芸会レベルの状態に映ってしまいます。芸術家としての苦悩の世界を描くのであるならば、その個性によって生み出される作品の主張というのがもっとハッキリ描出されていいと思うのですが、ええと、そんなモンですか?みたいな、芸術という名の上に立つレベルのところまで到達していない状態しかスクリーンに投影されません。それじゃ説得力ないんですって。蒼井優があれだけ画面上に登場しながらちっとも生かせていないような状態の勿体ないこと。伊勢谷友介に至っては、ただのヘンな人以外の何者でもない、っていう、どこにみんなに慕われるだけの人格、持ち上げられるだけの才能があるのやら全く不明、みたいな感じ。マンガはただペンで描かれた絵だけで一発で説得力を与えてしまったりしますが、実写となるとそうはいかない、それに代わるだけの説得力ある描写とドラマが必要、この映画はそこを描く努力が全然足らない気がしました。それにしても一番気になったのは、映画が終わって結局何もちゃんとケリ付いてない、ドラマが進展していないとしか思えない事。原作が未完結?[映画館(邦画)] 4点(2006-11-18 20:11:17)(良:1票)

28.  花とアリス〈劇場版〉 あれこれと書いたところで、全部言い訳になりそうな気がして仕方ありません。元々は岩井俊二という人があんまり好きじゃないとか、デジタル撮りの映像が部分的にとっても汚いのでもう少しナンとかして欲しいとか(べったりした黒から毒々しく浮き上がる赤の不自然なこと!)、ゲストキャラ的な存在があれこれ煩わしいとか、カメラワークがどうとか物語やテーマがどうとか、なんかそういうコトをごちゃごちゃ言ってもね、結局、自分の正直なキモチ、蒼井優と鈴木杏がすっごく良かったぁ!ってホンネの前では意味がないですなぁ。ひたすらかわいい、キレイ、ってワケじゃなくって、すっごいカオしたりするんですけど、そのヘンなカオまで含めてイイ! 蒼井優の「じょ・お・だん・です・よ」、アレだけでもう全肯定!みたいな。二人がとっても魅力的なのでいい映画。これでいいのだ。[DVD(邦画)] 9点(2006-09-30 01:08:59)

29.  花田少年史 幽霊と秘密のトンネル 《ネタバレ》 地方の港町を舞台にした少年と幽霊のファンタジー、一路の悪ガキ具合と家族とのドタバタ状態や、幽霊をめぐるちょっといいハナシと、途中まではとっても良かったんですけどねぇ。原作やアニメのノリを知っている身には、父ちゃん母ちゃんがなんであそこまで絡んでくるんだろ?っていうのが不思議だったんですが、後半になるとそこがとっても大きくなってゆく、と。具体的な悪の存在を設定したために、その設定に物語が振り回され、本来もっと余韻をもって描かれる筈のエピソードが軽くなってしまい、クライマックスは「花田少年史」から遠く離れて「ドラゴンボールZ」か「サイキックフォース」の映画化か、はたまた「さくや妖怪伝2」か?ってノリになってしまって、情感かなりぶち壊し気味。娯楽映画として必要な要素だとでもいうのでしょうか? 聖子のエピソードはあまりに重すぎ暗すぎて、不快ですらありますし。あと、時代考証はちゃんとしておいて欲しいですねぇ。渋谷のQ-FRONTが存在している時点で出会った父ちゃん母ちゃん、それじゃ舞台は徳子の年齢を考えたら西暦2013年以降になっちゃいますが。前半の運動会まではめちゃくちゃ泣ける良い映画9点、それ以降は3点(西村雅彦の超無理矢理若作りには笑いましたが)、間を取って6点というところでしょうか。[映画館(邦画)] 6点(2006-09-26 00:24:17)

30.  8月のクリスマス(2005) 《ネタバレ》 【全ネタバレ状態なので、未見の方はくれぐれもご注意下さい】冒頭から主人公は死に向かっている、というのが提示されて、そこから物語が展開してゆくのですが、どうもこれがなかなかに退屈してしまって。リアクションの薄~い主人公に感情移入ができない場合、そのめちゃくちゃゆったりとしたテンポがかなり厳しいモノになってしまいます。たまに登場する主人公の父や妹の心情に心が動いたりするんですけど、あくまでたまに、な登場ですし、ヒロインは最後の手紙までずっと知らない状態ですし。でも、後半、主人公が残される人々に向けて自分のすべき事をひとつひとつ形にしてゆくところはジーンと染みてきました。激しいドラマは殆どなく、死んじゃう、悲しい!っていう映画ではありませんが、じっくりと死を受け入れてゆくことの哀しさが表れています。関めぐみは臨時とは言え、ちょっと教師としては子供っぽ過ぎない?って感じや演技のぎこちなさがありましたが、死を迎えようとしている男の前にひととき咲いた花としては十分に魅力的でした。静かな音楽と落ち着いた画面。生きている間に自分は何ができるのだろう?この世に何を遺せるのだろう?そんなことを真面目に考えるのにはちょうどいい空気の漂う映画だと思います。[DVD(邦画)] 6点(2006-08-25 00:21:14)

31.  ハワイ・マレー沖海戦 《ネタバレ》 真面目に戦争について考える、という気持ちがあったワケではなくて、「円谷英二」「原節子」というキーワードで見た事を告白します。戦意高揚映画なので、映画の出来を良し悪しで採点するのは難しいのですが、中盤まで描かれた海軍航空隊に志願した青年の成長物語が、パールハーバー以降はぱったり何処かへ消えてしまったのは、冷静に見てダメな状態。でも実写と特撮によって描かれる後半は迫力いっぱいで、ああ、これがプロパガンダなんだねぇ、って感じが伝わってきました。一方で前半の物語は今という時代にあっては当時と全く逆の印象を与える世界で(家を出て感情を殺し命令のままにロボットのようになってゆく)、ある種の反戦映画として機能しそうな感じが皮肉です。当時の人が、この部分をどんな思いで見ていたのか考えると複雑。あえて映画は残された家族の感情をハッキリとは描いていないあたりが微妙なニュアンスを醸し出していて、それはまるで原節子の曖昧な笑顔に象徴されるように、愛する家族が死地に向かう事に対する哀しみが無かった訳ではないかな、と。だからこそクライマックスでそれを断ち切るかのように「頑張ってますよ」って形になっているのかもしれませんが。その後この国と国民が受けた激しい痛みを思えば、映画全体が虚しく感じられるのも仕方のない事。問題は、この映画と同じ目的の新しい映画が作られる時代がやってこないか?という事ですね。神を無くしたこの国に、新たな神を創り出そうとしている人々が、もしかしたらいるかも・・・。[DVD(邦画)] 6点(2006-08-14 01:02:30)(良:2票)

32.  バーバー吉野 《ネタバレ》 ひと言で言っちゃえば小学生版「フットルース」。都会からやってきた一人の少年が封建的な田舎の町に波乱を呼ぶという。でも、なんて愛らしい映画なんでしょ。なんとなく大人を意識し始めた子供達の、ベタなエピソード(ありゃ、今の子供って言うより私くらいの世代の感覚ですけどね。昭和40年代の子供感覚)が懐かしく楽しく。伝統を重んじる、風土を愛する、っていう古い日本人気質と、子供の自立心との対立の物語なんですが、その両方をきっちり大切にしているのが見てとれて、一体どっち側にオチを付けるんだろう?っていう不安を払拭してくれたラストシーンに、素直に良かったね、と思いました。まあ、現実的ではありません。今時、そんなコトないよ!ってファンタジーです。でも、町の子供達がみんな同じ髪型をしている、ってヘンな発想を、ほのぼのとした笑いと情緒で良質な子供映画に仕上げた感じがステキでした。最近の日本映画界は子供向けというとアニメばっかなんですけど、もっともっとこういう実写作品が出て来て欲しいところです。って、これミニシアター系で、子供向けってワケじゃないのかな?[DVD(邦画)] 8点(2006-08-01 01:41:48)

33.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 すいません、下世話なレビューになります。まずビックリしちゃったのが、この前に見た「晩春」では原節子と笠智衆が親子だったのに、この映画では兄妹だって事。調べてみたら「晩春」の時は29歳と45歳、この映画の時で31歳と47歳。まだ親子よりは兄妹の方が自然な年齢差ですか。つーか、笠智衆の幅の広さったらないですねぇ。もう1つ気になったのが900円のケーキ。昭和26年当時で900円って、どんな高価なモンだろ?と調べてみたら、大体今の10~15分の1の物価ですね(ビールやタバコなどの嗜好品はもっと高かったようですが)。って事は今だと9000~13000円くらいのケーキ。確かに貰ったら食べるけど、自分からは買わないわぁ。さて、この映画も「晩春」同様、家族の変容を描いています。子供の成長と共に家族が解体されてゆくという状態を切なく描いていて、クールな印象を受けます。家族は変わってしまったけれど、これから新しい幸せのカタチが生まれてゆくんだよ、って訳ではなく(その後の生活が描かれるのはおじいちゃん、おばあちゃんだけだし)、変化を受け入れなくちゃならない厳しさを感じます。戦争によって家族の形を変えざるを得なかった当時を反映しているようでもあり、アメリカ文化の流入によって変化してゆく時代を受け入れてゆかなければならない事を描いているようでもあり。ただ家族の風景を情感豊かに描くだけではなくて、意外に小津監督ってリアリスト? コミカルなエピソードや、バックに花咲かせてそうな原節子の美しさに目を奪われつつも、人がフレームアウトした後、なおしばし誰もいない家の中を映し続けるカット尻の連続に、人のいない家の淋しさが象徴されているような気がしました。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-06 01:02:37)

34.  晩春 《ネタバレ》 どうしてこうも激しくイマジナリーラインを無視しまくるんだ?という疑問は、やがて会話シーンの正面向きカットバックと、画面の安定をもたらす水平線と垂直線の存在の執拗な反復によって、イマジナリーラインに対する拘りなどどうでもいい、これが小津安二郎という人のスタイルだって事に気付くと共に解消しました。目線が合ってなくても、モンタージュすら危うい状態であっても、独自性を貫く事で理論だけでは語れない世界が広がってくる、と。ややこしいハナシはともかく、大した事は語ってない映画です。父娘二人で暮らしてきたファザコン家庭が、いつまでもこのままじゃいられない、と娘を嫁にやる、ただそれだけの話。でも、とっても豊かなのですね。どうでもいいような会話の中に可笑しさや愛おしさや切なさがいっぱい詰まっていて(同じどうでもいいような会話でもタランティーノのアレとはニュアンスがかなり違います)、何気ないシーンの積み重ねが登場人物への深い思い入れを生みます。ゆえにラストの切なさときたら。終戦間もない頃の日本の、それでも豊かな風景と心に、日本人としての和の和みを与えてくれる映画でもありました。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-04 00:59:57)

35.  花咲く港 《ネタバレ》 松竹は80年代、銀座に古い映画を見せてくれる劇場を持っていたのですよね。今はゆとりがないのか、そういう機会は東宝のシネコンの特別上映くらいになってしまっていて(名画座で上映されるのは新しい映画ばかり)、映画って見られる機会に見ておかないとね、と今になって強く思うようになりました。さて、その松竹シネサロンで見た「花咲く港」。戦時下に作られた白黒映画のフィルムは傷だらけ、雨が降りまくり状態でしたが、そこには心豊かな日本の姿が写し取られていました。小さな島社会に訪れる波乱は、ひたすら性善説に基づく物語。島民を騙そうとやってきた二人の詐欺師が、結局は島の人々のために尽力してしまいました、というコメディ。そこにはまだ戦争の暗い影は殆ど感じられず(台詞に登場しますが)、ゆったりとした人の暮らし、古き良き日本人の姿が描かれています。このすぐ後、日本は大きな転機を経て全てが変化した事を考えると(「誰が、何が良かった悪かった」という判断は安易にしたくないのですが)、失われた日本が見られるこの映画は、それだけでとても貴重な存在だし、これを見て今の日本についてちょっと考えてみるのもいいかもね、って思うのでした。それにしても黄門さまはこの頃からずっとあのまんまだったのねぇ。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-27 13:28:08)

36.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 初期に物語の着地点ってモノを提示するモンなのですよ、多くの映画は。物語が目指すところって何処で、どうやってそこまで導いてゆくか、って。この映画、早々に当初見えていたハズの着地点が消失します(ソフィーが元の姿に戻る、荒地の魔女と対決する)。以降、この映画は一体何処へ向うんだろう?とこちらは途方に暮れるばかり。もちろん、それが提示されない映画だっていっぱいあります。そして、それを行うには人を惹き込むだけの自信に裏打ちされたエピソード、映像の積み重ねを求められます。この映画は果たしてそこを自覚してたのでしょうか? 繰り広げられるのは、安定しているけれどサプライズのない毎度の宮崎節。散漫な人称によって視点は定まらず、結局のところの着地点は納得できず。既存のスタイルからの脱却を目指すのであるならば、まずは自身のスタイルそのものの破壊から始めるべきだったのではないでしょうか? 大ヒットを命題に掲げた映画の限界、とでも言うのかな?[映画館(字幕)] 4点(2004-11-20 20:27:25)

37.  はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア 《ネタバレ》 「クリスタニア」という壮大なサーガの、そのはじまりとなる部分を描いた映画、らしいんですけれど、その肝心の「クリスタニア」を知らなくて、興味もなくって、という人間には何が何やら、って感じ。結局、はじまってすらいないんでないの?くらいに中途半端なところで終わってしまいますし。壮大な物語なんですよ、と言われても、そのはじっこをちょろりと見せられるだけで終わられてしまっては、それが存在する意味すら判らず、本やビデオの単なるプロモーションのための映画だったの?と思われても仕方のない事かと。1時間以上に渡って見せられるコマーシャルフィルムに、入場料を払わなくちゃならないのはとっても疑問なんですけれど。[映画館(字幕)] 1点(2004-08-07 00:56:37)

38.  (ハル)(1996) これだけネットが発達した今の時代だと、画面に出てくる文面、ちょっと恥ずかしい感じ。(ハル)と(ほし)のお互いのプライベートがごちゃごちゃし過ぎな印象があって、もっとフツーな人でいいんじゃない?とは思いますが、ちょっと無機的な人々の中からデジタルを通して生み出されてゆく有機的な感情、というのは面白く感じました。最近はネット上の人間関係も、もっと複雑な世界になっちゃいましたけどね。罵りあい、貶しあいは日常茶飯事、私の分身のちびっこい魔女っ子はレンジャーのカノジョである魔法使いの嫉妬を買ってケンカの原因になって、うわー!男です、オ・ト・コ!別に性別言ってなかったけどネカマプレイしてたワケじゃないんですよぉ!なんて事態を引き起こしたりしてますからねぇ・・・。[映画館(邦画)] 7点(2003-12-19 13:52:11)

39.  パラサイト・イヴ 《ネタバレ》 好き、と言うとアタマを疑われちゃう感じですが、好き。ホラー映画としては思いっきり失格だとは思うんです。ちっとも恐くないし、なんだか『スペースバンパイア』のできそこないみたいな展開だし。でも、私はこれを恋愛映画として見てしまったので、あーなんて悲しくって感動的な物語なんでしょー、と(ああ、聴こえてくる、「はあああ?」「えええええ?」)。イヴとしてでなく、聖美として利明を本当に愛した、そう信じるって、それがエンドクレジット部分で描かれた映像で暗示されて、幸せだったあの頃~、なんて思ったら泣けてきて(「はい~?」「あ~?」)。だって、葉月里緒菜、良かったし(「うそ~」「ダメだこりゃ~」)・・・。確かに、すっかり感動しちゃってる私の後ろの席で、お兄ちゃん二人がモメてましたけどね。「なんだよ、お前のせいだからな。こんなモン見せやがって」「知らねえよ、映画のデキなんて見る前から判るかよ」。そこでもし「私は良かったと思いますがぁ」なんて言ったら殴られてただろーな・・・。[映画館(邦画)] 7点(2003-12-19 12:49:42)(笑:2票)

40.  HANA-BI ごめんなさい。どうしてもこの監督の意匠が全く肌に合いません。頻繁に挿入される絵にしても、途中挿入される本編とは関係のない和風な映像にしても、非常にわざとらしく感じられてしまって、人にいいと思わせる映画テクニック集を見ているような感じ。物語も、いかにカッコ良く死んでみせるかを描く「俺様映画」状態。計算高さとナルシズムの塊・・・ぶっちゃけて言うと北野武という人の自慰ショーを延々と見せられているような感じで、気持ち悪くなってしまうのでした。ただ、正直に言うと私はビートたけしという存在が大好きで昔はライブに行くほどだったのですが、故・田山力哉氏に対する「TVタックル」での集団リンチ状態、あれで嫌いになりました。ああいう、じゃあお前が作ってみろ的な事は表現者として絶対やっちゃいけません。それだけで私はこの人、映画監督失格だと思っていますので(大島渚、崔洋一、井筒和幸も同罪。あれと「朝生」見て日本映画終わった!と思いましたが、つーか、大島自ら終わった宣言してましたが、ああいう人達より後の世代が頑張ってくれてます)、すっかり権威主義になってしまった点も含めて、今後も作品以前の状態でこの人を評価する事はないのかな?[映画館(邦画)] 3点(2003-12-18 21:53:01)

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