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1. リング(1998)
《ネタバレ》 20年ぶりくらいに再び鑑賞。やはり良作のホラー。
ただ悪霊が出てきて祟り殺すようなチープな内容でなく、呪いのビデオを謎を解きあかしていくサスペンス仕立てになっている。
圧巻はラストシーン。子供を救うべく父親にビデオを見せるべく車を走らせる松島。
父親を犠牲にしてまで子供を助けようとするその狂気に戦慄する。
確かに、父親も誰かにビデオを見せれば助かるわけで、決して父親が死ぬと分かった訳では無い。
しかし、最後の松嶋菜々子が浮かべる不気味な笑みには、父親を助けようという意図は感じ取れない。
ナレーションで入る女子高生の、少しためを作ってからの「やるでしょ」が「殺るでしょ」に聞こえるわけである。
また、同時に女子高生の話から、なぜこの作品のタイトルが「リング」であるかが分かる。そして今後貞子の呪いが際限なく広がっていくことを暗示して物語が終わる。
このナレーションのかぶせかた、まっすぐな一本道を車が走るのを俯瞰でとらえるカット、絶妙のタイミングで入る音楽など、すべてドンピシャで最後に強烈な恐怖を植え付けてくれる。[インターネット(邦画)] 8点(2023-08-13 16:29:56)《改行有》
2. リング2
《ネタバレ》 「名作ホラーの続編は駄作」という持論の通り、本作もしょーもない映画だった。
まず、最大の欠点は貞子の呪いを科学で取り扱ったこと。これはもう興ざめのひとこと。
貞子の呪いをビーカーに入れた水の浸透圧で計測しだしたり、器具をつけて脳波測定したり、呪いを科学しちゃったら、そこにはもう恐怖がない。
また、貞子の呪いを警察が把握してしまうのもよくない。こういう呪いの話は少数の当事者だけで完結するから怖いのである。
前作は呪いのビデオを見たら伝染するという単純構造だったが、今回は貞子の呪いが心の中に入って、それを出すだの移すだのと訳のわからないことをやりだし、それが話の本筋になってしまった。そこがとにかくつまらない。
最後はプールの前に大掛かりな機材を並べて、あろうことかマヌケな器具を頭につけて、貞子の呪いを移すというという実験をやりだす。ほんとにホラーか?コントじゃないんだからさあ。
そこからさらに、井戸の中という謎の精神世界?みたいなところに飛ばされて、意味不明に崖をよじ登るのがクライマックス。ひどい。
精神世界はやめてくれよ。ちゃんと現実世界で決着をつけてくれ。
あと、松嶋菜々子が父親を犠牲にすることを苦にしているような描写があり、前作のラストの恐怖を無効にしてしまっている。この作品自体がつまらないだけでなく、前作の評価すら下げるとは、本当に救いようがない。
一応、いい点も書いておく。深田恭子版呪いのビデオが気持ち悪い。名作であった前作の後日譚が語られること自体は面白い。前は顔が見えなかった貞子を、今回はなんと顔出しさせ、復元粘土の顔にするという新たな貞子像を作ったのは良し。[インターネット(邦画)] 3点(2023-08-12 23:08:48)《改行有》
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