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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 稀人(まれびと) 《ネタバレ》 「呪怨」とは違う方向性を目指したいのかも知れないが、ホラーとして実に中途半端な作品。「恐怖とは何か」というテーマに囚われ過ぎて、自家中毒を起こしているように思われる。 とにかく恐怖演出を含め、作品全体の方向性が不明瞭で、結局、何がメインに見せたいのか、最後まで伝えきれずに終わっている。原案が監督とは違うようなので何とも言えない部分もあるけど、アイデアが具体的な形になっていないのに作り始めて、そのまま何とな~く惰性で最後まで行ってしまったような印象を受ける。 内的な恐怖と外的な恐怖が混然となっている事に加え、主観視点と客観視点が混在しまくる妙なカメラアングルのおかげで、余計に作品としてのまとまりが感じられない。謎もはっきりしないまま放置されているものが多いし、登場人物にベラベラと陳腐で説明臭いセリフを喋らせ過ぎているのも難点。 それにしても、この監督さんも、有名になるのとは反比例するかのように、OV版「呪怨」→劇場版「呪怨」→「稀人」と、ホラー映画としての質が目に見えて低下している。 始めからホラー監督としての才能は無かったのではないかと疑ってしまうくらいの凋落ぶり。ギャグ漫画家が辿るように、ホラーというひとつのジャンルの表現にばかり気を取られ過ぎて、「何が怖いのか」とか、「お客が何を望んでいるか」という常識の柱を見失っているように思う。 もっと単純に「カメラを通した冷めた視点」で都市伝説を追っていくという見せ方にした方がまとまりもあるし、よほど恐怖の本質に迫れると思うけどなあ。 一度、ホラーというジャンルや商業主義的発想から離れて、表現者として何がやりたいのかという原点を見つめ直して欲しいところ。[DVD(邦画)] 2点(2005-09-02 21:26:24)《改行有》 2. MONDAY 《ネタバレ》 うーん、「ポストマンブルース」で感動したので、これにも期待したけど、一作だけで少し監督を過大評価し過ぎたかも。 「平凡なサラリーマンが、ふとしたきっかけからトンデモない事態に巻き込まれていく」という基本設定は「ポストマン~」に似ているものの、そこから「複数の人間ドラマ」と「テンポの良さ」を除いてしまったような内容。 前半の軽いノリが、後半に行くに従ってシリアスな様相を呈していく演出の仕方も相変わらずだが、今回の「酒に酔った勢いで人を銃殺していく」という設定にちょっと感情移入が出来ない。メイン登場人物も主人公ひとりだけだし、記憶喪失の謎も、単に酒の飲み過ぎだったというだけでは、さすがに無理がある。 思い出される記憶も、葬式のシーンでの「ペースメーカーの解体」とか、喫茶店での自己中な恋人との「ダラダラした会話」とか、ストーリー展開とほとんど関係の無いシーンばかりで、わざわざ時間稼ぎをしている意味が分からない。ギャグとして見ても笑えないし、おまけにテンポも悪いため、何度も早送りをしてしまった。観客の立場に立った脚本作りが出来ていないように思う。 ラストまでの展開も「ポストマン」に比べ、スピード感や盛り上がりが無く、一端、大団円で終わるかと見せかけて、またそれを覆して血生臭くしたり、夢オチみたいなオチにする必然性にも欠けている。 色々な要素をごちゃ混ぜにするという演出法はインパクトを出しやすい反面、やり過ぎると作品として何が言いたいのか分からなくなるし、観客が置いてきぼりになるので、要注意ですよ、監督さん。[ビデオ(吹替)] 4点(2004-06-11 18:13:45)《改行有》 3. マジンガーZ対デビルマン ファンとしては、こんな夢の共演が見られるだけでも感涙ものですが、皆さんの言う通り、デビルマン側(敵含む)が弱すぎるのが残念。もう少し、お互いの弱点を補佐し合う形で戦って欲しかったですね。6点(2004-01-12 18:35:42)(良:1票) 4. 魔界転生(2003) <原作未読。旧作未見。今作のみの評価>。見ている間、よくここまでつまらない映画が作れるものだと感心しきり。あまりの低レベルな内容に早送りでも見るのが辛かった。安っぽく幼稚なストーリー。演出センスの無さ。たるい展開。妖艶な魅力の欠片も感じられない天草。迫力の無い戦闘シーン。手抜きとしか思えないカメラワーク(いつもほとんど目線の高さ&同じ距離からの撮影なんて、映画をなめてないか?そのくせ、無意味なところでいきなり遠景になるという意味不明なカメラワーク)。特に、戦闘シーンのつまらなさ、演出センスの無さは呆れるほど。魔人として転生したくせに、戦闘能力も見た目も普通の人間とほとんど変わってないなんて、あり得ない。腕を切り落とされたら、意に介さず、その腕を拾ってくっつけてくれよ!魔人でしょ!?とにかく魔性の者としての迫力や凄絶さ、人間性を捨てる悲しみなど、描かれてしかるべきものが、な~んにも無い。監督さん、まず「ベルセルク」でも読んで勉強してくれ。頼むから。 0点(2003-12-28 14:09:11) 5. 魔女の宅急便(1989) 《ネタバレ》 この頃の宮崎アニメには「世界」がある。空気感と言うか、広がりと言うか、単に画が綺麗なだけじゃなく、「こんな世界があったら良いなあ」と思わせる力があった最後の作品。良くも悪くも作品としての緊張感は薄いが、不思議と作品世界に没入してしまう。ユーミンの音楽との相性もバッチリ。 ただ、この作品をして「少女の自立の物語だ」などと評価して欲しくはない。出てくる人たちが余りにも善人だらけで、展開がご都合主義のオンパレード。意図的なものだと思うが、現実世界の厳しさや醜さはほとんど描かれていない。本当の意味でのキキの成長物語はエンディング以降のはずだが、作品として中途半端なところで終わっているのが残念。[映画館(字幕)] 9点(2003-09-05 11:32:51)《改行有》
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