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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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変更日付順12

1.  光戦隊マスクマン スーパー戦隊シリーズは小学校4年頃まで見ていたが、親と見ていたのはこのテレビシリーズが最後だと思う。劇場版はたぶん見に行ってると思うが、今回借りたスーパー戦隊の劇場版を収録したDVDに収録されていたので見てみた。うーん、一緒に収録されてる「電撃戦隊チェンジマン」や「超新星フラッシュマン」は自分が初期に見ていた特撮ヒーローものなのもあってか当時の記憶がほとんどないにもかかわらず、見ていて懐かしさがあったが、この作品では思ったほど懐かしさを感じられず、かといってこの年齢で見て面白いかと言えばそうでもない。ナレーションがバラエティー番組でお馴染みの武田広だったのは意外。(オープニングナレーションしかなかったけど。)あと、この間、「ゴジラ FINAL WARS」を見た時にアクションシーンが戦隊シリーズにそっくりだと思ったけど、アクション監督(「ゴジラ FINAL WARS」ではアクションコーディネーター)が同じ人なんだなあ。[DVD(邦画)] 5点(2024-07-02 19:25:54)
《更新》


2.  ひめゆりの塔(1995) 《ネタバレ》 本当は今井正監督の53年版か82年版が見たかったのだが、行きつけのビデオ屋に両方ともなく、この95年版だけが邦画の戦争映画のコーナーに一本だけ置かれていたので借りた。見る前はつまらないだろうと思っていたが、そこそこいい映画だと思う。しかし、生徒を引率している沢口靖子の顔がやたらとキレイで、とても苦しい状況下にいるように思えない。東宝作品であるためか爆撃シーンもやたらと派手で、ゴジラが街中で暴れているような印象。これではちょっとリアリティーにかけるのではないかと思った。[ビデオ(邦画)] 5点(2024-02-29 18:03:11)

3.  彼岸花 《ネタバレ》 小津安二郎監督初のカラー映画。冒頭から映し出される東京駅の駅舎や、赤いやかんなど、映像的には小津監督が初めてのカラー映画を色にこだわって楽しんで撮っているのが感じられる。でも、それに酔うことなく小津監督らしい作品になっているのが良い。娘の結婚という小津作品ではお馴染みのテーマでつい父親役は笠智衆と思ってしまうが、この映画では長女(有馬稲子)の結婚に反対する頑固親父を佐分利信が演じていて、こういうキャラだと笠智衆よりも佐分利信のほうがしっくりくるし、実際、すごくハマっている。それに、この主人公・平山を見ているだけで面白く、それが本作全体の面白さにもつながっていて、つい最後まで引き込まれて見てしまった。友人(笠智衆)の娘(久我美子)に「結婚は自由であるべきだ。」と言っておきながらいざ自分の娘のこととなると「不賛成だね。」と言い出すこの父親の堂々とした姿はハタから見ると笑えるのだが、同時に素直になれないもどかしさもどこかにあるのではと思えて、そこらへんの心理描写も巧みで見事。「人生は矛盾だらけなんだ」と開き直る彼の姿からはそういった葛藤の跡も垣間見える。山本富士子と浪花千栄子の京都の親子コンビが強烈に印象に残るのだが、彼女たちの京言葉が美しい。部下の近藤(高橋貞二)が平山と一緒に酒を飲んだ翌日の夜、同じ店で一人で飲んでいるところに平山が現れるコントのようなおかしさも良かったが、やはり本作は平山の妻を演じる田中絹代に尽きるのではないだろうか。控えめでありながらも旅行先で戦時中に防空壕に家族一緒だった時が幸せだった話をするシーンや、夫の矛盾を指摘するシーンの力強さがすごく、存在感と説得力をものすごく感じることができた。クライマックスとなる長女の結婚式のシーンを描かないのも小津監督らしいが、ラスト、京都の親子の計らいで長女の嫁ぎ先である広島に向かうことになった平山の列車内の様子で終わるというのが、心地良い余韻を残していて、見終わった後、なんともいえない満足感に包まれた。昔に見た時はあまりピンとこなかった映画だったのだが、今見ると素直に名作だと思える。(2024年2月12日更新)[DVD(邦画)] 8点(2024-02-22 18:34:34)

4.  ひみつの花園 《ネタバレ》 矢口史靖監督の第2作。お金が好きなヒロインが樹海に消えた5億円を手に入れるために暴走する姿を描いたコメディ。昔見た時もすごく面白かったのだが、やはり今久しぶりに見ても主人公のキャラが突き抜けていて何も考えずに楽しめたし、今まで見た矢口監督の映画ではこれがいちばん好き。とにかくこのヒロイン 咲子(西田尚美)の目的達成のためのハチャメチャな暴走ぶりが痛快で、そこに家族愛など余計なドラマ性を一切絡ませていないというシンプルさもあって、90分ない上映時間をテンポよく進んでいくのも良い。金のために金を使うという咲子のキャラもそうだが、最近の矢口監督の映画では少なくなった癖や毒のある笑いも多く、その意味でも楽しめる映画だと思う。(もちろん、好みは分かれるだろうけど。)しかし、やはり本作の見どころは暴走する主人公である咲子を演じる西田尚美のハマりっぷりにあり、元々少しほわっとした感じのある女優なのだが、それがこの咲子の独特なキャラに見事にマッチしていて、大げさかもしれないが、まるでこの役をやるために女優になったと思うほどだ。それから今回改めて見て気づいたのだが、主題歌である「春先小紅」を歌っているのはチョイ役で出てもいる濱田マリ(正確にはボーカルをやっていたバンド)だったのか。ずっと矢野顕子とばかり思ってた。(2022年12月18日更新)[DVD(邦画)] 9点(2024-02-10 16:46:08)

5.  必殺!Ⅲ 裏か表か 《ネタバレ》 深作欣二監督の「必殺4 恨みはらします」が面白かったのでこの作品も見てみた。監督は工藤栄一で、彼はテレビシリーズもてがけていたとあって最初はテレビ時代劇のような軽いものに仕上がっているのではと思ったが、全くそんなことはなくハードな展開で映画としてもとても満足のいくものになっている。クライマックスは「十三人の刺客」のような迫力があり、監督の衰えを感じさせない。ただ、テレビシリーズを知らないので主水の仲間たちが次々と殉職してもイマイチ感慨深いものは伝わってこないのが残念といえば残念。いつかテレビシリーズも見てみたい。[ビデオ(邦画)] 7点(2023-07-30 00:03:20)

6.  必殺4 恨みはらします 《ネタバレ》 このシリーズは今まで全く見たことがなかったが、(それでも「ちゃららーん♪」という音楽だけはどこかで聴いて知っていた。)深作欣ニ監督の作品というただそれだけの理由で本作を見た。もしかしたらシリーズについての予備知識がないと面白くないのではと思ったが、独立した1本の深作映画として思った以上に楽しめた。いちばん印象に残ったのはやはりみなさんと同じで千葉真一と蟹江敬三の決闘シーン。同じ深作の「魔界転生」の若山富三郎と千葉真一の対決シーンもすごかったが、本作のこのシーンもそれに負けず劣らずすごい。おかげで映画の見せ場を全部千葉真一が持っていってしまったような気もするが、このシーンに1点プラス。敵の親玉を演じる真田広之もなかなか。音楽も良かった。[ビデオ(邦画)] 9点(2023-06-22 22:28:32)

7.  ひみつのアッコちゃん 海だ!おばけだ!!夏まつり 《ネタバレ》 「ひみつのアッコちゃん」第2期シリーズ劇場版第2作。夏休みに友達とおじいちゃんの所に来たアッコ。そこでおじいちゃんから白いイルカについて聞かされ、大将たちが捕まえに行ってしまうという話。前作はアッコたちの住む町内が舞台だったのに対して今回はサブタイトルにもあるようにいかにも夏休み公開作らしく海とイルカの伝説が伝わる島が舞台となっていて、ラストもアッコたちが祭りで踊るシーンで締めくくられている。でも話としては前作のほうが面白かった気がするなあ。おじいちゃんの声を演じているのが宮内幸平なのだが、東映のアニメでこの人の声を聞くのはかなり久しぶりで、違うアニメだが、思わず彼が演じる亀仙人が懐かしくなってしまった。終盤でアッコが変身する白い竜を見て体色や姿が違うのに神龍を思い浮かべてしまったのはもちろん東映のアニメだからというのもあるが、これも一因かも。チカちゃんを演じる山本圭子はなにかテンションが「サザエさん」の花沢さんそのままのような感じだが、もともとコミカルな役のイメージが強く、やはりこういう役を演じているとコミカルさがほかのキャラよりもあり、見ていてつい笑ってしまう。それだけに「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」の吉乃役は初めて見た時にはかなり意外に感じた。[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-03-05 13:19:12)

8.  ピンポン 《ネタバレ》 最近テレビアニメ化もされていたが、あらためて久しぶりに見てなるほどこれは単発の映画よりも連続ものでやったほうが見ごたえがあるだろうなと感じた。とはいえ、映画としてそこまで悪い出来ではなく、特撮スタッフ出身の監督にしてはドラマがわりとしっかりとしていて、CGを駆使した卓球シーンもCGが全面に出ているような違和感はなく、すんなりと見られる。昔見た時は中村獅童演じるドラゴンのインパクトが凄かったのだが、(今見てもインパクトのある登場人物で、演じている中村獅童もやっぱりいちばんのはまり役だと思う。)今回見てみると卓球好きでありながら才能の無さを指摘され、屈折して卓球から身を引くアクマ(大倉孝二)に共感するところがあった。クライマックスのペコ(窪塚洋介)とスマイル(井浦新)の試合シーンを直接的に描かずに結果だけをラストシーン間近に写真で見せるのは潔さが感じられる。ドラゴンの「才能は求める者にだけ与えられるものではない。」というセリフが印象に残るのだが、脚本のクドカンは後年「あまちゃん」で鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)に「向いてないけど、続けるのも才能よ。」というセリフを言わせており、今になって見るとあのセリフはこのドラゴンのセリフに対するアンサーだったことが分かって面白い。(このドラゴンのセリフは原作の漫画にあるんだろうとは思うけど。)一方でペコが「アイキャンフライ!」と叫んで橋の上から川に飛び込むシーンは本作の中で有名なシーンの一つだが、冒頭にも出てくるこのシーン、その後のシーンでそれに関して一切触れられないためか、なんかただインパクトのある映像を撮りたかっただけに見えてしまうのはかなり残念だった。まあ、ここも今見ると「あまちゃん」を思い出すような部分ではあるのだが。(2017年10月7日更新)[DVD(邦画)] 6点(2022-10-03 22:19:19)

9.  びっくり五十三次 《ネタバレ》 野村芳太郎監督初期の美空ひばりもの。タイトルから「次郎長三国志」のような時代劇を連想するが、確かに森の石松や清水次郎長は登場するものの、大半は宿の中で話が展開し、タイトルと内容があっていない気がする。野村監督の時代劇は初めて見たが、あくまで美空ひばりや高田浩吉のアイドル映画と言う感じである。中村玉緒が出ているが、大映でデビューしたんじゃないんだなというのが意外だった。飯田蝶子と左卜全のコンビぶりは「若大将」シリーズでもお馴染みなので見ていてなにか安心感がある。ラストの映画館の場内放送を模した演出がユニーク。DVDに収録されているフィルムの保存状態があまりよくなかったのが少し不満だが、実際、リバイバルの映画館で昔の映画を見るとこんな感じなのかなと思う。[DVD(邦画)] 5点(2022-08-19 22:26:19)

10.  秘密(1999) 《ネタバレ》 設定自体は面白いし、実際、そこまで悪くない映画だったとは思う。しかし、久しぶりに見て、後半あたりからの藻奈美(広末涼子)に憑依した直子(岸本加世子、広末涼子)の行動が「藻奈美として生きてもう一度青春を謳歌したい」というよりは「夫に不満があって娘の姿になったのをいいことに若い男と不倫をしている」というふうに見えてしまい、少し見ていて不快感が残るし、夜行バス事故前の夫婦の生活は描かれていない分、この夫婦は本当にうまくやっていたのかとつい想像してしまう。それに最初に見た時は意味がよくわからなかったのだが、今見るとなんだか納得のいかないラストで見ていて釈然としないまま終わった感じでモヤモヤが残る。いっそ、直子の魂が消えて藻奈美の魂が戻ったラスト前のシーンで終わっても良かった気がするが、それだと「秘密」というタイトルは成立しない気がするので、やっぱり最後の最後に直接ばらすのではなく、思わせぶりにして直子と観客だけの秘密というふうにしても良かったと思う。あのタイミングでストレートに秘密を明かしたことで最後のシーンに至って直子が悪女のような印象になってしまったのも残念だった。人気絶頂のころの広末涼子が主演で、彼女のアイドル映画として製作されたという側面もあるのだろうが、あまりストレートなアイドル映画という感じではないのは良かった。(欲をいえば主人公は広末ではなく、小林薫演じる平ちゃんのほうが物語としては自然だった気がする。)夜行バス事故を起こす掛け持ち仕事で過労気味の運転手を大杉漣が演じているが、今にして思えば大杉漣本人もきっと無理をしていたのかなとつい思ってしまう。ちょっと迷ったけど6点。(2019年12月15日更新)[DVD(邦画)] 6点(2022-08-16 18:47:43)

11.  ひとごろし 松田優作を時代劇で見るのは黒木和雄監督の「竜馬暗殺」の右太役に続いて二度目。「竜馬暗殺」では助演ながらギラギラした存在感を見せていてとても印象に残っているが、時代劇初主演となった本作では、臆病者の腰抜け侍をコミカルに演じている。日本テレビの「探偵物語」でも主人公・工藤俊作をコミカルに演じていたが、本作ではダンディーさが全くない分すごく新鮮に感じた。丹波哲郎とのやりとりもかなり笑えて、「ひとごろし」という物騒なタイトルなのに軽く楽しい映画になっていて面白かった。見るからに低予算な感じの映画だが、スタッフがほぼ大映のチームだからだろうか全体的に作りが丁寧で、その面でも安心して見ていられた。しかし、やはりラストが唐突すぎて何の余韻も感じられなかったのは残念だったかな。ちなみに本作と同じ原作はこれ以前に野村芳太郎監督がコント55号主演で映画化しているらしいので機会があれば見てみたいなあ。[DVD(邦画)] 7点(2022-07-30 18:01:33)

12.  秘密戦隊ゴレンジャー 真赤な猛進撃! 《ネタバレ》 キレンジャーといえば何年か前にその名を冠したレトルトカレーが発売されて未だにキレンジャーといえばカレーを思い浮かべる人が多いのだなあと思ったものだが、この作品はそんなキレンジャーこと大岩大太の魅力が詰まった一本と言えよう。ゴレンジャーのメンバーの中では大岩キレンジャーがいちばん好きなのでこの話はなかなか楽しめた。助けた女性に恋をしてそれが敵のスパイだと分かっても組織を抜けるようにと説得するあたりに大岩らしい優しさがあふれていていいなあ。[DVD(邦画)] 6点(2022-02-21 19:26:38)

13.  秘密戦隊ゴレンジャー 青い大要塞 《ネタバレ》 黒十字軍に奪われたバリブルーンを取り戻そうとするゴレンジャーの活躍を描いたテレビシリーズのエピソードのブローアップ劇場公開版で、中でもバリブルーンの操縦者であるアオレンジャー・新命明(宮内洋)の活躍が目立つ一篇。この頃の宮内洋はどうしても「仮面ライダーV3」の風見志郎のイメージしかないのでどうもキャラがかぶって見えて仕方ない。ナレーションが田中信夫から大平透に代わり、やはりこっちのほうがしっくりくる。それに作風もややソフトになった印象。「なぜ新命は摑まっている?」「手を離せば落ちるから」という問答にはつい笑ってしまった。幹部の怪人である日輪仮面が「ハーヒフーへホー」と言いながら逃げていく場面も声をやってるのが増岡弘だったので、ジャムおじさんがばいきんまんのまねをしているように見え、思わず笑ってしまった。黒十字総統も声を演じているのが安藤三男だから一瞬プロフェッサーギルがしゃべってるように聞こえた。[DVD(邦画)] 5点(2022-02-21 19:23:33)

14.  引っ越し大名! 《ネタバレ》 国替えをテーマにした時代劇というのは珍しいと思うし、「超高速!参勤交代」と原作・脚本が同じ人というのもうなずける。もちろん話自体も面白い。しかしどうもメリハリが悪く、けっこうシリアスな題材をコメディタッチで描いている作品だと思うのだが、コメディ要素が少し強すぎて全体的に軽すぎる印象で、見やすい娯楽時代劇としてはそれでいいのだが、もうちょっと重さがあっても良かったのではと思う。それでも主人公が国替えの準備のために奮闘している前半は興味深く見たし、主人公が本当に大切なものならすべて書き記すことが出来るだろうというシーンは言われてみればその通りかもとも思って印象にも残るし、人を減らすためにリストラを慣行するシーンも少しやるせなさがある。しかし、後半は急ぎ過ぎた感があり、主人公が国替えに同行することが出来ないヒロインと結婚するのはかなり唐突に感じるし、西村雅彦演じる悪役も途中にチャンバラを入れるために出した登場人物という感じで、少し無理やり感がある。それに終盤も急ぎ過ぎな感じがして慌ただしい印象で、もうちょっとじっくりと描いても良かったのではと思ってしまう。(いきなり時代が飛んでしまったのはビックリ。)全体的に見て二時間以内にまとめるのは無理があったような感じがして、せめて二部作くらいならと思わないでもないが、そうもいかないのだろう。今年初めに見た「ジョゼと虎と魚たち」がすごく良かった犬童一心監督だが、やはり作家性の強い監督ではなく、職人監督として仕事を卒なくこなす監督なのだと思う。(犬童監督の映画をいちばん最初に見たのは「タッチ」だったのだが、もし「ジョゼと虎と魚たち」を最初に見ていたら一発屋監督の印象が強くなっていたかも。)ちなみに、ユニコーンの主題歌は本作の雰囲気にとてもよく合っていた。[DVD(邦画)] 6点(2021-09-04 23:45:17)

15.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 藤沢周平の「隠し剣」シリーズの一篇を映画化した平山秀幸監督の時代劇。山田洋次監督以外の藤沢周平原作映画を見るのは初めてだったが、かなり本格的な時代劇でなかなか面白かった。打ち首覚悟で藩主(村上淳)の側室(関めぐみ)を斬殺したトヨエツ演じる主人公・兼見の処分がなぜ軽かったのかという点は最後まで興味を引くし、この主人公の生き様とでも言おうか、それを描いたドラマとしてもよく出来ていると思う。この兼見と吉川晃司演じる別家との対決、およびその後の大人数を相手にした決闘シーンがすごい迫力で、最近はCG処理されることの多い流血シーンを血糊で撮影したりしていてかなり気合が入っていてこれぞ本物の時代劇という感じがした。そして最後に兼見が繰り出す必死剣 鳥刺し。先ほども書いたように最初、側室を殺めた時点から死を覚悟しているような兼見だが、この技はまさにそんな兼見の執念がにじみ出ていて本当にすごかったし、兼見を利用するだけしておいて側室同様に道理に反することをし、結局は鳥刺しによって命を落とした家老・津田(岸部一徳)や最初に兼見に殺された側室の最期は兼見とは対照的でなんとも皮肉めいている見事な結末だった。最後のシーンが来るはずのない兼見を待ち続ける里尾(池脇千鶴)というのも余韻を残すうまいラストシーンだった。ただ中盤あたりに兼見と里尾の濡れ場があったのは余計だったかな。それに岸部一徳を時代劇で見るとたいがい悪役なので意外性に乏しく、側室役の関めぐみもわかりやすすぎる悪女でちょっと残念。とはいえ、トヨエツを時代劇の主役で見るのは初めてかもしれないが、静かな抑えた演技で味のある演技をしていてとても良かった。それにかなり久しぶりに見た平山監督の映画だったが、また平山監督の映画に興味がわくにじゅうぶんな出来だったと思う。[DVD(邦画)] 7点(2020-12-14 17:48:02)(良:3票)

16.  秘密戦隊ゴレンジャー 火の山最後の大噴火 《ネタバレ》 黒十字軍の幹部である火の山仮面マグマン将軍とゴレンジャーとの最終決戦を描いたエピソードの劇場用ブローアップ作品。今まで声だけだった総統が顔を出しており、声を演じていた安藤三男がそのまま引き続き演じてるのだが、これに関してはこれ以前のエピソードを完全に覚えていないのでなぜこうなってるのかよく分からずちょっと違和感を感じた。ゴレンジャーが挑む黒十字軍の要塞の名前がナバローンというのは明らかに「ナバロンの要塞」のもじりで、そのまんまのような気もするけど面白かった。「そんな技は通用しない。」とゴレンジャーを追い詰めていた火の山仮面だけど、最後はあっさりしすぎな上に間抜けすぎて唖然。まあ、そんなバカバカしさが「ゴレンジャー」らしくもある。[DVD(邦画)] 5点(2020-06-24 19:15:30)

17.  秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 《ネタバレ》 「秘密戦隊ゴレンジャー」の劇場版で、テレビシリーズのブローアップではないオリジナル作品。それだけあって舞台である四国・松山でロケをしているなどテレビシリーズと比べて少し豪華な印象。キレンジャーが二代目だったり、火の山仮面マグマン将軍の次の幹部であるゴールデン仮面大将軍が出ていて製作時期も分かりやすいものの、今まで見たテレビシリーズのブローアップ版に比べてそれほど楽しめなかった。登場する怪人に必殺技であるゴレンジャーハリケーンがきかないという設定なんだけど、タイトルの爆弾ハリケーンの繰り出し方も普通で別にタイトルに持ってくる必然性がないように感じた。二代目キレンジャー 熊野大五郎はテレビシリーズでは初代の大岩に比べてあまり印象に残っていないキャラだが、この映画ではメンバー中でいちばん存在感が薄いように思う。好きな人には悪いんだけど、やっぱりキレンジャーは初代の大岩がいい。[DVD(邦画)] 5点(2019-09-11 21:49:33)

18.  人斬り 《ネタバレ》 かなり以前から見たいと思っていたが、DVD等が出ておらず、なかなか見る機会に恵まれなかった映画の一つなのでようやく見れたことがまず嬉しい。幕末の「人斬り以蔵」として有名な岡田以蔵を主人公に、彼と武市半平太や、坂本竜馬、田中新兵衛らの関係を描いているが、橋本忍の脚本はやはりしっかりとしていて、武市の命令で次々に暗殺を遂行した以蔵が、結局は使い捨てにされてしまうという悲劇性がよく描かれていて見ごたえがある映画で、素直に面白かった。(見たいと思いながらも五社英雄監督ということで不安にも思っていたが、今まで見た五社監督の映画の中ではいちばん面白い映画だと思う。)勝新主演映画を見るのが久しぶりなのだが、演じる以蔵は豪快な存在感があり、座頭市とはまた違う勝新の魅力を感じることができる。仕事に参加させてもらえなかった以蔵が一日かけて長距離を走るシーンは映像的にとても美しく、異様な迫力があり、印象に残るし、勝新は「薄桜記」の冒頭とかでも走っているが、どこか「決闘高田馬場」のバンツマをほうふつとさせるものがある。武市役の仲代達矢はギラギラした存在感で、武市のこれでもかというような非情さをうまく演じていて、メインキャストの役では久しぶりに見る気がするのだが、あらためて名優だと感じた。この二人に対して竜馬を演じる裕次郎は勝新との共演がみどころとなるが、やはりというかなんというか違和感があり、裕次郎には時代劇は似合わないなあと思う。そして忘れてはいけない三島由紀夫演じる田中新兵衛。三島由紀夫を俳優として見るのは「からっ風野郎」以来、二度目なのだが、本作でも演技はかたい。しかし、独特の存在感とオーラを放っていて、その演技のかたさも新兵衛に不思議とマッチしているし、なかなか味があり、良かった。本業が俳優ではないながら、この役は三島由紀夫の俳優としての代表作になるのではないだろうか。本作は三島事件の一年数か月前に公開されているが、濡れ衣を着せられた新兵衛が切腹するシーンはその後の三島由紀夫の運命を予言しているかのようで驚かされた。[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-11-05 22:59:03)

19.  ひとり狼 《ネタバレ》 村上元三がなかなか映画化の許可を出さなかった原作を雷蔵主演で映画化した股旅時代劇。雷蔵の股旅ものはあまり見た記憶がないが、こういうアウトローな役柄を演じていてもピッタリとハマっているし、カッコいい。それに雷蔵念願の企画だけあって、本作の雷蔵がそうとうこの役に入れ込んでいるのが分かり、その演技は素晴らしいの一言で、この前見た「眠狂四郎 女地獄」と同じく雷蔵にとって晩年の主演作だが、本作はその雷蔵晩年の代表作とも言っていいのではないかと思う。映画としても見ごたえじゅうぶんで長門勇演じる渡世人(これがいい味出してる。)の回想形式でストーリーが展開していくという構成がいいし、主人公 伊三蔵の渡世人としての悲しみや孤独がうまく描かれていてドラマ性も高く、作り手の良い映画を作ろうという意気込みがよく感じられる傑作である。前半で渡世人の作法を細かく描いていたのも新鮮だった。(ほかに今まで見た時代劇では市川崑監督の「股旅」くらいしか思い浮かばない。)印象に残るのはやはり伊三蔵が自分の息子と話すシーン、実子を前に父親と名乗ることのできない伊三蔵の辛さには思わず感情移入せざるを得ない。それにラスト、伊三蔵が息子にいう「見ろ!人間の屑のすることを。」というセリフがなんとも切なく、心に残る。[DVD(邦画)] 8点(2016-07-20 18:06:35)(良:1票)

20.  一人息子 《ネタバレ》 小津安二郎監督のトーキー映画第1作。戦前の小津監督の映画には喜劇色の強いものや、外国映画を意識した作風の映画が多いように思うのだが、初のトーキー作品となった本作では、「東京物語」に代表されるような親子の物語で、笑いのシーンはほぼ皆無で、シリアスな作風となっている。しかし、本作も間違いなく小津監督らしい映画となっていて、息子の東京での生活の厳しさや、その現実を見た母親の切なさを丁寧に、それもこの親子の絆を優しくあたたかく描いており、戦前のこの頃から小津監督はこういう親子のシリアスなドラマも描ける監督だったんだなあと感じた。焼却炉の煙突を見ながらの親子の会話、そしてその夜の口論はなんだか息子の立場になって考えた場合にすごく身につまされるものがあってつい息子に感情移入してしまう部分もあった。馬に蹴られた近所の子供のために息子がとった行動を見た母親が息子にかける言葉がああ、この母親は息子がどんな暮らしをしていても、自慢の息子には変わりないのだなと感じさせていて感動的だった。しかし、やはりこの映画が描いているのは理想と現実は違うということで、帰京した母親が「息子も偉くなって」と周囲に語るものの、一人になるとしょんぼりとしているラストシーンはこの母親の心情というものがすごく理解でき、侘しい気持ちになるのだけども、その前のシーンで東京で息子が今度母親が来るときにはこんな侘しい姿は見せないぞと奮起する姿を描いていて、そこに希望を感じさせているのがいい。「東京物語」だともっと親子関係はシビアに描かれるのだが、まさしくこれはその原型といったところ。主演の飯田蝶子は晩年に演じた若大将シリーズでの主人公の祖母役が大好きなのだが、この映画では息子を時に厳しく、そして優しく見守る母親を演じていて若大将シリーズとは全く違う一面も見せているのだが、その演技が非常に素晴らしく、間違いなくこの映画は彼女の代表作と言っていいだろう。もちろん息子を演じた日守新一も素晴らしい。ところで、親子が映画館で外国のトーキー映画を見るシーンで「これがトーキーってやつですよ。」というセリフを息子に言わせているのは、初めてトーキー映画を撮ったことが嬉しくてたまらないという小津監督の素直な喜びが感じられるシーンではないだろうか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-11-07 18:00:42)

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