|
1. 理由(2004)
下町の豪華高層マンションで起きた一家4人殺人事件の真相を関係者やその周辺の人たちへの取材という形で解き明かしていくが、これは見る小説というくらいほぼ原作に忠実に作られている。多くの登場人物や複雑な人間模様を混乱なく描くのには原作の構成を踏襲するという形がベストだった、またそれしかなかったということなんでしょう。
一つのマンションをめぐっていろんな形のいくつもの家族が描かれ、社会的な現実問題も含めて読み応えのある原作を損なわずに見せてくれたのは良かったと思うが、反面原作をなぞっただけという気もするしそれなら本を読んだほうがいい。
肝心の犯人の心理描写が物足りないようにも思うし、気になるようなBGMや説明的字幕は演出過多という気もする。本の出版や映画シーンも蛇足かと、、
2時間半あまりを飽きずに見られたのはどうも原作の力によるところが大きいような気がしてならない。
とにかく登場人物が多いので多彩な俳優のカメオ出演シーンをつなげて作ったような感じ、次々登場する俳優に意外性があったりするのは見所の一つではあるが。
[映画館(邦画)] 5点(2005-02-17 21:50:38)《改行有》
2. 竜馬暗殺
これも公開当時見たきりだがこの原田芳雄の竜馬は強烈な印象がある。これ以降いろんな人の竜馬を見てもやはり彼が私のイメージする竜馬に一番近い。型破りで男臭いが、司馬遼太郎の本によると笑顔がなんともいえず魅力的で人を惹きつけずにはおかないとあり、これが加わればほぼ完璧な竜馬像だった。(これは上川隆也か長身の中村雅俊をイメージ)竜馬ファンとしては殺されるのが残念でならないが使命を負って遣わされた特別な人だったかもしれないと思えば仕方ない。使命を果たし全力疾走で駆け抜けた人生がドラマティックで感動的。映画は斬新でエネルギッシュで若々しい感じのする異色の青春時代劇だったと思う。
7点(2004-05-14 23:48:44)(良:2票) 《改行有》
|