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プロフィール
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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  プロゴルファー織部金次郎5 愛しのロストボール 《ネタバレ》 いきなりネガティブな話をして申し訳ないのですが、このシリーズ、いつが止め時だったんですかね。もはや手遅れ感。 勝てない主人公がそれでもゴルフを続ける理由、みたいなのがこのシリーズのキモだったはずなんですが、気が付いたら主人公は「世界レベルのバンカーの達人」みたいなスゴい人になっちゃってて、ついでに武田鉄矢もだんだん自信満々の顔つきになってきてて、なんだかゴルフも映画シリーズも惰性で続けているみたいな。 前作が「ロッキー3」路線だったので、今回は「ロッキー4」のごとく、いよいよ世界に目を向ける、ってことなのか、個人的には「ロッキーVI(86年フィンランド)」版の織部金次郎を見てみたい気もするけどそれはともかく、舞台は海外へ。 ロケのついでにゴルフ三昧してるんじゃなかろうか、いや、ゴルフ三昧のついでにロケ撮影をちょこっとやってるんじゃないか、という疑いを持ちつつ、しかし、海外を舞台にするとなった時に、安直にハワイロケとかにしないで、東南アジアを舞台に選んでいるあたりは、ユニークな作品であろうとする矜持を感じさせます。バブルが崩壊した日本とは裏腹に存在感を伸ばしつつある90年代の東南アジア。 で、主人公と、財前直美演じる桜子との関係においても、この東南アジアをキーワードにした大事件が発生するのですが、これがもう、大事件過ぎて、唖然としてしまう。なんと彼女は、某国のお偉いさんに求婚され、彼の第四夫人として海を渡ってしまうというんだから、穏やかじゃない。というか、このシリーズにおいて、そんなのアリなんでしょうか。。。 で、最初の疑問「シリーズの止め時」についてですが、妊婦姿の財前直美がラストで、お腹から偽装の枕を取り出して「もうこんなの、や~めた」みたいになるのが、「もうこのシリーズ、や~めた」という風にも聞こえて、まあ、この作品でシリーズ打ち止め、ということで良かった気もしてきます。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-07-20 09:03:56)《改行有》

2.  プロゴルファー織部金次郎4 シャンク シャンク シャンク さて、前作あたりでだいぶバカっぽい風味が出てきていい感じになってきたのですが、この第4作でとうとう、本物のバカ映画になってしまい、そろそろシリーズも終わりが近そうな。これはこれでいいんですけどね、ただやっぱり、マンネリの良さと、マンネリを打ち破ろうとする意気込みとの、バランスの難しさ。 これまで冴えなかった主人公が、ついにトッププロにまで上り詰めて自分を見失う、という『ロッキー3』、とは違って成績が相変わらずの主人公ではありますが、こちらはCMに担ぎ出されて自分を見失う、という、いわば同工異曲。チャンピオンなら負けて落ち込むところだけど、常勝ならぬ常敗オリキンは負けたくらいでは落ち込み度合いが足りないもんで、彼には、もっとヒドく、もっとアホらしい設定が待ち受けている。いやはや、あまりにもあんまりな、欠陥ゴルフクラブ。いくらなんでもあんまりです。「バカバカしい」から「バカ」への垣根を、一歩越えてしまった・・・。 前作まで設定上ほぼ活かせていなかった主人公の娘2人にも、急にスポットを当ててみたりして、色々と工夫はしてるんですけどねー。工夫というのも、悪くするとネタ切れ感を感じさせたりもして。 「川」が出てくると、そこにはタイミングを見計らったかのように(いや当然見計らってるんでしょうが)船が現れる。そういった辺りは、こだわりも感じさせつつ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-07-14 05:41:08)《改行有》

3.  プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー オリキンシリーズ第3作。ナンセンス指数がいい感じに上がってきていて、いわゆる「ツッコミどころの多い作品」ってことになるんだと思いますが、それこそが作品の大胆さでもあり、楽しさでもある訳で。 仲間の下町連中がただオリキンを応援するばかりではなくって、例のゴルフ練習場がブラック企業と化し(金の無心ばかりするオリキンもブラック社員だけど)、アホらしくも危険極まりない仕事に追い込まれたオリキン、トーナメント前の大事な体であるにも関わらず転落事故を起こし、持病の腰痛を再発してしまう。メチャクチャな展開ですが、この腰痛エピソードはさらに複数のエピソードへの導入として最大限に活用されている(あと、ベーヤンの特別出演への導入にも)ので、文句を言ってはいけません。いや、文句は言ってもいいけど怒っちゃいけません。 転戦を繰り返すプロゴルファー映画らしく、冒頭から旅の情緒を感じさせます。通りかかった花嫁行列に笑顔を送る主人公、「結婚」という作品のサブテーマをここで暗示しているのかどうか。主人公が飛び乗ったバスの中で、若い女性プロゴルファーとの出会いがある。けれどこの二人はさすがに年が離れ過ぎで、恋愛には発展せず、父と娘みたいな関係ですかね。何となく武田鉄矢がエロそうに見えてしまい、何となく彼女を狙っているように見えてしまうのは、これはもうしょうがない。そういや1作目以来、「主人公の娘」というのが約2名、ストーリー上ほぼ活用されないまま登場し続けているけれど、あれ、何とかしてあげられないものなんでしょうか。 で、主人公が知り合ったこの女性プロゴルファー、の物語が、初勝利を目指す主人公の物語に絡めて描かれる。彼女の役を演じるのが新人の女優さん。この演技が正直、イタイ。きっと初々しさみたいなものを監督が求めすぎた結果、こんなコトになっちゃったんじゃないか、と想像しまてしまう。いったい監督は誰なんだよ、出てこい!と思ったら、そういや2作目からは武田鉄矢本人が監督してたんでしたっけ。とにかく、せっかく彼女もしっかり映画の中でゴルフの腕前を披露してくれたりしてるのに、演技指導にかなり難あり。。。 それを除けば、結構、楽しめます。財前直見は髪切りましたかね、性格も変わりましたかね。だいぶ暴走モード。オカマ枠は平田満からコロッケにバトンタッチし、オカマ演技をしていると時々、トシちゃんのモノマネをしているように見えてきたりもしつつ。というわけで、バカバカしい笑いあり、旅先の情緒あり。ラストのローカル線の駅なんかもいいですね、できればもうちょっと周囲の光景をカメラに入れてもらえたら、なお良し。 あと、同年の某作品と同じく、気になった点としては・・・まさか加山雄三、この程度の出演の仕方で、ギャラ受け取ったりしてないだろうな!ということですかね(友情出演、ってんだから、ノーギャラかな)[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-07-13 09:53:19)《改行有》

4.  プロゴルファー織部金次郎2 パーでいいんだ 主人公のオリキンこと織部金次郎、前作でプロゴルファーとしての生き様を取り戻すも、年齢からくる肉体の衰えに加え、腰痛を発症して思うように体が動かせず、また引退を考えるようになる。そこに、川谷拓三演じる初老のゴルファーが、長年の夢である初勝利を目指し、オリキンに弟子入りするサイドストーリーが絡みます。 って、いや、これは大変な事態ではないでしょうか。なにしろ、日清「どん兵衛」が、マルちゃん「赤いきつねと緑のたぬき」に弟子入りして軍門に下る訳ですから。いや、カップうどんについては東洋水産の方が歴史が長いので、これでいいんだっけ。 とかいうCMの話はどうでもよくって。 今作のオリキンは、劇中で何度か声を荒げるシーンもあり、感情の起伏が表に現れるようになってきました。1作目はやっぱり、異様だったと思います。狙いとしては「スポーツ人情喜劇」とでもいったところなんだろうけれど、ようやくコメディらしくなってきたな、と。喜怒哀楽があってこそ、喜劇も活きるというもの。 浅草が舞台ということで、1作目でも浅草近辺の光景を取り入れて下町風情のようなものを出していましたが、2作目でもそれは健在。さらに種子島にも舞台を移して、「ゴルフ」と「海」なんて一見関係無さそうだけど、しっかり融合させてみせる。 タイトルでは「パーでいいんだ」とか言ってますけど、パーでは勝てない訳で、人生ときには冒険が必要、攻めの姿勢が必要。好きならば、それができるし、やらなきゃいけないし、やってダメだったらそれもまた良し。ってなところですかね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-07-07 09:09:05)《改行有》

5.  プロゴルファー織部金次郎 《ネタバレ》 あの素晴らしかった刑事物語シリーズがなぜ、たった5作で終了し、なぜこんなよくわからないゴルファー映画のシリーズを始めてしまったのか。 と世の中の誰もが思っていたのなら、そもそも刑事物語が打ち切りになることも無い訳で、ま、そうは思われてなかった、ってことですね。 新シリーズ開始ということで(最初からシリーズ化が決定していたのかどうかは知らんけど)、この織部金次郎なる人物像を紐解きつつ、彼と周囲の人々との関係を描いていけば、これといって大きな事件など無くとも充分に映画になるんじゃないかと思うのですが(そもそも、人と人との出会い、というものが映画における「事件」なのだろうけれど)、意外に物語が「伸びない」という印象。 これは、この主人公が、縮こまった人物、として描かれていることとも関係しているのかも知れませぬ。あるいは武田鉄矢自身が縮こまってしまっているのか?  そういう、縮こまってしまったヒトの、再生の物語。プロゴルファーって言っても、それはあくまでプロ資格を持ってるというだけで、トーナメント出場だけでメシを食っていけるのはそのごく一部だけ、とはよく聞きますが、なるほど、大会に出るだけでは金は稼げないし、稼げない中では大会に出るだけでも負担が大きく大変、ってことですね。そんな生活してりゃ、家庭もギクシャクしてしまい。 その彼の、再生の過程、というのがもう一つピンと来ません。アマチュアにバカにされつつも勝っちゃったりするのは、実はスゴイ実力の持ち主、スーパーショットの持ち主、ということなんでしょうけれど、そうなるとなぜこれまで一勝もできなかったのかが、よくわからなくなってくる。あるいは、そんなヒトでも勝てないくらい厳しい世界と言うのなら、その中でどうやって彼の再生を、描くのか。 彼の娘、ってのも登場しますが、一瞬だけ。エピソードとしては弱いし。周囲に後押しされての再チャレンジ、ではますます弱い。 結局のところこれは、「この中で一番、笑顔がステキな大人って、だ~れ?」ってヤツなんですかね。チコちゃんじゃないけど(いや、チコちゃんだな)。ヒロインたる財前直見の笑顔よりも何よりも、あの大滝秀治の笑顔が、主人公を導く。この笑顔こそが、主人公のパワーの源泉。主人公の再生ってヤツ、きっかけは何でもよくって、要は、再生を成し遂げるためには大滝秀治の笑顔が必要である、ということ。 これは、説得力ある! なにせこの無類の笑顔。もはや妖怪(笑)。 プラス、武田鉄矢のあの(阿部寛が並ぶことによりさらに強調される)短躯から発せられる、あの少しはにかんだような、少し寂しそうな、笑顔。 このシリーズやってた頃だったか、武田鉄矢が何かのテレビ番組で、プロゴルファーの打つ球は気迫が違う、みたいな事を言ってた記憶がありますが、この作品でも、その「球の気迫」を伝えんとばかり、カメラが飛球の行方を追いかけます。武田鉄矢自身も、プロゴルファーの名を映画で汚さぬよう、見事なフォーム(かどうか、すみません私にはよくわからんのですが、多分)を披露し、カップインを決めてみせる。 その辺りは、さすが、妥協ナシ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-07-07 05:54:29)《改行有》

6.  風来坊探偵 岬を渡る黒い風 風来坊探偵シリーズ2作目にして最終作。こんなに面白いのに、どうしてたった2作で終わってしまったのか? まあ、内容、メチャクチャですからね。あと、60分ほどの小品にしては、コダワリ過ぎ、金かけ過ぎ、だったのでしょうか。冒頭からミニチュア特殊効果で嵐に揉まれる船の描写が、なかなかの迫力です。 で、その船の沈没事件の謎の解明依頼が、千葉真一演じる探偵・西園寺五郎のもとに持ち込まれる。よりによってこんないい加減なヤツに依頼しないでも、と思うのですが、この難事件を60分ほどに終わらせるには、彼の軽薄さと強引さが必要不可欠。軽妙な会話のやりとりが、物語をグイグイ引っ張っていきます。 現地に急行する彼の前に立ちふさがる、堀越海運なる悪辣グループ。そこには案の定、用心棒のような男がいて、これが案の定、曽根晴美。千葉真一演じる主人公もインパクトある眉毛でなかなか濃い顔立ちですが、ライバル格の方も顔の濃さでは全く負けていません。この男、一作目に出てたのと同一人物なのか、それともここは一作目とは別次元のパラレルワールドなのか、イマイチ不明。 敵対グループと戦うだけなら、主人公が軽薄なだけの「任侠指数ゼロの任侠モノ」になってしまいますが、そこは「探偵」を名乗るこのシリーズ。何やら怪しいヒゲ画家の存在など、謎が謎を呼ぶ展開、さらにはアクションも散りばめられて、この短い尺には到底収まり切れない高密度設計になっていますが、それをしっかりちゃっかりさばいてしまう、手際の良さ。 何かにつけゲラゲラ笑い、まるで危機に陥るのが楽しくてしょうがないような、若き日の千葉真一。まさに、この時この瞬間にしか、作れないような映画で、2作ぐらいで終わっておいて正解だったのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 08:38:56)(良:1票) 《改行有》

7.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 園子温監督とニコラス・ケイジ、禁断のコラボ。いわゆる「まぜるな危険」ってヤツですか。トイレ洗剤とかによく書いてますね。ははは。しかしアレ、そんなネガティブな書き方しなくても、「まぜなきゃ安全」とかでいいのでは、とか思っちゃうんですけどね。 とは言え、過去には事故もありましたから、PL法のもと、消費者の安全配慮、ということで。 では園子温とニコラス・ケイジを混ぜると果たして大変なことが起こるのかどうか、有害ガスでも発生するのかどうか、PL法にひっかかるのかどうか、ということなんですが、、、意外や意外、事前に想像したほどには、メチャクチャなことにはなっておらず。 いや、この内容で「事前に想像したほどではない」って、一体どこまでブッ飛んだなものを想像してたんだ、という話ではあるのですが、でも多分、皆さん同じ意見ではないでしょうか。 支配者側と被支配者側、2つの町を舞台に、アウトロー風のヒーロー(←役名もそのまんま)が活躍する近未来SFのノリ。その舞台となる街が、遊郭風の佇まい、未来と過去が入り混じったデタラメ世界。まさにこれ、「間違ったニッポン」そのもの、ではあるけれど、どうせ架空の町なんだし、何でもアリと言えば何でもアリ。せっかく日本人の監督がハリウッド映画を撮るんだから、他の監督では撮れないものを撮ってやろう、っちゅう事なんですかね。それなりにデタラメでありつつ、それなりにちゃんと風情もあって。この風情というのが遊郭のソレなのか、キャバクラのソレなのかはさておき。 アメリカ側で準備されたのであろう脚本を、監督がどの程度変更したのかあるいはしなかったのか、わかりませんが、この映画の物語にも「共同体」というものへの関心、みたいなものが感じられて、らしいと言えば、らしい。しかしそこにダークヒーローが一匹、紛れ込むもんだから、それなりに妙なオハナシにはなるのですが、かつて銀行強盗の際に遭遇した少年のことが心に引っかかり続けている、という優しさも、そこには盛り込まれて。 もうひとつの町「ゴーストタウン」が、大がかりなオープンセットを組んでいるとは言え、いかにもその辺の空き地で撮影しました、っぽい感じがしてしまって安っぽく見えるのが残念でしたが(撮り方、見せ方で、何とかならんかったもんか・・・)、にもかかわらずラストのカタストロフは、意外に見応えがあったり。 さて。園カントクの次のハリウッドは、あるのでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-12 17:46:25)《改行有》

8.  Fukushima 50 原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。当時の経緯を詳しく知りたいのであれば原作を読んだ方がいいだろうし(読みやすく書かれてるしね)、より冷静かつ俯瞰的に知りたければ、船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』を読むのもよいでしょうし、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班の『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』などは、誰が良いの悪いのというのとは別として、事故の経緯に対する印象を一変させるかもしれません。あるいは別角度の視点として、高嶋哲夫の『福島第二原発の奇蹟』とか。 とは言っても、この『Fukushima 50』という映画は、原作本の内容をただ映像に置き換えて再現してみました、という訳ではなく、やはり、映画ならではの訴えるパワーをもった新たな作品として、しかしあくまで実話に沿ったノンフィクションとして、作られたものなんでしょう。 であれば、ウソを織り交ぜろとは言わないけれども、何かもう少し、「事実の再現」以外に、映画らしい演出があってもバチは当たらない気がするんですけどね。悲惨で絶望的な光景ばかりではなく、そういった光景に囲まれる中でふと目を上げれば、そこにはかつての美しい空があったり、自由に宙を舞う鳥がいたり。ってのはさすがにベタかもしれませんけれど、要は、対比、ですよね。 主人公の描き方も実にストレート。原作通りっちゃあ、原作通り。確かに、本店なり首相なりの(やや誇張された)愚かしい姿との対比はあるかもしれないけれど、ここには想定内の、我々の期待に完全に応えてくれるヒーローらしいヒーロー像しかない。同じ渡辺謙がかつて『硫黄島からの手紙』で演じた栗林中将が、我々の期待をはぐらかすようにいまいちヒーローらしからぬ人物、しかし(あるいは、だからこそ)印象的な人物として描かれていたことを、ふと思い出します。 この題材を、このタイミングで映画化して、それだけでも何かと難しい面が多々あるだろうけれど、その結果、こういう作品として仕上がって、ご苦労様なのですが、つい、「無難な冒険」、と呼びたくなってしまうのです。[地上波(邦画)] 4点(2022-10-23 18:08:29)(良:2票) 《改行有》

9.  風来坊探偵 赤い谷の惨劇 冒頭にニュー東映のマーク。ギザ付き10円玉を見つけた時のような微妙な嬉しさがありますね。 深作欣二の初監督作品、ということですが、後の実録路線などで見られるような手持ちカメラによる暴力描写はまだ見られません。まあ、サブタイトルが多少おどろおどろしいとは言え、基本はコミカル路線の作品ですしね。その代わり、俳優の細かい所作でもって、カットをどう繋ぐか、あれこれと工夫を凝らしたりして、才気はしっかり感じさせます。実際に雪山でロケしてるのも作品の雰囲気をしっかり出してるし、墜落したセスナ機を実物大で山の斜面に再現しているのには、ちょっと驚かされます。本物らしきセスナ機が登場するシーンもありますが、まさかこんな場所に着陸させて撮影したの?と、これもビックリ。 主演は千葉真一、こちらも初主演ですが、いやはや若い。もともと声にはそんなに貫録が無い人ではありますが、この頃はさらに甲高くて頼りないですね。しかし動きはさすがに機敏、殴り合いのアクションをキビキビと展開します。 一見風来坊の彼の正体は、セスナ機墜落事故の真相を追う私立探偵、だそうですが、そんな簡単に自分が探偵だと身分を明かしたり、依頼主についてしゃべっちゃったりして、よかったんでしょうか。よくは無いでしょうが、要はそういう、軽いノリ。ライバルとのやり取りのセリフも実にクサくって、まさにこれぞ、千葉真一。 これでもかと展開される銃撃戦、さらにはダイナマイトまで使用して、ド派手にブチかましてくれます。1時間ほどのいわゆる「B級」な映画ならではの、痛快かつデタラメな作品に仕上がってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-23 12:28:47)(良:1票) 《改行有》

10.  不良少女 魔子 《ネタバレ》 小野寺昭が若いですねー。でもあまり変わりませんねー。特にあの独特の、張りのない声が。 さて本作、暴力・犯罪に明け暮れる破滅的で無軌道な若者たちの群像劇、といいたいところですが、もう一つ、不良指数が上がらない。まあ、結構ワルい事はしてて、お陰で敵対組織とのイザコサに発展するにはするのですが、結局のところ、主人公たる不良少女・魔子、ってのが、意外に古風な女性なんですね。だから、どちらかというと、湿っぽい方向に物語は進んでいきます。誰のせいかって? それはもちろん、小野寺昭。 魔子が兄の藤竜也を刺してしまうまでの一連のやりとりを描く場面は、なかなかでした。他はイマイチ。[インターネット(邦画)] 5点(2022-06-14 22:26:44)《改行有》

11.  ブンガワンソロ 戦時中の何処やら、南の国を舞台にしたホームドラマ。といった感じで映画は始まります。現地人の役を演じてるのは日本人の役者さんなんですが、セリフは全部、現地語(だと思うけど、全くのデタラメ語だったりして)。字幕が入ります。ところどころ、背景が明るすぎて文字が読みづらくなるのが残念。とは言え、昔の映画の字幕ではこういうこと、時々ありましたよね。 で、そこに、道に迷ったという三人の日本兵が現れます。最初は何となくギクシャクしたところもあったけど、やがて日本兵の一人と、現地人の娘とが、いい雰囲気になってくる。しかしその幸せも長くは続かず、三人がその家に隠れていることが、他の日本兵にバレてしまう、というオハナシ。 戦後まだ6年という段階で、早くもこういう形で(多少なりとも夢を滲ませた形で)映画が作られてる、ということに、ハッとさせられます。現地ロケ、と言うわけにもなかなかいかないと思うんですけど、南国っぽさはとてもよく出てます。南国っぽく無いシーンも、無いわけでは無いですが・・・。 それより、クライマックスの追跡劇。何でしょう、これは。逃げる馬車、それを馬で追いながら発砲する兵士。そのスピード感。このシーンだけ見せられたら、誰だって西部劇の一部だと勘違いするのでは。なかなか気合いの入ったシーンでした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-31 22:33:00)《改行有》

12.  不能犯 松坂桃李が死神みたいな訳で、依頼を受けては超自然的な手段で人を殺していく、その繰り返し。だもんで、オムニバスとまでは言わないものの、細切れの印象で、内容的にちょっと弱い。 さらにそこに、爆弾事件が強引に重なって、カオス状態。だいぶ無茶な構成だけど、悪くはないです。 とりあえず、松坂桃李の貧乏臭くもワルそうな感じが、雰囲気出してます。 沢尻エリカは、コレ、どうなんでしょうね。ははは・・・。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-14 22:26:17)《改行有》

13.  武士道残酷物語 《ネタバレ》 男色の殿様に弄ばれた揚げ句にチ●ポをチョン切られる話が「武士道」なのかどうなのか、よくわからんけど、何となくタイトルとしてはカッコいいので、OKでしょう。まあ要するに、封建制の不条理が子々孫々7代にわたって現代にまで繋がっている、というオハナシ。 各時代の主人公を同一人物が演じることで、手塚治虫の火の鳥方式というか、バック・トゥ・ザ・フューチャー方式というか、そういう輪廻や業のようなものを感じさせます(?)。 正直、オムニバス形式というもの自体に、つまみ食い的な弱点があると思うのですが、この作品、人間関係というものを描くのに7話構成というのはさすがに細切れの印象で、オムニバスの弱点が幾分、露呈してしまっているように思われます。消化不良気味のエピソードもあって。 もちろん、この「理不尽の連打」みたいなものに作品の狙いがあるのでしょうけど。あの手この手で苦しめられるご先祖様たち。いささかネガティブな要素ばかりを抽出し過ぎじゃないのかい、というツッコミはさて置き、封建時代ってホント理不尽だよねえ、と思ってたら、現代でも同じようなことが行われていて、負の連鎖は子孫のためにも断ち切らにゃいかんよなあ、と。 あと、妙な日記を残すと、子孫に色々と心配をかけちゃう、ということですね! とりあえず、錦之助はこの作品でいい仕事してると思いますが、それ以上に、各時代の憎まれ役を演じた皆さんが、ナイスでした。[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-13 07:48:29)《改行有》

14.  不良姐御伝 猪の鹿お蝶 という訳でこの作品。池玲子姐さんとクリスチーナ・リンドバーグ、まさに和ピンと洋ピン二大巨頭そろい踏み、といったところですね(スウェーデン人なのでホントはリンドベルイとでも読むのでしょうか)。 ほぼポルノ路線に近い作品なので、脱ぐシーンが多いですけれども、二人とも単なる脱ぎ要員ではなく、ヌードや濡れ場が作品の中で絶妙なスパイスになってます。そして時には、ハダカがそのまま凶器ともなり得て、お色気と殺気とが目まぐるしく入れ替わる。 見所の一つが、池玲子姐さん演じる猪の鹿お蝶がマッパのままで迫り来る刺客どもをメッタ斬りにする、凄まじい殺陣のシーン。スローモーションの中、姐さんの裸体が舞い、血しぶきが噴き上がる。映画の神が降臨した瞬間、と言わせてもらって、いいですか? 勿論お色気とバイオレンスばかりではなく、主演二人がポーカーで勝負するシーンの緊迫感なども、ゾクゾクさせるものがあって見逃せません。 こういう驚くべき作品が、プログラムピクチャーの一本として当たり前の様に生み出されていく不思議。[インターネット(邦画)] 9点(2021-11-07 13:35:15)(良:1票) 《改行有》

15.  不良番長 猪の鹿お蝶 《ネタバレ》 不良番長シリーズ第2作。サブタイトルを見ると、かの大傑作『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』の派生企画みたいですけれども、製作されたのはコチラの方が先。というのが、映画というものの不思議なところ。 コチラの作品で先にスクリーンデビューした「猪の鹿お蝶」さん、これがまた、大して活躍しないんです。 何しろ、この作品では不良番長こと梅宮辰夫の仲間として、千葉真一に菅原文太まで登場。豪華そろい踏みで、猪の鹿お蝶さんが活躍するまでもなく気分は盛り上がり、彼女の役どころはせいぜい、賭場のイカサマ見破り要員らといったところ。 千葉チャンか文太さんか、どちらかは敵役に回った方が、さらに盛り上がったんじゃないの?と思えてしまうくらい、敵役側がイマイチなんですが、そんなキャスティングの妙などをこのデタラメな不良番長シリーズに望むのがそもそも野暮というもの。 クライマックスはヤケクソのようにマシンガンをぶっ放し、これでもかと人が死んでいき、いやあ、ヤケクソってイイよなあ、と改めて思う次第。[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-06 23:08:58)《改行有》

16.  武闘拳 猛虎激殺! 《ネタバレ》 70年代らしいコケオドシ感あふれる作品であります。必殺技の名前やら、キャラ立ちしまくった敵役の面々の名前やらが、いちいちテロップで表示されて、実にアホらしいけど、見てて何だか気分が盛り上がってくる、ような気もする。 やってることは殆ど『女必殺拳』あたりと変わらなくて(監督は同じ山口和彦)、でもコチラの主演は、我らが倉田保昭兄さん。また一足違う楽しみが。 とは言っても、主人公が崖から転落するシーンはやっぱり露骨にダミー人形。後の映画で無茶な飛び降りシーンをやって見せた真田サンの凄さがよく判ります。 だけどこの作品の倉田兄さんだってもちろん凄い。タイトルにもある通り、ホンモノの虎との激闘が。いや、本当に激闘なんかやったらひとたまりも無い訳で、どうみても虎は100%の本気モードではないけれど、と言って本気度0%と言うことも無く、20%か30%ぐらいの本気度がありそうな微妙な感じが、見てて心配になってくるところ。虎の20%30%でも普通ならひとたまりも無いですよ。 例によって例のごとく、敵の巣窟ではアヤシい格闘の達人どもがアヤシい武器を手に特訓を繰り広げ、それを横目に敵の首領が悠然と食事をしている、という、嬉しくなるほど潤いの無い世界。そこに足を踏み入れ戦いを挑む主人公。この敵の巣窟というのが実に立派な鉄筋コンクリート製の天守閣で、一体どこでロケしたんだろう、と気になって調べてみたら、熱海城なんだそうな。驚くのは、ラストで城が何と、炎上してしまう。いや、ホントに炎上しまくってるシーンは別途、セットで撮影したんだろうけど、なかなか巧みな演出なもんで、ちょっと驚いてしまいます。虎と戦った後で敵のラスボス戦ってもイマイチ盛り上がらないのですが、炎上シーンで見事に締めくくってくれました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-11-05 22:21:07)《改行有》

17.  不良番長 近年、昭和がイカしてた時代であるかのように吹聴され、それも80年代のバブルこそがイカした昭和だ、みたいな風潮があるけれど、いえいえ、本当にイカしていて本当にブッ壊れてたのは、70年代だと思います。その壊れ具合がよくわかる一例がこの、東映一のシリーズ作品数を誇る『不良番長』。製作はまだ1968年ですから、実は60年代末期からすでに、ブッ壊れ始めてたんですねえ。 不良番長こと神坂弘を演じるは、もちろん梅宮辰夫。どう見たって、不良にも番長にも見えないんですけどね。スーツ着てたりなんかすると、会社の重役みたいにすら見えてくる、妙な貫録が。 その彼がチンピラどもを引き連れて、まー、ロクなコトをしません。いきなりのアベック襲撃に始まり、やりたい放題のオンパレード、悪辣の限り。しかしカメラが回っているからこの程度なのであって、カメラの無いところではこの出演者たち、何をやってたのか想像もつかぬ・・・という、映画の存在自体が不良の極みみたいな、悪い意味で「伝説のシリーズ」となっちゃってます。 で、この不良軍団が、ヤクザの抗争に参入し、クライマックスでは単車をブッ飛ばし、トラックで突入し、しまいにゃマシンガンを乱射。一体どうしてこんなコトになってしまったのか。それはひとえに映画自体が「不良だから」。これぞアナーキズムの極致、ナンセンスの極致。こんなのホメようがない、という最上のホメ言葉を贈るしかありません。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-10 17:47:37)《改行有》

18.  FULL METAL 極道<OV> うじきクン演じる心優しきダメやくざが騙し討ちにあって、兄貴分と一緒に射殺されてしまうが、無敵の改造人間として蘇るオハナシ。ビデオ作品と言うことで、開き直ったようなチープさが溢れてますが、それを逆手に取ったように、残酷描写やエロ描写はかなりエスカレートしていて、苦笑交じりの笑いを呼びます。とりあえず、良い子は見ない方がいいかも。 なぜ彼が蘇らせられたのかは、殆どマトモな理由など無いも同然なのですが、蘇った以上は、自分たちをハメた連中に復讐しなければならぬ。しかも彼の体には、アニキの心臓、刺青、そして○○○が移植されていて。 その破壊的なパワーを駆使したバトルも見どころですが、彼を取り巻く人々との間に紡がれる物語が、終盤、映画をさらに加速させます。 バカバカしい作品ですが、バトルの見せ方にも工夫が凝らされていて(ドラム缶を一刀両断!)、こりゃなかなかのもんです。 でも良い子は見ないように。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-05 18:43:05)《改行有》

19.  不連続殺人事件 高木彬光がなぜ「能面殺人事件」で探偵作家クラブ賞を受賞したかというと、前年は傑作「刺青殺人事件」が、運悪く、文豪が発表した長編ミステリとタイミングが重なっちゃったからで。そりゃ新進作家にはチャンスのあろうハズもなく。それがこの、坂口安吾の「不連続殺人事件」。 しかし、私も自分の本棚をたまに見返すと、乱読したミステリの中にはトリックも犯人も思い出せないものがあったりして、情けない思いをしたりもするのですが、そんな中で、「不連続~」は、真相がかなり鮮明に印象に残っている作品です。多分それは、フーダニットとしてよく出来ているからというよりも、探偵役である巨勢博士が終盤に犯人を指摘するくだりのユニークさ、ゆえの印象であるような気がします。 そういう意味では、推理小説の真髄はしばしば、「探偵が最後に犯人の“名前”を告げる」という点にあって、文字で書かれる小説という媒体ではそれが有効である一方、映画では視覚が中心となって、登場人物の名前というものが付随的なものに過ぎない、というのが、ミステリの映画化の難しいところの一つ、であるように思えます。 実際、真相解明の部分における印象の強さというものはどうしても、この映画化作品よりも原作小説の方に、軍配が上がってしまいます。 しかしこの「不連続~」という作品。やたらと登場人物が出てきて、誰がどういう人かを読みながら把握していくよりも、殺人事件が発生して人数が減っていくスピードの方が早くって、あれよあれよと言う間に・・・という、ちょっと風変わりな作品でもあるのですが、映画監督にしてみれば、こういう作品を作るのって、結構、大変だけど楽しいんじゃなかろうか。登場人物多いので俳優多数起用し、豪華なセットに彼らをズラリと並ばせる。カメラは常に引き気味で、なんだか常時、妙に画面内の人口密度が高い。その画面の中で、台詞のある人ない人それぞれがうごめき続ける。 もうちょっと真相につながる手掛かり、というか伏線をうまく仕込んでもよかったんじゃないか、とは思うけど(その点は原作の方が上手い)、原作のカオスな部分をひたすら強調した点が、この映画の持ち味、と言えましょうか。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-15 19:47:02)(良:1票) 《改行有》

20.  文学賞殺人事件 大いなる助走 俗物たちがわんさか登場し醜態を見せつける筒井康隆ワールドに、御大ご本人も登場し、日ごろの憤懣をぶちまけるその姿は、とても演技と思えませぬ。 文学界の裏側をここまで戯画化して茶化しちゃうと、んなアホな、と誰もが真に受けずに苦笑しながら受け流すところですが、でも実はこれが実態だったりして。 佐藤浩市が得意の土下座をカマすと、その場にいる全員が慌てて土下座を始める、なんてのは、実社会の欺瞞をあぶり出すような、なかなか辛辣で秀逸な画ヅラでした。 結局はどうしようもないオハナシですが、ヘンな哀愁みたいなのもあって、最後まで引っ張られます。 ところで作中、何度も、所謂「第九」が劇伴として流れるのですが、最後のクレジットを見てると、作曲者名が「ヴェートーベン」となっておりました。 誰だよ(笑)。[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-03 12:25:48)(良:1票) 《改行有》

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