みんなのシネマレビュー
ぐるぐるさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1305
性別 男性
ブログのURL //www.jtnews.jp/blog/20066/
ホームページ http://w.livedoor.jp/mushokamondai/
年齢 51歳
メールアドレス gurugurian@hotmail.com
自己紹介 ♪わたしの小さい時 ママにききました

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ

 さきのことなど わからない


 大人になってから あの人にききました

 毎日が幸福に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 
 さきのことなど わからない


 子供が出来たら そのベビーがききます

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 
 さきのことなど わからない ケ・セラ・セラ~


(2010.4.16記)


現在、ダイエットちう。腹筋、割れてるでー。




力を入れると。

(2011.8.28記)


↑ホームページのリンクを「朝鮮学校無償化問題FAQ」に張り替えました。特に「パッチギ!」ファンは、見てね。




これからもよろすく。





投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
21222324
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21222324
変更日付順1234567891011121314151617181920
21222324

201.  リアリズムの宿 山下監督という人は、アキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュと比べて語られる事が多いようですが、僕からすると、例えば本格的なインドカレーやタイのカレーも美味しいけど、やっぱしハ○スバーモンドカレーとかが口に合うよねえってな感じで、あと歳が近い事もあるのか、結構親しみを感じます。【シネフィルと愉快な仲間たち】さんのおっしゃるように、相手が年上か年下か気にする風潮とか(学校を卒業してからも「同い年だけど学年は一個上」とか言いますもんね)、脱いだかどうかの基準は乳首が見えてるかどうか、とか、いわゆる外国人が日本に求めるのとは違う日本の文化というか風土が描かれてて面白い(個人的に、こっそり女性下着のカタログを見てる男の子がツボ)。ただ残念なのが話の構成というか尾野真千子の使い方。中盤せっかく彼女が出てきて画面が「絵的に」華やかになるのに(彼女が雪の上を歩くシーンは凄く素敵)、またどっかへ消えてしまって、話がどんどんショボくなってしまうのは、ちょっと盛り上がりに欠けるような・・・。勿論そういう「しょぼさ」とか「やるせなさ」が山下監督の持ち味ではあるのだろうけど、そろそろ違う一面も見せて(=魅せて)欲しいなあ 、と思います。7点(2004-12-24 18:41:15)(良:1票) 《改行有》

202.  20世紀ノスタルジア 僕の場合、メルヘンぽい青春モノがどうも苦手で、この作品も最初から「チュンセとポウセが・・・」とか、チープテクノのミュージカルシーンとか、「うきゃああああ、は、恥ずかすぃから止めちくりいいい!」と思いつつガマンして観てたのですが、後半、杏が「自分で映画を完成させよう」というあたりから「あーそぉか、そぉいう事だったのね」と自分なりに納得。思うに「映画を撮る」ということ、中でも「編集」という作業というのは、混沌とした世界のどこを捉え、どう読み、解釈し、そこに「物語」を与えていくか、ということなんだと思う。だから観方(作り方)によって「人類は破滅だ」と言う風にもなりうるし、その反対もありうる。この作品には杏(やそのほかの登場人物)がビデオカメラを縦横無尽に振り回しながら撮影するシーンが出てくるけど、あれはつまり「世界は見方によっていろんな風に見えるんだよ」というメッセージなのかな、と思えてきて、エンディングに流れてくる「ニューロンシティの夜」は割と素直に、温かな気持ちで聞くことが出来ました。なるほどなあ、こういう「希望」の提出の仕方もあるのね。7点(2004-12-24 18:12:09)(良:1票)

203.  EUREKA ユリイカ 《ネタバレ》 まず、その「映画的」な映像に心奪われました。さりげないシーン、例えば(連続通り魔事件の犠牲者が出たことを示す)女性の靴が川をツツッと流れてくるシーンや、旅に出発する前に4人が佇む所などが猛烈に印象的で、3時間を超える上映時間が、とても短く感じられました。ストーリーもただ重苦しいだけの話でなく、ある種の爽やかさが感じられました。事件のショックで現実から目を背けていた主人公(役所広司が好演)が、もう一度生き直そうと旅に出、そして、同じく事件のショックから狂気の域に足を踏み入れてしまった少年に対して語りかける、ギリギリの言葉。勝手な想像ですが、この狂った時代にただ流されるのではなく、敢えて踏みとどまろうとする意思と決意のようなものがこの作品に込められていたように思います。<ネタバレありの追記>:僕がこの作品を観た時唯一違和感を感じたのが、連続殺人の犯人があの少年だったという点。「そう思わせておいて実は…」という展開を予想していたというのもあるし、大体いくらフィクションとは言え、悲惨な事件の被害者をあんな描き方して良いのか?という思いがあったので。ただ、最近新聞で読んだのですが、例の北オセチヤの学校占拠事件の元被害者の子供たちの中には鳥の雛を虐めるなど、犯人たちの行動を真似ることによって自分たちの受けた恐怖を克服しようとする兆候があるのだそうです。それと照らし合わせると、あの少年の行動にもリアリティを感じます。でもやっぱ、ていうかだからこそ、子供に辛い思いさせちゃ、だめよ。9点(2004-12-22 18:09:05)(良:1票)

204.  喜劇 女売り出します 森崎東監督作品は数本しか観ていないのだけれど、何とも不思議な作風。別に難解とかではないのだけれど、どこか起承転結のツボを外す、というか意図的な「違和感」を余韻として残すような感じがする。で、この作品はストリッパー斡旋の芸能会社を舞台にしたシリーズもので、僕はこれしか観ていないのだけれど、何つったら良いのかなあ、ドバーッと泣ける、というのではなくしみじみ、ジワジワ泣ける。「母さん」役の市原悦子の肝っ玉母さんぶりや、スケベで面倒臭がりだけど陰で母さんを支える森繁も良いけど、個人的には少しの出番で強い印象を残す西村晃が良かったです。7点(2004-12-15 21:43:17)

205.  ここに、幸あり 唐突だけど、僕は昔、ちょびっとだけ演劇(お芝居)をかじってた事がある。ぶっちゃけた話素人から毛を3本抜いたようなモンで劇団はすぐ解散してしまったのだけれど、その貧しい経験で知ったのは「演技」する、というのは自分の肉体や感情に対して意識的になることで、そうすることである程度自由に肉体や表情、或いは声の出し方などをコントロールする、ということなのだ(と思う)。で、実はこの作業(つまり発声練習とか身体訓練とか)、とても解放的で楽しいだけでなく、実生活でも役に立つ。だからこそ「役者とナントカは三日やったらやめられない」などと言われてきたのだろうし、現在一般向けのワークショップが盛んなのも分かる。で、前置きが長くなったけれど、この作品で内気な邦が幸との練習で解放されていった、というのは分かるのだけれど、一方の幸、或いは元アイドル(?)の成美が姫島で何を得たのか、というのがちょっと曖昧なように感じてしまったのだ。「離島の人々の素朴で純粋な心に触れた」とかいうのだけじゃ、ちょっと安易過ぎないかい?という気がする。基本的には好きな作風なので、もう一工夫欲しかった。6点(2004-12-15 21:35:48)

206.  戦場の夏休み 小学2年生の見たイラク魂 2002に撮られた「笑うイラク魂」という作品の続編らしい、この作品。前作を観ていないので何とも言えないけれど、これはイラクの状況をマクロに俯瞰的に見るのではなく、イラクの「戦争が紛れ込む日常」に暮らす市井の人々を捉えたドキュメンタリーということで「華氏911」などとは違うタッチの作品でした。ドキュメンタリーとして考えると、ちょっと散漫な印象もあるのだけれど、そもそも今(撮影は2003年の7~8月)のイラクは様々な状況の中で様々な人々が混沌と混乱の中で暮らしているので、簡単に「イラクはこうだ」「イラク人はこうだ」とは語れないのだろう、と思う。この作品で印象に残ったのはイラクの人々の、いい意味での「いい加減さ」と「したたかさ」。2002年の撮影時点では「サダム・フセインを支持する」と語っていたイラク人の殆どはこの作品の中で「あれはウソだった。あの当時フセインに反対するなどと言ったら殺されていた」と語るのだが、その表情は、何だか屈託がない、というか「生き抜くためには何でもアリ」みたいな感じがして、皮肉ではなく感心させられる。ただこの作品、タイトルにあるように監督の小学二年生の娘さん(と、奥さん)も同行しているのだけれど、果たして作品にとっての意義はあったのだろうか?と思う。監督によれば「子供に世界を見せてやりたかった」ということで、その試みは成功したのかもしれないけれど、それがあまり映画に反映されてないような気がするので、ちょっとこのタイトルはずるいと思う。6点(2004-12-15 21:17:42)

207.  油断大敵(2003) 「どこが良いの?」と訊かれるとちょっと困るけど「なんか良い」と思える作品でした、個人的に。んーと、たとえると、冬、何日も天気の悪い日が続いたのが、急に晴れて、それでもやっぱし肌寒いんだけどちょっぴし嬉しい、みたいな(春の晴れた日じゃないところがミソ)。泥棒と刑事の奇妙な友情という縦糸と、妻(母)を失った父と娘という横糸がうまく結びついてない、とか、もっともらしく欠点を挙げることはできなくもないけど、ま、いーじゃん、別に。駐在出身の人の良い刑事を演じる役所広司と、泥棒だけどどこか憎めないネコを演じる柄本明はハマリ役だし、娘を演じてた二人(菅野莉央・前田綾花)も、いかにもな美少女って感じではないけれど健気さが可愛らしくて良かった(個人的な事情ですが菅野莉央は僕の二番目の姪っ子にそっくりで妙に親近感を覚えてしまうのです)。あ、あと舞台になってる片田舎の雰囲気がすごく良くて、台詞に出てくる「~だいねぇ」という地方語も心地好かった。これって群馬が舞台なのね。何だか最近の良い邦画ってどれも群馬で撮影されてるような気がするなー。茨城県民としては、ちょびっと悔しいぞ。7点(2004-12-12 19:17:10)

208.  のんきな姉さん 《ネタバレ》 この作品、実は今年(2004年)の初め、公開初日に観ました(監督・キャストの方々の舞台挨拶も初体験)。んじゃあ何で今までレビューを書かなかったかというと、(ひょっとして約一名?ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが)実は鑑賞前にビールを飲んでしまったために物語の後半部分では尿意との戦いで精一杯で、とても鑑賞どころではなかったのでした、ゴメンナサイ。ということでDVDで改めて鑑賞。・・・正直、とっつきにくい作品かもしれません。時間軸がバラバラというのもあるし、登場人物の寿司夫(弟)があまりにもダメ人間、というかちょっと「いっちゃってる」奴に思えてしまうし。でもきっと、この作品は「そういう風に観る」作品ではないんだろーなーと思いつつ故・ブルース・リーの「Don't think.Feel!」の精神で鑑賞(でも「何も考えないで観る」って意外と難しい。ついつい雑念とか入り込んできちゃうから)。最初はどこか、重苦しいような感じがしてたのですが、途中三浦友和と佐藤允がシュールな感じで出てきて何とも言えない「間」を作り出してるところ辺りがツボに入りました。で、最後に安寿子(姉)が雪の中、弟に寄り添うところで見せた笑顔が何だか暖かな感じで、ちょっと切なかったです。何だか幼い頃見た、目が覚めた時何故か泣きたくなっちゃったような夢をそのまま映画にしたような、不思議な印象でした。 6点(2004-12-12 18:41:57)(良:2票) 《改行有》

209.  幕末残酷物語 この作品も含め、昔の時代劇・任侠ものの邦画ってタイトルがグロテスクでおどろおどろしいのが多いですよね。僕はてっきり「世界残酷物語」がヒットしたからこういうタイトルになったのかと思っていたのですが、その前には大島渚の「青春残酷物語」なんてのもありますねーっと、閑話休題。僕は幕末ものは司馬遼太郎の「竜馬が行く」と小山ゆうのマンガ「おーい、竜馬!」くらいしか知らなかったのですが、確かに新撰組ファンにはショックかも(あと西村晃版水戸黄門ファンにも)。んでもこういう、「システムの中で人間性が壊されていく」というのは別に幕末や武士社会でなくても、旧日本軍(加藤泰が軍隊に入ってたかどうか知らないけれど、知り合いやスタッフ・キャストの中には絶対軍隊経験者はいたはず)やナチスドイツ、スターリン全盛のソ連、あるいは浅間山荘事件の連合赤軍などなど、いろんな所であったのでしょう。現代だってここまでショッッキングでないにせよ、小規模な「新撰組」は学校や会社などに存在するのでは?と思ってしまう。そういう意味では普遍性を持った作品。それほど「残酷(グロテスク)」な作品ではないので(ホラー・スプラッターが苦手な僕でもちゃんと鑑賞できたので)観てみて下さいませませ。8点(2004-11-29 16:08:46)

210.  くりいむレモン いやあ、この映画の話を初めて聞いた時はビックリした。別に「くりいむレモン」の実写化というだけなら驚くにはあたらないけれど、監督が山下敦弘って・・・山下監督といえば独特の「間」を活用して、日常生活のどーしようもないしょっぱさやいたたまれなさをユーモアたっぷりに描いていた人よ?っていうかこれの前の作品はつげ義春原作よ?その人が美少女アニメ(というより、男子の自己中心的・ご都合主義的妄想系ロリコンエロアニメ。観てないけど、多分間違ってないと思う)って、これは例えば「岩井俊二が『嗚呼!花の応援団』を実写化」とか「サム・ライミが『サザエさん』を実写化」とか「井筒監督が『みゆき』を実写化(・・・あ、これはホントにあったんだった)」とか、そのくらいのギャップのある組み合わせ。これはとんでもない怪作になるか、あるいは奇跡的なケミストリーが起きるかどっちかだろう、と思っていたら・・・意外と手堅くまとまってました。一言で言うと古き良きロマンポルノのドラマ部分を丁寧に、その分露出を抑えて作った感じ。真面目に考えると、物心がつく前から一緒に住んでいた血の繋がらない兄妹が男と女として意識し合うなら、もっと強い動機付けが必要なんじゃないの?と思ったりはするのですが、所々「山下テイスト」も入ってるし、ただの妄想エロ映画にはなってないかな(あ、でも「見えそで見えない」ところはある意味エロい)。まあキンシンソーカンものとして観るのではなく、障害が立ちはだかる恋をしてしまった若い男女のお話、として観れば違和感はないと思います。ラストシーンはなかなか素敵よ。7点(2004-11-26 18:33:24)(良:2票)

211.  まぶだち 古厩監督の最新作「ロボコン」を観た時、どこか光るものを感じたので(ってオマエは何様だ。大御所先生か?)この作品を観たのですが、期待以上でした。本作は監督の実体験を元にしているそうですが、まず人物造型が素晴らしい。主人公のサダトモは優等生でもなければいわゆる不良でもなく、またクールで要領が良いのだけれどもその下には純粋な面も持ち合わせている・・・という実にリアルかつ陰影をたたえたキャラクターで、きっと共感する人も多いハズ。対するスパルタ教師・小林も、体罰は日常茶飯事だわ生徒をクズ呼ばわりするわで、とても「良い先生」とは言えないのですが(つうかPTAやマスコミが黙ってないだろ、今なら)グイグイと生徒に鋭い突っ込みをして本音を出させ、また物事の本質を教えようとする所などはやっぱりリアルで、単なる悪役教師でもない。しかもストーリーも、地味ながら良い意味で期待を裏切ってくれる展開。さらに、おそらく多くの人が思い浮かべるであろう「学校」の風景―理不尽な秩序、建前に覆い尽くされた閉塞感、そして休み時間などで束の間訪れるアナーキーで自由な空気などなど―が、見事に映像化されているのです。思うに日本の青春映画のほとんどは大げさだったり、わざとらしかったり、説教臭かったりで、本当の意味で若い人の視点で描かれた作品はごくわずかだと思うのですが、この作品はその数少ない成功例だと思います。それにしても…この、素晴らしい作品のレビューを一番に書けるのはとても名誉なことだと思うのだけれど、反面ある種の寂しさも感じてしまう。今更僕なんぞが言うまでもないけど、日本映画界って今ホンットヤバい状況なのだ。才能や高い志があっても作品を撮れない作り手はたくさんいるし、せっかく良い企画があっても「地味だから」とかいう理由で資金が集まらずポシャってしまう(らしい)。そんで挙句全国ロードショーされるのが「デビルマン」だったりするのだからオーマイガッファックミーベイベー♪悲ーしくーてー悲しくてーとてーもやーりー切ーれないってなもんだ。だから、ホントは映画のことに関して「~しなければいけない」なんて言いたかないけど、もし日本映画の将来を真剣に考えるなら、観客はせめて、良い作品、志のある作り手をきちんと評価・応援しなければいけない、と思うのであります・・・御静聴、有難うでやんす。9点(2004-11-24 21:19:06)(良:1票)

212.  仁義なき戦い 【サラダパック】さんのおっしゃるように、僕も、この作品は裏から見た「戦後日本史」だと思う。ただ、あくまで印象論だけど、先に深作監督の「県警対組織暴力」を観てしまったためか、何というか粘っこい情念みたいなものが物足りなかった気がした(エンタテインメントとしてはこちらが上なのかもしれないけれど)。とはいえこの作品、最初からシリーズ化が決まっていた、いわばエピソード1なので、そうそう贅沢な期待をしてしまうのはよくないのかもしれない。早速二作目も観なくては(でも、僕の場合観る前に気合入れないと観らんないんだよねえ)。7点(2004-11-24 20:49:19)

213.  893愚連隊 ものの本によると、この作品はゴダールの「勝手にしやがれ」を意識してるのだとか。確かに主人公の服装やスタイリッシュなモノクロ映像、そしてどこか乾いた雰囲気は、似てなくもない。ただ、あくまで個人的な好みとしてはやっぱしヤクザ映画は泥臭くて汗臭くて熱~いのが好きなのです。それに、ヒヒジジイを騙したり大手製薬会社から金を巻き上げたりするのは良いけど(良かぁないけど)、スケコマシはいかんじゃろう。だもんで主人公達にはあんまし感情移入出来なかったのでした。どっちかというと時代遅れのアニキ(天池茂)や米兵とのハーフの兄ちゃんの方が好きなので・・・すんません。6点(2004-11-23 19:07:07)

214.  ルパン三世 念力珍作戦 うーん、みなさん酷評(笑)。いや、分かるんですけどね。んでも、うーんと好意的に解釈すると(どの位好意的かというと、鈴木宗男の無実を信じる位)、目黒祐樹演じるルパンは確かに漫画ともアニメとも全然違うけど、きっと監督と脚本家は「自由を愛する風来坊」みたくしたかったんじゃないかなあ。それに劇中で次々と繰り出されるギャグは(公開当時はいざ知らず)ほとんどがかなりさっぶいけど、フィルムトリックを駆使した技法はなんとなくルイ・マルの「地下鉄のザジ」みたいなアナーキーさを感じなくもないし、それにほら、ルパンと不二子が断崖にある敵のアジトで絶体絶命の危機に陥るところはチャップリンの「黄金狂時代」へのオマージュではありませんか(まあ、ただ引用してりゃ良いってもんじゃないだろうけど)。それに中盤、唐突に歌い出して物語に「亀裂」をもたらす(要はあんまりシュール過ぎて笑っちゃうってことです)女殺し屋集団ポピーズはかなり強烈。まあ「ルパンの実写化映画」ということで最初から「ダメ映画」に見られてしまう本作ですが(で、実際ダメ映画ですが)、作中に見られるアイデア自体は悪くないような気もするので、もし作り手の側に予算と時間とセンス(これが一番大事だな)があれば、ひょっとして「早すぎたオースティン・パワーズ」と後に評されるような怪作が出来上がっていたんじゃないか、と思います。ま、「エド・ウッド的」というにはあまりにも中途半端で、冷静に考えると2~3点が妥当な気もするのですが、個人的には何だか優しい気持ちになれたのでちょっと評価は甘めです。5点(2004-11-21 19:02:20)

215.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 ごめん、俺この映画好き過ぎて、いつもみたいにはよぉ語られへん(だから今回は「ゲロッパ!」以来の擬似関西弁。【なにわ君】さん、文体パクってすんません)。何かなぁ、よく映画の登場人物に感情移入しすぎてなり切っちゃうのってよくあるやん?「ロッキー」とかブルース・リーの映画とか。んでな、俺この映画見終わった後、まるで自分が常夫になってジョゼと永遠のお別れをしたような気持ちンなって、しばーらくの間ごっつ哀しくて切ない気持ちだったんよ(笑てもええよ)。あのラストの「ドサッ」と、くるりのエンディング・テーマ、思い出すだけで泣けてきて・・・何やろね、俺そんな恋愛経験豊富じゃないけど、あの映画で描かれてる男の身勝手さ、ずるさ、情けなさがごっつ身に沁みた。ジョゼは強いよなー、ほんで男は弱いよなー。前、渋谷陽一がラジオでジャニス・ジョプリンの「クライ・ベイビー」をかける時「男は恋愛では絶対女に勝てない。何故なら恋愛に関して男はアマチュアで女はプロで、アマチュアはプロに絶対勝てないから」と言ってたけど、ホンマそうかもしれん。あ、あと映画に関してもう一個だけ。この映画、ヌードやベッドシーンがいらんっていう意見が結構あるけど、俺はあれ、必要やったと思う。基本的にこの映画、ある種ファンタジーっぽいとこもあるから、ちゃんと「性」に関して描かないと、地に足の着いてない絵空事みたくなって、説得力減ったんと違うかな。初めてジョゼと常夫が結ばれるシーンで、夕焼けの中ジョゼが布団を敷く所とか、凄く生々しくてドキッとさせられたし。説得力といえば、あのジョゼの住んでたトタン住宅とか、近所の幼い姉妹とかも、やけに生活感があってリアルに思えたな・・・あれ、俺「よぉ語られへん」とか言うときながら、結局語っとるやん。やっぱ、一生野暮天なんやろなぁ。野暮ついでに最後に一言、これ、ひょっとして若い人よりもある程度年いってはる人のほうがグッと来るかも知れん。「取り戻せない、かけがえのない日々」の映画だから。あーでも痛い失恋してまだ立ち直ってない人にはキツすぎるかもな。<追記>その後、原作も読んだんやけど、映画化に際して原作の雰囲気を損なわずに物語を再構築した脚本に改めて感服。脚本の渡辺あやさんは、この作品が実質的デビュー作らしい。犬童監督とは作風が合っていると思うので、今後も二人のコラボ作品を観てみたいです。10点(2004-11-20 15:53:21)(良:4票)

216.  独立少年合唱団 こういう言い方は偉そうでイヤなのだけれど、非常に「良心的」な作りだなーと思いました。テナーの少年と逃げてきた学生運動の女性の間に何が起こったのか、吃音の少年と女子高の女の子のデートの顛末、さらにクライマックスのコンクールの合唱のシーンなどを意図的に「見せない」演出は心憎いし、台詞で説明するのでなく、映像や登場人物の表情に「語らせる」やり方、などなども(これまた偉そうな言い方だけど)感心させられる(僕の知り合いで「スティング」が大好きで、いつも最近の映画界の現状を嘆いておられる方が約一名いらっしゃるのだけど、その人にぜひこの作品のことを教えてあげたいものだ)。物語も、学生運動が衰退しつつある70年代を背景に、挫折した元活動家の教師、父を亡くした吃音(ちなみに“どもり”という言葉は現在差別用語とされているらしい。別に音読みに変えたから良いってもんじゃないと思うのだけれど)の少年、ウィーン少年合唱団に憧れる天才少年たちが生き生きと描かれ、とても重層的(二人の少年の、ある種同性愛にも似た友愛の描かれ方は、ちょっと少女漫画の様ではあったけれど、ああいう関係は分からなくもない)。こういう良作を見逃して「最近の邦画は・・・」などと安易に言ってはいかんなあ、と思った。8点(2004-11-20 15:39:52)

217.  パイナップル・ツアーズ 例えば、茨城にも納豆嫌いな人はいるし、北海道にもスキー出来ない人もいるし、大阪にもたこ焼きやタイガースが嫌いな人もいる(←茨城以外は「たぶん」ですが)。だから沖縄に対してあんましステレオタイプなイメージを抱くのはどうかと思うのだけれど(あ、でも僕が唯一知っている沖縄出身の人は、すげー時間にルーズだったし、沖縄民謡も歌えてた)、この作品に出てくる「沖縄」はいかにも「沖縄」、のんきで、おおらかで、てーげー(適当)で、うちなんちゅーとしては何とも心地良いんだな。洞口依子がちょっとアホっぽかったけど、でも不発弾や過疎の問題をシリアスに語るのではなく、ユーモアに包んで表現するのはさすが。7点(2004-11-13 16:34:29)

218.  トラック野郎 男一匹桃次郎 むむう、ヒロイン・夏目雅子、ライバル・若山富三郎という実に魅力的なキャスティングなのに、それが十分生かされてない気がする。大体「トラック野郎」というのは、毎回客寄せ的なゲストが登場(本作だとばってん荒川とか)→それを無理矢理話の中にねじ込むから、かなり強引なストーリー展開→だけど最後は桃さんの純情と男気パワーで仏契理(ぶっちぎり)→涙と感動の嵐(ぱちぱちぱち)、というのがパターンなのだけれど、今回はマンネリ気味のせいか、ちょっとパワー不足だったのでは・・・。とはいえ、やはりお約束の一番星疾走のクライマックスでは、ウルッときちゃうんだけどね。6点(2004-11-13 16:26:23)

219.  いま、会いにゆきます 個人的に「泣ける映画=良い映画」という風潮は、あんまし好きじゃない。結果的に泣ける(泣けてくる)のはいいけど、最初から「泣ける(泣くことができる)」作品を期待するのってどーなのよ?と思ってしまう(蛇足だけど、だから僕は「愛は地球を何たらかんたら」のあざとい演出も大っ嫌いなのだ。募金活動の意義は認めないわけじゃないけど)。だから、他の観客が上映開始二十分くらいから鼻をクスンクスンさせてる中「竹内結子、またこんな役かよ!」とか「可愛い子役に『ママァ!』とか言わせて走らせるのって卑怯すぎ!世界条約で地雷と共に禁止すべき!」とか「なんか、世界狭すぎないか?何でこの親子だけで、世界が完結してんの?(後でパンフを読んだら、意図的なものだったらしい)」とか「子供はともかく、いい年こいた大人が死んだ人間が生き返ったことをすんなり認めちゃうってどうよ?」とか、挙句の果てには「まったく、○○くさい話だよなあ。運命の恋なんてねえっつうの!ンなモン幻想だよ、げ・ん・そ・う!」とか、心の中で暴言を吐いていた、のだが・・・ちくしょお、そーゆーオチかよ。そーゆー事だったのかよ。やられた。やられました。でも、悔しいなあ。昔誰かが「チャップリンの映画観ると、泣くんだけど、泣いた自分に腹が立っちゃう」と言ってたけど、正にそんな感じ。素直に「いい作品」と認めるのはちょっとためらわれるなあ・・。あーそうだ、「一面のひまわり」、これも卑怯すぎるぞ。9点(2004-11-12 18:53:37)

220.  死に花 むう・・・平均点下げちゃってごめんなさい。でもどーしても引っかかっちゃった事が一つ。あんな計画をやり遂げるのって相当なモチベーションとか執念とか、或いはルサンチマンが必要だと思うんですよ。だから例えば脱獄モノとかで、自由を得るために穴を掘るってのは、分かります。でもこの作品の場合、主役は高額の老人ホームで悠々自適に暮らす老人たちじゃないですか。一応元銀行員の復讐というのが出てくるけど、それと「最後にもう一花咲かせたい」というのだけじゃ動機が弱すぎるような気がしたんですよね(コメディとしてのパンチがあれば、その辺のリアリティの無さもカバー出来たと思うんですけど)。それにもう少し、老いていくことの哀しさとか、その中での生きていくことの歓びとか、或いは戦前戦後の日本の姿とか、強く表現して欲しかった。犬童監督の前作「ジョゼと虎と魚たち」があまりにも気に入ってるので、ひょっとすると期待しすぎたところがあったのかもしれませんが、これは監督の資質と作品の内容が合ってないような気がします(あ、でもあのラストシーンはちょっと犬童監督らしさが出てたかな)。も少し年長の監督、例えば岡本喜八監督とかの方が良かったんじゃないかなあ。5点(2004-11-12 18:33:41)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS