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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. 乱れる
《ネタバレ》 この映画は「君と別れて」を思い出す。あの映画の水窪澄子のような眼差し、表情をする高峰秀子。二人の男女の距離と目的地への距離を縮めながら進む列車、それを支え道となる橋。
特に終盤、列車で徐々に距離を縮めていくシークエンスはドキドキさせられる。列車は絶えず動き続けるし、止まる駅でも乗客の乗り降りで運動は続く。
最初は他の客がいて弟が立ち続け、次第に背中越しに、やがて向かい合う。姉の横で転寝中のオジサンにヤキモチめいた気持ちを覗かせるのが面白い。
物語は軽トラックがスーパーの宣伝を高らかにする場面から始まる。新しい時代を象徴するスーパーの波、戦後のバラックから店を守り過去の亡霊に魂を繋がれたかのような人間たち。特に義姉のヒロインを演じる高峰秀子は。
義弟の加山雄三も出前のソバを食べても帰れば姉の手料理を食べたくなる。本当に食べたいもの、欲しいものはそれなのだから。
この頃からパチンコや麻雀だけで生計たてちゃう奴がいるのね。それすら出来なくなった人間は家族を残して簡単に首をくくってしまう。
冒頭で何かを心配そうに見つめていた義姉は、そんな義弟が無事に帰って来るのを毎日待ち続けているのだ。ちょっとくたびれた表情も見せる義姉。
義弟はそんな彼女を尻目に毎晩遊んだり警察の世話になっている。
後の若大将も劇中では筋金入りのニートな馬鹿大将。そんな男が、いつしか愛する義姉のため自分なりに働き始める。義弟を動かすのは家族を想う愛だけでなく、元々血の繋がらない“異性”に対する愛も強い。義姉も弟としてでなく、いつしか異性の“男”として心を許すべきかと悩みはじめる。前の夫の面影が、そんな彼女に中々ふんぎりを付けさせてくれない。
わざわざ寺に呼んでおいて「明日」などと言って焦らす。それを言うためだけに待ちつ待たせての寺での会話。
あれだけ焦らしておいて二人きりの旅館では「ああやっぱり」的な。霧の中を走る列車から、あえて時間のかかるバスや宿での宿泊を選んでおいてだ。
でも、その理由は弟が姉の本名ではなく最後まで“姉さん”と呼び続けたからでもあるのだろう。もし弟が姉を名前で呼び、彼女を本当に“女”として受け入れていたのなら・・・そんな事も考えてしまう。
諦める心、最後の電話、失って初めて“愛していた”と思い知らされる後悔。女はようやく愛しはじめた男を探しに駆けていく。身も心も、髪も乱して。[DVD(邦画)] 9点(2014-10-11 01:52:11)《改行有》
2. 宮本武蔵 一乗寺の決斗
この「武蔵」だけは稲垣浩に譲れない。
内田吐夢の「宮本武蔵」は眼が血走るような殺気と色合いに満ちている。
たった1人で吉岡一門総勢73人と戦う状況に追い込まれる武蔵。
でしゃばる小次郎など引っかかる演出も多いが、武蔵の凄まじい殺陣を見ればそんなものはどうでも良くなる。
一人、また一人吉岡一門を斬っていき、やがてラストの壮絶な決闘へと戦いはエスカレートしていく。
万全の体制を期す一門だが、既に武蔵は山ので待ち伏せ、一門打倒の策を練り上げる。
策といっても、武蔵も生きるか死ぬかの命懸けの策。
武蔵の策は常に死中に活あるのみ・・・!
名乗り挙げるやいなや猛スピードで一門に斬りかかる迫力!
戦に卑怯もクソもあるか、戦場にいるなら問答無用で斬り捨てるのみ!
泥まみれの死闘は圧巻だ。[DVD(字幕)] 9点(2014-04-02 00:46:14)《改行有》
3. みかへりの塔
《ネタバレ》 凄い映画だった。
ストーリーは問題を起こした“子供”なら小学生だろうと大人だろうと送られ集団生活をさせられる学園の話。
浮浪や盗み、怠け者など問題児を一緒に生活させて更生していこうというものだ。
映画は1941年と戦争も近い筈だが、非国民がどうとか戦争のプロパガンダとかそんな要素は微塵も感じられない。
集団で社会的な学習をさせ、子供たちに自分の長所や短所を見極めさせるなど興味深い。
つうか「寝ショウベンの統計」って(笑)
教員も擬似的な父親・母親となって家族のように教えていく。
仕事が忙しいので託児所の代わりにする親も入れば、自分の不始末を人任せにしようという無責任な親も出てくる。
育児放棄も同じだ。
今の我が子に過剰に愛を注ぐ「モンスターペアレント」とこの映画の親たち。一体どっちが酷い親だろうか。
どんな事情があれ、俺は両方ともクソだと思うよ。てめえの不始末他人に押し付けるような親はな。
まあ俺も最初こそ「悪い刷り込み」を感じた。
塔に入ったばかりのお嬢ちゃん育ちの女の子と一緒の気持ちだった。
だがそんな考えは次第に薄れる。
子供たちはみんな活き活きしているし、厳しいけど個性を尊重する辺りなどある程度のびのびした感じだ。
また、卒院しても社会に打ちのめされ戻っていくる生徒の様子も良かった。
塔を見る世の中の冷たい現実、そんな現実にまた戻り挑み直そうとする場面。
笠智衆の先生の言葉も良い。
「世間に負けないように強くなれ。ここで培ったことを忘れるな」逆境に負けるなという教えが感じられる。
水を引いていく力強い場面はキング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す。
言葉には言葉、拳骨には拳骨で応える。
拳骨の後に抱きかかえて励ます姿勢がグッド。これが本当の愛のある拳骨や。
「蛍の光」は思わずうるっと来てしまう。
鐘の音はちょっと拍子抜けしたが、去っていく生徒たちの希望と不安を感じさせるシーン。
横を走る汽車も、この数年後には戦地に行く兵士たちを乗せて走っていくのだろう。
戦争を知る前と知った後じゃ印象が違うラストだ。[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:37:56)《改行有》
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