|
1. マイ・バック・ページ
良い映画。
あの時代を実体験しているわけではないが、はっきりと時代が感じられる。
敗戦しそれでも10数年で高度成長期、オリンピックが開催され、新しい文化がはびこる、若者はパワーをぶつける場所を求め体制や権力などという明確でないものに無駄な力を行使する、それをやり過ごした者たちが大人となり今の日本の形を作った、バブルが来て崩壊し、そしてその大人達は今、多くを語らない。
戦後の日本にとって完全にひとつの時代を作った世代、善し悪しはともかく大事な通過儀礼だったのではないか、その後の日本は緩やかに衰退するばかりだ。
今と違い選ばれたものが大学へ行ける時代、その優秀な人たちが起こした顛末には国の成長という意味で重要であり深く感銘を受ける。
妻夫木、松山の演技もさることながら、周りの役者の自然さにも唸るばかり、特に妻夫木の先輩の人、とてもいい感じ。
時代を乗り越えたとして、最後に妻夫木が流した涙の意味は深い。[映画館(邦画)] 8点(2011-06-02 10:13:27)《改行有》
2. マルサの女2
昔、映画館、このたび再鑑賞。
当時伊丹十三がテーマにしていた人間の欲に対する映像表現が枯れて行く様子がはっきり見える「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」と立て続けに食、性、金欲のありようをテンポ良く描いてきたが、ここに来て著しくスローダウン(これ以降の作品を観ていないので大きな事は言えないが)映画という物に押しつぶされているかのようだ。
映画ならではのエグさが売りだったと思うがこの作品では、手荷物係オヤジの顔アザとソープの金運び女の足の不自由さぐらいしか印象に残らない。ストーリーに不満は全く無いがエンターテイメントにこだわりすぎたのかもしれない、役者の演技力に頼りすぎ監督の持ち味が薄れたのは残念だ。
それでも2010年現在、これだけのテンポでぐいぐい引っ張って見せる邦画にほとんどお目にかかれない、偉大な才能の損失です。[DVD(邦画)] 6点(2010-03-08 09:55:08)《改行有》
3. マルサの女
面白い!
昔、何度も観たが久しぶりにじっくり鑑賞、主役以外にもそれぞれ見せ場があって盛り沢山、飽きずに見せる手法はさすが。日本のエンターテイメント映画としては相当上位に位置している。
今観ると、最初の国会議事堂のCGや、途中でアフレコが合ってない所など少しアラが見えるが、それでも十分堪能できる。
喜んで税金を納めたくなるような世の中になればいいけど、司る国会議員が脱税に精を出してる今の日本じゃ望むべくもなしと・・・[DVD(邦画)] 7点(2010-02-19 10:18:24)《改行有》
|