みんなのシネマレビュー |
|
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 花と蛇 (2003) 原作は、団鬼六のSM小説。「花と蛇」は過去5回映画化されているのですが、どれもオリジナル要素が強く、原作に忠実とは言いがたいようです。しかし、昭和49年の作品(監督・小沼勝、主演・谷ナオミ)がヒットし、本作のタイトルを有名にしました。2003年公開の本作は、監督・石井隆、主演・杉本彩。本作は、世界的なタンゴ・ダンサーの静子(杉本彩)を巡るストーリーがあるものの、それをあえて無視し、元アイドルの杉本彩そのものに焦点を当てています。それが本作のエネルギーであり、同時に大きな欠点であろうと思います。石井隆は杉本彩の演技や陵辱には関心がなく、彼女の肉体にのみ迫ろうとしています。杉本彩を必要以上に辱めることがないよう、気を使っている様子すらあり、本格的なSM映画を期待していると、肩すかしを食らいます。しかし、緊縛、針、蝋燭、刺青といったイベントを美しく見せているため、SMのカタログ的な役割は果たせるだろうと思います。5点(2004-07-18 23:36:35)(良:2票) 2. HANA-BI 《ネタバレ》 北野映画は、ドラマ作りをしようとすると失敗する傾向にあると思います。メインは西の退職後なので、ああいった構成になったのでしょうが、わかりづらいフラッシュバックでした。病院で、中年の鍛えられていない体をさらす西、これは観せるべきでなかった。それまでの、そしてその後の西の強さが、嘘に見えてしまいました。ラストに登場する実娘は、幼くしてなくなった子供を彷彿させなければらないのに、成長し過ぎ。もっと幼い子役を使えばいいのにと思いました。その子の前で、銃声を鳴らせるべきでもなかった。話に落ちを着けたかったのでしょうが、しつこいです。ヴェネチア受賞の最大の功労者は、西の妻を演じた岸本加世子でしょう。薄幸の婦人を、リアルに演じていました。ラストまで一言も喋らせなかった北野も、やはり非凡な監督に違いありません。6点(2004-06-19 04:02:58)(良:1票) 3. 白痴(1951) ドストエフスキーの原作を読んだ後に観ると、大笑いできる本作。 脚本、演出が無惨。後年、「乱」でも同じような失敗をしているのですが、本作は黒澤の弱点が集約された1本となってしまいました。1点(2004-06-06 22:39:09)《改行有》 4. 幕末太陽傳 現場でのスタッフ、キャストの反対により変更されてしまったラストシーンは、 蛇足とも思えるほど、無惨なものになってしまいました。 ただし、ラストに辿り着くまでの本作は、本当に素晴らしい。 戦後日本映画の傑作です。9点(2004-06-05 11:30:47)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS