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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  晩菊 《ネタバレ》 成瀬映画と言って思いつく女優は?と質問されたら大抵の人はまずは高峰秀子の名前を真っ先に挙げるであろう!次はとなると原節子か香川京子が司葉子かまたまた草笛光子かいやいや、やっぱり浦辺粂子だろ!とかええ?杉村春子でしょ!とかまあ、色々な意見が飛び交うことであろう!で今作はというと成瀬=高峰秀子である彼女も出てなければ原節子も香川京子も司葉子も出てない。それなのに面白い。ここらがこの監督さんはただ者ではない。三人の中年女性が主人公の話なんて普通、つまらんだろうと思うものだが、そうならないところが成瀬巳喜男という監督は素晴らしい監督である。普段は脇役専門の杉村春子の凄さを引き出す演出の凄さ、人間の欲、金に対する欲望、金貸し女のずるがしこさ、いやらしさというものを徹底的に描き出している。人生についての本音の部分、年老いた中年の女にしか解らないであろう本音の部分を包み隠さずに堂々と見せつける。これぞ人生の辛さ、人間の持っているいやらしさというものを上手い役者の抑えた演技で見せてくれていて面白い。あのラストの方の望月優子のマリリン・モンローの物真似、変てこな歩き方の場面の面白さ、やはり成瀬映画は面白い。成瀬映画を見ていると川島映画を見ている時のような人間のだらしなさと人生に対する皮肉みたいなものが画面を通して迫ってきてこの監督さん、今じゃ川島雄三監督と並んでやめられなくなってしまった。成瀬映画も全部観たいぞ![CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-03 20:23:13)

22.  博奕打ち 総長賭博 《ネタバレ》 これは本当に凄い。今まで見てきた任侠映画の中でも文句なしの最高傑作!これを超える任侠映画はない。二度と作られることはないであろう!とにかく全てにおいて完璧である。この映画は任侠映画ではあるけど、単なる任侠ものではない任侠映画の枠を超えた素晴らしい人間ドラマだ!やくざ社会に生きる男と男を影で支える女の哀しくも切ないドラマである。今まで幾つもの任侠映画を見てきたが、任侠映画を見てここまで泣いたのは初めてです。鶴田浩二と若山冨三郎の兄弟の杯を交わした二人が跡目問題で悩み、苦しみ、挙句の果ては鶴田浩二が弟分である若山冨三郎を自らの手で葬るという悲劇、これは悲劇を置いて他には考えられない。中井(鶴田浩二)の苦悩、松田(若山冨三郎)の兄と慕う中井に対する気持ち、兄貴分である中井にだけは解って欲しい(欲しかった)その哀しさと二代目としての責任を全うし、自分が良いように利用されても最後までその責任を貫いた上に殺される石戸(名和宏)の苦しみ、そして、誰も書かれてないのは何故?何故みんな音吉のことを書かないんですか?男の私としてはあの音吉に思い切り感情移入させられてしまった。雨の中、鶴田浩二に向って土下座する音吉、中井と松田の二人の仲を何とかしようとする音吉、そんな音吉が身体を張って中井に殺される場面、「これで俺も姉さんの所に行ける」というあの台詞に込められたその思い、音吉の男としての苦しみも私にはどうしようもなく泣けてばかった。そうそう、男社会の中にあって哀しくも自らの手で命を絶った女を演じてみせた桜町弘子のことも忘れてはならない。桜町弘子のつや子姉さんのことを思うとこれまた泣けてくる。この映画は最初にも書いたように単なる任侠映画ではない人としての生き様、男と男、男と女、様々な葛藤、苦しみを格調高く美しく描いてみせた素晴らしい人間ドラマだ!文句なし満点![DVD(邦画)] 10点(2008-06-27 21:30:02)(良:2票)

23.  はるか、ノスタルジィ 大林宣彦監督の作り出す世界は舞台がどこであろうと、この監督の描く少女への想い、大人が大人に成り切れないもどかしさ、人の心の中には必ず少年だったり、少女だったりと、いつまでも子供の気持ちというものが観てとれる。自分の過去と現在、人が人として生まれてきた以上、絶対に切って捨てることの出来ない過去と現実、それを大林宣彦監督らしい美しい映像で見せてくれる。この映画もそんな大林映画らしい美しさを感じる。映像の美しさ、久石譲の美しいメロディ、尾道がセピア色ならばこの映画の舞台となっている小樽は透明感のある色合い、空気というものを感じる。大林宣彦監督に小樽てだけで少なくとも半分以上の点数を与えたくなる。この映画を単なる中年親父の妄想と言い捨てるのは簡単かもしれない。大林映画に出てくる少女は少女のまま歳を取らないのが大林映画の基本である。「転校生」の小林聡美、「時をかける少女」他の原田知世、「さびしんぼう」の富田靖子、そして「ふたり」にこの作品の石田ひかり、大林宣彦監督の映画に出てくる少女はどこか一貫性というものを感じるし、また大林映画独自のミステリアスな感じも悪くない。これはけして、笑いや涙、感動を誘うような映画ではないと思う。文学的な香りを味わう映画だと思う。こんな大林映画も私はあっても良いと思うし、好きです。[DVD(邦画)] 8点(2008-06-13 21:47:46)(良:1票)

24.  氾濫 増村保造監督で若尾文子とくれば、どうしても期待せずにはいられない。出で来る奴、特に男ども皆、欲望の塊、欲望丸出しである。そんな欲に埋もれた人間ドラマという意味では増村監督の演出はここでも凄まじさを感じる事が出来る。只、好きか?と言われると好きだとは答えられない。その、最大の理由は同じ監督の幾つもの作品で見せる若尾文子の美しくも怪しい魅力が今作品ではあまり、見る事が出来ない。今作品は若尾文子の作品ではあるけど、若尾文子というよりは佐分利信だったり、川崎敬三であったり、船越英二であり、個性的な男達が若尾文子よりも目立っていて、そういう意味で若尾文子ファンとしては物足りない。けして、つまらない作品ではないし、それなりに面白い作品ではあるものの、増村保造監督と若尾文子の黄金コンビ作品としては普通の出来です。[DVD(邦画)] 6点(2007-11-11 14:01:02)

25.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 もう直ぐ10月2日、世界で最初に全身麻酔の薬を作り、乳がんの手術を成功させた一人の男、華岡青洲の命日てことらしいけど、そんな訳で借りてきた。これは本当に物凄い女と女の戦いだのし!我が息子を愛するためにと息子の実験台になろうとする母、そんな母に対して自分こそ実験台にと訴える嫁、この二人の戦いが壮絶!の一言ではとても済まされないのし!とにかく主演の二人の女優、高峰秀子と若尾文子の演技が凄いでのし!大石先生とはまるで別人の如く、どこまでも嫁に対して厳しく接する姿には人間として、母親としてのプライド、嫁の加恵(若尾文子)への嫉妬、これは間違いなく女同士のバトル!しかし、そこにあるのは単なる嫉妬を超えた愛情の裏返しとでも言うべきか?二人の演技の凄さも当然のことながら市川雷蔵もこれまた素晴らしでのし!すいません!のしって言葉が頭から離れなくなりそうです。ひたすら医者としての使命を全うし、目的のためなら容赦なしに二人に薬を飲ませて実験を行なうというその凄まじさ、冷酷さ、こういう冷酷な人間こそまるで男の身勝手さを表しているようで、女の愛情だけでなく男の身勝手な部分まで同時に描ききるという恐るべき演出、それにしてもあの薬の実験によって、酔っ払ってしまった猫、あんな映像を容赦なしに描く。それこそ増村保造っていうこの監督の凄まじさを感じる。好き嫌いはともかく人間の持っている悲しさ、身勝手さというものを何だか見せつけられてしまったみたいで、とにかく色々と考えさせらる凄い映画だ!一度は見て損のないそんな作品だと思います。[DVD(邦画)] 8点(2007-09-28 21:53:55)(良:3票)

26.  ハウス/HOUSE(1977) 《ネタバレ》 大林宣彦の才気と少女マニアぶり、ある意味変態さが爆発していて、たまりません。ホラーだげど、ドロドロしてない所がいかにも映像の魔術師であると言えるし、ファンタジー映画を撮らせたら日本の映画監督でこの人の右に出る者はいません。これだけ美しくホラーものを撮れる監督は他にはいないだろうと思うぐらいこの監督デビュー作からして、早くも素晴らしくファンタスティクな映像の世界に酔いしれる。七人の少女という設定もどこか黒沢明監督に対するオマージュを感じるし、一人一人の少女の映し方がどこをどうとっても大林宣彦ワールド的な画き方で、これもまた大林ワールドが好きな私にはたまらない。更にこの映画、寅さんとトラック野郎好きな人にはたまらないシーンが用意されていて、それだげもとにかく見ていて本当に楽しい。大林宣彦監督の映画好きな部分が思い切り発揮されている作品でもある。ハチャメチャと言えば確かにそうなのだが、そのハチャメチャな展開、スピード感、そして、何よりも大林宣彦監督の少女趣味が醸し出すこの世界、やっぱり好きな人はとことん好きな世界だと思う。私は誰が何と言おうとこの雰囲気、大好きです。[DVD(邦画)] 9点(2007-08-22 21:53:26)

27.  廃市 大林宣彦監督作品の中では比較的、地味でいまひとつ知名度も少ない作品だと思うけど、大林宣彦監督らしく品の良さと落ち着きのある作品になっている。大林宣彦監督独自の映像美、柳川の雰囲気が上手く描かれている。いかにも日本て感じの雰囲気が作品全体を包み込む辺りは大林宣彦監督ならではです。尾道シリーズに比べると笑いが無い分、退屈に感じる部分もあるけど、けして、つまらない作品ではないし、観て損のない作品になっている。それと大林宣彦監督の優しい言葉でのナレーションも印象に残る。[DVD(邦画)] 7点(2007-07-07 18:14:21)

28.  果しなき欲望 恐い映画だ!男の欲望と女の欲望とがぶつかりあうことで生まれるただならぬ不気味さと緊張の間でどことなく悲しくて哀れな結末に今村昌平監督の持っている人間観察とでも言うのか?男も女も同じ生きもの、同じ人間であると言わんばかりの何とも痛々しい話である。渡辺実佐子に迫られおどおどする長門裕之の強張った顔つきがとても悲しく思える。今村昌平監督の女性像とは何だろう?ある意味、これは世の男ども全員に対する警告なのか?それとも女とはいかに恐ろしい生きものなのか?と、とにかくドロドロした雰囲気と不気味な音楽がより恐ろしく強烈な印象を与える。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-09 22:08:35)

29.  拝啓総理大臣様 売れない漫才師を渥美清が演じているが、下町に生きる男、江戸っ子の魅力あふれるこの名優が関西弁で話しているのが、どうにも、違和感が残る為に何度も観たいと思わせる物がこの作品からは感じる事が出来ず、残念です。所々で見せる渥美清にしか表現できない、他の人では表現できない演技を見る事が出来るという意味では見て損のない作品にはなってます。そういう意味での6点だけど、寅さんでしか渥美清を知らない人には強く薦める事はできません。寅さんでの渥美清しか知らない人には、同じ監督の拝啓天皇陛下様の方を強くお薦めします。[DVD(邦画)] 6点(2006-08-22 19:11:56)

30.  箱根山 箱根山という名の通り、箱根の山を舞台に繰り広げられる作品!長い間、いがみあってきた二つの旅館の番頭とその娘の恋の話だけど、川島雄三監督にしては、真面目な感じの内容で驚いた。特別、凄い作品ではないけど、それなりに楽しめる内容にはなってると思う。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-08-18 22:32:05)

31.  破戒(1962) 部落問題、差別に対するテーマなど、深く追求した市川崑監督による力作だと思うものの、何か観終わった後のやるせなさ、後味の悪さが少し引っ掛っていまひとつ好きにはなれない。市川雷蔵が涙、涙で訴えかけるシーンなど胸に染みるものがあるし、そんな市川雷蔵の親友を演じた長門裕之も好演!宮川一夫撮影監督の美しいカメラワークといい、心に残るけど、もう一度、観たいとは思わない。[ビデオ(邦画)] 6点(2006-07-08 22:31:33)

32.  白昼堂々 うん?面白いことは面白いんだが、渥美清と藤岡琢也の二人とその他、脇を固める人達、田中邦衛に佐藤蛾次郎に倍賞千恵子も、その他みんな、とにかく面白い。けど、同じ喜劇で同じ監督の作品なら断然「拝啓、天皇陛下様」の方が上だと思うし、好きだなあ!何だか作品の雰囲気は野村芳太郎監督作品というよりも山田洋次監督の描く寅さんとは違う雰囲気の喜劇といった感じの世界に近いものを感じる。面白いんだけど、ちょっと不満も残る。何だか観終わった瞬間、「拝啓、天皇陛下様」がまた見たくなりました。[DVD(邦画)] 7点(2006-04-19 21:53:15)

33.  旗本退屈男 謎の暗殺隊 《ネタバレ》 えっ?まさか、まさか?丘さとみが鉄砲を振り回し、暴れるなんて、いやあ、びっくりしました。おっと、丘さとみのことはこの際、置いといて、初めて観たこのシリーズ、退屈男っていうぐらいだから退屈な男なのかと思うと、とんでもない。それどころかなかなか面白いではないか!退屈男演じる市川右太衛門の鋭い眼光と素早い動き、そして同じく素早い殺陣裁きも見所の一つで、更にこの作品、私が最も面白かったのが進藤英太郎のおどおどした演技で、笑わせてもらいました。作品全体の出来に関しては、かなり荒っぽく感じたのと少々強引すぎる展開に不満ありも、なかなか楽しかったので7点といことで、それにしても、やっぱり丘さとみはこういう役よりも「弥太郎笠」をはじめとするお姫様役の方が良い。あっ!この作品、もう一人、私のお気に入りの大川恵子も出ていて、この作品の中では丘さとみよりも大川恵子に軍配![ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-04 17:29:50)

34.  馬鹿が戦車(タンク)でやって来る 山田洋次監督、ハナ肇主演による喜劇は「馬鹿まるだし」に続いてこれが観たのは二つ目ですが、それほど大騒ぎして良かったあ!と手を叩いて絶賛するほどの作品ではなかった。山田洋次監督作品としてはごく普通の出来といった印象です。それなりに楽しめるもやっぱり渥美清という天才喜劇俳優が出ている作品の方が私は作品の出来不出来は別にして好きです。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-03 20:51:09)

35.  麦秋(1951) 「晩春」とよく似た作品!「晩春」とどっちが好きか?ただそれだけの理由で9点と「晩春」より1点低いのが私の気持ちである。しかし、この作品も良い映画である。小津監督らしい会話による楽しさ、フレーズの楽しさとでも言うべきか?原節子と淡島千景が結婚したばかりの親友をおちょくるシーン、あの喫茶店でのやりとりがとにかく面白くてこの作品も私は大好きな1本!脇を固める俳優陣も相変わらず好演!タイトルにもある「麦」を風景として描く姿も見ていて何だかとても良い気持ちになる。[映画館(邦画)] 9点(2005-09-24 21:52:57)

36.  反逆児(1961) 徳川信康演じる中村錦之助の演技とクライマックスの切腹のシーン、更に美術的にも格調高い作品です。ただ、期待しすぎたのかな?期待したほどの凄い作品だとは感じませんでした。しかし、それでも観るべきところは結構あったし、現代の時代劇よりはずっと良いし、伊藤大輔て監督の他の作品はまだ観たことないので、今度は他のも観て見比べてみようと思ったりしました。[ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-12 23:09:23)

37.  馬鹿まるだし 今さっき、30分ほど前までBS2で放送していたので今回、初めて観ましたが、寅さんに比べるとどうしても落ちる気がする。けど、それなりに楽しめました。ハナ肇演じる松さん、憎めないキャラですね。タイトル通り、本当に馬鹿まるだしな映画ですけど、そこは監督が山田洋次監督とくれば、近頃のお馬鹿で、下品なアメリカンコメディよりはずっと良い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-03 22:00:23)

38.  拝啓天皇陛下様 《ネタバレ》 俳優、渥美清(本名田所康雄)が「男はつらいよシリーズ」以外に主演している全ての作品の中でダントツのナンバーワン作品である。ヤマショウこと山田正助にとっては誰もが地獄だと嫌がる軍隊での生活が天国であり、三度の飯をきちんと喰える上に風呂も入れさせてもらえる。軍隊での生活が天国だというヤマショウの気持ちを察するだけで泣けてきて仕方がない。よっぽど辛い過去を背負い、苦しんで来たに違いないであろうという気持ちが見ていて物凄く伝わってくるだけに悲しい。意地悪な上官のイビリなどはヤマショウにとっては大したことないのだ。上官役の西村晃、良いですなあ!桂小金治演じる鶴西が奥さんからの手紙を読ませる場面でのあの痛烈なやりとり、一方で渥美清演じるヤマショウには全く正反対な態度を取る。加藤嘉の中隊長もこれまた素晴らしい。ヤマショウにとっての中隊長はまるで父親のようである。他にも素晴らしい俳優がこの映画にはいて、ヤマショウに字を教える藤山寛美も素晴らしい。そして、忘れてはならない軍隊で知り合った長門裕之の棟さんとの男の友情、これがまた何とも良いのである。ヤマショウにとっておそらく初めての親友であろうこの棟さんの言うことなら何でも聞くヤマショウ、二人の演技、友情、全てがこの映画を素晴らしいものにしてくれているのが見ていてもよく解る。これは戦争の悲惨さをけして、前面に出すことなく人間とは何か?人間の本質のようなものをこのヤマショウこと山田正助という一人の男の姿に感じることが出来る。山田正助が棟さんとその奥さん、左幸子演じる秋子の隣の家で生活している未亡人(高千穂ひづる)に好意を抱くも相手にはされず失恋する。まるで後の寅さんのようである。いや、寅さんの失恋パターンとは違うなあ?しかし、未亡人に惚れるというのは寅さんと同じである。山田正助というこの真っ直ぐな性格、優しさに満ちた表情、それこそ正しく俳優渥美清そのものであり、言葉のトーンで泣かせることの出来る数少ない俳優がこの渥美清である。この映画を見ると渥美清という俳優の持っているもの全てが見えてきて、とにかく泣けて仕方ない。渥美清ファンは勿論、必見であるが、寅さんファンにも是非、一度は観て欲しい素晴らしい作品です。[DVD(邦画)] 10点(2005-07-12 22:09:15)(良:1票)

39.  張込み(1958) 同じ野村芳太郎監督の「砂の器」の影に隠れがちな作品ではあるが、これもまた見応えのある作品に仕上がっています。まずはこの作品、宮口精二と大木実といった2人の刑事が素晴らしい!そしてまた犯人を追い詰めるまでの展開もなかなか良く出来ていてサスペンス映画としての完成度もなかなかのものです。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-12 22:00:59)

40.  晩春 「東京物語」と並ぶ小津監督の傑作!何度も観ているけど、個人的には「東京物語」を抑えて私にとっての小津映画のベストワンはずばりこの映画です。一番好きな小津映画を挙げるとすればやはりこれしかない。小津監督の作品を観ていると日本人であることの喜び、幸せを感じることが出来ます。そして、何と言っても小津作品に欠かすことの出来ない俳優陣、おそらくほんどの人が心に描く理想の父親像を演じる笠智衆さんの存在と原節子に杉村春子といった2人の女優の存在無くして語ることが出来ないと思います。特に画面に笠智衆さんが出てくるだけで何だかホット致します。[映画館(邦画)] 10点(2005-07-03 17:42:37)(良:1票)

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