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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 港祭りに来た男 マキノ雅弘の映画は、いつも「にじんで」いる。笑いがにじんでいる。涙がにじんでいる。情感がにじんでいる。諦観がにじんでいる。まごころがにじんでいる。優しさがにじんでいる。人の強さが、弱さがにじんでいる。日本らしい風景がにじんでいる。…それは、外国人がオズやミゾグチの映画に見出す「日本」とはちがう、はるか昔から連綿と受け継がれてきた「日本(人)そのもの」がそこにあるのだ、と言っていいだろうか。オズやミゾグチは確かに“汎世界的(!)”に偉大だろう。けれど、マキノは何より“日本のこころ”そのものとして、真に偉大な存在なのだと思う。…たとえば、この映画だ。藩主に愛する女性を奪われた漁師が、彼女を取り戻そうと、居合い抜きの達人となってふたたび故郷に戻ってくる。しかし待っているのは、愛する者たちの「死」でしかなかった…という笠原和夫の脚本は、まるで西洋の騎士道ロマンスもののように直線的な「悲劇性」に貫かれている(同じく彼の脚本作『総長賭博』が、まさしくそうだったように)。しかし、この映画を見る者は、そこに荘重な劇的展開ではなく、祭りの囃子の物悲しい調べや唄声を、主人公たちの伏し目がちな所作を、牽牛と織女のように(題名の「港祭り」とは七夕祭りのことだ)主人公たちはあの世で結ばれたのだと自分に言い聞かせるかのような“なぐさめ”を見て、感じて、ただ涙するばかりだろう。…こういう映画を前にすると、本当に素晴らしい作品は、才能でも技術でもなく、作り手と観客との〈間〉で成立する「魂の共鳴作用」ゆえに成立するのだと、ぼくなどは確信する次第です。ビデオがあるかどうかは知らないけれど、テレビででも放映することがあるならぜひご覧になってください。もちろん、他のすべての「マキノ作品」も同様に。10点(2004-04-06 21:16:42)(良:1票) 2. 水の中の八月 90年代に商業映画の世界に復帰した石井聰互監督の、今のところぼくが最も好きな映画。J・G・バラ-ド的な終末感に彩られながら、ひとりの少女が世界を救うという『ナウシカ』的ストーリーは、驚くほど美しいイメージの連続で陶然とさせてくれます。日本映画でここまで美しい映像を見せてくれるのは、間違いなく石井作品だけだ。9点(2003-07-14 18:31:10) 3. 水のないプール クロロホルムで眠らせた女性を犯した後、気づかずに眠り続ける彼女のために食事の用意したりする男。笑いながらも、妙に切なくなりました。犯罪的ではあるけれど、こんな愛のカタチがあってもいいじゃないか…と言う現代の「オトナのおとぎ話」でありました。内田裕也は、ほんと日本のセルジュ・ゲンズブールですなあ。8点(2003-11-25 17:10:47) 4. ミスター・ルーキー 今年(2003年)の今頃に公開していれば、もっと話題になってヒットしたろうにね。残念でした。結構期待したんだけど、ドラマ部分の作りが散漫で、「こんなもんかあ」とガッカリ。せっかく長島一茂が意外な好演を見せているんだから、会社の人間関係や家庭内のあれこれを、『釣りバカ日誌』シリーズくらいにはていねいに描いてほしかった。所詮これじゃ、阪神タイガースファンご用達映画にしかすぎないよね。ちなみに小生は南海(現ダイエ-)ホークスのファンです。誰か『あぶさん』を映画化しちくりー!5点(2003-06-06 15:26:14)
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