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プロフィール |
コメント数 |
450 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生 |
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1. 乱れ雲
《ネタバレ》 視聴可能な成瀬作品の最後の最後に見てやろうとこれまで封印していたこの遺作、まだ見ぬ数本を残しついに見ちまった。司葉子が伏し目がちにふと視線を落とすショットの多さに、ラストは見上げるショットで過去の断絶、未来志向の視線をぶつけてくるのかと予想しながら見ていると、来た来た・・・階段の上と下、司葉子はもちろん階段の下、そして旅館でも涙ながらに加山を見上げる司。で、どうなんだラストのラストは・・・、十和田湖の夕日を見つめるロングショットの司、その視線は・・・うつむきがちからそっと夕日に目をやり、また湖面に戻している。そうやね、人間簡単に過去を断ち切れるもんではないはね。美しき夕日、成瀬の落日。[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-11-06 23:38:09)(良:1票)
2. 南の島に雪が降る(1961)
「美味しんぼ」の、美食家がたんなるご飯と味噌汁を食べ目に涙を浮かべるシーンを想起させられるように、郷愁というのは客観的な判断力や理性を破壊してしまう力の持ち主です。遥か南方の希望の失われた前線において、運命の諦観を漂わせる兵士に光を与える「電気」。「水車」は彼らを潤し、「着物」は彼らを暖かく包み、そして「雪」は希望となり深深と彼らに降る。紙の雪にホンモノとニセモノの境界の不確かさ、脆さを知る。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-16 12:51:27)《改行有》
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