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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 妄想少女オタク系 「腐女子」というものがどういうものなのか、いまだに良くわからない。中学生の頃、聖闘士聖矢とかサムライトルーパーというアニメが流行っていて、クラスの女子の一部がそのキャラクターを「~様」とか呼んで盛り上がっていたりしたのだけれど、あーゆー感じなのか。で、この作品に登場する女の子もサパーリ分からなかったのだけれど、メインの四人(女の子二人と男の子二人)の人間関係がちょっとずつ変わっていく様、そのドライブ感みたいのが、途中から面白く感じられるようになってきた。結局観終わっても「腐女子」なるものが何なのかは分からなかったけれど、これはつまり異文化交流、「他者」との交わりの話なのかな、と思いましたです。ちょっと相米慎二みたいな感じだなーと思いました。[DVD(邦画)] 7点(2008-08-24 17:12:11) 2. 燃えよピンポン(1997) んー、最初から最後までモロ「大阪」。それこそ吉本新喜劇やウルフルズの「大阪ストラット」の世界で、ストーリーも人々の喜怒哀楽も演出も、全てが過剰。いわゆる「ベタベタ」。きっと大阪出身のクリエイターがこういう作風を使うのは、多分に戦略的な面もあるのだろうけど(例えばシンクロの日本代表が「ニンジャ」をテーマにするような)、ところで何故大阪という街は、かくも「ベタベタ」なのだろうか(おことわり:ここから僕の「大阪文化論」モドキが展開しますが、実の所僕は大阪という街をほとんど知りません。だからひょっとするとすっとぼけた外国人が「オー、ワターシニポンダイスキデース。ハラキリマリオ、クロサワソニー!」などと言う様なズレまくりの論かもしれませんが、どうぞ御容赦下さい)、とふと思った。この感じ、違う所でも感じたことがあるぞ、と思い出したのがアメリカのミュージカル映画。アメリカのミュージカルでは(タモリがよく揶揄するように)登場人物が突然歌い出したり踊り出したりする。嬉しい時には嬉しい歌を、悲しい時には悲しい歌を、彼らは実に生き生きと(それが、なじめない人の目には“過剰”と映るのだけれど)歌う。ああいう風潮の裏にあるのはつまり「だって日常をそのまま映したってしょーがないじゃーん。日常なんて退屈極まりないものなんだから、どーせやるなら楽しくやろーぜ!」という思想なのだと、僕は思う。んで、大阪文化の底流にあるものもやはり同じ精神なんじゃないか、つまり300円のお釣りを渡す時に「はい、300万えーん!」というのも「だって普通にお釣り渡すだけじゃオモロないやんけ」という理由からじゃないだろうか。言い換えれば大阪のコテコテ感、過剰さというのは「退屈な日常を楽しく演出する」という思想が生活文化に表れたものではないだろうか・・・何だか話が大袈裟になったけど、よーするにこの作品の中で高田聖子が笑ったり、泣いたり(はなかったか)、夢中で恋をしたり、卓球の修行をしたりする姿を観て、何だか楽しくなっちゃたよ、とゆー事です。[DVD(字幕)] 7点(2005-06-04 16:35:36)(良:1票) 3. 森の石松鬼より恐い マキノ雅弘監督の「続清水港」を沢島忠がリメイクした、中村錦之助主演の作品。とりあえず、中村錦之助といえば時代劇しか観てなかったので、彼が普通に現代の格好をしてるだけで可笑しい(っつうか、普通にべらんめえ口調だし)。その他にも数々の東映時代劇の常連役者が現代劇で登場するので(これは褒めてるつもりで言うのだけれど、時代劇役者は時代劇の格好してる方がオーラ出てるよね)、ちょっと楽屋的な楽しみ方も出来るのだ。で、タイムスリップ(?)してしまった中村の慌てっぷりや周囲の人々の混乱ぶりも大いに笑わせてくれて、さすがは快活な時代劇を得意とした沢島監督だなあって感じでした。ただ、最後までパロディで通すのかと思いきや、後半から普通の時代劇っぽくなってしまったので、そこが残念といえば残念。7点(2004-08-09 20:42:26) 4. 萌の朱雀 《ネタバレ》 この映画が高い評価を得たのは、やはり田村正毅の美しいカメラワークに拠る所が大きいと思う。難解な話ではないけれど、説明が最小限、というか不足なので話の筋は捉え難い。僕なんぞはアホなもんで、劇中で時間が経過したことに気づかず、「あり?あの男の子と女の子はどこいっちゃったの?」とずぅーっと考えてたし、家族構成も一回観ただけではよく分かりませんでした(最初エイスケとミチルが兄妹だと思ってたのだけれど、エイスケはお父さんの姉の子供、つまり従兄妹同士なんですな。エイスケの母親は、自分のわがままで息子をほったらかしにして大阪に行ってしまったらしい)。なので、この映画に関しては、まず粗筋を捉えてから観た方が良いと思います。で、色々欠点も多い作品ではあると思うけれど、演出におけるドキュメンタリー的手法を部分的に取り入れた試み(あくまで「試み」であって「完成形」ではない←おっ、なんかこーゆー物言い、まるで【STING大好き】さんのようだ)は、とても刺激的でした(他にも、是枝和裕監督が似たようなことをしていますね)。それに、ラストで流れる「懐かしい、あの頃」を映した8ミリの映像、そしてミチルの台詞が被さり、エンドロールへとつながる所では、不覚にも涙がこぼれてしまいました。月並みな言い方ですが、今後の作品が楽しみな監督の一人だと思います。7点(2004-03-19 15:38:41)
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