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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 無限の住人 『SPACE BATTLESHIPヤマト』の感想でも述べましたが、木村拓哉主演の本作は紛れもない「キムタクもの」。良しにつけ悪しきにつけ、ああ、キムタク主演の映画だなあとしか言いようがありません。ただ、従来の「キムタクもの」との違いは、彼を超えるアイドルが存在すること。そう、杉咲花ちゃん。この子はスゴイです。演技力もさることながら、華があります。眼力があります。正直、大スターのキムタクが霞むのです。「キムタクもの」では、本来あってはならない光景。例えるなら、オールスター水泳大会や運動会で、当て馬芸人が空気を読まずに勝っちゃったみたいな「マズイんじゃないの」感。もっともコレは「キムタクもの」における価値観の話で、イチ映画としては歓迎すべきこと。ヒロインに華があって何の問題がありましょう。そういう意味では「キムタクもの」の弱点が判明した記念碑的作品と言えなくもありません。[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-09-20 23:36:23) 2. 無人島物語 BRQ 《ネタバレ》 新規作品登録のために調べたところ、監督は千葉誠治さん。主に“忍者もの”アクションを得意とする監督さんです。そして主演は「羽賀研二売名騒動」で一躍名を馳せた桜庭あつこさん(“羽賀研二売名騒動”や“桜庭あつこ”が分からないちびっこは、お父さんに聞いてみよう。きっと馬鹿なこと言ってないで勉強しなさいって怒られるよ!)。さらに桜庭あつこさんは、この当時グラビアアイドルから格闘家に転身していることも判明しました。どうりでカンフーチックなバトルアクションが多用されているワケです(劇中では空手経験ありという設定)。副題のBRQは、バトルレースクイーンなのかバトルロワイアルクイーンの略なのか知りませんが、いずれにしてもレースクイーン同士が殺し合いを強いられ、生き残った一人だけ命が助かるという「観たことあるぞ」なストーリー。勿論、全員レースクイーンコスチューム着用がお約束。ただ、お色気シーンはほぼナシという謎のストロングスタイルでありました(注:正しくはオフザケ・ストロングスタイル)。私が演者の中で名前を承知していたのは、桜庭あつこさん以外は、「牛川とこ」「インリン」「横須賀まりこ」くらいでしたが、当時それなりに売れていた方々が出演していたのではないかと推測します(見たことあるような、ないような。基本的に美人がいないような、いないような)。タイムリミットを設定していないのに、何故か時間経過を事細かに知らせる摩訶不思議な演出。武器は支給されるも、サバイバルアイテム(水や食料、ツールなど)の支度が無いのは、手抜き云々以前に、ロマンに欠ける残念な設定と言えましょう。ドラマ的に観るべき部分もありません。ですから、唯一の見どころは桜庭さんの足技(美脚という意味ではなく、回し蹴りとか、ドロップキックなど)ということになります。多分、本作を鑑賞すること自体、高いハードルですので、筋金入りのB級映画マニアか、暇を持て余している方、あるいは熱狂的な桜庭あつこファン以外はスルーで問題ありません。[インターネット(邦画)] 3点(2018-05-30 00:00:01) 3. 麦子さんと 《ネタバレ》 麦子と母、2人でTVを観る場面。麦子は(アニメを)観ている最中は黙っていて欲しいと母に告げました。それでも話しかけてくる母に対し彼女は「観ている最中なんですけど」ではなく、「観てるんですけど」「最中ですけど」と返しました。この言葉選びのセンスが絶品です。2人の微妙な距離感が伝わってきます。兄のネチネチ愚痴や、お祭りでのバンド名紹介「ペニ…?」「フェニックス」なんて遣り取りもそう。極上の“親近感”のおかげで、抵抗なく物語の世界に入って行けるのです。私の住む世界と同じ重力、同じ空気濃度と実感出来ました。荒唐無稽な“お伽噺”に感情移入が適うのはこのため。そう、麦子が訪れた母の故郷はファンタジーの国でした。陸の竜宮城。自動車人身事故が不問にされ(笑)地面に落ちたたこ焼きでも平気で食う(苦笑)ミラクルワールド。其処で垣間見る“母の人生”。どんな人にも歴史があることを麦子は知りました。麦子にとっては母、亡き父にとっては妻、そして町民にとってはアイドル。誰にだって立場があり、それぞれの顔があります。どれか一つが落第でも、全てを否定することは出来ません。いや、してはいけません。少なくとも母はひとりの人間として、多くの人々から愛されました。それだけは間違いなく。よそ者の麦子が優しくしてもらったのは“彩子の娘だから”に他なりません。母親失格でも、人間として合格なら、それでOK。さて、今度は麦子の番です。彩子の娘ではなく、小岩麦子として愛されるような、認めてもらえるような生き方をしなければなりません。声優になれるかどうかは関係なく。それがきっと母の願いでもあります。これまでの吉田恵輔作品に比べると(実は『さんかく』『ばしゃ馬』は未見ですが)かなり地味な印象を受けました。物語にダイナミックな起伏はありません。でも溢れる人間愛に胸が暖かくなりました。皆さんも、麦子さんと一緒に楽しい日々を過ごしてみませんか。[DVD(邦画)] 8点(2014-10-18 07:45:38)(良:1票) 4. 無防備 《ネタバレ》 ぴあフィルムフェスティバル受賞作品を観ていつも思うのは、値の張る駒でなくても将棋は打てること。主役を演じた森谷文子という女優さん。今まで存じ上げませんでしたが、素晴らしかった。表情、体型、佇まい、その全てが律子という女性を物語ります。何処にでもいる脆い女。でも誰でも演じられるワケじゃない。彼女の功績は大きいと思います。嫉妬に心を蝕まれたのは、傷ついた心を守る鎧が錆付いたから。身動き出来ないから、気持ちの持って行き場がなくなる。誰の身の上にも起こり得ることです。身につまされました。そんな主人公を救ったのは、妬ましい彼女の子の誕生。命は全てを肯定する力強さを放つ光。律子の心は解き放たれました。もう鎧はいらない。無防備で結構。あるがままの自分で、己が人生を勝負すればいい。いいお話だったと思います。ちなみに本作は18歳規制。鑑賞前は出産シーンを直接映すことに少なからず抵抗がありましたが、見終えてその思いは消えました。百聞は一見にしかず。生命誕生の素晴らしさを伝えるには、その場を見せる事が一番です。問答無用で感動的。胸を打ちます。監督の奥さんは偉かった。それに監督の腹の括り方も流石です。出産だけでなく妻の排尿まで晒すとは。売れるものは何だって売るお笑い芸人の心意気をみた思いです。元『髭男爵』という肩書きは伊達じゃない。プライバシーに“無防備”なのは心配ですが。監督のこれからの活躍を期待いたします。[DVD(邦画)] 7点(2011-01-28 18:29:30)
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